マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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白土町子供会の火の用心

2011年01月23日 08時29分42秒 | 大和郡山市へ
火の用心カチカチ。

拍子木を叩いて「マッチ一本火事のもと」とマイクで地区をふれまわる。

大和郡山市白土町の歳末の風景だ。

小学6年生以下幼稚園年長さんまでが対象で、小さな子供も混じるがこの年は7人ほどが火の用心に集まった。

集まる場所といえば浄福寺の山門前。

母親とともに懐中電灯を持ってやってきた。

およそ40分間、あっちへこっちへと地区を練り歩く。

「テンポが早すぎるよっ」と子供会の母親が制止する。

かつての子供は調子がもっと遅かったという。

早く帰りたいのかどうか判らないが先頭の子供の囃子でテンポが決まるようだ。

それに合わせて拍子木も早くなる。

お寺から中央の筋道へ。そこからは北に向かう。

西の方角に歩いて南下する。

南の辻の手前で小休止してから再び火の用心。

東の辻からは北に向かう。お寺の方角だ。

そこからは白坂神社の鳥居前を過ぎて畑道を通って千束(せんぞく)の街道へたどり着いた。

昨年までは千束で独自の火の用心をしていた。

ところが子供が少なくなり可哀そうだと一緒になってするようにしたそうだ。

大回りとなった火の用心。

これで地区の全域を巡ってきた。

後半からは先頭の子も替わって火の用心の台詞がかわった。

「火の用心 焼肉焼いても家焼くな」カチ、カチ。

「火の用心 ボール蹴ってもストーブ蹴るな」カチ、カチ。

元気な子供たちは明るい笑顔で村に火事を起こさないように注意している。

拍子木の音が聞こえたら安心できると住民はいう。



山門に戻ってきたら赤いパトロールランプが点滅している消防車が来ていた。

昨夜と同様に公民館に来た発志院分団の消防団員たちだ。

赤いランプと拍子木のカチカチ音は夜遅くまで地域を見守っている。

伊豆七条町でも子供会が催す火の用心があった。

それはたかだか数年前までのことだ。

子供会が解散してすっかり町から拍子木の音が消えてしまったそうだ。

(H22.12.29 EOS40D撮影)