マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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山添村大塩のフクマル

2013年03月17日 08時49分34秒 | 山添村へ
12月31日の大晦日の晩。

年越え参りが行われる山添村大塩。

村の若い人たちが作った竹灯りを八柱神社の階段に灯す。

かがり火を焚いて参拝する人を迎える竹灯りは石の階段一つ一つに置く灯りの標である。

設営作業があるからと云って早めに家を出たK氏の息子さんだ。

その日の晩はフクマルさんを行っているK氏。

除夜の鐘が鳴る前の時間帯である。

今年一年のお礼と来年も福が来ますようにと祈るフクマルさんは一束の藁を持って家を出る。

坂道を下った辻に置く。

ウラジロを広げて1個のニギリメシを供える。

東に向かって手を合わす。



その際に唱える詞は「フクマルコッコー」。

これを3回繰り返す。

真っ暗な辻で行うフクマルさんの風習である。

暗い道を戻るには火が要る。

マメギの束に火を点けて戻ってくる。

マメギはタイマツとも呼ぶ灯りであるがこの年は収穫できなかった。

フクマルさんの灯りは家に戻って竃の火にする。

正月の雑煮を炊く火である。

正月の雑煮はカシライモの雑煮にキナコを塗して食べるキナコ雑煮。

奈良県内各地で食べられているキナコ浸けの雑煮の作法である。

(H24.12.31 EOS40D撮影)