曇、22度、94%
毎年3月の半ば、お天気は霧がかかったような一日ですが急に気温が上がります。すると、翌朝決まって蝉が鳴き始めます。それがとても下手くそ、しかも長くは鳴けません。でも、また決まって雨が降り寒さが戻ります。ピタッと鳴き止む蝉たちです。沢山鳴く間もなく死んでしまったのだろうと思います。
今年の3月、寒いというより雨が多く、待っても待っても蝉の鳴き声に遭遇しません。4月に入っても鳴かないのは、私が記録し始めて初めてのことです。4日ほど香港を留守にして戻って来たのは11日、12日の朝には、懐かしいジー、、、。ジー、、、。を聞くことが出来ました。お待ちしてましたよ。
香港にやって来た時、息子は10歳。荷物の中には虫取り網、飼育箱、胴乱のようなものまで入っていました。香港の地元の学校の夏休みは、日本人学校より早く始まります。ところがこちらの子供たち、昼間外に遊びに出ることはありません。ましてや、虫取りをしている子供たちを見たことは、この20年以上の滞在中一度もありません。暑い、日に焼ける、そして、なんと大人の男性までがゴキブリすら怖がるお国柄です。それに、やはり治安が問題です。子供を一人で留守番させない、一人歩きさせない、学校からも指示が出されます。我が家の息子も、日本にいた時のように虫に関心を示さなくなりました。そのうえ、ちょうどゲームが流行り始めていました。
私は、ジー、、、。ジー、、。鳴く蝉になぜか惹かれます。かくいう私は、実は虫が怖い人間でした。でも、男の子の母親が虫を怖がっていると子供は虫嫌いになると聞き、一生懸命取り繕って、虫は可愛いね、と言い続けていました。おかげでカブトムシの越冬を家の中でさせたり、アリ地獄の観察に付き合ったり、虫嫌いな私はいなくなりました。
でも、香港の蝉を初めて木の枝に見た時は、その大きさにびっくり。優に4センチ近くもあります。可愛げのない蝉です。頭も大きくて、大きな目でぎょろぎょろ見つめます。大きく2つの種類の蝉がいて、茶色の頭デカと黒い頭がすっと細い蝉です。 黄色の斑点がある黒蝉。鳴き声は、茶色の蝉の方が大きめです。写真は主人が日曜日の散歩の時、撮って来てくれました。
そろそろ鳴き方がうまい蝉も出てきました。これから8月一杯存分に鳴いてくれます。写真は、私が毎朝走るボーエンロードです。6月に入ると朝早くから鳴きしきる蝉の声を聞きながら、木々の間を走ります。セミシャワーです。セミシャワーを聞きながら目をつぶって走る、それはなんとも気持ちのいいものです。もうすぐその時がやって来ます。