小学生ロボコンの全国予選会の開催日時が近いです。
前回の予選会までにロボットが作れなかった子も、少しだけ新しいキットを買い足せば、前回に購入したキットを使って参加することができます。
(オンラインの予選会の場合、参加の申し込み期間が、10月25日〜11月7日なので、興味のある方は早めにホームページをチェックしてください。)
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1~3歳までの子育て環境について、深刻な問題だと感じていることがあります。
それは、
★子どもが自分で考える
★自分の感情で感じる
という仕事をほとんど奪い取ってしまうものとなっていることです。
ちょうど3歳の子たちのブロック教室をしていると、3歳くらいの子というのは、すぐに物を奪い合うのですが、そのたびにたちまちお母さんが「貸してあげなさい」とか、「取ったらダメ!」とか指示を出しているのです。
子どもには現場ですぐ教えるのが大事というのはわかるのです。
でも、はやく決着させたい気持ちと、親同士の遠慮が、子どもから自分で考え判断する能力を奪った上、間違った教育をほどこしている場合がよくあるのです。
☆ちゃんが★ちゃんのおもちゃを奪おうとしたとき、こんなことがありました。
たちまち☆ちゃんのお母さんが、☆ちゃんに「ダメでしょ~!」
★ちゃんがすんなりおもちゃを☆ちゃんに渡してしまって、呆然とした顔をしていると、一同「えらい~!」と言いながらパチパチパチ~!!
☆ちゃんに「ありがとうは?」 で一件落着~
これで……いいのでしょうか???
まず、★ちゃんは、次にどうすればよいか学べてませんよね。
「ありがとう」と言えば、取ってしまってもいいのでしょうか?
また☆ちゃんは、何も考えずに、「手さえ離せば褒められる」「自分が我慢するのが正しい」という間違った対応を教えられてますから、今後、混乱して、自分で考えることを放棄してしまうかもしれません。
なら、こういう場面でどういう対応をすればいいでしょうか?
こういう場面って、その都度、状況によって変化します。
ちょうだい!っと欲しがってもOKな場もあれば、相手が赤ちゃんだから譲ってあげよう~という場合もあります。
まず、今の子どもの気持ちや欲求を言葉にしてはっきりさせる・認めてあげることがいりますよね。
奪おうとした子には、「●●のおもちゃが使いたいのよね、●●したいもんね」
奪われそうになって、おもちゃをにぎってる子には、「おもちゃ貸してほしいんだって。どうする?」
さらにぎゅっとおもちゃをにぎれば、「今、貸したくないんだね」
最初の子に「今、貸したくないんだって」
そういって、あとは渡してしまうなり、嫌がって渡さないなり、子どもの判断にまかせます。
客観的に見ての善悪は、子どもの心の中で熟成されて、ゆっくり良い判断がくだせるように、徐々に教えていけばいいのではないでしょうか。
1~3歳の子にとって、物の奪い合いは、頭をフルで働かせるチャンスです。
でも「考えなさい」と言うのは矛盾しているのです。
考える子にしようと思いながら、「考えなさい」という指示を与えて、すぐに答えを出させようとしているのですから……。
考えるという行為は、「考えなさい」と言われてするものではなくて、さまざまな場面にぶつかって、自分で解決したり、判断を下さなければならないとき、しはじめます。
「考えなさい」という指示で考えようとすれば、頭が空っぽになってしまいます。
それよりも子どものくだした結論がたとえ「ベスト」でなくても、今のその子にとっては、それが「ベスト」の答えなのですから、間違っていれば、間違いを学ぶ良いチャンスが与えられたのだし……といったんそれを認めることが大事なこともよくあります。
あとひとつ、「考える」ことの障害物となるものに「体験のともなわない知識」があります。
知的好奇心が強いことは良いことです。
でも、手で簡単なものを作るレベルに意識を目の前の現実に向けられない子が、大量の知識を持つことはとても危険なことでもあると感じています。
危険とまで書いたのは、私が軽度発達障がいの子らとたくさん接し、そうしたさまざまな情報に目を通すことがあるからです。
軽度発達障がいの子の特徴は「できることとできないことの差の開きが大きい」ということです。
「言葉は達者なのに極端に不器用、読書好きで図形はさっぱり」「すごく手先が器用なのに、言語面の発達がゆっくり」「すごい作品が作れるのに言葉の理解力が弱い」といった感じです。
脳のタイプが一般的な子と少し異なるため、そうなるのです。
でも、最近、親御さんが知識をインプットしようとする態度で子どもと接していたり、語りかけ育児を誤った方法でしていたりするため、発達障がいの子でないのに、「できることとできないことの差の開き」が大きな子が増えているように思います。
目安として、4歳半~の子で、「知識は豊富なのに、ゴム鉄砲や簡単なコマを回すこと(ひものものではありません)ができない」場合、子どもの生活を見直す必要があると思います。
こうした子は頭が働くし、さまざまなことに敏感に気づく力があるのに、実際には学校に入って、テキパキ動作することができなくて、自分に自信を失ってしまいます。
「記憶するけれど、思考しない」という態度にもつながります。
『思春期にがんばっている子』という本の中で明橋大二氏が、「大人が、もう一度遊び心をとりもどすこと。それがそのまま、子どものやる気を育てることになる」とおっしゃっています。
明橋氏はこんなこともおっしゃっています。
遊びに満ちていたはずの子どもの世界が、今は、指示され、命令され、強制され
る「仕事」ばかりになってはいないでしょうか。
それが子どもののやる気をそぎ、ひいては、学ぶこと、働くことに、苦痛しか感じられなくさせているように思います。
ーーー
著書を出させていただきました♪
「失敗を乗り越える力」「とことん考えることを楽しめる力」が身につく接し方を紹介しています。
↑ 学生だった頃の息子との会話の記事へのコメントで、次のような二つの言葉をいただきました。
⭐️発見したのは、こどもにとって「見えない世界」の栄養がとても大事なんだな、ということ。
⭐️ひとつのキーワードとしては、心、頭、感性を自由に働かせる、それに夢中になって時間のないところまで行く、ということなのかなと思いました。
どちらも、とても味わい深くて大切な言葉ですよね。
「見えない世界」の栄養って具体的にどんなものでしょう?
すぐにピンとくる方は、子どもと過ごすあらゆる場面でそれを見いだしていることでしょう。
でも、わからない、という方は気づかないだけではなく、子どもにより良いものが与えたくて、「見えない世界」と「時間のないところまでいく」体験を減らすことに躍起になっているかもしれません。
そこで、レッスンの中から、子どもたちが「見えない世界」から栄養を得ているなと感じた瞬間をいくつか切りとってみることにしました。
今日は2歳9ヶ月のAちゃんのレッスンでした。
まだ冬休み中なので、年長のお兄ちゃん(Bくん)も付いてきていました。
「工作をしよう」という流れになって、わたしがビー玉コースターの簡単な作り方を披露しました。
2歳児さん向けの見本ですから、「できるレベルであること」「やってみたいと思うような感覚的な楽しみを伴うこと」「すでにできることをベースにすること」の3点が大事です。
幼い子には『興味があって自分ができそうなこと』しかきちんと見えていないようなところがありますから。
両面テープを画用紙に貼って、はがします。
上の写真のようなレールの作り方なので、大人が作ってあげようとすると、「先に画用紙を切って、両端に両面テープを貼る」という順序で作ってしまいがちです。
もちろん、その方が仕上がりがいいのですが、それだといきなり難易度が上がって、2歳児さんの想像力では作業の流れをつかむのは難しいのです。
また、もし訓練でそれができるようになっても、他の工作でできるようになったことを応用しにくいのです。
そこで、テープを貼って、はがして、はがした後にストローを乗せて貼ります。
それからはみ出している部分をはさみで切り取るのですが、その部分を大人がしてあげたとしても、見ていて、何をしているのかわかりやすいので、先の順序よりずっと学びやすいです。
わたしが両面テープを貼って見せて、先っぽを少しはがしてみせると、Aちゃんはそれをペリペリはがして上機嫌でした。
「ここをはがしてごらん」と教えるよりも、思わずはがしたくなるような状態を作る方がわかりやすいです。
Aちゃんは、うまくはがせたことで自信を得たのか、今度は自分で両面テープを貼り始めました。何本も。
こんな時に、大人が仕上げたいものを意識して、「ここにこうして貼って……」とか
「2本までね」とか指示しないで(年齢によって、きちんと手本や指示通り作るよう教えるのが大事な時もあります)、よほどの無駄使いでもしない限り、何度もやりたがることに熱中させてあげるのがいいと思っています。
次のアドバイスやお手本を見せるのは、本人が退屈しだした時でいいし、見本ではなく、大人は大人で自由に制作活動に興じるのもいいと思います。
Aちゃんは、ここまでこちらのお手本に添って作っていましたが、そこからは、自由にはさみであれこれ切りだしました。
Aちゃんが空き箱を切ろうとした時、お母さんが、「Aちゃん、それ固いよ」と注意したのですが、Aちゃんはどこ吹く風。ゆっくり着実に切っていきました。
Aちゃんは4歳違いのお兄ちゃんと同年代だと信じているような二人目ちゃん。
観察力の高く慎重に行動する一方で、
「それはAちゃんにはまだ難しいよ」というニュアンスの忠告をされると、
俄然やる気になるタイプなのです。
大人だって固くて切りにくい空き箱をチョキチョキした後で、得意気にそれを開いたり閉じたりしながら、「ご本ができちゃった」と言いました。
こんなふうに自分でやってみたことが何らかの形になって、おまけに自分で見立てることができた時、幼い子たちはどんなすばらしいものが手本通りできた時よりもうれしそうです。
わたしは、Aちゃんの作った本を開いて、読む真似をしました。
「Aちゃんが、おかいものにいきました。おしまい」とか
むかしむかしあるところに、うさぎさんとかめさんがすんでいました」という具合に。
すると、Aちゃんは笑顔をはじけさせて、切った箱のもう一方も開いてみて、それも本のように見えるのがうれしくてたまらない様子で作品をぎゅっと胸に抱きました。
一回、真っすぐ切っていっただけで、二つもできた作品と呼べないような作品。
でもAちゃんにとっては、何も代えられないすごいもののようです。
「ご本ができた」と見立てたとたん、それまで箱だったものが、本に見えて、本として関わって遊ぶことができる、ということは、まさしく「見えない世界」の栄養分。
『星の王子様』の童話にあるような、王子様には見えるのに、『数字が好きで、一番大切なことは何も聞かない大人たち』には見えなくなってしまった世界からの贈り物なのです。
「Aちゃん、よかったね。2冊も本ができたのね」とお母さんが声をかけると、Aちゃんは目をキラキラさせて、次の箱を切り始めました。
切った後で、Aちゃんはセロテープをペタペタ。何枚も何枚も。
「切ったり折ったりした後で、セロテープでそれを覆うのが好きな2、3歳の子って多いんです。
紙を折って、テープで封印してテレホンカードみたいなものを大量に作ってから、『お手紙』と命名する子たちがいますよ」と言うと、
Aちゃんのお母さんが笑いながら、「そうなんです!うちでも折り紙を折って、テープで完全に貼り合わせてお手紙を作っています。
それも、内側が色がついている面になるように折るので、裏の白い面だけの同じようなものがいっぱいに……」と返しました。
Aちゃんの作品(切った後でテープで貼り合わせた紙)を使って手品ができるようにお菓子の箱に細工をしてあげました。
引き出し式になっている内箱を半分で切って、逆さまになるように貼り合わせると、入れた紙が、箱を逆さまにすると出てくるようになるのです。
引き出す際に小さな覗き穴から顔のマークが見えるようにして、その顔を押して、箱をひっくり返すと、上から入れたはずの紙が下からでてきます
……という仕掛け。
これはお兄ちゃんのBくんが、箱を覗きこんで不思議がって、「どうして?どうなってるのかなぁ?」と夢中になっていました。
模倣が上手なAちゃんは、手品のタネはいまひとつわかっていない様子でしたが、たちまち、手品の演じ方を覚えて披露してくれました。
東京で一人暮らしをしている息子からプレゼントが届きました。
フランス製のビー玉セット。
早速、教室に来た子達が遊んでいます。
ビー玉コースターのゴールに100円ショップのベルを置くと、ビー玉がゴールするたび、いい音が鳴ります。
下の写真のようなビー玉用のレールを作った子もいました。
孫のこぐまくんもビー玉遊びに夢中です。
ビー玉を上に上らせて一気に滑らせる道具の作り方を教えていた時のこと。
ビー玉を滑らせる道具は、下のようにブロックの穴にビー玉を乗せます。
下の写真のようにビー玉を受けながらスライドさせていきます。
3歳のAくんがゴミ収集車のおもちゃで、落ちるビー玉を受けようとしました。
でもゴミ収集車の穴は車の後部にあるので、ビー玉がうまく入りません。
ビー玉を滑らせる板をどけてゴミ収集車を割りこませるAくんに対して、大人はつい、「それはできないよ。それじゃないよ」と言ってしまいそうになります。
でも、そんな言葉をグッと飲み込んで、子どもといっしょに「どうしたらうまくいくかな?」と考えてみると、考えることがとても楽しくなってきますよ。
<問題解決作戦 1>
扱っているものをいろいろな角度から見る。ていねいに観察する。
ゴミ収集車をていねいに観察すると横にレバーがついていました。
押してみると、ゴミを入れる部分が傾きます。
でも残念ながら、穴が下向きになってしまいました。
これでは、ビー玉を受けることができませんね。
<問題解決作戦 2>
逆転の発想!をしてみる。
「縦のものを横にできないか?横のものを逆さにできないか?傾きを利用できないか?高さを利用できないか?」もついでに考えてみる。
逆転の発想ってありますよね。ゴミ収集車の穴が後ろについているなら、何とか後ろの穴にビー玉を入れようと躍起になるより、ゴミ収集車の穴がビー玉が落ちてくる位置にくるようにしてしまえばいい……というアイデア。
といっても、ゴミ収集車を手で持って傾けるのはご法度ですから、ブロックでスロープを作って傾けることにしました。
ついでにビー玉を上らせる道具の傾きも大きくします。
「ピーッピーッピーッピーッ、車がバックします。車がバックします。」と言いながら、逆向きにスロープを上らせると、無事、ビー玉がゴミ収集車の中に落ちるようになりました。
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子どもがブロックの穴にサイコロを入れるのに夢中になっていました。
「この子、こういうことが好きなんだな。」と気づいたら、それと同じ遊びをもう少し深めることができるように遊びのバリエーションを増やしてあげます。
でも、どうすればいいかわからない……という方もいらっしゃいますよね。
<遊びの発展 1>
足し算してみる。
同じタイプのものをもうひとつ足してみたら……。
2種類のものを足してみたら……。
ガチャポンと穴の空いたトンネルとベルトコンベアーが足し算されて、何やら面白いおもちゃに……。↓
↑の写真の上部は、ガチャポンです。
一生懸命遊んでいる2歳のBくん。
筒に、小さなおもちゃが入るくらいの穴を一つ開けて、その筒が入る隙間を作って組んだブロックに差し込みます。
上からおもちゃをいれ、筒をくるりと回すと、下に落ちてくる仕組みです。
ガチャポンの下は↓の写真のような簡単な仕掛けのベルトコンベアーになっています。
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<遊びの発展 2>
逆転の発想。
ひたすらブロックを重ねて高いビルを作った4歳のCちゃん。
お家を作っていた子たちがエレベーターを取りつけていたのがうらやましいけれど、この高いビルの横にエレベーターを作るとすると、どれだけたくさんのブロックが必要かわかりません。
それに労力も!
こんな時は、エレベーターの囲いを作って、その内側にエレベーターを設置して……という従来のイメージを転換して、すでにある高いビルの周りを囲うように最低限のパーツでエレベーターを作ってみました。
ドーナツ型のエレベーターがビルの串にささっているような案配。
お友だちが長い腕がついたロボットでエレベーターに誘導してくれています。
<遊びの発展 3>
囲いの中にキラキラを詰めて……。どの囲いに一番たくさん入るかな?
<遊びの発展 4>
組み方で、線対称にも点対称にもなるパズル。作り方は簡単です。
ーーー
本を出させていただきました♪
年長のAちゃんの『科学館』。
Aちゃんは教室の定期的なレッスンに通ってくれている子です。
「ブロックで磁石を使って遊ぶ方法が知りたい」と、自分で磁石を持参していました。
ドールハウスの作り方を説明した後で、「これをレストランにしてもいいし、駅のビルにしてもいいよ」と説明していると、「科学館にしたい」と即決しました。
Aちゃんは以前、教室で科学館に出かけたことがあるのです。
その時、感動したあれやこれやを作ってみたかったのでしょう。
そこで、科学館で、「確かあんなの見た……こんなのあったな……」というものを、ブロックで作ったお家に組み込む方法を教えることにしました。
科学館には、磁石のしくみ、光のしくみ、音のしくみ、空気のしくみなどを学べるコーナーがあります。
どれもお家にあるちょっとした小道具で再現することができそうですね。
キーライト(100円グッズ)を使って、上の写真のような投影機を作ってみました。
丸いチーズの空き容器に穴を開けて、セロテープを両面から貼ってマジックで絵を描きます。
丸い箱の中心にモールや針金入りリボンを通すと、ブロックに装着可能になります。
くるくる回転させながら、壁に絵を映します。
回転させることができる投影機の作り方を教えながら、いつも子どもたちが何かに夢中になった際に投げかける質問をしました。
「このアイデアが面白いなと思ったら、次に発展させるために、どんなことをしてみたらいいと思う?」
(この質問は、この言葉通りたずねるのではなくて、子どもの理解する力によって、言葉を介さずに伝えることもあるのですが、今回は親御さんもおられたので、大人向けにそうした質問にしました。)
<発展させる方法 1>
縦のものを横にしてみる
縦のものを横にしたり、ひっくり返したりすると、全く新しい使い方を発見することがあります。
下の写真は、投影機とほぼ同じ仕組みで、磁石の力でモールの花が咲くようにしたもの。
モールを円盤の上に散らして、下から磁石をあてると、モールが磁石に集まってきて、花のようになります。
科学館にこんな展示物があったので。
上の写真はAちゃんが考えた投影の仕組み。
透明の曲面に沿うようにライトを動かしていくと、白い壁の部分に映像が流れるように映し出されていきました。
この輪っかの中央に白い塔を置いたら、全方向から投影できる道具ができますね。
こんな感じです。↓
① 透明ファイルに油性マジックで絵を描いて、細長く切り取り、輪っか状にします。
② 絵を描いた輪っかは動かさず置いたままで、ライトを当てる位置を変えていくと、映っている魚が動いているように見えます。
<発展させる方法 2>
知っていることや学んだことを2つ以上組み合わせる
2つ以上アイデアを組み合わせると、たちまち面白いものができあがります。
お家の上に、ガムマシーンの一部を乗せたBちゃん。
(ガムマシーンとは、バーを押すと、螺旋状のスロープを丸いガムがくるくる回りながら降りてくるおもちゃです。小さいサイズのものは100均でも売っています。Cちゃんは、ガムを入れておく部分を外して、ビー玉を転がす坂として利用しています。)
ガムマシーンの上部まで、ビー玉を送り届ける装置と組み合わせると、たちまちすてきなしかけができあがりました。
↓の写真は、昆虫やロボットの動く手足(←詳しい作り方はリンク先をご覧ください)を、ドールハウスにひっつけたことでできた面白い道具です。
椅子に座っている子のところにロボットアームがドーナツを届けています。
機械化した未来の家を作っていくのも楽しいですね。
<発展させる方法 3>
科学的な興味につながるように遊ぶ
ブロックの内部に磁石を入れると、こんな風に金属がひっつくブロックができあがります。
磁石が落ちないように磁石とブロックの間に折った紙を挟んで調節します。
次回→ 考える力を育むブロック遊び 3 に続きます。
ーーー
本を出させていただきました♪
2歳児の親御さんたちのグループで、穴を利用して、さまざまなしかけを作る方法を学んでいた時のこと。
「『穴を棒でふさいで、棒を動かすことで小物が下に落ちる』というシンプルなしかけで子どもが熱心に遊びだしたら、次はどうしますか?」とたずねました。
すると、参加しておられたパパさんが、こんな面白いおもちゃを作っていました。
さまざまな方向から差し込まれた棒を上から順番に引きぬくと、ビー玉がだんだん下におりてきます。
そこの娘ちゃんが、不思議そうにしかけを覗きこみながら遊んでいると、赤ちゃんが興味しんしんに近づいてきて、引っ込んだり出てきたりするブロックの棒を触りだしました。
棒が引っ込むと、穴に指を入れて取り出そうとする姿に、一同、大笑い。
こちらは2歳のBくんとお母さんの作品。
棒を入れる穴のサイズが少し大きいだけで、それまでにない面白い動きが生まれていました。
お母さんが上の穴からアヒルを入れると、Bくんが棒を押す時に、アヒルが棒に乗って出てくるのです。
このしかけで「ハト時計」を作ることができるかもしれませんね。
最初のシンプルなアイデアを、知恵を絞って少しだけ発展させるようにして遊ぶと、子どももいっしょになって考えるようになっていきます。
ちょっとしたアクシデントも知恵を使う好機です。
上の写真は、最初、スライドして開閉するドア(写真の右上に写っている緑のブロック)がついた駐車場だったのですが、Cくんが入口を黄色いブロックで埋めてしまいました。
これでは車を入れることができません。
でも、これを見た時、わたしは面白いアイデアを思いつきました。
下の写真のようにCくんが埋めた黄色いブロックの形をつけた鍵を作ると、「鍵をしめると、ドアが開閉できない」「鍵を開けると、ドアが動くようになる」という遊びができるな……と。
差し込んでガチャガチャ回す鍵ではなく、鍵そのものがドアを動かないように押さえているという、遊びの世界ならではの鍵です。
こんな風に、「中に入れない」という困った状況も、創造的に解決する姿を見せると、子どもは子どもで、新たなアイデアを試してみようとします。
ブロック遊びをする時は、「子どもに作り方を教える」のではなく、「子どもといっしょに知恵を絞ることや問題を解決することを楽しもう」という気持ちで関わるのがいいかもしれません。
平たいブロックの板も、ブロックを縦、横、斜めの方向に積んでいくことで、たちまち立体的な作品になります。
階段をつけたり、エレベーターをつけたりすると、子どもは空間を自在に使って遊びだします。
荷物を引きあげる道具も取り付けました。
「3階から2階に下りるのはどうすればいいでしょう?」と相談をいただいたので、らせん状の階段を作る方法を見ていただくと、思わぬ解決法があるもの……と、とても面白がっていただきました。
空間を複雑に使った作品は、遊びをわくわくするものにしてくれます。
子どもは自然に階段や家具や入口などを付け加えるようになると思います。
続きを読んでくださる方はこちらへどうぞ。↓
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本を出させていただきました♪
レゴデュプロを使って昆虫ロボットを作る方法を紹介します。
足の関節が動きます。
<基本の昆虫ロボ 作り方>
下の写真のようにブロックを組みます。
関節部分は、ブロックの凹凸に一つだけはめるのがポイントです。
これまでの組み方を繰り返してから、顔や尾の部分をつけるとできあがります。
<足の長い昆虫ロボ 作り方>
で紹介させていただいた自閉スペクトラム症のAくんのお母さんが、
かくかくしかじかという魅力的なサイトを作られました。
Aくんは年長になってようやく「ママ」といった単語がちらほら出てきた
深刻な困りを持っていた子です。
けれども、Aくんの親御さん達のていねいな関わりと
支援の工夫のおかげで、5年生になった今では、学年相応の学習をし、
たくさん本を読み、ボードゲームや実験に興じる日々を送っています。
先日は、お母さんと一緒に『アニマルズ』という本を読んでた時、
「南極には植物がないのに、なぜペンギンは生きてられるの?」とたずね、
最初、エサのことかと思って、魚食べてるから大丈夫と答えたら、
「植物は酸素を出すんでしょ?南極には酸素がないんだよね?」とさらに
疑問をぶつけてきたそうです。
Googleで調べたら、海の植物性プランクトンが大気中の二酸化炭素を取り込んで
酸素を放出してるとのことですが、ペンギンのいる南極は氷に覆われています‥‥‥
その日、Aくんのお母さんは答えを出せなかったそうです。
Aくん、とてもいい疑問を抱きますね。
Aくんがこのように自発的に考え、周囲にそれを発信して、会話を楽しむことができるのは、
Aくんのお母さんが、絵カードの交換によるコミュニュケーションを取り入れるなど、
様々な視覚支援に努めてきたことが土台となっています。
Aくんのお母さんは、これまでAくんを育てるなかで培った
知恵を共有すべく、視覚的コミュニケーションや
興味の幅を広げる遊び場(空間)作りの講演を開くなどの
活動をしてこられました。
また、視覚支援の具体的な進め方や自閉スペクトラム症の子への関わり方について
個別での相談を受けるお仕事も始められました。
先に紹介したサイトでは、今後、視覚支援以外の絵本やおもちゃのこと、
関わり方などをアップしていく予定だそうです。
ぜひ一度、訪ねてみてくださいね。