あの高村薫が阪神淡路大震災以降、信心に目覚めての著作。空海( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B5%B7 )を分析しているのはやはりいつもの手法で独自のアプローチで楽しめる。
知見は:
・私度僧から「明星」が飛び込んできた体験(御厨人窟 室戸)
・長安の青龍寺への遣唐使ルートと奇跡、学習、帰国のヴァイタリティ
・乙訓寺、高尾山寺、東寺と政治からの認知
・言語で世界を創造、筆まめで達筆、行動力がある
・カリスマ説法と深淵な経論の落差
・高尾山 新護寺から成田山新勝寺
・遍路:死や病を抱えてお大師さんと出会う路
・空海の世界は体全体の理解と皮膚体験で頭ではない、平安仏教は百貨店、鎌倉仏教は専門店、現在は真言密教の思想性が置き去りで現世利益信仰と大師信仰に、「識」という精神を「地・水・火・風・空」に入れた「六大」説、これは、いのちのつながり・多元的価値観・実践を奨励(松長前高野山管長)
一度、遍路を体験したいものだ