発達に凹凸のある3、4年生の子のグループレッスンで。
電車好きの3年生のAくんが、教室につくなり、
「ぼくねぇ、いいことを考えたんだ。水の上を走る乗り物が作るんだよ。
リニアモーターカーみたいに。でも、水の上」と息を荒げて言いました。
どんなふうに作る計画なのかたずねると、
「リニアモーターカーみたいにだよ。じしゃくで浮かばせて、
水の上をスーッって走ったら、すごいでしょ」とのこと。
「それはいい考えだけど……。
前にリニアモータカーを教室で作ったことがあるけど、
強力な磁石を使ってもつま楊枝くらいの金属の棒を動かすのがやっとこさだったのよ。
Aくんは、どんな乗り物が動かしたいの?」
「もちろん、大きい電車だよ」
「だとすると、教室にはそんなに強力な磁石はないわ。」
「でも、作りたいよ」
「それなら、磁石で動かずのはあきらめて、風の力とかゴムの力とか
で動かしたらどうかしら?それなら、水の上を走るかもね。
でも、水は、どうやって教室のなかに流すの?
教室で水を入れられる大きな容器は、スーパーボールすくいの時に
使っている衣装箱くらいだけど。」
「そんなのだめだよ。部屋の中をグルーッと水が回って、
あっちもこっちもいって、グルーッと回ってこなくちゃいやだ」
Aくんが、しつこく言い張るので、こちらもやけになってこう言い返しました。
「それは、残念。そんなことしたら教室中、水びたしになってしまうわ。
どうしても、水をグルーっと回らせたいなら、
水の上を走る乗り物を作るんじゃなくて、
水が線路の上をグルーッと回るんだったらできるわよ」
すると、あっさりと、「それでいい!」とのこと。
本当に、それでいいの……??
そうして作りだした「水の上を走る乗り物」ではなくて、「線路の上を走る水」。
色画用紙をつないで、せっせとクレパスで色を塗りました。
クレパスを塗ると、水をはじくので、ストローで水の玉を落として、
ストローで息を吹きかけると、丸い水の玉の状態で線路上を走っていきます。
AくんもBくんも、
ストローで水の玉を移動させて大喜びしていました。
ついでに、実験用に買っておいた光る塗料を塗りました。
部屋を真っ暗にすると……
うっとりするような美しさでした。
AくんもBくんも、それぞれの学年の学習をしっかりがんばりました。