チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

アフリカンジャイアントスネール 香港

2014年04月27日 | 香港

晴れ、21度、84%

 香港が暑くなり始めると、私が待ち望んでいるもの、それは蝉の鳴き声と大きなでんでん虫です。蝉は遅ればせながら、4月に入ると鳴き始めました。でんでんさん、雨が降っても出てくる様子もありません。

 香港に来た時、息子は10歳でした。初めての高層のマンション住まい、外に出るのにエレベーターでの上り下りです。随分と土から離れてしまったなあと思ったものです。実際に外に出ても土どころかコンクリートばかり、土の匂いが懐かしくなります。そんなコンクリートだらけのところに早朝、列をなして動いていたのがアフリカンジャイアントスネールというでんでん虫です。日本のでんでん虫とは殻の形が違います。大きさも非常に大きくて、普通でも7、8センチはあります。一度だけ、殻だけのものを見ましたが、15センチほどもありました。でんでん虫が大好きな私は、早速、息子の飼育箱で飼いはじめました。

 でんでん虫が好きだなんて、おかしいでしょうか。それも小さい時に読んだお話のおかげです。まだ存命のベルギーのファビオラ王妃が書かれた童話です。確か、「ふたりのでんでん虫」と題されていたように記憶しています。兄弟のでんでん虫の話です。そのお話のおかげで、でんでん虫を触るのもなんのその。まるで友達気分です。私自身一人っ子だったので、家にいる犬猫はもとより、触れば動くおじぎ草やでんでん虫までが友達でした。少々大きかろうがでんでん虫には変わりがありません。掌にのせていると、慣れて来てあの目玉を2本出してきます。目玉はちゃんと私たちの方を見ているようです。

 この大きなでんでん虫、この10年めっきりと数を減らしました。トンボも少なくなりました。ホタルにいたっては、もう数年見ていません。小さな動物たちには、中国の華南地区から出される空気汚染の影響を受けはじめているのかもしれません。このでんでん虫は空気汚染以外に、人災にも遭いました。

 人災というにはおかしいのですが、香港のフランス料理のブームが起こった頃からです。例のエスカルゴです。早朝に走る私は、雨上がりにでんでん虫を捕獲しにやって来るおばあさんを見ました。捉えられたでんでん虫は市場でも売られていました。数が減る一方です。ところが近年、日本のような丸巻きのでんでん虫が見られるようになりました。大きさも小ぶり。さて、どこからやって来たでんでん虫でしょう。考えるにひとつだけ思い当たります。香港は地盤が岩盤ですから、土砂崩れが頻繁にあります。その為、政府は護岸工事に余念がありません。その護岸工事に使われる土が、どうも中国から運ばれて来ているようです。全く私の推測ですが、おそらくこの土と一緒に、小さな丸巻きでんでん虫が香港に入って来たのだと思います。

 それでも以前のような、数珠つなぎのでんでん虫の行列は見られなくなりました。大きなでんでん虫、よく人に踏まれます。見つけると、必ず道の横に避けてやります。 モモさんの気配で、目玉を引っ込めたでんでん虫です。手前に殻が見えています。

 食べ物に好き嫌いのない私ですが、エスカルゴだけは食べません。それを知っている主人は、周りの方の目につかぬようにそっと私の皿から外してくれます。

 雨上がりの早朝のジョギングは、でんでん虫救済と称して、でんでん虫を道の脇に避ける私の仕事のひとつです。

 

コメント (3)
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