マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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別所のカンマツリなど

2011年01月17日 08時45分46秒 | 天理市へ
うちではもう作ったと話す長老が手にしているのはカンマツリ。

モチワラを数本束ねる。その先っぽを折って鍵状にした。

五本の手の形をしているように見える。

くずれないように藁紐で2箇所を締める。

そこには紫色のテープを巻いた。

どういう意味があるのか判らないと話す作り手のUさん。

同様に家に置いてあるという昭和2年生まれのNさんも思い出せない。

注連縄作りに没頭していた際ふと閃いた。



それはカンマツリだ」という。

杓子のような形をしたカンマツリ。

12月31日の夕方ぐらいに家の玄関脇に吊す。

その受け口には2個のモチと干し柿2個。

コウジミカンは1個載せる。

このようなことをしているのは3軒ぐらいだろうと話す別所は22軒。

ほとんどの人は始めて知ったそうだ。

福住から山田を経て山を越えれば奈良市長谷町。

いずれも山間の地だ。

このカンマツリは長谷の住民も作っているらしい

この辺りの特有のものなのだろうか。

それはともかく別所には年中行事が多いという。

1月は初祈祷、2月は地蔵講、6月は日待ち、9月7日は会式、12月がさる祭りでもう一つの地蔵講もある。

8月末には風祈祷。これは氷室神社での行事だ。

本殿から手水までお百度参りのようにぐるぐる33回も回る。

数を数えるのは竹の札だ。

年中行事を支えるのはニンニョさん。

3軒両隣の人で組まれる当番の人たち。

イロゴハンを炊くときは一人加わって4人となる。

家の順で回ってくるというからほぼ一年の間に一回はやってくるそうだ。

また、十九夜講もあるらしい。

毎月はしないが19日以前の休みの日。

公民館でお経を唱えているという。

お寺内には綺麗になった祠のなかで如意輪観音の石仏が微笑んでいる。

(H22.12.23 EOS40D撮影)