マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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井戸野町八幡神社正月飾り

2011年01月21日 07時46分37秒 | 大和郡山市へ
神社の松飾りや注連縄を調えるのは28日と決まっている処が多い。

その翌日は29日。

苦がついているからその前日だという。

大和郡山市井戸野町も同じ考えで八幡神社にそれらを準備していく。

その役目を担っているのは自治会の役員たち。

今から13年も前は違っていた。

神社にはオオモリ家とフクイ家のと2軒の家が宮守を勤めていた。

勤めができなくなり、祭礼ごとの一切を自治会に預けた。

ただ宮座は継承されている。

宮座である本座と平座に十人組。

十人組は平座から分かれたものの元は仲間であったそうだ。

その名残は祭りのオワタリに見られる。

座衆も今日のような宮さんの支度には現れない。

行事祭典を支えているのは自治会の神社係なのだ。

お寺係りもあるという自治会は珍しい形態だと思われる。

鳥居や拝殿、コミヤと呼ばれている末社にも砂を盛って松飾りを調える。

スサノオや住吉さんの社、オオモリさん、コンピラさん、水天宮など数は多い。

左がオン松で右がメン松に決まっているという。

オン松は先が白っぽい、メンは茶色だから見分けがつくという。

本殿脇には大きな杉の木があった。

朽ちてしまったことからやむを得ず伐りだした。

そこから新芽が伸びだし若者のように成長してきた。

いずれは先代と同じようになるのであろうが何代もあとのことだと話す。

そこには句が刻まれている。

「産土神(うぶすな)の さ庭にそびえし 大杉の 齢(よわい)目出度く 永遠(とは)に 鎮(しず)めむ」 昭和54年に1月の建立された句碑には当時を物語る大杉の様相を感動的な言葉で讃えられている。



鳥居と拝殿には長さが4メートルほどにもなる大注連縄を取り付けられた。

隣にある常福寺の山門にも掲げた。

この大注連縄は春日大社の神田を耕されているO氏だ。

注連縄を作るには丸1日もかかる。

材料集めもたいへんだが一人作業では何日もかかる。

これではいかんと数人の住民も作業を手伝いだした。

数年前から始めたというもう一人のOさんが話す。

一年経ったら作り方を忘れてしまったと笑う。

神社の正月飾りを終えたあと、2人は東に向かった。



Iさんの屋敷内にある稲荷社だ。

社は囲ってある。

古くからあるという社はヤクマルさんと呼んでいる。

それは京都伏見の稲荷神社から分けてもらったお稲荷さん。

ヤクマル講(薬丸講であろう)と呼ばれた集団があった。

初午のときに伏見まで行ってお参りしていた。

20人ほどいたが現在は数軒になったそうだ。

家のなかに祀っているというMさんはお米を毎日供えているという。

(H22.12.28 EOS40D撮影)