曇、18度、88%
ここ数日、香港は雨と雷でした。香港島の中腹に住んでいるので、雨が降り出すと、すっかり雨のベールに囲まれます。山向きの私のベットにひっくり返っていると、晴れた時は、香港島のピークの稜線と岩肌が見えます。雨が止むと、この岩肌を、降ったばかりの雨がまるで白いさざ波のように波頭を上げて、滑り落ちていく様が見られます。我が家の一帯は昔から大きな地滑りがあってところです。大きなマンションが、ひとつ下の道まで流されたこともあったようです。この岩肌を流れ落ちる水を見ていると、然もありなんと思う次第です。
香港で水の流れる音を耳にすることは稀です。海ですら、寄せては返す浪の音、なんていう風情ではありません。浪の音もありません。南シナ海に面する海水浴場ですら音無の海岸です。そのうえ、川自体がほとんどない街です。運河が流れる街も、川の流れる音がありません。町中が車の音や人の生活音でうるさ過ぎるのかな?とも思います。いえ、やはり、水の流れそのものが少ない街です。
雨上がり、山肌を流れる水を見ながら、窓を開けて耳を済ませばいいようですが、外の湿度は100%。窓を開ければ、後日、カビだらけの壁というしっぺ返しがやって来ます。
土砂災害の多い一帯ですから、水路は沢山作られています。朝走る時やモモさんとの散歩のとき、この水路を流れる水を見て、水音を聞く、不思議に安堵感を覚えます。もちろん、雨上がりの清々しい匂いも胸一杯に吸い込みます。高い木に花をつける白蘭の花の匂いも、この雨上がりに、高い木から静かに甘い匂いを振りまいています。
日本でも報道されていたように、この香港の天候は梅雨ではありません。異常気象だそうです。今日、明日と雨の合間が期待出来そうです。さて、水音と美味しい空気を満喫しに、モモさんと散歩に出かけます。