どんなものに心動かされ素材にするかが、創作には大事な要素だ。
去年初めて作業場にした余木崎海水浴場でまず目についたのは錆びた大きな鉄の輪だった。
それ以来妹のきんかんともども鉄さび色に魅了され続けている。
拾ってきた大きな鉄錆び色の輪っかは3月に開いたクラフト展(イエツァオグループによる)でツルと合わせて花器にした。
今回は又第一作が鉄錆びた板による”獅子舞”だった。
きんかんも砂に埋もれ原型をとどめないほどに変形し、見事に鉄錆び色になった一斗缶を見つけた。
どういうことか中に乾いたパンと折れ曲がり錆びた鉄線が詰まっていたが海に漂っていたものではなさそうだ。
いろんな事情でいろんなものが海岸にはある。
パンは使わなかったが錆びた一斗缶と鉄線、ひろった流木とひもで”未来へ”。
天に山に海にといろんな線が伸びている。
2月に生まれた初孫がいつも頭の隅にあるようだ。
きんかんがまず海岸で手にとったのは流れ着いいたキティちゃんだ。
服は破れ髪飾りは乱れ薄汚れていた。
手にとったもののそっと置いた。
”かわいいものが得意なのに”と言うと”あまり哀れ過ぎて”とつぶやいた。