ドルが70円台だ。アメリカと日本のインフレ(デフレ)と金利差で実質金利を計算しても、行き過ぎのようだ。消去法で、ドルの政治と財政危機、ユーロの信用不安が、日本の震災と政治のリスクを上回っているという判断もある。本当は日本の政治不在の間隙を狙っているのだろう。あまりに一本調子の円高だ。しかも日本の金利はほぼゼロだ。<o:p></o:p>
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概算のデータだが数値で分析した。購買力平価( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%BC%E8%B2%B7%E5%8A%9B%E5%B9%B3%E4%BE%A1%E8%AA%AC )では前回の円高は95年4月の79.75円/ドルだ。2011年とのインフレを比較するとアメリカは1.45倍、日本は1.12倍のため、日本が1.29倍(1.45÷1.12)の購買力向上になる。つまりは95年の79.95円は104円に相当する。(逆に考えると95年の79.95円は今なら62円に相当する)<o:p></o:p>
実質金利平価説(Real Interest Parity)で考えると、( 参考: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%88%A9%E5%B9%B3%E4%BE%A1%E8%AA%AC )2000年以降のインフレと預金金利は、アメリカが2.2%と2.6%、日本がー0.3%と0.2%となっている。実質金利は0.4%(2.6-2.2)と0.5%(0.2-(-0.3))と変わらない。これなら2000年ごろの110円/ドルで変動がなさそうなものだが11年間の内容が問題だ。<o:p></o:p>
日本は2000年以降一貫して金利が0.1~0.5%の定位安定だが、アメリカ金利はリーマンショックの後2009年以降は0.25%に落ちたままだ。一方、インフレは2%前後で推移している。<o:p></o:p>
但し、金利に国ごとのリスク・プレミアムを考えると、今や日本も高いが、ユーロは高いはずで、アメリカも上昇のはずだ。となると平価(Prity)は円高もむべなるかなだが、どうも説明がつかないと感じる。<o:p></o:p>
結論として、ドルを支えたていた金利が低下し、金融緩和継続のため上昇も見込めず、魅力が落ちたこと、インフレも止まらないため、さらに購買力が低下することからドル売りが先行しているのが実情だ。<o:p></o:p>
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世界に金余りが見られる。エネルギー、貴金属、食料の値上がりもマネーゲームが一因だろう。円高も円を買うゲームであり、下手に逆張りをするより、「海外が安く買える」と思った方が良い。また、通貨は中期(5年~10年程度)の波動があり、短期の鞘取りには向かないから、余裕ある資金の中期運用に向いている。<o:p></o:p>
日本ではあまり輸入品が下がらない。ドルにペグしているというMercedes-Benz、BMWもそれほど下がっていない。スーパー・ブランドもそうだ。希少性があるからか。酒屋で、シャンパンもそんなに安くはなっていない。なんでだ。アメリカのビールもサミュ、ローリング・ロックも安くない。<o:p></o:p>
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輸出は大変だが、輸入業者は大儲けなのかもしれない<o:p></o:p>
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