曇り、12度、63%
香港島セントラルから山むきに延びるエスカレーターがあります。世界一長いとも言われるエスカレーターです。セントラルから乗って、ものの3,4分で、左手に古い三階建ての細長い中國的な建物がみえます。香港映画「恋する惑星」のロケにも使われた建物です。5年ほど前までは、映画や、テレビの撮影のためだけに使われていました。天井の高い部屋に、道に面して狭いベランダが付いていて、古い香港の普通の人の生活を彷彿させる建物でした。場所は人目につく一等地、香港の土地の高騰です、とうとう、お店がテナントとして入りました。香港にしては珍しい、北欧やイタリアからの椅子やソファー室内インテリアを扱う店です。日本のものでは、柳宗理のバタフライチェアーがあります。今の場所から遠くないところにオープンしたのは10年以上前のこと、主人が、私の初めての携帯に、スウェーデン製の白いフェルトで出来た天使の形をしたケースを買ってくれたお店です。スウェーデンのものなど、当時は本当に珍しい香港でした。
このヒルサイドエスカレータ、主人は朝晩、私など3,4回上ったり下りたりに使います。このインテリアのお店のショーウィンドーに、ちょっとサイケなパグの絵が置かれたのは、先月の終わりごろのことでした。 2階にはパグ、3階にはパピヨン。主人が、値段を調べて来て欲しいとおっしゃいます。毎日通るのに、値段を聞かないままいました。だって、我が家の壁という壁、もう額で埋まっています。私の刺繍、ダリやマチスのポスター、ローランサンのエッチング。飾る場所もありません。それに我が家には、可愛いモモさんがいますからね。
それでも、一応値段を聞くと、日本円で4万を切るくらいです。出張中の主人に知らせると、買いなさいと言って来ました。モタモタしてましたが、昨日、思い切って買いに行きました。キャンバスに描かれたオイルペイントです。デザイナーのサインもありますが、ドイツから輸入したものだそうです。思ったより随分軽いので、ハンドキャリーでエスカレーターを使って我が家に。
さて、どこに飾りましょうね?主人が休むベットの前の壁には、4枚の刺繍の額がありました。80センチ正方もある大きなパグのフォトフレームです。充分な空間はここ以外にありません。
よく見ると、奇抜な色遣いですが、パグの表情がよく出ています。可愛いわね。今晩出張からお戻りの主人、これから毎日、このパグの絵と向き合って眠りに着き、朝一番に目に入るのはこのパグの絵です。でも、ご自分の選択ですから、それもまたいいのでは。パググッズは買わないといいながら、またしても大物のパグの絵を家に持ち込んでしまいました。