『水のかさの問題』で、小2の子らのグループでも小3の子らのグループでも、
ミスする子が多かった問題と、子どもたちが悩んでいた問題を紹介します。
まず、よくミスしていた問題。
720mL + 4dL×7 - 320mL (dLの単位を使って答えなさい)
単位の変換の仕方もわかっているし、
足し算、引き算よりも、かけ算、割り算を先に計算することもわかっている……
という子らが、なぜか引っかかっていた問題。
見ていると、dLやmLが書き慣れないためか、いい加減な書き方をした挙句、
普段は計算ミスがほとんどない子が、
7dL20mL+28dL を、98dL20mLと暗算してしまうような
ミスが多発していました。
解き方を理解するだけではなく、次の2点をしっかりマスターするよう見守っています。
①あちこち計算を書きなぐらずに、大きな枠で、○+○+○と捉えて、
ミスのないように単位を変換しか形を書き込むこと
②ミスしやすい記号を注意深く書くことなど
単位の変換は、学習した直後は覚えていても、時間が経つと忘れやすいもののひとつです。
特に水のかさの dL → mL や
面積 の ㎡ → c㎡ や a や ha の扱いは、ド忘れしやすいようです。
そこで、教室では、実際の物と身体を使って、
1Lはどれくらいか、1dLはどれくらいか、1mLはどれくらいかを表現しながら、
単位の変換を学習するようにしています。
たとえば、上の写真は牛乳パック1本分の1L。
1dLは小さい赤ちゃん用のミニコップに水を入れたイメージで、
にぎりこぶしを作っています。
より理解を深めるために、牛乳パックを10分の1に輪切りにしたものも
用意しています。
1mLは目薬の容器を見ながら、どれくらいが1mLにあたるのか確認。
子どもの方から、「1mLずつ、ポタポタ水を入れていっても、
赤ちゃん用のミニコップはいっぱいにはならないよ」といった気づきが生まれると、
「1dL=10mLだっけ?」といったミスが防げます。
子どもたちが悩んでいた問題。
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水そう ア には水が50L、水そう イ には水が30L入っています。
今から同時に、ア からは1分間に3Lずつ水を出し、
イ には1分間に2Lずつ水を入れ始めます。
①2つの水そうの水のかさのちがいは、1分間に何Lずつかわりますか。
②2つの水のかさが同じになるのは、水を出し入れし始めてから
何分後ですか。(表に書き込んで考えます)
(最レベ3年 P38)
②は表に書きながら考えるので、半分くらいの子が
正解していたのですが、①を間違える子はとても多かったです。
悩んだ時には、具体的に触れる物で……。
こういう作業には、子どもたち、大盛り上がりです(玉1つが、1L)。
どう変化するのか、実際に1分ごとに玉を出し入れしたあとで、
こんな話をすると、みんな急にこの問題がイメージしやすくなったようでした。
「ある子はとっても頭がよくて、テストでいい点を取っていたんだけど、
毎月、毎月、勉強をさぼって、だんだん成績が落ちてきたのよ。
自分は、最初は成績が悪かったけど、毎月、毎月、がんばって、
成績が上がってきたの。
そのふたりの子の成績のちがいは、毎月、どれくらいずつ変わっていくのかな?
自分だけが頑張っていて、もうひとりの子が同じ状態なら、
変化は自分ががんばった分だよね。
でも、自分はがんばっていて、相手は、なまけているとすると、
ちがいの変化は、自分だけががんばっている時より大きいかな?
小さいかな?同じかな?」
この話は、とてもイメージしやすかったようで、間違っていた子たちは全員、
自分で正しい答えが導き出せていました。
教室では、今、ゲームが流行中。
バトルシップゲームやカタンの開拓者のゲームに夢中です。
戦略を練って遊ぶようになってきています。