8月21日付けの日経新聞一面に某総研が「まずは法人税下げとその後の10%までの消費税上げが政策として有効」とある。理由が書かれていないが、法人税の下げは前に書いたが反対だ。これは国際企業の税率の低い国に移転するという理論だろうがそうは行かない。空間経済学(クルーグマン、藤田昌久)やクラスター理論(ポーター)を読めば、企業は集積や特性のある立地に集積することがわかる。単に法人税を下げるのは、チキンレースになる。つまりはAからBへの移転でゼロサムとなるからだ。また、法人税の減少分を消費税で補うのは、売上低迷分を既存企業が分担し、その他を消費者が負担する移転に過ぎない。企業収益は増えるから職員・役員・株主利益は増えるだろうが。<o:p></o:p>
このように、立地の質(産業集積、労働の質、知的集積、等)を向上させる長期的政策でなく、安くすれば良いというのは場当たり的対応に過ぎない。しかも、法人税は一度下げると上げるのは難しい。<o:p></o:p>
これと同じが、エコポイントなど家電や自動車の政策だ。短期的には効用があるが、終了すると「需要の先食い」がわかるだけだ。マーケティングでいう「プロモーション」(一時割引のクーポンやセールがその代表)でありあくまで一時しのぎだ。これを政策というならお寒い限りだ。<o:p></o:p>
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近視眼的政策や一部の利権にからむ政策の羅列にはうんざりする。社会と生産性、就労と能力向上が政府の役割だ。<o:p></o:p>
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