大阪市廃止・特別区設置住民投票( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%B8%82%E3%82%92%E5%BB%83%E6%AD%A2%E3%81%97%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%8C%BA%E3%82%92%E8%A8%AD%E7%BD%AE%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E6%8A%95%E7%A5%A8 )でやっと否決され、大阪市民も慎重な判断ができると安心した。いまやタレントの橋下徹の府庁移転騒動から、都構想まで反対を述べ続けた( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/s/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E9%83%BD/1 )
1.大阪市の再建の必要性
今の大阪府の地域GDPは39.1兆円、大阪市は19.8兆円で大阪市を除いた大阪府は19.3兆円になり、大阪市のウエイトが大きい。しかし、大阪府と市の地域GDP成長率は全国を下回っている( 大阪市資料P4 参照 https://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/cmsfiles/contents/0000003/3793/02-2019-1.pdf )大阪市では産業のシェアも低下している。
大阪府・市での副都市ビジョン( http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27077/00245567/gaiyou2020003.pdf )も用意されていたが、経済面での成長が都心から10km以上(東京なら東京駅から羽田空港くらいの距離)の夢洲(北港)での2025大阪・関西万博とIRに頼るという「箱もの」行政の典型だった。咲州(南港)での府庁舎ホテルやATCが難航しているのにその先の開発に頼るとは、バブルでの大阪市負の遺産の学習効果がなさすぎる。そもそも、東京都が羽田空港の周辺開発があるとして経済効果を期待するだろうか。また、万博施設やIR施設がお荷物にならないという保証があるのか。
さらに時の運だが、コロナ禍はまさにインバウント゛・ツーリズムからの離反というパラダイム・シフトを引き起こした。
今回の否決の中で大阪市再建の必要性と副首都となる必要性だけは認識ができた。また、府と市の重なりの無駄も大学統合などで解決の事例ができた。これは維新の会の数少ない功績だろう。
2.大阪市再建は総合区で
住民投票の結果を精査すると、大阪市内の南北問題が明らかになった。しかし区が多すぎる 大阪24区は東京23区を基準として、人口比 3.52(275万人と968万人)から23/3.52=6.5位が適当と思う。6区としても、今回の4特別区より多く合意形成を図りやすいはずだ。
区が多すぎる弊害としてJR天王寺・近鉄阿部野駅の周辺開発がある。北は浪速区と天王寺区、南は西成区と阿倍野区の4つに囲まれている。これでは地元の区をまとめる手間が多すぎてまちづくりの障害になる。
参考:前回否決後の大阪市資料https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/cmsfiles/contents/0000369/369027/setsumeikaishiryou.pdf )の適用で区をまとめ直しながら大阪市のありかたを探るしかない。
都市経営として「副首都」を目指すなら、東京からの移転の受け皿(企業・官庁・研究機関など)となるオフィスを梅田と新大阪に集中し開発を促進する。新大阪駅の使わないJRヤードの利用も有効だ。さらに、千里ニュータウンの再開発で住宅の供給も併せて狙いたい。なにわ筋線(2031年 http://www.kr-railway.co.jp/naniwa.html#:~:text=%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%82%8F%E7%AD%8B%E7%B7%9A%E3%81%AF%E3%80%81(%E4%BB%AE%E7%A7%B0,%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E9%89%84%E9%81%93%E8%B7%AF%E7%B7%9A%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82&text=%E7%AD%89%E3%80%81%E5%A4%A7%E9%98%AA%E3%81%AE%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%AB%B6%E4%BA%89,%E3%81%AA%E9%89%84%E9%81%93%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 )を見越し西区や中ノ島の住宅・オフィス開発が望まれる。コンパクト・シティを目指すべきで、遠隔地箱もの行政の時代ではない。
また、心斎橋から南部は大阪エンターテインメント・エリアとして、堺市も交え整備が効果的だ。さらに上町台地の歴史やその先の天満宮までの軸線は歴史軸として整備の効果が見込まれる。
大阪は自身の持つものを生かさず、「新しい施設」頼りで最近の失敗がある。
3.橋下徹の責任は問われないのか
立役者は橋下徹( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E5%BE%B9#%E6%94%BF%E6%B2%BB%E5%AE%B6%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6 )で、しかもうまく途中で逃げて評論家もどきで稼いでいる。無責任としかいいようがない。ハシズム(橋下主義)とはうまく立ち回ることにかけてはパソナ会長等に収まっている竹中平蔵( 一部の意見 http://www.marino.ne.jp/~rendaico/seitoron/jimintoron/history/koizumiseikenco/takenakaco/ronbunmondaico.html )に似ている。
2度にわたる大阪都構想と住民投票により100億円の財政の無駄( https://news.yahoo.co.jp/articles/ffabc90550e812fc07e42c97b60b75284ad32a76 )や、大阪府の咲洲庁舎とホテル訴訟( https://r.nikkei.com/article/DGXMZO63014820V20C20A8AC8000?s=4 )の種をまいた当事者だ。これだけの負の遺産を作った当事者だが2015年の一回目大阪都構想否決の後、任期満了で政界引退とした。その後はタレントとなっている。
のうのうと現在の大阪松井知事と吉村市長に「お疲れ様」で済ますのは納得がいかない。
橋本徹の当初政策は関西州で賛同できるものであった。しかし、府庁移転に変質し、更に大阪都構想に2010年ダブル選挙の折に変異し橋下・松井体制となった。新しさを前面に出したポピュリズムだったとしか言いようがない。
日本維新の会もハリボテの看板政策が2度にわたり否決となり、国会での立ち位置や大阪での信頼が不安定になった。
4.ポピュリズムへの恐れ
新規な考えや、特定の層・集団の関心をあおるポピュリズムが、アメリカのトランプ大統領をはじめ台頭の兆しがある。社会の分断と格差の拡大につながる。理性を重んじ、感情に流されるのを嫌う、啓蒙重視のピンカ―などは大いにトランプを嫌っている( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/5d3abf0d306a0972609567131ea98fdb )つまりは、ポピュリズムとは同じ考えを好む「感情」の集団を作ることだ。
逆に社会に求められるのは、格差是正や弱者救済の利他の心を持つ「理性」だ。実現には対話や協調、交流や相互尊敬の態度が必要だ。そのための税制や福祉、国際や地域交流(Social Capital)が重要になる。
政治家が私欲に走ってはいけない、また市民は騙されてはいけない、一部の集団の熱狂は危険だ、格差は断絶を呼ぶ