マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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春日若宮おん祭の芝舞台

2011年01月12日 18時44分04秒 | 奈良市へ
祭りの中から生まれた日本の芸能は、神坐(いま)す祭りの中でこそ一段とその良さを発揮する。

春日の杜で繰り広げられる、まさに生きた芸能は人々を魅了する。

毎年のように悩まされる雨は降らなかったが冷却気温に足下が凍る。

舞楽は、飛鳥・白鳳から奈良時代にかけて古代朝鮮や中国大陸から伝えられ、わが国で大成した。

その伝来や特徴から左舞と右舞に分けられているそうだが、そのことなど芝舞台で演じられる舞楽については明快な答えを持ち合わせていない私だ。

篝火に照らされた大太鼓の音色が遠くまで聞こえる。

演舞は散手(さんじゅ)に入っていた。

林邑五破陣楽の一つの雄壮な武舞だそうだ。

赤い隆鼻黒髭の威厳のある面をつけ、鳥甲を被り毛べりの裲襠装束を見にまとって舞う。

太刀や鉾をもっての振り舞いは武将らしい。



隆鼻白髭の面顔が白っぽいので暗がりでも判りやすい貴徳(きとく)。

装束の色合いや飾りは異なるが、散手と同様に太刀、鉾をもって舞う。

散手と番舞(つがいまい)として「中門遷の舞楽」といわれるそうだ。

私がお気に入りの舞が抜頭(ばとう)。

猛獣を退治した孝子の物語を表わしたそうで、喜踊して降ってくる様を表している。

抜頭が繰り返す手がなんともいえない動きをみせる。

心地よいリズムを感じる。



最後に登場するのが落蹲(らくそん)。

納曽利の二人舞だ。

すべての演舞を終えるころ神官たちは芝舞台に付近に並ぶ。

その直前には松明でしょうか長倉から運び出されていった。

(H22.12.17 EOS40D撮影)