曇、21度、94%
小さくて色が地味な花に惹かれるのは何故でしょうか。今日からイースターの休暇に入る香港です。明るい花をと思って花市に向かいました。いえ、はっきりとスズランを探しに行きました。4月の終わりから5月にかけてヨーロッパを旅行したときのスズランの思い出があります。小さなスズランのブーケをかごに入れて売り歩く人、ヨーロッパならではの風景です。ここ香港で手に入るスズランも、アムステルダムから空輸されてきます。ヨーロッパからの輸入の花を扱う店は限られていますから、脇目も振らず真っ直ぐに。
イースターのムード一杯に、昆明からのチューリップも早咲きの小さなひまわりも沢山店先に並んでいます。花市ですから、一軒や二軒ではありません。街全体がパッと明るいといってもいいほどです。目指すお店の一番奥の棚の上、ここがアムステルダムからの花の定位置です。まだ早いのか、昆明のチューリップとは趣を異にしたチューリップの束ばかりです。その奥にあら、ほんとに珍しくフリティラリアが一束。
日本ではアミガサユリと呼ばれるフリティラリア、この花を知ったのは、随分昔のことです。確かヨーロッパの園芸雑誌で見ました。未だにその切り抜きをもっているほど、網網模様のか細い紫の花に惹かれました。アミガサユリと日本名をもっているのを知ったのは、その随分後のことですから、私にとっては覚え難いフリティラリアがこの花の名前です。
紫の網模様に下向きかげんのこの花の野に咲く様を想像するだけでも愛おしくなります。 求めたフリティラリアの一束には、初めて見る真白い花が2輪混ざっています。
この花の原産は中国だそうです。またの名をバイモユリともいい、根っこには薬効、毒性に近い薬効を持つともいわれています。
ヨーロッパからの長旅で長く持たないのは覚悟の上で求めました。明るいチューリップよりいい値段がついています。良く見ているとやはり東洋的な花です。ヨーロッパの人たちには、この花はどんな思いを抱かせるのでしょう。
このフリティラリアもいつか自分が育ててみたい花のひとつです。