『 頭が痛い?マイナンバーカード 』
トラブル続出の マイナンバーカード
なりふり構わず 推進しても
国民の多くが メリットを感じない限り
定着は 難しいのではないだろうか
そうした中で カードの券面刷新を 2026年中にも
プライバシーに配慮した内容に 見直す方針とか
今持っている人は どうなるのかな?
要は いくら注意を払っても 人的ミスは避けられない
それを容認するように 国民に伝えることが
必要な気がするのだが・・・
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『 去る皇后と日の出の新中宮 ・ 望月の宴 ( 81 ) 』
定子皇后は、三月三十日に宮中を退出なさるにつけても、しみじみと悲しいことなどをたくさん天皇に申し上げられて、御袖を幾重にもお濡らしになる。
そして、心底から、月の障りがふつうでなくなったことを、まことに情けないことだと、さも悲しげに心細い思いであるとお思いである。このように考えることは、良くないことと思いながらも、ますます嘆かわしくなられるのをどうすることも出来ないご様子である。
その後は、ほとんど食事もお取りにならず、ただただ、夜も昼も涙を溢れさせていらっしゃるので、帥殿(ソチドノ・定子の兄の伊周)も中納言殿(弟の隆家)も、これは一大事だと憂いていらっしゃる。
ただ御祈祷の事ばかりをお支度なさろうとするも、さてどういうわけか、世間に多少とも知られ、そこそこ名僧といわれる人などは、この一門と親しい様子を見せることは厄介なことと思って、お召しの使いをお出しになっても、あれこれ差し支えがあると申して、簡単には参上しない。かといって、他の僧を招くとしても、まるで人に知られていないような者では、その果報は拙く、効験などおぼつかないであろうから、御祈祷を思う存分にして差し上げられないのが、まことに残念だとお嘆きである。
賀茂の祭や何やらと世間はわきたっているが、定子皇后のご一門にとっては、すべて無縁の事と思わずにはいられないのも哀れなことである。
僧都の君(定子の弟、隆円)、清照阿闍梨(セイショウアザリ・定子の母方の叔父)などばかりが、皇后の夜居(ヨイ・僧が徹夜で付き添い加持すること。)に侍しておいでである。
定子皇后は、その皇子や皇女のお世話をなさりながらも、ご自身はいつまでの命かと、それを知る涙にくれていらっしゃるのも痛々しいことである。
( 「それを知る涙」は、「 世の中の 憂きもつらきも 告げなくに まづ知るものは 涙なりけり 」という古今和歌集/読人しらず、を引用している。 )
一方、新中宮(彰子)は、四月三十日に宮中にお入りになった。
その御有様は推察されたい。御輿の有様をはじめ、何もかも新しい物ばかりで、御裳を着用なさっていて、御髪上げ(ミグシアゲ)をされて御輿にお乗りになるご様子など、すべてがこのような御身になられるべく生まれついたのだと思わせるものであった。
このようにお若くいらっしゃる間は、可憐で美しくおいでなのはふつうのことであろうが、すでに高貴な風情を備えておいでなのは、まことにご立派なことである。
この度は、藤壺の室内の装いとして、大床子(ダイショウジ・天皇や中宮が腰掛けるための台(椅子)。地位の象徴で、立后時に宮中より贈られる。)を立てたり、御帳台の前に狛犬(中宮の象徴として、狛犬と獅子の一対を御帳台の前に置いた。)などが置かれているのは、特別なことではないが目を奪われる。若い女房たちは、まことにすばらしいと見ている。
火焚屋(ヒタキヤ・衛士が火を焚いて見張りする小屋。)が土御門殿(彰子の里邸)の御庭にあって、まるで絵に描いたようであったが、この藤壺の御庭では、これが少し趣向がことなった感じがするのも、目新しさのためであろうか。
この度は、女房の唐衣なども身分によって分けられていて、その区分がはっきりしているのが、いかにも気の毒だという者もいる。
全員がほぼ一様の衣装であった時には、特に目立つこともなかった織物の唐衣などが、今見ると、文様がはっきりと浮き立っているのが立派に見えて、織物を着用できない身分ながら人柄などは決して悪くない人が、許された範囲で心の限りを尽くしている無紋(織物ではあるが、織文様がない絹。)の唐衣などは、まことに見栄えがせず残念なことである。
女官(女房の下で雑務に従事した。)なども、辺りに人もいないかのように振る舞っているのも、かえって新中宮の身分にふさわしいように見える。
帝がお見えになって御覧になり、「これまでは、気やすい遊び相手とお思いしていたが、この度は大変高貴な御有様なので、畏れ多い感じが加わって、勝手な振る舞いが出来なくなってしまった。それにしても、初めてお逢いしたした頃からすると、この頃はすっかり大人らしくなられましたものだ。何かご無礼でもあれば、お叱りを受けそうなご様子だ」と仰せになられるので、伺候されている女房たちは、声をひそめてたいそう笑いをこらえているようである。
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