マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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上仁興八日講の勧請掛け

2011年01月03日 09時18分35秒 | 天理市へ
勧請縄、あるいは綱掛けとも呼ばれるカンジョウカケの行事は村に災いをもたらす悪霊が入ってこないように結界をも意味する道切り、あるいは川切りの行為とされている。

県内では山間部、あるいは山中に近い地域などで数多く行われている。

本来は年頭の行事であったのが年末に一本、年明けにもう一本を掛けている地域がみられる。

天理市の苣原町、藤井町がそれにあたる。

また桜井市小夫もそうであって、仏式行事と神社行事が混交したものではないかと考えられている。

仁興町ではそのような形式で毎年行われている。

上仁興では12月8日と1月の七草元座講の日と決まっているが下仁興では日程に変化がみられる。

朝早くから集まった四社神社の宮本六人衆は手際よく勧請縄を作っていく。

藁縄を撚って長くした。

4列4段の房飾りは間に松が差し込まれている。

かつては福を呼び正月を迎える目出度い木のフクラシを使っていた。

その木がなくなったことから止められたが御幣は中央の頂点に挿している。

出来上がった勧請縄は集会所にある本尊の前に置いて般若心経を唱えた。

村の平安を祈り、五穀豊穣を祈願するのだという。



それを終えたら下仁興の九頭神社下の道の滑車に取り付けた。

川から遡上する悪病(伝染病)が入ってこないようにと川切りをしていたが、いつのころからか道切りになった仁興町。

長老が話すにはここら辺りで勧請縄を掛けるのは川が西に流れている地域だけだという。

だから笠地区にはそれが見られないのだと話す。

(H22.12. 8 EOS40D撮影)