蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

ゆるく生きるには、それまでが肝心。

2011-03-06 | 人々の風景

立ち読みシリーズ。

昨日は、打ち合わせの時間を1時間も早く勘違いし、早々に着いてしまった。
で、仕方なく、本屋でいつもの立ち読みを。

ああ1時間も・・・
どの本を読めば、時間がつぶれるかなあ・・・と、最初は、渋々、本を取る手も、のろのろ。

たまたま、ホリエモン推薦の帯が目について、手に取ったのは、
ゆるく考えよう~ 人生を100倍ラクにする思考法」だったが、
月間100万PVの、「ちきりん」という人のブログ「Chikirinの日記」を抜粋した内容。

はじめは、ちきりんさんが、男性なのか、女性なのか、何歳なのか、さっぱりわからなかった。
実は、立ち読みだけでは、最後までわからなかった。
プロフィールに、人物イラストがのっているのだが、
ユニセックス的で、こんな男性も、女性も、いるよなあ・・・と思っていた。

まあ、それはともかく、とても面白かった。


ブログネタで出版物を出している人は、とても多い。
1年ほど前に読んだ、オネエ系の「女のしくじり」などもそうだが、
気軽に読める、おちゃらけ系のもの、やわらかいものは、間口が広い。

ちきりんさんの本も、この手の、ゆるゆる、やわらか系かと思いきや・・・
ぜんぜん・・・ぜんぜん違っていて、そのキレの良さに、わたしは、ほんとうに痺れてしまった。

一見、やわらかそうに見える。
落ちこぼれている人を救済するような、慰めるような、癒してくれるような、そんなニュアンスを感じる。
実は、違う。
確かに、ほっと安らぎを覚えるのは確かではあるけれど。
その過程、論理的根拠や説明が、図表を巧みに駆使し、とてもわかりやすい。

わたしが特に、ツボ中のツボだったのは、
「有能な人の有能特徴」で、パソコン機能になぞらえて、有能パターン別に分類され、
有能さを具体的に説明している部分。
いるいる、こんな人。確かにいる。
鋭利な刃物のようにシャープにキレる人、膨大な脳のキャパシティを持つ人、
超高速の理解&処理能力がある人、
情報収集力が並はずれて優れている人
膨大な量の資料の数字や文字の読み込みを、長時間、ものすごいバイタリティでこなす人
・・・・などなど・・・・・

そして、有能でない人に対するアドバイスが、また、とても端的でわかりやすく、深く深く、大納得した。
まさしく、わたしなど、有能でない人(=無能)の、典型的なタイプなもんで・・・。


また、コミュニケーション相互・理解力についても興味深かった。
お互いが言っていることを(擬態語、擬声語を含めて)ちゃんと認識できるか
(賛同するかどうかは別として)、その相互・理解度を分類、分析されている。
必ずしも、双方が完全に理解でき合えるとは限らないということを、知ると知らないとでは、
コミュニケーションの仕方にも、ストレスの感じ方にも、大いに関係がある。

さらに、こういう項目もある。
やりたいこと、やるべきこと、ヒマだからやっていること、
あるいは、趣味、仕事、家庭の3つの要素を、
人生の縦軸横軸の図表から、わかりやすく説明されているのを読むと、
日頃、わたしが、ぼーーっと考えていることを、理論的に端的に示してくれて、
胸のつかえ、もやもやが取れたような気になった。


あとで、ブログを読んでみると、さらに、もっともっと、いろんなことが書かれていて、
長い間考えていても答えがあいまいだった出題の、模範解答を見るようなかんじ。
「ライターとカメラマン」の記事も、
わかりやすい例を踏まえ、よくご存じで、無駄なくきっちり、うまく書かれていると感心した。
ホリエモンが推薦文で書いていたように、100人の上司の訓示より、ずっとずっと、アタマとこころに響く。


この方、とても優秀な方。
優秀な方が、そのキャリアを自慢することなく、経験や実践、努力から得た、磨かれたノウハウ、思考法を
イヤミなく、さらりと、やさしく、伝えている。
リアルとネットとの使い分けも、とても明確で、今後の方向性もしっかり検討されている。

こんな上司が身近にいたら(女性のようですが)、めろめろになりそうだが、
悲しいかな、こんな優秀な人材が働いている職場には、わたしには、縁がない。
遠くから眺めて、ちょっとエッセンスに触れ、ぴりりと刺激になればいい。

ちきりんさんが、ブログでおっしゃっていたが、「感じること、思うこと」と、「考えること」は、別。
この分け方が、とても気に入った。

ちきりんさんの言っていることを鵜呑みにして、全て正しいと信じ込むのではなく、自分の考えを持つべき。
いろんな優秀な人の考えに触れられる機会に恵まれて、ラッキーだ。


ううーーーん、やはり、秀才と凡才、さらに、落ちこぼれとでは、
持って生まれたアタマの違いは、とてつもなく大きい。
当たり前のことをいまさら・・・ですが。
(自分と比較しようなんて、そもそも、大それたこと)


「ゆるく生きる」というのは、一部のエリートが言うことだ、とヒネくれる人もいるだろうけれど、
そういう人は、いまの過酷な状況や、満足のいかない状況だけでしか、ものごとが見えない、
余裕がなくて考えられないのだろう。
それはそれでわかるが、そう否定的にならず、その経緯や考え方に触れることで、
発想の転換や、なにかを生みだすキッカケになるかも。


ただし・・・「ゆるくても、いいんだ~」と、努力もチャレンジもせず、はじめっから、ゆるかったら、
怠ける自分の自己肯定の材料にするだけになる。

有能なエリートが努力とチャレンジの結果、辿り着いた結論を、
無能で怠慢な非エリートが、勘違いして、
自分も同じように、と、結論だけを安易に自分の人生に取り入れるのは、大きな大きなまちがい。

ゆるく生きるには、最初から、ゆるゆるではなく、その境地にたどりつくまでの経緯が大事だ。

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あああ、なんて、長くなってしまったんだろう。
短くまとめる能力も、能力のひとつ。。。と、しみじみ思う・・・わたしです。