雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

初めての喫茶店 ・ 心の花園 ( 16 )

2012-11-30 08:00:36 | 心の花園
        心の花園 ( 16 )

          初めての喫茶店


何だか疲れを感じて喫茶店に入る。
マスターとアルバイトらしい中年の女性だけの小さな喫茶店だ。
こんな小さな喫茶店はあまり利用しないのだけれど、何だかとても疲れたものだから、見知らぬ喫茶店に入ってしまったけれど、よせばよかったかなあ・・・


どうしたのです?
疲れたというより、精神的に少し参っているみたいですね。
心の花園に「ニゲラ」って花が咲いていますよ。
ニゲラの花言葉は「当惑」です。
何もあなたの気持ちを揶揄するつもりなどありませんが、少し弱気になっていませんか? だって、いくら初めての喫茶店だからって、当惑するほどのことはありませんよ。

ニゲラって、難しい名前ですよね。南ヨーロッパなど地中海沿岸地方に自生する一年草で、細い針状の葉から白や青や紫の花をのぞかせる姿は幻想的なのですが、何だか堅苦しいような名前なのは、学名をそのまま使っているためなのでしょうか。
ニゲラというのは、ラテン語の黒という意味ですが、花のあと結実して黒い種を付けることから来ていて、クロタネソウという別名もあります。

この花の名前について、ちょっと面白い話があるんですよ。イギリスでは、love in a mist(霧の中の恋)と呼ばれることがあるそうですが、一方では、devil in a bush(茂みの中の悪魔)とも呼ばれるそうです。
気持ち次第で、同じ花でもこれだけ違う見方がされるんですよ。

ゆっくりとコーヒーでも味わって、元気を出して下さいよ。
そうそう、ニゲラには「不屈の精神」という花言葉もあるんですよ。
コメント
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