勉強になるかと思って読んだら、金融理論が多い。不満なのは、住宅ローン貸付が進行したメカニズムの需要側の分析が少ない。(要はローンの貸主がそっくり証券化できで保証があったのが課題だったのでは)そのかわり、資金供給側の分析は多く、CC―LM分析(知らなかった)や、資金移動のメカニズムの分析が多い。商業銀行・ローン・SPVと投資銀行・ファンドのやり取りが述べられているが、RMBSのトランシェ(これは胡散臭い方法だと思っている)とCDO化、格付けの問題点・限界、さらにはレバレッジの資金調達の図式、CDSの利益(積み立てていなかった)を大きく描いて欲しかった。<o:p></o:p>
結論として、サブプイライムローン問題は流動性リスク問題と結論付けているが、これはもともとのローンが行き詰れば当然の帰結ではないのか。複雑なシステムでも、燃料が無くなれば当然止まる。その影響が大きかった要因を筆者は綿密なデータで分析しているが、事後分析の感がある。どこか、今回の福島原発事故と似ている。<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>
払えないローンを複雑な方式と経路で売りまくった方式が問題(原子炉が急に冷えないの同じ)<o:p></o:p>
<o:p> </o:p>