曇、24度、68%
珍しく主人が私の本を見ながら、イギリスのアレクサンダーマッコールスミスという人の本はうちにない?と聞きます。マッコールスミスの本は、香港の本屋に新刊が並ぶ度にその表紙の絵に惹かれて手にとるのですが、奥付を見ると、何分にも多作な作家です。というのも、私の本読みはあくまでの趣味。しかも、読み始めると一人の作家の作品を縦系列に読み続けます。いまでさえ、新刊を待つ英米の作家が7人、これ以上追っかける作家を増やしたくはありません。主人は、マッコールスミスの「コージュロイマンションズ」という本を探しているようです。主人の話では、フェアトレードに関わる実在の小さな紅茶輸入業者「レアティーカンパニー」のことが書かれているといいます。フェアトレード、紅茶、共に私の関心事項です。
そんなわけで、早速本屋へ。流石イギリスでも人気の作家だけあって、行きつけの本屋に頼むと直ぐに見つけてくれました。「コージュロイマンションズ」私のマッコールスミスの読み初めです。
コージュロイマンションズは、ロンドンの一角に建つ、建築的に伝統のあるマンション。そこの各フロアーにすむ住民のエピソードです。普通のロンドン人の普通の生活をデイケンズの話のように書いたものです。その中で、唯一、実在の人物は主人が話していた「レアティーカンパニー」の女主人ヘンリエッタ。たった、数行にしか出てもないのですが、このマッコールスミスが本に書いてくれたことで、この小さな紅茶の輸入業者は有名になったそうです。このレアティーカンパニーのおかげでちょっとまた私の紅茶の考えが変わってきました。その辺はまた次回。
私が現在追っかけているイギリスの作家は、みんな、私より若い人たちです。ところが、このマッコールスミスは、ひと回りほど年上。いやはや、彼の書く英語には、読みはじめ圧倒されました。あー、英語だわ。あー、ブリティシュ。重い英語です。流石に読み進めて行くうちに慣れますが、霧が立ち込めたロンドンを思わせる英語です。それでも、100章にわたるこの小説、すんなりと読めました。というのも、この小説はオンライン小説で、一日に一章ずつ発表されたものだそうです。おかげで、英語自体は重くても、話の切れがうまい具合に読み易く出来ています。
すっかりマッコールスミスにはまってしまいました。コージュロイマンションズシリーズの第2弾、既に、 入手済み。彼の人気のある、ナンバーワン女性探偵社シリーズなんて読みはじめたら止まりそうにもありません。日本でも翻訳物が少し出ているようです。
一体何がきっかけで本を読み始めるのか、今日もまた、ベットの上ごろりとなって読み続けます。