ちょっぴり『老子』 ( 41 )
柔弱は剛強に勝る
柔弱が剛強に勝つ道理
「 将欲歙之、必固張之。将欲弱之、必固強之。将欲廃之、必固興之。将欲奪之、必固與之。是謂微明。柔弱勝剛強。魚不可脱於淵。國之利器、不可以示人。 」
『老子』第三十六章の全文です。
読みは、「 之をちぢめんと将欲すれば、必ず固(シバ)らく之を張る。之を弱めんと将欲すれば、必ず固らく之を強くする。之を廃せんと将欲すれば、必ず固らく之を興る。之を奪わんと将欲すれば、必ず固らく之に與(アタ)う。是を微明(ビメイ)と謂う。柔弱は剛強に勝つ。魚は淵より脱すべからず。國の利器は、以って人に示すべからず。 」
文意は、「 (『道』は ) 之 ( 萬物 ) を縮めようとするときには、必ずその前にしばらく之を膨張させる。之を弱めようとするときには、必ずその前にしばらく之を強くする。之を廃(スタ)れさせようとするときには、必ずその前にしばらく之を繁栄させる。之を奪おうとするときには、必ずその前にしばらく之に与える。こういうやり方は、実に微妙でしかも効果が明らかなので、これを微明という。こういう働きがあるから、一見負けそうに見える柔弱なものが、一見勝ちそうな剛強なものに勝つのである。魚は淵から出てはいけない。( 出れば捕まえられる。) 同様に、国を守り治める利器は、むやみに人に示してはならない。( いったんそれを示したら、その効力を失い、かえって災いを招く。) 」
「将欲」とは、以前にも登場している言葉ですが、「・・しようとする」といった意味です。
「固」とは、「しばらく。いっとき」といった意味のようです。
柔弱なものが剛強なものに勝つのは、縮むものがその前には膨張するように、『道』という自然の道理が働いているからだということのようです。
伝家の宝刀
「伝家の宝刀」という言葉がありますが、この言葉には、みだりに抜いてはいけないという意味が強く込められています。
後半部分は、まさにそのことを教えています。
スケールの大小はともかく、この章の教えるところは、私たちの日常生活の中でも役立てるべきもののように思われます。
何事につけ、いつまでも拡大し続けるはずはなく、縮み続けるものでもないということは、客観的に文字で見ればよく分かることです。しかし、日常生活となると、それも自分のこととなると、なかなか自らを制御させることは難しいことです。
そして、自分の利点を得々と披露することの無意味で空しいことは、分かっていてもなかなか抑えきれないものです。完全ではなくとも、少しでも控えることを身につけたいものです。
★ ★ ★
柔弱は剛強に勝る
柔弱が剛強に勝つ道理
「 将欲歙之、必固張之。将欲弱之、必固強之。将欲廃之、必固興之。将欲奪之、必固與之。是謂微明。柔弱勝剛強。魚不可脱於淵。國之利器、不可以示人。 」
『老子』第三十六章の全文です。
読みは、「 之をちぢめんと将欲すれば、必ず固(シバ)らく之を張る。之を弱めんと将欲すれば、必ず固らく之を強くする。之を廃せんと将欲すれば、必ず固らく之を興る。之を奪わんと将欲すれば、必ず固らく之に與(アタ)う。是を微明(ビメイ)と謂う。柔弱は剛強に勝つ。魚は淵より脱すべからず。國の利器は、以って人に示すべからず。 」
文意は、「 (『道』は ) 之 ( 萬物 ) を縮めようとするときには、必ずその前にしばらく之を膨張させる。之を弱めようとするときには、必ずその前にしばらく之を強くする。之を廃(スタ)れさせようとするときには、必ずその前にしばらく之を繁栄させる。之を奪おうとするときには、必ずその前にしばらく之に与える。こういうやり方は、実に微妙でしかも効果が明らかなので、これを微明という。こういう働きがあるから、一見負けそうに見える柔弱なものが、一見勝ちそうな剛強なものに勝つのである。魚は淵から出てはいけない。( 出れば捕まえられる。) 同様に、国を守り治める利器は、むやみに人に示してはならない。( いったんそれを示したら、その効力を失い、かえって災いを招く。) 」
「将欲」とは、以前にも登場している言葉ですが、「・・しようとする」といった意味です。
「固」とは、「しばらく。いっとき」といった意味のようです。
柔弱なものが剛強なものに勝つのは、縮むものがその前には膨張するように、『道』という自然の道理が働いているからだということのようです。
伝家の宝刀
「伝家の宝刀」という言葉がありますが、この言葉には、みだりに抜いてはいけないという意味が強く込められています。
後半部分は、まさにそのことを教えています。
スケールの大小はともかく、この章の教えるところは、私たちの日常生活の中でも役立てるべきもののように思われます。
何事につけ、いつまでも拡大し続けるはずはなく、縮み続けるものでもないということは、客観的に文字で見ればよく分かることです。しかし、日常生活となると、それも自分のこととなると、なかなか自らを制御させることは難しいことです。
そして、自分の利点を得々と披露することの無意味で空しいことは、分かっていてもなかなか抑えきれないものです。完全ではなくとも、少しでも控えることを身につけたいものです。
★ ★ ★
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます