夏休みですので楽しい話題を<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
ロックに続いて歌謡曲を聴く。もともと今井美樹の初期はお気に入りであり比較しながら、今回、歌姫で新境地を開いた中森明菜をCDにして10数枚を聴いた。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
中森明菜はセンスが良く、自分の生き方があり、聴き手に媚びていないと思う。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
最近は声量が少ないようだが、表現と解釈が卓越している。持って生まれたセンスが違う。本人は気遣いのある方らしく、感受性があるのだろう。歌うのが楽しそうで技術があるところは職人の様でもある。自分の表現を保っている。売れるより、表現という生き方なのだろう。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
好きな女性ヴォーカルを声量と声で分類すると、今井美樹は声量と声(あの可愛らしい声から滑らかに高い音まで可変する稀代のもの)に恵まれている。好きな歌い手で、ジュリー・アンドリュースは圧倒的な声量と音域で滑らかな声だ。声量がいまひとつで味があるならブロッサム・ディアリーやアニタ・オディだろう。<o:p></o:p>
<o:p></o:p>
恐るべきはブレスの音で、音が大きく(声が相対的に小さいからか)高くかすれが多い。今井の初期の録音にもブレス音はあるが大きいことでは有名な中島みゆきより音量が大きく特徴がある。もてる能力を全部使って歌っているのだろう。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
比較すると、今井美樹は声の「色」と「滑らかさ」が特色で、大空を舞う鳥のようだ。中森明菜は草原を走る猛獣のようで、ひっそり忍び寄ったり、速く駆け抜けたり、あるときは左右に動いたりという感じがする。テンポの「ルバート」、声の「大小」、歌唱「なめらか、ちから」など多様だ。目的とする対象も広く、攻め方が多様で飽きない。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
声自体も、始めは蓮っ葉なアルトのようだが、もっと高い声では。レガートにも歌えるから変化できるのかな。歌の手法でアルトの地声とファルセット、ファルセット主体、ハスキー、ウイスパーと変えていて繊細だ。実は論理的なしっかりとした構築があるようだ。(ファッションは分りません)声の大小、低域の厚みとファルセットの伸び、かすれと伸ばしと色々できる。器用すぎるくらいだ。そして不遇な時代もあり今に至るのだろうが、その反対に解釈の重みができたのか。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
それにしても表現が多彩で重いくらいだ。天才的な性分だろう。このまま更に重くなるか、突き抜けたかろみに転じるか。といってもクイーンのフレディの領域までは行かないが、日本語の表現の中では秀でている。例えば、同じ繰り返しの言葉も変化・表情がありよく考え込まれている。まるで描きこまれた絵画のようだ。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
更に、ヴィデオで見ると口の開き具合が多様で、しかも大きく開く。音量やルバートも多様だ。聴いていで多彩な音色はこのためか。最近は声量がいまひとつのようでもあり心配だ。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>