昨夜の娘Rのオアソビ作品は、レモンがなかったので、レモンなしチーズケーキだった。
写真には、レモン味がするか、しないか、まったくわからないけれど。
お味のほうは、なかなか美味しかった。
わたしは幼いころから、母に手作り焼き菓子を作ってもらうのが、家庭のしあわせイメージだと思っていた。
しあわせの匂いは、バターがとける甘い焼き菓子の匂い。
結局、母は超多忙、母親になったわたしは、なまくら、
で、そんな夢は、夢のままだったが、不思議に娘Rが、その夢を実現してくれた。
ただ、家庭のしあわせといっても、かなり変形バージョンとなってしまった。
現在、家には、次々子供たちが成長、自立し、メンバーが激減、
家庭的なあたたかさをあらわす象徴として、お菓子の焼けるいい匂いがするのではなく、
単に娘Rが、お菓子作りが趣味なだけ。
でも、まあいい。
おいしい匂いが充満し、どんな味かな~と、ワクワク。
Rは、泥団子の土のかわりに、小麦粉、泥水のかわりに、バターや、卵、砂糖を使って、粉を混ぜる。
はい、おかあさん、泥団子、どーぞ。
あ、ちがった、チーズケーキ、どーぞ。
子供たちの泥団子、楽しい思い出。
また、思い出すだけで、うるうる涙腺がゆるむ。
「あとは結婚だけやね。はやく、結婚してね」
とRに言うと
「おかあさんと、おとうさん見てると、仲が悪すぎて結婚がいいものだとは思えない」
と、不意に強烈パンチをくらった。
「夫婦で同等に、ものが言える、喧嘩できる、そのために、わたしは経済的に自立できる道を選んだんよ」
「じゃあ、ピンクピンクした、ふんわり家庭のマシュマロちゃんだったら、結婚できた?」
「うんっ」
うーーー。
なんだか、不利なお鉢がまわってきた。
確かに、わたしがいつも言っていることだが、Rが実践するとなると、複雑なものがある。
わたしの希望、それに向かって親子共々、いっしょうけんめい努力すると、
娘たちが非婚になるという、アイロニー(Irony)をもたらすのか。
考え込んでしまった。(この問題は、いつもですが・・・)
おそらく、努力の方向性を間違えたようだ。
(でも、女性が経済的に自立するのは、とても良いことだ)
夫と、ちゃんと取っ組み合いの喧嘩をすべきだった。
でも、チーズケーキは、淵がパリパリして美味しい。
それだけでも、十分かも。
レモンなしの味が、いまのわたしたちの状態をあらわしているのか。
ぎゅっと絞った、きりりとしたレモン効果は、まだまだ先。
問題を先送りにして、また、日曜の夜が過ぎた。
ちょっぴり酸っぱい、後悔の味?
でも、そのとき、そのときは、それが最善の道だと思って、頑張ってきたんだけれど・・・
なにごとも、計算通りにはいきません。
それが、人生。