都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

美の考古学(松本武彦):工芸、芸術、モニュメントが同列に、時代・地域の相関も不明

2016-05-25 04:15:25 | 趣味

 学生時代、小林秀雄の「考えるヒント」かなにかで、ピラミッドは抽象に対する憧れという、「抽象と感情移入」(ヴォリンゲル: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC )と読んだ。

 この著作で面白いのは土器の分類だ。第一の地平:素朴、第二の地平(定住後):複雑(縄文土器など奇数を応用)、第三の地平(農作):端正(幾何学応用)というのを、仕上げの「精」と「粗」、「単純」と「複雑」のマトリクスをめぐり、右回りの3フェーズでまとめている。

 全体には工芸(土器)、美術(宝飾など)、モニュメント(古墳など)が論述され統一感がなくバラバラな印象だ。

 さらに「物時計」(評価・嗜好の時系列変化)、「物地図」(地域特色、同時期の類似)など、観点がユニークだが、時間・空間にまとめた表などが無く、概念的だ。

 全体に独自の論説は楽しめるが、学術としては物足りない

コメント
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