マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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伊豆七条町のフクマル迎え

2011年01月29日 09時56分19秒 | 大和郡山市へ
伊豆七条町の各家を巡る子供たち。

この年は4人となったフクマル迎えの子供たちだ。

男の子は1人、女の子が3人だ。

家の呼び鈴を押して「フクマルに来ました」と伝える。

「ハーイ ごくろうさんで」とスピーカー越しに家人の声が反応した。

門戸を開けて「寒いからこっちへ入って」と庭に案内される。

そこには藁で組まれたものがある。

「えー福を呼んでな」と言って火を点けた家の人。

始まったフクマル迎えの青い竹がその先にある。

「フクマール、コッコッコー フクマール、コッコッコー」の合唱が続く。

藁火が燃え尽きるまで繰り返すフクマル呼び。風が強い日だった。

そのためなのか藁火を点ける家は少なくなった。

「寒いからカタチだけにしといて」という家は少なくない。

藁を手に入れることも難しくなっている。

数年前まで藁火を燃やした家もそうなった。

昔は竹が破裂してバンバンと音が鳴ったもんだと付いてきた男親たちが話す。



藁火を燃やせばおよそ5分はかかるフクマル迎え。

それがなければ1分もかからない。

子供のときは22時を過ぎることが多かったという保護者の男性。

それが今では3時間弱。

2時間も短くなったようだ。



フクマル迎えの褒美はお菓子や駄賃。

親がしていたときはミカンばかりやったという。

その重さでドンゴロス袋がいっぱいなったという。

それが今ではナップザック。

軽いものだが中身の思い重い。

地域には街灯なく真っ暗な筋道を歩いた。

呼び鈴もなく家の戸をドンドン叩いても開けてくれなんだと思いだされた。

来年の子供はたったの2人。

その翌年もそうだという。

小さな子供の成長を待たなければならない。

(H22.12.31 EOS40D撮影)