雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

不愉快なニュースだらけ

2025-01-23 18:20:05 | 日々これ好日

     『 不愉快なニュースだらけ 』

   フジテレビが大変
   「紺屋の白袴」状態なのか マスメディアの本職にしては
   あまりにもひどい 記者会見だった 
   不愉快な事件を どう収束されるのか
   企業生命が掛っている ような気さえする
   このニュースに 隠れ気味だが
   兵庫県政も大変
   がたがた状態だが こちらも どう収束に至るのか
   幸い 県職員の方々のおかげで
   県民の生活に 何の影響もないようだが・・

                 ☆☆☆


   

   

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蕪にまつわる奇談 ・ 今昔の人々

2025-01-23 08:00:24 | 今昔の人々

     『 蕪にまつわる奇談 ・ 今昔の人々 』


東国に向かう一人の男がいた。
いずれの国かは分らないが、ある郷に通りかかると、どうしたことか突然淫欲が起り、気がふれるほどに女が欲しくなり、どうしても心を鎮める事が出来ない。
辺りを見れば、ずっと畑が続いていて、青菜が生い茂っているばかりである。
十月のことなので、蕪(カブラ)の根が大きくなっていた。
この男、急いで馬から降りると、その畑に入って、蕪の根の大きなのを一つ引き抜いて、刀で穴を彫り、その穴に交接して思いを遂げた。その蕪の根は、そのまま畑の中に投げ棄てて、過ぎ去っていった。

その後、畑の持ち主は、青菜を収穫する為に大勢の下女や、まだ幼い女子供なども連れて来て、青菜を収穫していたが、十四、五歳ほどでまだ男を知らぬ娘が、一人で垣根の辺りで遊んでいたが、あの男が投げ棄てていった蕪を見つけた。
「穴を彫っているいる蕪だなんて、なにかしら」などと言いながら、しばらくもてあそんでいたが、しなびたこの蕪を掻き削って食べてしまった。
やがて、収穫を終えた一同は引き上げていった。

この後ほどなくして、この娘は何とはなく気分がすぐれないようで、食事も進まず、病気らしいので、「どうしたのだろう」などと心配しているうちに、何と妊娠していたのである。
父母は大変驚き、「お前はいったい何をしたのだ」と責めて問いただしたが、娘は、「わたしは、男の人のそばに寄った事もないわ。ただ、いついつの日、ひからびた蕪を食べたことがあり、あれから体調が悪くなったの」と言ったが、父母は納得出来ず、家の者や使用人などに尋ねたが、娘が男と逢っているような気配は全くなかった。
不思議に思いながらも、いつしか月満ちて、苦しむ事もなく玉のような男の子を生んだ。

こうなったうえはどうすることも出来ず、父母はこの子を育てていた。
一方、東国に向かったあの男は、その国で数年過ごし任務を終えて上京することになり、大勢の供を引き連れて帰る途中、例の畑の所を通り過ぎようとしたが、あの娘の父母も、十月の頃なので、青菜を収穫しようと使用人などと共に畑に出ていた。
男は、その畑の横を大きな声で従者と話しながら通りかかった。
「おお、そうだ。先年、東国に下るときもここを通ったが、どういうわけか、にわかに情欲が起きて、どうにも辛抱出来なくなって、この畑に入って、大きな蕪を一つ取って、それに穴を彫って、それでもって思いを遂げて、それをこの畑の中に投げ棄てていった事があったなあ」などと、大声で話すべきことでもないような事を話していた。
ところが、畑の中にいた娘の母親は、それを聞くと、娘が言っていた事を思い出して気にかかり、畑から飛び出すと、「もし、もし」と呼びかけた。

男は、蕪を盗んだ事を咎められるのだと思って、「いやいや、今のは冗談ですよ」と言って、立ち去ろうとしたが、母は、「とても大事な事があります。何としてもお聞きしたい事があります。どうぞお話し下さい」と、泣きそうな声で言う。
男は、「何かわけがあるのだろう」と思い、「別に隠すほどの事でもありません。それほど重い罪を犯したとも思っていませんが、何分、凡夫の身ですので、確かに、これこれの事がありました。それを、どういうわけか、つい口にしてしまったのです」と話した。

母はこれを聞くと、泣きながら男の手を取って家に連れて行こうとした。男は不審に思いながらも、何故か拒絶も出来ず、家に連れられていった。
家に着くと母は、「実は、然々の事がありましたので、その子供とあなたとを見比べようと思ったのです」と言って、その子を連れてきたが、見れば、この男と露ほどの違いもないほど似ていた。
その時、男も深く心が打たれ、「このような前世からの因縁もあるのですねぇ。これから、どうすればよいでしょうか」と尋ねた。
母は、「もはや、あなたのお心しだいです」と言うと、子供の母を呼んで会わせたが、身分の低い者ではあるが、とても美しい。年も二十歳ほどである。子供も五、六歳でかわいらしい男の子である。
「私は、京に帰ったところで、父母も親類もいない。それに、これほど深い因縁で結ばれているのであれば、このお方を妻にして、ここに留まることにします」と答えた。

そして、男はそのままその地に残り、その娘を妻として住みついたという。
まことに奇怪な話ではあるが、こういう前世からの縁もあるのかもしれない。

     ☆   ☆   ☆

      ( 「今昔物語 巻二十六の第二話」を参考にしました )

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