虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

2、3、4歳の子たちと工作を思いきり楽しむには?

2022-11-01 10:12:11 | 工作 ワークショップ

2~4歳の子との工作が広がらない、「ママ作って」で終わってしまう、導入の仕方がわからない、途中でうろうろして飽きてしまう、発展しない……という相談のコメントをいただくことがよくあります。

そこで、2~4歳の子らの工作する姿を紹介しながら、どんなふうに工作が始まるのか、どんな点に気をつけているのか、どのように発展していくのか書かせていただくことにしますね。

4歳1ヶ月のBくん、4歳4ヶ月のCくんの工作風景です。

『しんかんくん いえにくる』という絵本を読み聞かせている時のこと。

二人とも、しんかんくんの話を聞いていたせんろくんが、「そおれい」と空に向かって、ぐんぐん伸びていくシーンに目を輝かせていました。

そこで二人と一緒に、両手を上げてグーンと伸びをしながら、「そおれい!!」とせんろくんになりきって遊びました。

反り返った自分の身体の上にNゲージを走らせながら、BくんもCくんも大喜びで笑い転げていました。

「そうだ、工作でせんろくんを作ろうか?」とたずねると、「作る」「作る」と小躍りしています。

 

虹色教室の工作は、たいていこんなふうに始まります。

といっても絵本の読み聞かせが工作につながる……というわけではありません。

子どものおしゃべりを聞いているうちに始まることもあれば、ごっこ遊びの最中に必要ができて始まることもあれば、素材と触れ合ううちに、始まることもあります。

共通しているのは、いつも子どもの心が何かに強く惹きつけられた時や、新しい発見をした時、心が大きく揺さぶられた時などにそれをきっかけに物作りをしているということです。

つばめの巣を見つけたこと、空を飛行機が飛んでいくのを見たこと、道で水たまりを発見したこと、エレベーターに乗ったこと、大きな石の下にだんご虫が隠れていたこと、テレビのリモコンスイッチを押すと音量がどんどん大きくなったこと、猫を触ってみたこと、スーパーでバナナを自分で買い物かごに入れたこと、おばあちゃんのお見舞いに行ったこと、お寿司がこぼれたこと、駅で「黄色い線の内側まで下がってください~」とアナウンスが流れたこと……

そんな何気ない出来事や絵本で出会うひとつのシーンで2~4歳の子どもたちの胸はいっぱいになります。

そんなささやかな発見に、心と身体のすべてを使って味わってもまだ足りないほど夢中になります。

 

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では、工作の世界を存分に楽しめるように気をつけていることについて書かせていただきますね。

2~4歳の子と工作する時、その時期、その時期の子が熱中する手先を作業ができるようにしておくと、自分で作ろうとする意欲が身に着きます。

たくさんシールを貼りたい、なぐり書きがしたい、鉛筆の先などで穴を開けていく、ちょっと力のいる作業がしたい、ねんどをこねたい、ちぎりたい、切りたい、トンカチなどで叩きたい、絵具を使ってみたい、セロテープで何でも貼り合わせたい……など、それぞれの子が繰り返しやりたがる活動を普段のいたずらや遊びの中で見つけておくようにしています。

 

 

↑ 子どもたちは、連結作業が大好きです。新幹線を作成中。

例えば、4歳のBくんとCくんでしたら、工作用の木片と木片をぴったり合わせて貼り合わせていく作業やクーピーペンシル2本を同時に使って線路を描く作業などがちょっと難しいので集中できるし、やっているうちに夢中になれる活動でした。

工作のお手本は、「子どもにとって魅力のある作業の一部を見せる」くらいがいいと思います。

子どもが自分でやりたくなったら、自由にまかせます。

お手本通りにできなかったり、お手本とはまったく別のものをを作りだしても本人に任せるのがいいと思います。

お手本を示すのは、子どもに利用しやすい仕掛けや道具の扱い方のアイデアを見せたいからでもありますが、一番の目的は、工作したくなるワクワクする気持ちを引き出すことです。

子どもの作業に極力ダメ出ししないようにします。

子どもなりのアイデアが出た時は、それをいっしょに膨らませるようにしています。

工作に慣れてくると、子どもはお手本がなくても自分でどんどん作品を作っていくようになります。

 

たとえば、Bくんはグーンと伸びたせんろくんが向かう、かんたろうのお家だった紙コップを口に当てて、ウァァァンという音を出しながら、「見て見て!面白いでしょ。」と言いました。

新幹線だった木片も口に当てて、「先生、見て、こうやってプーッてするんだよ」と言いながらハモニカを吹く真似をしました。

そこで、BくんとCくんが自分たちで自由に作る工作に飽きてきたところで、紙コップで作る電車のアナウンスのマイクの作り方を教えることにしました。

紙コップの底に鉛筆で穴を開けて(はさみで穴を少し大きくします)、コップの底にアルミ箔をかぶせて、周囲をセロテープでとめます。

写真を撮りそびれたのですが、上の写真のように紙コップに口を当ててアナウンスをすると、声が不思議なマイクを使ったように変化します。

 

3歳のAくんの場合、本人がひらめいたアイデアは次のようなものです。

粘土を何色か重ねてストローで抜くと、さまざまな色の重なりがストローの中に溜まっていきます。

このきれいなねんどの層を作る遊びは、教室でとても人気があるのです。

お手本を見せると、Aくんは自分でねんどを重ねてストローで抜きました。

 

それから、ねんどを抜いたのとは反対のストローの口から息を吹き込んで、きれいなねんどの玉を飛ばしました。

Aくんのアイデアのねんど鉄砲です。

しばらくねんど鉄砲で遊んだAくん。

↑ 自分で考えたストロー鉄砲に大満足の3歳6ヶ月のAくん

この鉄砲の弾を踏んだらやっかいなことになりそうだったので、紙袋に鬼の絵を描いて口をくり抜いて、玉入れの的を作りました。


1〜2歳児の工作素材にピッタリな紙皿工作

2022-08-27 10:06:48 | 工作 ワークショップ

1〜2歳児の工作素材に、紙皿はピッタリです。

色をつけたり、ちぎった色紙をのりで貼るだけで、「ホットケーキ」「ピザ」などの食べ物に見立てることができます。

丸いシールで目をつけると、動物の顔にもなります。

短いひもやボタンやスパンコールなどをたくさん用意して、自由に貼らせて、「たこ」「くらげ」「もじゃもじゃ」「おばけ」など子どもが好きなように命名して楽しむ独創的な作品を作ることもできます。


ダンボールで簡単に子どもが乗れる舟を作る方法

2022-07-12 15:47:29 | 工作 ワークショップ

スーパーでもらってきた段ボール。

切り込みを少しだけ入れて、子どもが乗れる舟を作ってみたら好評でした。

側面の下部分をたてに切り、上部分は折り目用の傷をつけます。

ひっぱると下のような舟ができます。

周囲に紙やカラーの布テープを貼るとさらに舟らしくなります。

ごきげんで乗り込む子どもたち。虎も乗っています。


かんたん紙コップ工作♪ 雨ふらし機+いろいろ楽しめる!

2022-06-19 13:37:37 | 工作 ワークショップ

2歳児さんたちが、とても満足する工作です。

とんがったえんぴつで紙コップの底に穴をあけます。

上から力を入れるだけで穴があくので、これができるようになった2歳の子たちはコップの底にたくさん穴をあけたがります。

コップに水を入れると、雨が降ってきますよ。

 

<2歳児さんの発見>

2歳のAくんが作った雨降らし機で遊んでいた時のこと、Aくんがコップを水の中に沈めようとしました。すると、コップ内の穴から水が、噴き上がってきました。

「噴水!」Aくんがうれしそうに声をあげました。

 

そうして遊んだあとで、紙コップに自分でしゃぼん玉を膨らませてもらいます。

<遊び方>

1. しゃぼん玉液(台所洗剤を少しだけ溶かした水かせっけん水)に、穴をあけた紙コップの底をつけます。

2. ボウルなどに水を入れて、底にしゃぼん玉液をつけた紙コップを、写真のように逆さにした状態でつけていきます。

3. 水に空気が押されてしゃぼん玉が膨らみます。

不思議で楽しい実験です。


幼い子の工作で大切なこと

2022-05-03 15:42:22 | 工作 ワークショップ

幼い子たちといっしょにする工作で気をつけるポイントを紹介します。

一番大事なのは、大人の満足のための工作にしないということです。

子どもが美しい出来栄えに気を配って作品を作るようになるのは、さまざまな段階を経た後です。

 

最初は、「切る」という楽しさや「切る」ことで可能になることに気づくこと、「貼る」ことでできることや「貼る」方法に気づくこと、などが重要です。

そのため、出来栄えに気を配らず、作りをできるだけシンプルにして、子どもの気づきをうながすようにしています。

 

たとえば、こんな工作があります。

箱をふたつ貼りつけただけの「パクパクさん」「こわいこわいガブガブするワニ」といった工作は、1~3歳の子たちを夢中にさせます。

手動なので、1箇所にテープを貼れば、できあがり。口を開いたり閉じたりして、相手の手をかじる真似をして遊びます。

 

幼い子たちには、セロテープよりも養生テープや布テープがお勧めです。手で切ることができるし、1箇所貼ると、しっかりつながるからです。

 

 

ティッシュ箱にラップの芯を貼っただけの「滑り台」↓

こうした1手順で出来上がる工作は、幼い子たちに次から自分で作ってみようとする態度を育てます。

大人にしたら、「これが工作?」と思うものも、子どもにとって、材料を選び、貼る場所を考え、自分で道具を扱うのは難しいものです。

 

もし上手に作れるようになったら、パクパクさせる人形にゴムを付けて、手を離すと開けた口が閉まるようにしたり、滑り台に色画用紙を貼ったり、仕掛けをつけたりします。


子どもは「星の王子さま」

2022-04-30 20:55:58 | 工作 ワークショップ

サンテグジュペリの『星の王子さま』は、「子ども時代、何度か読んだことがあるけれど、当時はよく意味がわかっていなかったな~、今だと心の深い部分でしっくりするな~」と感じる童話のひとつです。


サハラ砂漠に不時着した主人公が、星の王子さまに「羊の絵を描いて」とたのまれて、しまいに投げやりになって、簡単な箱を描いて、「君の欲しがっている羊はこの中にいる」と告げると、王子さまが顔を輝かせて「うん、こんなのが、ぼく、ほしくてたまらなかったんだ」と大喜びし、「このヒツジ、たくさん草をたべる?」とたずねるシーンがあります。

「ただの箱」の中に想像するものをありありと見て、心を躍らせるのって、子どもだからこそできるすごい才能だな~と思います。

虹色教室通信 別館 つくるんクラブ で、ティッシュ箱に折り紙2枚貼って、少し切り込みを入れただけ……という「へんてこりんなゴミ収集車の工作」を紹介したところ、次のようなコメントをいただきました。
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先日このごみ収集車を一緒に作ったところ、めちゃめちゃ喜ばれました~!ありがとうございます!
初めは、かなりいい加減な仕上がり具合になってしまい「こ…これを大好きなごみ収集車(息子はごみ収集車大好きなんです)だと言って納得するんだろうか」と心配しましたが、とんでもない!すごく喜んで遊びました♪そして今日またこのごみ収集車を出してきて「[息子]のごみ収集車…カッコイイ☆」とうっとりしたカンジで言ったんです~!つくづく簡単工作ってすごいな~と思いました。それにこの作品の魅力がイマイチ把握できてなかった自分…まだまだだなぁと思いました(笑)
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そうなんですよ!子どもって……
想像力で補う部分が多いほど目を輝かせるんです。
子どもって、どの子も星の王子さまそっくり!
おりがみをくるくる丸めて、「まきずし」「望遠鏡」なんて作品でも、とっても満足して、大事そうに持って帰りますから。

そういえば、今朝、うちの子たちと携帯のゲームについて話していたとき、息子がこんなことを言ってました。
「ゲームで自分の技を磨いて、攻略していくことに喜びを見出すのじゃなくて、誰かに自分の代わりに点数を稼いでもらって、とにかく得点だけ競いたいって子が増えているんだね。(私の話を聞いて言ってます)
最近さ、もうどの子も受け身な遊びには飽き飽きしてきてはいるんだよね。ゲームするのも、テレビ見るのもめんどくさい~て声もよく聞くから。
遊びって、結局、自分で主体的に創造的に関わらないと本気で楽しいって思えないものだよ。
でもさ、最近は、自分で何かしよって思うと、外遊びでもハードルが高くなってるよね。あれやってみよ、これやってみよって気楽に何かできない雰囲気があるじゃない……」

そうか……ハードルが高いのか……と考えていて、あっという間工作に子どもが目を輝かせる理由がちょっとわかった気がしました。
「またやりたい」「お友だちにできること見せてあげたい」「自分で遊びを提案したい」と子どもが思ったとき、ハードルが低いのですよ。簡単な工作は……!!
簡単実験もです。
たくさんこうした体験を積むと、自分自身で、自分の時間を豊かにしたり、自分の欲求を満たしたり、自分で自分を喜ばせることが上手になってきます。
それで、いつもいきいきとして意欲的で、情緒が落ち着いた子になってくるのです。
 
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関連記事

工作を子どもの頃にするといい理由

小さい子でも簡単に作れる冬の工作

2021-12-28 22:36:57 | 工作 ワークショップ

とっても簡単で、子どもが熱中する工作を考えてみました。

紙コップに毛糸を上のようにセロテープでつけて巻いていきます。

コップのふちまで巻いたらテープでとめます。

顔を描いたら、人形のできあがり。

ひもを巻く作業が、子どもたちの心を集中に誘うようです。

 

目を描いたり、耳をつけたらできあがり。

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<おまけ>1 算数タイムの様子です。20より大きな数について学び中。

<おまけ>2 

小学2年生のAちゃんが作ったテントです。(こうした工作は見本なしに子どもが自分で工夫して作っています)

家族でキャンプに行っているそうです。


スーパーヨットを作ったよ♪

2021-12-25 13:09:31 | 工作 ワークショップ

小学2年生のAくんとBくんのレッスンで。

Aくんの小5のお兄ちゃんにも手伝ってもらって、スーパーヨットを作っていました。大きなサイズのものを作っていくプロセスは、見ているだけでワクワクします。

今日の算数は、スーパーエリート問題集を使って学びました。

↓のような文章題と図形や計算の問題にチャレンジしました。

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①長さが8cmの紙テープ4本と、長さが10cmの紙テープ2本を2cmかさねて(のりしろが2cm)つなぎました。紙テープの はしから はしまで 何cmになりますか。

②たろうくんは ある日の 午前8時30分から40分間 べんきょうすると 10分 休けいを とる ことにしました。3回目の べんきょうが おわったところで、この日の問題はおわりました。

3回目のべんきょうがおわったのは、何時何分ですか?

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Bくんは全て自分の力で解き終えて、正解。「もっと問題を解きたい!」と頼もしいことを言っていました。

Aくんは、私と一緒に図を書きながら、最後まで問題を解き切りました。

 


1~3歳児のための工作「さんぱつ屋さん♪」

2021-08-07 18:40:00 | 工作 ワークショップ

1~3歳の子が楽しめる工作を紹介します。

このくらいの年の子はひたすら紙をまっすぐに切っていきますよね。
そうして切った長い紙を、切込みを入れた紙に写真のように通します。
目鼻をつけると、髪の毛になります。

「さんぱつ屋さんごっこ」です。
髪がどんどん伸びてきますから、自由にはさみで切ってくださいね。

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読者の方から、こんなアレンジで楽しんだというお話がありました。

梨や桃などを包んでいる網状の緩衝材を1本、1本、ピリピリはがして遊んでいた3歳の女の子。

紙に顔を描いて貼り付けて、「さんぱつ屋さんごっこ」をしたそうです。

ハサミで切ると、サクッ、パツンと心地よく切れるそうです。

 

<関連記事>

★いろんなものが作れます >>1~2歳児にピッタリな紙皿工作

★子どもとの工作をぐっと楽しくする小ワザ  >>工作を楽しくするアイディア


工作を子どもの頃にするといい理由

2021-05-30 09:33:32 | 工作 ワークショップ

このしかけ、先日、デュプロブロックと工作で幼い子たちでも簡単に作れるような「お金を投入するとお菓子が出てくる『自動販売機』のしかけ」を考えていた時、息子がアイデアを出してくれたものです。

 

この頃、うちの子たちもわたしもそれぞれが忙しくて、会話をする機会があまりないのですが、こうした物作りで試行錯誤していると、誰かしら寄ってきて、「こうしたら?」「ああしたら?」とアドバイスをくれることがよくあるのです。

 

写真は子どもにわかりやすくするための基本の基本のしかけなのですが、お金が左のコップの中に入ると、てんびんが傾いて、もう一方の切り込みを入れてある方のコップが傾いて、お菓子が落ちるようになっています。

作ってもらっている間、わたしは息子に向かって、こんなことを言いました。

「テレビで定規を使って線を引いて言葉を目で見えるイメージに変換する方法を教えている小学校を取り上げててね、そうすると、割合の問題にミスが減って、総合テストだったかの点数がとても伸びたらしいのよ。

確かに実際に、手を使って、目で見える形にアウトプットする力を養うと、公式を勘違いして解くなんてことはなくなっていくのはわかるわ。

集団の場だからしょうがないけど、定規を使ってって部分だけにフォーカスしていたのは惜しい気もしたわ。

自由な物作りなんかをたっぷり楽しんでいるというバックがあって、そこに定規に慣れて、数学の世界のイメージ操作を身につけていくのならもっといいんだけど」

 

「工作は、ほんと、いいもんなぁ。

工作を子どもの頃にするといい理由って、作ったとたん、それから後の物の見え方が劇的に変わるってことだと思うよ。

 自販機を一回作るとするじゃん。そしたら、それからはどこに出かけても機械を目にする度に、

「きっと中は、こういう仕組みになっているんじゃないかな?」と感じたり、理科の本で見た原理が浮かんだりするようになるからね。

小学生の頃にあれこれ工作したけど、作る度に、見え方や考え方がそれまでと違うより高度なものになっていたからね」と息子。

 

息子いわく、しかけは最初、この「てんびん」くらいシンプルで力の働き方がわかりやすいものの方が、汎用性があって、いろいろな方面に知恵を絞って改良していきやすいということでした。

 

小4の★くんと☆くんのレッスンで、コインを入れると出てくる自動販売機を作りました。

きっかけは、ふたつ。

ひとつは、同じ小4の女の子が作ってきてくれたレゴの自動販売機がすてきだったこと。

 

もうひとつは、息子に教わったてんびんのしかけ。

 

この「てんびん」の基本をもとに、どうやったら、自動販売機のようにお金を投入する側と商品が出てくる側が同じになるようにできるのか、入ったお金が傾いた後で自然に落ちるようになるのか、小型化できるのか、といったことを子どもたちに考えてもらおうと予定していました。

 

すると、今日レッスンにきた小4の★くんと☆くんが、「やる!やる!」と自動販売機作りの話に飛びつきました。

 

わりばしの先に写真のように紙コップがついているだけのしかけ。

 最初の状態では、お菓子がお金の投入口側の反対に落ちるのでそれを改善することになりました。

 

途中で板を渡して空洞を作り、滑り台を取りつけると、反対側に落ちたお菓子が手前に滑り降りてきます。

 

自販機の周りを囲っていく★くん。デザインにもこだわっています。

ある程度まで作ったところで、重大なミスに気づいた★くん。

正面部分の一部を壊して、きれいに作り直していました。

 

かなり大きなサイズになってきたので、途中でテーブルの上から床に抱えて移動させました。

 

★くんは、コインの投入口から入ったコインがコップの中に落ちるようにするのに苦労していました。

 

その間、☆くんは、コップの底の一部に穴を開けて、お金が入った時にお菓子を落とした後で、お金がコップから出て、最初の状態に戻るしくみを作ろうとがんばっていました。

ビー玉を貼りつけて重りを利用したり、切り口を工夫したりしていましたが、うまくいかず断念。

諦めて、★くんの外枠作りを手伝って、ラストスパートをかけました。

 

投入口から内部を撮った★くんの写真。

 

完成です!

「500円玉を入れると、お菓子が出てくる」という自販機!

★くんと☆くんが帰宅した後で、少しだけ内部をいじると、「10円玉を入れると、お菓子が出てくる」ようになりました。

 

この頃、勉強態度がとっても真面目な★くん、☆くん。

でも、そうやって周囲の期待に応えるようにがんばってばかりいると、だんだん何のために学んでいるのかわからなくなったり、覇気がなくなってきたりするものです。

自分たちでやってみたいと思ったものに全力投球していると、心の底からがんばるエネルギーが湧いてくるようです。

一致団結していきいきと取り組む姿はとても輝いていました。