晴れ、11度、45%、東京
さくらさくらといっても、種類もいろいろあることぐらいは知っていたつもりですが、咲く時期もそれぞれに違うことを忘れていました。私は、桜を4月の花だとばかり思っていたのですが、3月の花だという方が多いのには驚きました。入学式の時に桜が咲いている、どうも小さい頃見た絵本の記憶が、私には桜が4月の花だと思わせているようです。その入学式も終わった昨日、日本に戻ってきました。
羽田から私鉄を乗り換えて、向かう先は息子家族が住む多摩川にほど近い街です。私鉄の電車は、家並みの中を走ります。家の庭先に、公園に、線路の脇にも桜がまだ残ってくれています。八重桜にいたっては、満開です。しだれ桜は、まだつぼみのものもあります。
駅を出て、緩やかな坂を上ると散り始めた桜の並木が目の前に開けて来ます。ここが歌にも唄われた桜坂の桜です。 先日訪れた時は、ちょうど大雪のあとでした。桜坂と書かれた石碑の周りには、雪が残っていました。そしてその時まで、桜坂が歌に唄われていたことすら、この私知りませんでした。実は、駅からの道々、ここの桜を見に来る人たちと一緒でした。石碑の横で記念撮影する人、道の上の赤い陸橋にも人の姿が見えます。あらあら、ほんとに有名になったのですね。
満開の時とは違って、あの香りはいくら深呼吸をしても香ってきません。それでも、こうして街をうっすらと紅色に染める桜を見ることが出来ました。
桜ばかりではありません、香港では見ることの出来ない花や木に、なかなか足は前に進みません。
かえでは秋の紅葉の時と、春の青かえでの時とでは趣が全く違います。透けるようなかえでの葉の下、ちいさなちいさな赤い花がついています。このちいさな花は、7月にもなるとタケコプターのような面白い形の種と変わります。かえでも、香港にはない木です。
垣根にスズランを小さくしたような花が、 ドウダンツツジも香港では見られません。小さい頃、母に教えられたドウダンツツジは、もっと赤い花でした。その時、普通のツツジとどうしてこんなに違う花なのかといぶかったものです。
巡ってくる季節を感じること、四季を持つ日本ならではのことです。さて、今日はどんな花たちに会えるかしら。