毎年恒例のSさんとのおでん探検で、今年はここ。
大阪天満宮の参道で、陸渡御の順路でもある老松通を北に入った路地の角にある。立派な料亭のような建築で、厨房が仕切りの中にあり、その周りはカウンターになっている。2階の個室もあり料理旅館であったのかと思う。おでん屋としての歴史も長く、’55の創業というから70年余りになる。
喫煙可の店でありカウンターの奥に座る。予約のみとなっているが、席を空けてゆったり座っている。
御職の土手焼は、味噌がたっぷり、蒟蒻と筋肉の串、蒟蒻は固めで歯ごたえが良い、筋はちょっと固めで脂っこい。味噌だれには一味が効いて、お通しの大根につけてもうまい。
がんもどき(ひろうす)は固めでどうも好きではないお味。関東炊きの手法で乳化させる順次煮込みのスタイルだが、出汁が単調で深みがない。
若布、春菊、大根、玉子、シューマイなどを食べるが、どうもいまひとつ。お酒の燗や、焼酎のお湯割りは良かった。和んで、大組の架構の天井を見て会話が弾む。
よかったのはコロ(800円)、大振りが1個で食べると埃っぽいような乾燥した鯨独自の昔のお味。歯ごたえもしこしこ。アラカン二人で懐かしむ。
穴子の一本揚げ(860円)は、大振りで大味な穴子。天ぷらの衣が固めで浮き粉を入れているのだろうか。油っぽさもある。塩をもらって、てんつゆより合う。天つゆは薄目で大根おろしを入れ、それだけを飲んでもうまい。
サーヴィスも良く、快適で1万円弱。しかし、関東炊きなら、中津にある常夜灯の羅臼昆布のお味をすすめる