平成22年1月6日からはじまった「やまと彩祭」は12月29日をもって終了した。
シリーズに掲載した行事地の数は56にもなるが、毎週の水曜日の連載で48回になった。
数が合わないのは一つの記事で複数の行事地を紹介したからだ。
企画段階ではモノクロ写真だったが、掲載段階でカラー写真が採用された。
大きな誌面に大きな映像はあっと驚く。
小さなサブ写真にも引き寄せられる。
毎回の見出しやキャプション付けが嬉しい。
作品のタイトルにもなるであろう見出しの言葉。
上手いことつけるもんだと毎回のように感心した。産経新聞社奈良支局に感謝する。
最初の記事がでたときのことだ。
山添の切幡でオコナイの取材していた。
お堂に集まった住民の一人が新聞記事を持ってきていたのだ。
「あんたの書いた記事でっしゃろ」と見せてくれる。
切幡は過去にも取材しているが持ってきた記事は同村の菅生の山の神。
「あの人も、この人も知っている」とそっちに話題が移ったことを思い出す。
行事をされている親しい人のお顔が登場すれば親近感を覚える。
秋祭りに行ったときには「全編切り抜きをしているのですよ」と伝えてくれた人も居た。
全編切り抜きしている人の声を耳にすることは多くある。
ありがたいことだ。
面白いのは他社の新聞記者が見ていることだ。
「拝見して勉強していますよ」の声も多い。
毎週、毎週の記事はたいへんだった。
掲載される時期に合わせて各地域の行事を紹介する。
はじめるにあたって年間計画を立てた。
それはある地域に集中せずに分散したかったからだ。
できうる限り奈良の全域に亘って紹介したかったのだ。
そのようにしたつもりでもやはり集中した市町村がある。
地区が異なるので良しとしたが、いたしかたがない。
ちなみにトップの5件は天理市と山添村に奈良市の中央平坦部だ。
4件が橿原市と奈良市の都祁地域。
3件は葛城市、大和郡山市、桜井市の山間部に奈良市の山東部。
こうしてみると取材地がそこに集中していることがわかる。
2件の地域は多い。
安堵町、川西町、桜井市平坦部、高取町に天理市の山間、宇陀市の室生地域となる。
1件ずつとなった地域は香芝市、五條市、御所市、曽爾村、十津川村、東吉野村、平群町、三宅町、吉野町となる。
紹介できなかった市町村はまだまだある。
そちら方面の方には申し訳ないと思う気持ちでいっぱいだ。
記事の文の予定稿は地域の方に事前確認をとったことが多い。
取材当日の聞き取りに誤りがある場合があるからだ。
誤記が見つかったケースもあるし、追加の情報を得られた場合もある。
できうる限り反映したかったが記事文はおよそ800文字。
多めに書いて新聞社で無駄分を削り取ってもらった。
これもありがたいことだった。
しかしだ。
記事が発行されてから間違いだと指摘されたケースがある。
東安堵のナナトコ参りの曲名が間違っていた。
シンバンドーをシンパンドーと書いていたのだ。
濁る字が正しい。
事前確認をしてもらっていたがそのときも気がつかなかった。
お詫びを申しあげたところ「それはわかっていたが、そんなんかまへん」と。
「そんなことより紹介してくれたんがうれしいんや」と話す。
染野の八朔法要では藩主の名前を間違った。
本多正勝でなく本多政勝が正しい。
恥ずかしいことがときおり発生してしまった。
この場をお借りしてお詫び申しあげる次第だ。
愛読者や地域の人から「奈良大和路の年中行事のような本はいつ出るんや」と言われることが多々ある。
「来年も続くんだろう」とも言われる。
それは「今のところはない」と返答している。
その件についてはどなたか心ある編集者の登場を待たなければならない。
掲載日 見出し 行事地域・名称
1月 6日 ドウドウ・・・綱担ぎ走る 山添村菅生の山の神
1月13日 戦の神様守る宮座五人衆 川西町下永八幡神社のヨロイ吊り
1月20日 アカゴハンで狐に施し 奈良市北椿尾町の寒施行
1月27日 年頭に宮座の結束固める 香芝市下田鹿島神社の結鎮祭礼
2月 3日 激しく響く枝を打つ音 天理市苣原町のダンジョ
2月10日 かみさんと共に飲食 川西町北吐田の荘厳
2月17日 久しぶりのお米集め 山添村勝原の子供涅槃
2月24日 オヤ叩き一歩大人へ 山添村勝原の子供涅槃
3月 3日 住吉大社から毎年の使い 橿原市大谷町畝火山口神社の埴土取り神事
3月17日 「せんごくー」で宮座入り 奈良市中山町八幡神社の荘厳
3月24日 日本で唯一残る「語り芸」 奈良市茗荷町天満神社の田原の祭文
3月31日 シンコモチで豊作祈願 奈良市山町八坂神社の神武祭
4月 7日 天空の神地で豊作祈る 高取町丹生谷船倉弁天神社の御田祭
4月14日 成長願う変わらぬ祈り 天理市東井戸堂町のハツオサン
4月21日 桜の下集い はずむ会話 曽爾村小長尾の岳のぼり
4月28日 細く長く・・・守り続ける 橿原市古川町の農神祭
5月 5日 子供の成長、五穀豊穣願う 天理市新泉町素盞鳴神社の新泉の野神祭り
5月12日 自家製甘茶でおもてなし 桜井市高田の花まつり
5月19日 水の神さんに豊作を祈る 奈良市都祁南之庄町都介野岳龍王神社の毛掛籠
5月26日 存続危機にもがんばる 奈良市三条添川町・紀寺町のノガミサン
6月 2日 ありがとう命の水 東吉野村小宗社丹生川上神社の水神祭
6月 9日 感謝の祈り 3日間 桜井市瀧倉の豊作のヨロコビ
6月16日 農作業も中休み 天理市岩室町観音堂の十八夜
6月23日 田畑で味わう郷土料理 奈良市茗荷町ホウの葉弁当
・都祁南之庄町のカシワメシ
7月 7日 短冊鮮やか 静寂の森 葛城市太田棚機神社のタナバタサン
7月14日 茅の輪迎える夏祭り 桜井市初瀬素盞雄神社のゴッテラサン
7月21日 元禄から続く神事 葛城市當麻・菅原神社の天神講
7月28日 蚊取り線香ズラリの日 奈良市西大寺芝町芝八幡神社住吉さんのお祭り
8月 4日 心清める水 平群町鳴川千光寺の滝祭り
8月11日 シンバンドーの鉦の音 安堵町東安堵安土墓地のナナトコ参り・先祖法要
8月18日 稲の豊作祈って 桜井市修理枝八王子神社
・奈良市上深川町八柱神社の風祈祷
8月25日 闇夜に浮かぶ灯り帯 五條市東阿田町八幡神社の八朔スズキ提灯
9月 1日 水守った先人に感謝を 葛城市染野傘堂の大池の八朔法要
9月 8日 女性だけの食事会 奈良市都祁相河町の薬師ごもり
9月15日 厳かに儀式引き継ぐ 天理市杣之内町木堂の八王子の秋の彼岸講
9月29日 「オヤ」と「コ」力あわせて 天理市南六条町北方三十八神社
・滝本町桃尾の滝の頭家渡し
10月 6日 振り上げ神事静々と 三宅町石見の祭祀講
10月13日 ジャラジャラあおぎ奉納 山添村北野天神社の神事芸能
10月20日 簡略化も伝統形式残す 桜井市脇本春日神社の頭屋遷し
10月27日 直径3メートル厄除け願う 吉野町小名 小名牟遅・春日神社の花笠まつり
11月10日 紅葉背景にお渡り行列 十津川村上野地国王神社の河津の大祭
11月17日 火おとし 感謝の1日 宇陀市室生染田のフイゴ祭り
11月24日 一つ一つ感謝を込め 宇陀市室生下笠間の亥の子モチ
12月 1日 たたいて回して 高取町佐田・森のイノコ
12月 8日 「おろおろ-」と小豆飯 御所市鴨神の申講山の神
12月15日 かつては男の子だけで 天理市福住町別所の申祭り
12月22日 師走の夜に響く音 橿原市古川町の太鼓打ち夜警
12月29日 大みそか氏神導く 大和郡山市野垣内町・白土町
・観音寺町の神さんが通る砂の道
(H22.12.23 SB932SH撮影)
シリーズに掲載した行事地の数は56にもなるが、毎週の水曜日の連載で48回になった。
数が合わないのは一つの記事で複数の行事地を紹介したからだ。
企画段階ではモノクロ写真だったが、掲載段階でカラー写真が採用された。
大きな誌面に大きな映像はあっと驚く。
小さなサブ写真にも引き寄せられる。
毎回の見出しやキャプション付けが嬉しい。
作品のタイトルにもなるであろう見出しの言葉。
上手いことつけるもんだと毎回のように感心した。産経新聞社奈良支局に感謝する。
最初の記事がでたときのことだ。
山添の切幡でオコナイの取材していた。
お堂に集まった住民の一人が新聞記事を持ってきていたのだ。
「あんたの書いた記事でっしゃろ」と見せてくれる。
切幡は過去にも取材しているが持ってきた記事は同村の菅生の山の神。
「あの人も、この人も知っている」とそっちに話題が移ったことを思い出す。
行事をされている親しい人のお顔が登場すれば親近感を覚える。
秋祭りに行ったときには「全編切り抜きをしているのですよ」と伝えてくれた人も居た。
全編切り抜きしている人の声を耳にすることは多くある。
ありがたいことだ。
面白いのは他社の新聞記者が見ていることだ。
「拝見して勉強していますよ」の声も多い。
毎週、毎週の記事はたいへんだった。
掲載される時期に合わせて各地域の行事を紹介する。
はじめるにあたって年間計画を立てた。
それはある地域に集中せずに分散したかったからだ。
できうる限り奈良の全域に亘って紹介したかったのだ。
そのようにしたつもりでもやはり集中した市町村がある。
地区が異なるので良しとしたが、いたしかたがない。
ちなみにトップの5件は天理市と山添村に奈良市の中央平坦部だ。
4件が橿原市と奈良市の都祁地域。
3件は葛城市、大和郡山市、桜井市の山間部に奈良市の山東部。
こうしてみると取材地がそこに集中していることがわかる。
2件の地域は多い。
安堵町、川西町、桜井市平坦部、高取町に天理市の山間、宇陀市の室生地域となる。
1件ずつとなった地域は香芝市、五條市、御所市、曽爾村、十津川村、東吉野村、平群町、三宅町、吉野町となる。
紹介できなかった市町村はまだまだある。
そちら方面の方には申し訳ないと思う気持ちでいっぱいだ。
記事の文の予定稿は地域の方に事前確認をとったことが多い。
取材当日の聞き取りに誤りがある場合があるからだ。
誤記が見つかったケースもあるし、追加の情報を得られた場合もある。
できうる限り反映したかったが記事文はおよそ800文字。
多めに書いて新聞社で無駄分を削り取ってもらった。
これもありがたいことだった。
しかしだ。
記事が発行されてから間違いだと指摘されたケースがある。
東安堵のナナトコ参りの曲名が間違っていた。
シンバンドーをシンパンドーと書いていたのだ。
濁る字が正しい。
事前確認をしてもらっていたがそのときも気がつかなかった。
お詫びを申しあげたところ「それはわかっていたが、そんなんかまへん」と。
「そんなことより紹介してくれたんがうれしいんや」と話す。
染野の八朔法要では藩主の名前を間違った。
本多正勝でなく本多政勝が正しい。
恥ずかしいことがときおり発生してしまった。
この場をお借りしてお詫び申しあげる次第だ。
愛読者や地域の人から「奈良大和路の年中行事のような本はいつ出るんや」と言われることが多々ある。
「来年も続くんだろう」とも言われる。
それは「今のところはない」と返答している。
その件についてはどなたか心ある編集者の登場を待たなければならない。
掲載日 見出し 行事地域・名称
1月 6日 ドウドウ・・・綱担ぎ走る 山添村菅生の山の神
1月13日 戦の神様守る宮座五人衆 川西町下永八幡神社のヨロイ吊り
1月20日 アカゴハンで狐に施し 奈良市北椿尾町の寒施行
1月27日 年頭に宮座の結束固める 香芝市下田鹿島神社の結鎮祭礼
2月 3日 激しく響く枝を打つ音 天理市苣原町のダンジョ
2月10日 かみさんと共に飲食 川西町北吐田の荘厳
2月17日 久しぶりのお米集め 山添村勝原の子供涅槃
2月24日 オヤ叩き一歩大人へ 山添村勝原の子供涅槃
3月 3日 住吉大社から毎年の使い 橿原市大谷町畝火山口神社の埴土取り神事
3月17日 「せんごくー」で宮座入り 奈良市中山町八幡神社の荘厳
3月24日 日本で唯一残る「語り芸」 奈良市茗荷町天満神社の田原の祭文
3月31日 シンコモチで豊作祈願 奈良市山町八坂神社の神武祭
4月 7日 天空の神地で豊作祈る 高取町丹生谷船倉弁天神社の御田祭
4月14日 成長願う変わらぬ祈り 天理市東井戸堂町のハツオサン
4月21日 桜の下集い はずむ会話 曽爾村小長尾の岳のぼり
4月28日 細く長く・・・守り続ける 橿原市古川町の農神祭
5月 5日 子供の成長、五穀豊穣願う 天理市新泉町素盞鳴神社の新泉の野神祭り
5月12日 自家製甘茶でおもてなし 桜井市高田の花まつり
5月19日 水の神さんに豊作を祈る 奈良市都祁南之庄町都介野岳龍王神社の毛掛籠
5月26日 存続危機にもがんばる 奈良市三条添川町・紀寺町のノガミサン
6月 2日 ありがとう命の水 東吉野村小宗社丹生川上神社の水神祭
6月 9日 感謝の祈り 3日間 桜井市瀧倉の豊作のヨロコビ
6月16日 農作業も中休み 天理市岩室町観音堂の十八夜
6月23日 田畑で味わう郷土料理 奈良市茗荷町ホウの葉弁当
・都祁南之庄町のカシワメシ
7月 7日 短冊鮮やか 静寂の森 葛城市太田棚機神社のタナバタサン
7月14日 茅の輪迎える夏祭り 桜井市初瀬素盞雄神社のゴッテラサン
7月21日 元禄から続く神事 葛城市當麻・菅原神社の天神講
7月28日 蚊取り線香ズラリの日 奈良市西大寺芝町芝八幡神社住吉さんのお祭り
8月 4日 心清める水 平群町鳴川千光寺の滝祭り
8月11日 シンバンドーの鉦の音 安堵町東安堵安土墓地のナナトコ参り・先祖法要
8月18日 稲の豊作祈って 桜井市修理枝八王子神社
・奈良市上深川町八柱神社の風祈祷
8月25日 闇夜に浮かぶ灯り帯 五條市東阿田町八幡神社の八朔スズキ提灯
9月 1日 水守った先人に感謝を 葛城市染野傘堂の大池の八朔法要
9月 8日 女性だけの食事会 奈良市都祁相河町の薬師ごもり
9月15日 厳かに儀式引き継ぐ 天理市杣之内町木堂の八王子の秋の彼岸講
9月29日 「オヤ」と「コ」力あわせて 天理市南六条町北方三十八神社
・滝本町桃尾の滝の頭家渡し
10月 6日 振り上げ神事静々と 三宅町石見の祭祀講
10月13日 ジャラジャラあおぎ奉納 山添村北野天神社の神事芸能
10月20日 簡略化も伝統形式残す 桜井市脇本春日神社の頭屋遷し
10月27日 直径3メートル厄除け願う 吉野町小名 小名牟遅・春日神社の花笠まつり
11月10日 紅葉背景にお渡り行列 十津川村上野地国王神社の河津の大祭
11月17日 火おとし 感謝の1日 宇陀市室生染田のフイゴ祭り
11月24日 一つ一つ感謝を込め 宇陀市室生下笠間の亥の子モチ
12月 1日 たたいて回して 高取町佐田・森のイノコ
12月 8日 「おろおろ-」と小豆飯 御所市鴨神の申講山の神
12月15日 かつては男の子だけで 天理市福住町別所の申祭り
12月22日 師走の夜に響く音 橿原市古川町の太鼓打ち夜警
12月29日 大みそか氏神導く 大和郡山市野垣内町・白土町
・観音寺町の神さんが通る砂の道
(H22.12.23 SB932SH撮影)