晴れ、11度、44%
お肉のくずを細かくして、蒸し焼きにしたのが初まりといわれるテリーヌです。脂身で周りを固めていれば、日持ちもよかったはずです。昔の人の知恵で出来たテリーヌが、前菜でもてはやされ、白身の魚やホタテの口当たりのよいスフレのようなテリーヌ、挙げ句は、野菜のテリーヌまで作られています。デリカテッセンのコーナーでは、やはりお肉のテリーヌが主役ですが、レストランのテリーヌは随分進化しているようです。
野菜のテリーヌにも二通りの作り方があります。アスピックゼリーのようにゼラチンで固めるものと、野菜のでんぷん質を利用して圧力をかけて固めるものとがあります。お肉のテリーヌでも蒸し上げてプレスしますが、野菜の場合、軽く火を通した状態でプレスするようです。ゼラチンで固める方が、何となく無難に感じます。
30センチほどもあるテリーヌ型一杯に、野菜を詰めていきます。野菜類は、芯が残るくらいに茹でてさっと水にとり、変色を防ぎます。なにぶんにも、切り口の模様が楽しみです。
外側をキャベツで巻くことで、崩れを防ぎます。 この中に詰めたお野菜、かなりの量です。オクラ、アスパラガス、赤と黄色のベルペッパー、椎茸、カリフラワー。赤と黄色のベルペーパーは、オーブンでグリルして真っ黒になった皮を剥いて使います。生で食べても甘みを感じるベルペッパーは、グリルすると一段と甘みを増します。切り口を想像しながら、一段野菜を詰めては、ゼラチンのブイヨンを注いで冷やします。お肉や魚のテリーヌに比べると、野菜の下ごしらえだけで出来るテリーヌです。
堅すぎるのもうまみがありませんが、 今回は、少し柔らかすぎました。お肉料理の付き合わせに、サラダ代わりに厚めに切って、粒マスタードと蜂蜜のドレッシングで。生野菜よりたくさんお腹に入ります。