蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

気分が悪い時代劇

2019-06-21 | わたし
友人からのメールに、初めて目にする言葉を発見した。
(「知人」ではなく、超、珍しく「友人」。でも一方的自己認定)
「トーナリティ」って、何かなあ?と、ググッてみた。
音楽用語に属するかんじか。

「トーナリティ」は「主音または中心音が存在する性質」という抽象的な意味であって、「中心音」そのものということではない、、、らしい。
音楽用語ちんぷんかんぷんのわたしとしては、「基調」のようなものかと、自己解釈した。
あんまり、理解していないけれど。

芯があるが、芯そのものは、一人一人違っていてオリジナル。
芯がない人もいる、ということか。
あるいは、芯がいっぱいある人もいる、ということか。
芯がいっぱいあるのは、なんでも受け入れ、なんにでも対応できるかのようだが
芯がないのと同じなのではなかろうか。


話は変わるが、
ロシア文学で、貴族の若者が自分は労働しないで民衆の搾取の上に生きていることを苦悩するシーンが冒頭に来る作品があった。(記憶違いだったら、ごめんなさい)
桜の園?(1904年 チェーホフ最後の作品らしい)
作品は読んでないが、字幕スーパー入りで、劇場で生で劇を観たことがある。(観劇と書けば一言で済むのに、、、作品そのものは戯曲のようだ)
最初だけ観て、時間の関係で途中で帰ったような気がするが、記憶が曖昧である。

解説をつまみ読みすると、社会体制の変換による斜陽族の生き方、みたいなかんじか。
古い価値観に縛り付けられ、新しい時代に柔軟に対応できなかった、元上流階級の没落と苦悩を描いているようだ。

時代は変わると価値観も変わる。
価値観が変わることが、時代が変わるということなのか。
日本でも、第二次世界大戦、戦前戦後でガラリと変わった。
明治維新なんぞは、もっと激変だ。
歴史を紐解けば、古代、中世、近代、現代で、これまたコロリと変わる。
(じつに、あっさり書いている)

今、ドラマ、初代、水戸黄門(40年ぐらい前?)が再放送され、夫はいつも見ている。
夫の父も水戸黄門が大好きだった。
夫の祖父も、大衆時代劇が大好きだった。
直系の血が騒ぐからか、仕方ないが、わたしは大嫌いである。
全身の血が逆流する。

水戸黄門は、他の時代劇よりは少しマイルドでマシかも知れないが、いつもワンパターン。
悪人お代官様やら悪徳商人が成敗され、やっつけられる。
時間内にするっと起承転結が収められているので、安心して見ることが出来るのだろう、が、、、。
(どのドラマもそうだが)

いつも、亭主のことを「お前さん」と呼ぶ、江戸在住の人足か人夫か、農民ではない、街で暮らす町人の妻。
どの妻も全員、夫を「お前さん」と呼ぶ。
ワンパターン。
そこへ、か弱き女性の身分の低さや苦境に付け込んで、強引に言い寄る権力者。
このシーンが何度も放映される度に、わたしはものすごく気分が悪くなる。
パワハラとモラハラとセクハラを同時に受けた被害者意識を感情移入してしまう。
虫眼鏡で見てもわからないほどの小さな文字で、「ドラマ内に一部、ふさわしくない表現が出てきます、云々かんぬん」と画面に表示される。
表示すればそれで許されるわけか?

「わたしは、強盗です」と懺悔したら罪は償われるのか?
罰を受けて初めて償われると思うが、時効というものや、当時の社会風潮もある。
タバコにしてもそう。
夫が観ていた、直近テレビドラマでは、マンションの隣の部屋に住む人がベランダでタバコを吸って、それが原因で嫌煙殺人事件が起きていた。
事務所内でモクモク、全員がタバコ吸いながら電話しているシーンなどとは、隔世の感。
そんな感じで、40年の月日は価値観を大きく変える。
ドラマ「水戸黄門」が、大嫌いである。
これでもか、これでもか、と時代錯誤表現に、体調を崩すほどに(盛り表現、入ってます)嫌悪感に見舞われる。

娯楽番組ひとつを取っても、これだけ価値観や世の流れ、感覚が違っている。
まして、昨日まで権力があった人々が、新しい勢力と、ころりと入れ替わる。
そうやって歴史は繰り返されている。

姑などは、古い価値観を固守し、自分の生きる源にしている。
時代が変わり、価値観が変わっても、お年寄りは価値観を変えない。
生きた証なわけで、当たり前だと思うが、肯定スタンスを余儀なくされる聞き役は、非常にハードである。
水戸黄門以上に、内臓が逆流しそうになる。

価値観は、人に強要したり、強制したりするものではない。
自分とは違う、別の価値観が存在することを認める、一人一人価値観が違うことを認める、そんなユルイ肯定はするが、内容そのものにアタマから同調することはない。

時代が変わると価値観も変わるが、かつてのように、皆、一色というわけにはいかないだろう。
自分の価値観は何だろう?と、自分を見失う人もいるだろう。
逆に、固執する人もいるだろう。
書けば書くほど薄まっていくかんじがする。

〆はないなあ、と。
起承転結、まとめられない。
まあこんな日もある。
(常套句、安易に乱用、多用してます)