チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

私の桜 多摩川台公園

2014年04月12日 | 日々のこと

曇、21度、91%

 私は、九州の福岡で生まれ、18の時までそこで生活をしました。先日、桜のことをブログに書くと、今は九州にお住まいの方がコメントをくださいました。その方は大阪ご出身、懐かしく思い出す桜は、吉野の桜、造幣局の桜だそうです。ふるさとの桜です。ところが、私が桜のことを思うとき、思い浮かべる桜は、実は福岡の桜ではありません。息子家族が住む近くの桜坂の桜でもありません。

 春になり、さくらさくらと思う頃、この香港で目を閉じて思い浮かべるのは、 こちらの桜です。2日前、汗ばむ陽気の中を息子たちの家から目指したのは、多摩川台公園です。南北に私の足で20分ほどの距離を持つ、亀甲山古墳を囲む、多摩川見下ろす公園です。おとといは、不慣れな南の口から公園に上がりました。南の入り口近くからは、多摩川を渡る私鉄やその向こうには新幹線が木木の間から見て取れます。鉄橋を渡る電車の音を背中に聞きながら、週日の人の少ない公園をゆっくりと歩きました。

 もう散り始めた桜、赤っぽい葉桜になった桜、その下に大きなブルーシートをひいて、場所取りをしている人がいました。私がよく知っていた30年ほど前も、お花見の人で一杯でした。この公園は途中、縦断する道で2つに分かれます。その道の上に架かる橋が、虹橋です。 虹橋にさしかかる前に、公園の管理のおじさんと言葉を交わしました。虹橋を見上げる私に、おじさんは、いい名前だよね、と独り言のように言います。関東大地の大木に囲まれたこの公園、虹橋の辺は鬱蒼としています。虹橋を過ぎると、急に公園が開けてきます。昔慣れ親しんだ北の入り口に近付いてきました。

  ここの桜こそ、私が思い続けた桜です。かろうじて、桜が咲いています。ここの桜は、公園の下を通る時は見上げなくてはなりません。息子が幼稚園に入る日も、小学校に入る日も、この桜は咲いていました。幼稚園に朝息子を送る時は必ずテツという名前の犬も一緒です。幼稚園に息子を入れると、テツと一緒に桜の下を散歩しました。この場所で、自転車に乗れない私が、息子に自転車の乗り方を教えました。雪が積もった翌朝に、新雪に真新しい足跡を付けたのは、息子とテツでした。

 30年前の私は、いろいろな思いを胸にこの桜を見上げ、早朝の桜の香りを嗅ぎました。ここの桜が、私の桜です。やっと会えた懐かしい人のようです。30年、長いようであっという間。

 変わらずに待っていてくれる、来年も再来年も必ず咲いてくれると思うと、それだけで私の心の拠り所になります。

コメント
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