晴れ、12度、56%
初めてブッシュドノエルを食べたのは、35年前のクリスマスでした。息子は6ヶ月、初めて親子3人で迎えたクリスマスです。主人が、六本木のルコントに注文して買って来てくれました。当時は、丸いクリスマスケーキが主流の頃、しかも、クリスマスになると何ヶ月も前から冷凍して作られたケーキが、店頭に山積みされていた時代です。ルコントは日本で初めて、フランス人が始めたフランス菓子屋です。あの頃は注文分しか作っていませんでした。お金のない我が家の唯一の贅沢でした。
私が作るブッシュドノエルは、生地は東京池上のピエールのレシピから、バタークリームはコルドンブルーのレシピから採ったものです。このスポンジの生地、卵の黄身が11個も入っています。シロップを塗ることなく、ひび割れもせずに巻けるほど柔らかく、粉が少ないのでとても軽い焼き上がりです。
一方、バタークリームは、モモさんがいますからチョコレートではなくモカのバタークリームです。バタークリームは様々な作り方がありますが、卵の黄身に熱いシロップで火を入れて生クリームも使うこのバータークリームは、ちょっと手間がかかりますが、口溶けがいいクリームです。 メランジュールにかけるには、バターを300gほど使います。ツヤツヤのクリームの出来上がりです。残ったクリームは冷凍庫で保存出来ます。お菓子作りは部分部分を作り、組み立てていく面白さで、料理の面白みとは、また違います。
以前は、メレンゲできのこを作ったりと、飾りにも凝りましたが、 今年は木こりのサンタさんだけです。実は、この木こりのサンタさん、35年前のルコントのブッシュドノエルに付いていたものです。こんな小さなものまで、海を渡って私たちと一緒に香港にやって来ました。ルコントも、しばらく止めていたブッシュドノエルを今年は発売をしたそうです。