都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

インフラ投資とは

2009-12-16 20:27:21 | マクロ経済

 インフラストラクチュアー(以下 インフラ 社会基盤施設)への投資が財政政策として求められている。 投資は価値あるものでなければ一時の消費のみ拡大することになる。花見酒の経済と同じで、使えないものが残り、いわゆるバラマキになる。更に、無用の長物は取壊しにお金までかかる。さらに、まとまりなく作りすぎの関西の3空港や四国への3架橋のようなものは投資効果が低くなる。(お腹が空いたとき、牛丼1杯の効用は高いが、3杯はお腹が苦しくなるのと同じだ) <o:p></o:p>

価値あるインフラは借金でもよい。会社も資本と借入金で設備投資をしているのと同じだ。但し会社と違うのは、資産価値の判断が明解でないことだ。投資の簿価はわかっても時価評価できないのがある。更に投資にあたってもコスト・ベネフィットを道路なら、時間・経費の低減、事故減少などの効用と投資で比較するが開示は必ずしもされないし、疑問な計画も指摘されている。投資の費用が大きいため、政治・経済・地域と今までの計画のバイアスがあろう。しかし、無用なインフラ投資は一時の「消費」を生むだけで長期的な利便に貢献しない。<o:p></o:p>

 一方、都市の整備も必要だ。電柱・電線の地中化、街路緑化 「不急」と、とある新聞にあったがそうだろうか。電柱の地中化は景観や安全、道路の効率利用と張り出しや看板の防止にもなる。また、街路緑化は風の道やヒートアイランド対策に有効だ。コンパクトシティに必要な施策で生活の質の向上は不要というのか。高齢者の安全のため歩道の設置もあわせて必要だ。 <o:p></o:p>

 更に、必要な投資として老朽化した橋などの架け替えがある。一般家庭で家屋の修理と同じで必要 だ。すぐに何でやらないか訝る。新しく作るより、今あるものを守る方がよほど大切だ。新設道路偏重の見直しは鞆の浦が代表例で景観を壊してまで作る時代ではない。 <o:p></o:p>

 新しいものを作るという「量」の時代は終わった。「質」の向上が必要だ。また、都市への投資が必要となる。<o:p></o:p>

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社会開発のマクロからのアプローチ

2009-12-15 20:24:08 | マクロ経済

 自分の身の回りのことはあまり書かない。味の体験は自分のことと言われそうだが、作り手や食材に思いを馳せている。<o:p></o:p>

物事を大きくとらまえるマクロの視点が好きだ。例えば、施設開発でも、まずその施設の開発意義を考え、施設用途のなかでも独自性の発揮、開発波及効果を考えている。<o:p></o:p>

建築お設計者はどうも、その施設設計で如何に名を売るか、ビル単体で表現するかが多いようだ。むしろマクロの観点は数学者が理論や独自性をエレガントに求めるようなものである。<o:p></o:p>

最近逆に、ミクロが多すぎる。一寸した利益や仲良しで相互防衛を図る付和雷同や一寸した節約ばかりだ。戦略、戦術、戦闘と段階があるとすると戦闘が多すぎる。ついに節約も行き当たる。相互利益の源泉である、技術革新(製造業だけではありません)、つまりは専門性、思いつきを重視、評価する社会が必要だろう。<o:p></o:p>

開発も頭打ちの社会状況にある。いまや開発は要らないのかもしれない。今までのストックを生かす、地域の特性を延ばす、再利用するといった方向に変わりつつある。また、社会制度も経済発展から社会幸福の総和を拡大させる方向に変わりつつある。このようなパラダイム・シフトを受け都市計画のありようを「マクロ」に考えなければと感じる。

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ぱ*らんてでカキフライ

2009-12-14 20:59:27 | 食べ歩き

 12月からカキフライとのことなので訪問。ぱ*らんて・ランチで今回はタルタルソースではなくポン酢にしました。驚くべき量の千切り海苔付き大根おろしが大葉に乗ってついてくる。カキフライをつけると美味しいが冷えるのが難点。おろしのおかげでぐいぐい食べ進む。カキフライは小ぶりが6個。衣が薄めになって美味しい。うどんも平らげたら、ハンバーグを食べきるのが大変でした。珍しくご飯を残してしまいました。べったら漬け2切れで美味しく食べきる予定だったのですが。風邪薬を先週飲んだので胃が弱っているようです。<o:p></o:p>

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税制の効率と公平のトレードオフ記事(日経 12月3日‘09) 森信 茂樹中央大学教授 について

2009-12-13 07:28:30 | マクロ経済

 ジニ係数(0から1(100%)で大きいほど所得格差が大きい)と経済成長率の負の相関(所得格差が大きいと経済成長率が低い)というのは面白い。ただしグラフからはその相関関係が薄く(例外もあり)、相関の程度も低いように見受けられる。<o:p></o:p>

 だが、所得格差が大きいと経済成長が停滞する、またはその逆も納得はできる。日本は中流意識が強いから成長したというのと、成長していたから中流であったというようなものだろう。<o:p></o:p>

 アメリカではオバマ大統領の国民皆健康保険が「何で自分で払えない人の分まで負担するのか」という反対が根強いという。1978年のカリフォルニア13号提案(California Proposition 13  http://en.wikipedia.org/wiki/California_Proposition_13_(1978) )を思い出す。これは資産税は取り過ぎが原因だったが背景には納税の不公平感もあった。この後、小さな行政と納税額の削減が進行したが、地域のインフラである教育、福祉、交通、安全などが問題となった。公平かつ効率的に見えたが、中期的には社会投資の不足が見えた。更に、アメリカの税制では、あるCEOが「秘書の税率が私の(ストックオプションの)税率より低いのはおかしい」といった状況でもある。<o:p></o:p>

 公平は世代間の公平(年金問題)や社会福祉(所得格差の補完)なども考えるべきだ。収入が多いのは働いているからだというだけではなく、また如何に税金を節約するかという小さな知恵ばかりの有効が嘆かわしい。収入があるなら義務(noblesse oblige)として、寄付、援助、社会活動を行う、(ただし名誉はある)、すべからく税金を払うなどの社会規範が欲しい。拝金主義の呪縛から社会全体の利益に目を向ける政治が欲しい。  

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デパートのリストラ

2009-12-12 07:42:17 | マクロ経済

 「三越と帝劇」の時代はかつて昔だ。それから、日本橋、京橋すぎて銀座の時代になった。三越本店が小売の覇者でなくなって、今やリストラの先頭とは。<o:p></o:p>

デパートには、お辞儀は要らないのではないのか。(特に奥に下がるときお辞儀は不要だろうし、見える動線が問題だろう、また閉店の時も特に1階のご挨拶は要らない、お互い儀礼的で生産的でない)<o:p></o:p>

いまこそ、原点に帰り専門性を復活させる時期であろう。それなのにノウハウのある人材をリストラするならいよいよ縮小均衡が、場貸し(不動産業)のショッピングセンター化であろう。<o:p></o:p>

デパート内部が分割されるから弱くなる。これではデパート(部門)ごとのストア化だ。部門を統合する「一体の効果」が強みのはずだ。<o:p></o:p>

自ら品を選び、売り切る「平場」で勝負がデパートの本道だろう。ユニクロでもギャップでもSPA(製造小売)は、企画・製造(委託)・販売の統合とリスク負担がある。(外れると在庫の山になる)今までデパートは、メーカーや小売店を選別できる立場であったが今は違う。原点に戻り、差別化、差異化、付加価値創造を図らないと、施設とサービスの回収ができない。(郊外ショッピングセンターと同じお店を出せば明らかにコストで不利だ)<o:p></o:p>

リストラで解決する方策に問題はないか。競合相手は何か、自分の強みは何か分析すべきだ。世の中全部が「ユニクロ」ではない。価値ある「夢」は未だにある。かつて日本橋の高島屋の地下にはそれがあった。<o:p></o:p>

今こそ、本当は原点に帰るべき時期なのだろうが、その前に、増えすぎたデパート自体の淘汰が起こるのだろうか。<o:p></o:p>

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ニューハマヤでハヤシライス

2009-12-11 19:54:33 | 食べ歩き

 北浜店は息子さんらしい方が入ってからか、和んだ雰囲気が感じられる。この前、本日の定食にハヤシライス(800円)があったので早速頂いた。<o:p></o:p>

 手間がかかっているドゥミグラス・ソースは褐色で甘口、苦味はさほどない。野菜の炒めで色をつけたのかもしれない。さらりとしている。煮込み型で玉ねぎがくたくた(櫛切り)なのが残念。サラダが付くが玉子はない。古風だ。大盛のご飯とともにいつもの福神漬けに加えらっきょも小皿に。お味噌汁も。なんとも時代を感じた。親父さんも久々に作ったのかもしれない。お肉は色々な大きさのが程ほどに。懐かしい一品だ。<o:p></o:p>

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地方のデパートは更に大変

2009-12-10 19:41:25 | マクロ経済

 新聞に、地方デパートとして規模が大きい本店で有名な大分のトキハ百貨店の別府店には商工会議所とコールセンターの用途転用が進んでいるとあった。理由は売上の低迷とある。それにしても大胆な利用だ。オフィスを商業に転用するのは、空調・消防・排煙・避難(階段幅)など課題が多いが、その反対はまだ対応できるからだろう。<o:p></o:p>

 また、消化仕入れ(売れた分だけ)を採り、納入業者から品物が集まらないともある。高度成長期には、デパートは黙っていても出店や仕入れの申し込みがあったと聞く。そのためこのような取引が未だに残っているのだろう。解決策としては、デパートが地方と都心の核店舗で一体の買取をすべきだろう。いまや流通業界では百貨店様と納まれる状況ではない。<o:p></o:p>

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きんせい高槻本店のラーメンと焼豚丼

2009-12-09 20:34:35 | 食べ歩き

 風邪もあり、麺類が食べたくなり高槻のきんせいに。高槻駅前で便利になった。しょうゆラーメン(700円)に焼豚丼(250円) 古代米に角切りチャーシュー(脂が多い)のフライパン炒りつけがのっている。焼豚丼はなんとも脂の厚み、甘辛さ、肉の旨味がたまらない。ラーメンは、風邪のせいか凡庸。焦がし葱の風味が好みでない。(風邪のお薬で朦朧として、かつ鼻いまひとつの状況ですが)焼味噌ラーメンは風味が良かったので残念。珍しく、食べきれないで麺を残してしまう。<o:p></o:p>

健康は失ったときその大切さに気がつくというのをつくづく感じました。とりあえず本と寝床で仲良くしよう。<o:p></o:p>

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牛丼280円、いろいろ考えた、どの層とどの業界か

2009-12-08 20:53:17 | マクロ経済

初めて牛丼を食べたのは、大阪出身者に連れられた高田馬場駅近くの牛丼屋でキムチが取り放題だった。吉野家の牛丼は「うまい、早い、安い」が有名で、1973年からチェーン化した。1975年から牛丼は300円(大盛400円)で、79年には350円(大盛500円)となり1980年には会社更生法の申請があった。<o:p></o:p>

当時、吉野家のお店が早稲田大学西門体育館通り商店会にできた。(オトボケの支店も当時はあった)しかし、あっけなく閉店した。学生を当て込んだのだが長い休みを想定していなかったらしく、立地のマーケティングがなっていないとの分析が有力であった。別の説では、地元の老舗の三品食堂(1965年開店 現在牛めし490円)に負けたとか、馬場口交差点 北東角の「まつざか」(35年を経て閉店 当時は定食で500円位、濃い旨味で姉妹でやってらした)がやっぱり美味いとか色々な説が飛び交った。( 破綻の要因分析 http://www.setsunan.ac.jp/kubolabo/files/seminar_1/02/017057.pdf )<o:p></o:p>

この後、吉野家は1995年に並400円、(2000年にはマックが半額65円を始めた) 2001年に280円と値下がりし、2004年からの中断を経て、現在は380円となっている。今では、1982年創業のゼンショー「すき家」が店舗数(なか卯も連結子会社)で最大手である。ゼンショーがオージー・ビーフ、吉野家がアメリカン・ビーフ(ショート・プレート)を使っているらしいが、吉野家の味しか知らないので、違いが分からない。<o:p></o:p>

非常に長いまえふりだが、すき家の牛丼並が280円となった。これは、競合にセルフうどん、200円台弁当などの競合が増えたことが要因と思うが、牛丼業界のパイの取り合いかも知れない。というのは牛丼は若い男子のヘビーユーザーが多いと思うからだ。それとも、このターゲットの来店頻度を高める方策だろうか。(なお、ビールも似たような商品で、ブランド・ロイヤリティの高い市場であったが、「安い」発泡酒で今や全く入り乱れだした)今回、すき家は肉も米も見直すというから、業界首位の立場を生かした吉野家囲い込み策かも知れない。(ゼンショーのホームページには外食産業の売り上げ低下のグラフもあり、明解な戦略だろうか)<o:p></o:p>

牛丼は丼ものでうま味が強く、腹持ちが良い上、紅生姜、七味もかけ放題だ。大盛は836kcal 480円(吉野家)でビッグ・マック555kcal ダブルクォーターパウンダー・チーズ825kcal(地域価格)と比較すると良く分かる。ご飯は偉大だ。それにしても、ファスト・フードは野菜不足になりそうだ。そのためか、野菜も採れる餃子の王将が人気なのか。野菜たっぷりのチャンポンのリンガーハットなどは今こそ、もっと伸びそうに思えるのだが。(ちなみに野菜不足は心体ともによくないので。。。。)<o:p></o:p>

牛丼で訝っているのがデパートの地下の惣菜にある牛肉弁当 1,050円だ。京都は「はふう」での暖かい、落ち着ける、サラダとコーヒーまであるランチのハヤシライスと同じ値段だ。誰が何の目的で買うのだろう。<o:p></o:p>

いよいよ、牛丼をはじめファスト・フード、弁当(コンビニ、デパート、弁当店、路面販売 等)は激戦になりつつある。それを横目に、一人、ひっそりと平野屋の湯豆腐をご飯に乗っけて地味に滋味を味わうのが「私的」には相応かもしれない。<o:p></o:p>

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青物などの直売所の増加

2009-12-07 19:43:14 | 都市生活

直売所は1万店強あるという。人口1万人に一つと考えると多い。食品スーパーケットは1万店足らずのようなので相当な勢力だ。<o:p></o:p>

朝市が時々、京都芸術センターの脇であり、北区の農家の直売をしている。安くはないが、美味しい。洗って重みと手ごたえがあり、土も落とすのが大変だが鍋物に入れても素材の主張があり旨味を感じる。<o:p></o:p>

直売所は地産池消につながり、直取引での低価格化、生産者の明確化が人気の要因だろう。農協、卸売市場のルートの次に大手スーパーの直取引ができたが、これは更に新しい。青物は地域毎となるのが自然なのかも知れない。また、少々形がいびつでも安く味が変わらないならお得で、生産者と消費者の利益だ。望むべくは郊外店のみならず都心にもお店が欲しい。朝は開かない金融機関の店先を借りたりはできないだろうか。<o:p></o:p>

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つけめんTETSU 京都拉麺小路:感心しました、また行こう

2009-12-06 07:53:26 | 食べ歩き

 三条白川で朝からスケッチをしていると、寒い。寒風吹きすさぶ氷の上に立つペンギンを思い浮かべる。お昼は暖まるべく京都駅の拉麺小路に。2番目で開店待ち。お向かいの京都や札幌、徳島のお店の人気が高いようだ。開店しても、わずかに空きがあるくらい。入口には池袋大勝軒の山岸さんからの花がある。<o:p></o:p>

 味玉子、メンマ、チャーシュー(3枚)が別皿で付く特製あつもり(1,100円、普通のは800円)を固めで。麺は浅草開花楼らしいが、厚く、幅広く、手もみのような縮れが強い。噛み締めもあり、弾力もある美味しい麺だ。あつもりは鰹出汁に入ってくる。東池袋やごとうのあつもりは麺の上がくっつき、下はお湯でふやけるという問題があったが、これなら熱くかつ滑らかに食べられる。固めだからか、麺のへたりもない。麺だけでも美味しい。<o:p></o:p>

 つけ汁は、豚骨、魚介の濃いもの。圧倒的な旨さがある。東池袋大勝軒のスープはコクはあるが荒れている豪快さがあった。ごとうは特色を生かしつつ上手く洗練された。違った豪快さに走ったのはべんてんでここは唯一無二だ。TETSUは更に洗練され、くどみ、エグミがない滑らかな味だ。いうなれば、青葉の滑らかさと東池袋の厚みがかねあわさったお味だ。但し、醤油と甘みは相当効いている。麺をつけると更に美味しい。酢と胡椒が良くあい、甘ずっぱ塩っぱいのが楽しい。チャーシューは3枚肉を丁寧に煮込んだもの。脂身が美味しい。玉子の黄身が濃い、メンマは丁寧。麺がもっと欲しいと思いました。<o:p></o:p>

 卓上のポットに入ったスープ割りでは焼石をすぐ持って来て頂ける。焼き石は陶器のようで底が白い。スープ本当に熱くなり、理科の実験(比熱)みたいで楽しい。揚げ葱を入れると甘みが増してなんとも依美味しい。<o:p></o:p>

 来てよかった。全粒粉や和風のヌーベル・ラーメンに飽きていたら懐かしい本格派に出会えた。このお味では安いとさえ思った。<o:p></o:p>

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 午後、晴れたのでインキングし色(水彩色鉛筆と透明水彩)を入れ、絵が完成しました。

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再開発ビルの再開発:月日は巡る

2009-12-05 08:47:18 | 都市開発

1980年頃の再開発ビルのキーテナント撤退や耐震問題があり、国土建設省が支援方策をまとめているらしい。市街地再開事業の根拠法は都市再開発法(1969年)で、新橋駅前のビルはそのまえの市街地改造法(1961年)に基づく。<o:p></o:p>

加えて、まちづくり3法(1998年)により、改正都市計画法(ゾーニング規制)、大規模小売店舗立地法(周辺環境対応)、中心市街地活性化法(空洞化対応)で中心市街地の再生が行われているが、シャッター通問題は依然残っている。<o:p></o:p>

 再開発の仕組みは、駅前などの低層・非耐火・小規模な建築を街区単位でまとめて高度利用し、余った容積は保留床として、第三者(商業、ホテルなど)に売却し、事業費として活用する、等価交換方式だ。建物は、もともといた方々の権利床(店舗、住宅)と保留床(商業・ホテルなど)と駐車場が一体となった複合ビルが多い。アメリカ、ボストンのプルーデンシャルセンター(駅の上部利用)がその端緒とも聞く。<o:p></o:p>

当時は「駅前なので商業は栄える」だろうということで、ショッピング・センター(SC)と大手商業施設が出店を競ったが、郊外ショッピングセンターの出店や、時流対応の遅れ(もともと地元の商店街に近く、ディベロッパー主導でもないことも一因)、空洞化を受けキーテナント(商業)の撤退が相次いでいる。<o:p></o:p>

事例として関西では、宝塚アピアのキーテナント撤退とリニューアルを行った再生会社の「宝塚まちづくり会社」が20億円の負債で破産手続きに入っている。宝塚市の破綻原因の報告( http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/sub_file/01070306000000-chuukanhoukoku-gaiyou.pdf ) があり、この中で、「補助金ありき」、「リニューアルありき」、「お上だのみ」という記述がある。この、意識には「もともと都市計画事業」というのと、こんなはずではなかったというのがあろう。しかし、今の大型商業は変わり身の早さが必要であり、変化が大きいのは事実だ。しかも駅前ならば、自動車ばなれもあり都心商業は再び見直されている。食品(生鮮3品など)や利便施設の収益可能性は大きい。<o:p></o:p>

隣駅の宝塚南口では1974年竣工のサンビオラ3番街が28階のタワーマンションに建替えられる。宝塚市は管理運営の第三セクターに10億円の支援を行ったが2002年に21億円の負債で破綻した。<o:p></o:p>

(この周辺は川西能勢口をはじめ再開発が何故か多い、住宅(人口)と鉄道、大型商業のないことが開発要因であったのだろう)<o:p></o:p>

わずか30年足らずしか持たなかった開発とは疑問だ。問題となるのは合意形成だろう。施設の見直しやリニューアルには共用部や共用の設備は変更・改修に同意が必要だが、権利者のまとまりがないと後手に回ってしまう。一部建替えや構造改修には更に時間が必要だ。<o:p></o:p>

そのためには、複合建物とするより、規模にもよるが、住居棟、保留床棟(商業・ホテルなど)、駐車場棟と分け、設備も独立する開発が良いと考える。そうすれば、権利・所有の明確化が図れる。複数棟の容積率や開発内容の保全は現在の総合設計、地区計画でも担保できているので、必要あれば再開発法に新たに設ければ良い。<o:p></o:p>

商業は変わり身が早いため、その棟の所有者を大手商業とし、地元テナントは(資産売却の上)そこに賃貸借契約で入居するのが集客と活性化の要点だろう。地権者も時代にあった商業のあり方と賃料の払える売上と商業としてのまとまりを考える必要がある。破綻懸念の再開発の商業も一旦商業キーテナントが買い上げる(一括所有・運営形態)にとりまとめるのが解決策としてある。反対に、地元の商店街として再生させる方法もあるが、その企画・運営者を地元に求める場合の受け皿が課題となる。<o:p></o:p>

このように、ハードの建築設計とソフトの商業管理の両面で今後見直す必要があろう。既存の施設の改修と再生にも同じことが言える。危機感のないお上頼みでは再生はない。<o:p></o:p>

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東山の秋

2009-12-04 20:56:41 | 京都

 ぼんやりと東山を眺めるとこの前まで重い緑(紅と緑の混色で褐色が入る)紅が入り緑との対比になっている。急に寒くなって雨もあり紅葉がきれになっている。名所は多いが、人も多いのでなるべく避けている。行くなら、御所あたりが近くてよい。最近、近くばかりで行動範囲が狭まっている。一度、サイクリングのクラブ・ランか、レーサーを取り出しての輪行を考えてみよう。天橋立や伊根の舟屋などをスケッチしたいものだ。<o:p></o:p>

 温泉にひたってみたいと思うようになったのはこのごろだ。<o:p></o:p>

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自動車ビジネスに未来はあるか? 下川浩一 :ためになります

2009-12-02 20:13:04 | マクロ経済

 金融バブルでローンともにアメリカは車が売れたとある。サブ・プライム・ローンと同じで「買うなら貸すぞ」という方式だ。いわゆるセラー・ファイナンス(Seller financing)のようなもので、上手く行くと、モノは売れるし、ローンの金利は入ってくるというものだが、悪くなると売れないわ、ローンは焦げ付くわということになる。GMとGMAC(金融子会社)がこの関係だ。(不動産でもこのような例は多い)<o:p></o:p>

 次に、トヨタの業績急落は、GMを抜いて世界一の生産台数となるべく、生産しすぎ、そこに景気急変が加わり在庫急増になったのが要因とある。確かにフレキシブルな生産「台数」ではなかった。経営とはこのように人為がからむと分かった。<o:p></o:p>

 更に、日本では試練が技術を磨き、マスキー法対応の排気ガス浄化システムが化学・冶金・電子など関係技術・業界・企業の連帯を生んだとある。これは今後のエコカー開発に役に立つ。更に、Just In TimeJIT)やフレキシブル生産方式を確立し効率と多品種対応の生産方式がある。また、アメリカのように労働者のレガシーコスト(年金、医療保険、高賃金)もない。<o:p></o:p>

 結論として、絶え間ない技術革新と産業間連携を継続しつつ、高級車(先進国)とエントリーカー(発展途上国)の両睨みで環境対応の電気自動車(ハイブリッド含む)が提言されている。<o:p></o:p>

碩学の分かりやすい本で667円と安価でもありお奨めです。<o:p></o:p>

 トヨタの看板方式はもてはやされているが、アメリカではLean Production (無駄のない生産方式)といわれていた。無駄がなさ過ぎて、今回の生産縮小では下請け、二次下請けなど低迷が広がった。連鎖するところは金融のレバレッジと同じだ。ある程度の余裕と顧客の多様化が欲しいがそうも行かないのがこの方式だ。安くなることはいいのだが、給与も安くなるデフレ・スパイラルは生産性の逆循環で、経済理論にないものだ。(つまりは全世界で安くなっているのだろう、金利も低い)<o:p></o:p>

本書の趣旨はまったく同意見だ。懸念店は、日本の生産の比較優位であるが、これを支えた「多能工」が少なくなり、パート・派遣が多くなっていることだ。技能の継承やカイゼンの提案につながらない。これからの産業はコンピュータのような「組合せ産業」だという意見もあるが、そうだろうか。例えば、アッセンブル産業の代表である自転車でも、部品とフレームメーカーの連携とやり取りがあり進んでいる。部品はシマノの寡占化が進んでいるが、フレームは何故かアメリカが元気だ。それはデザインや素材、考え方に提案があるからだろう。電気自動車も、安全性や軽量化、エネルギー補給方式とインフラなどシステムを考える必要がある。(一例として駐車場に電源が必要など)ものを開発する喜び、新しいものに、よりよいものにする喜びが基本だ。<o:p></o:p>

1990年代初め、MITでは日本を手本にした競争力委員会があった。それでもGMは再生せず、アメリカは新規分野として金融工学を取り上げたがまやかしだと分かった。いまこそ、日本は余りある民間資金(政府は赤字)を利用して新規分野の取り込みを行うべきだ。例えば建築では照明の変更、太陽電池の敷設、駐輪確保などに使うものと思えばいくらでも考えられる。<o:p></o:p>

知的な興奮が味わえた。<o:p></o:p>

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実録アングラマネー 有森隆+グループK :企業のケーススタディに使えます

2009-12-01 19:53:45 | マクロ経済

 企業にファイナンスを持ちかけ、利益を得るアングラマネーの手口を書いてあり、参考になる。苦境に陥った企業はオプション付き転換社債の起債などあるが、空売りとあわせる手法など、金融工学(ストライク・オプション 等)と法規制の隙間を狙った手法が多い。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

 参考となるのは、このような苦境に陥った企業のパターンが見える<o:p></o:p>

     成功したため、傲慢になり、安易な投資が課題となった<o:p></o:p>

     成功体験の手法により、社内の不正な取引を助長した<o:p></o:p>

     時流に乗った投資で株価が上がったが、実は問題な投資だと分かった<o:p></o:p>

     問題のある取引先と新たな取引を開始して依存した<o:p></o:p>

     実態がないのに出資・借入れを行った(一種のポンツイ金融、マルチ)<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

 アングラマネーも、狙いの企業があると分かる。恐ろしいのは、このような企業実態が分からず株を取引することだ。エンロン事件(将来のキャッシュフローの見込み計上)にあるように、会計監査の厳格化とサブプライム事件(金融工学の安易な信頼)にあるように格付けの適正化が必要だろう。空売りで損をするのは主に一般投資家であり、その損がアングラマネーの利益になる恐れがあるからだ。<o:p></o:p>

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