虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ダンボールを使った簡単なお店やさんの作り方

2015-11-18 13:51:16 | 初めてお越しの方

ダンボールに上の写真のような切り込みを入れると、

簡単にお店屋さんが作れます。

カラーの布テープ(100円ショップ)で、デコレーションするとこの通り。

バンダナ(100円ショップ)に両面テープを貼って

折り返すと、カーテンができあがります。

3歳前後の子たちは、お店のやり取りよりも、

「夜が来たから閉まります。」「朝です。開きます。」といった

カーテンの開閉自体が遊びになってしまう子が多いです。

 

お店には、ペットの出入り口や氷が出てくる機械、自動販売機などを

簡単に……1分程度で、設置(?)できます。

次回、作り方を紹介しますね。


せっけん作り と 発掘現場作り

2015-11-16 13:18:22 | 初めてお越しの方

 

科学クラブで、「せっけん作り」と「発掘現場作り」をしました。

作ったせっけんで遊べるように、「ブクブク泡が出てくる小道具」も作りました。

 

<せっけんの作り方> (『せっけん』 前田京子 フレーベル社より)

無添加の植物石鹸180gをやさいカッターでけずります。

カモミールティー70CCとはちみつ小さじ1をけずったせっけんに混ぜて、

弱火にかけてねりながら溶かします。

最後にオリーブオイル大さじ1とエッセンシャルオイル(ラベンダーなど)を数滴加えて

好きな形を作ります。

 

<ブクブク泡が出てくる小道具の作り方>

ペットボトルの底を切り取って、

ガーゼやストッキングなどで覆って、ビニールテープでとめます。

ふたにキリで穴をあけて、ストローを通すとできあがり。

 

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歴史博物館の発掘現場に行ってから、教室では発掘遊びが小さいブームです。

地層から出てくる骨を作っています。

植木鉢の底に敷く石(100円ショップ)を洗って、

いらないドライバーで削っています。ひとつ1円もしない石ですが、

長い時間、遊べます。

大阪城の石垣作りをして気づいたのですが、男の子たち、本当に石削りが好きです。

植木鉢の底に敷く石は少しこすれば削れるもろい石です。

ドライバーを使うと、彫刻等に比べて怪我する危険はあまりないのですが、

力を入れ過ぎる子もいるので注意。

  

木でできた油ねんどにいろいろ埋めています。

 

 


学ぶことが好きでたまらなくなる「気持ち」の作り方

2015-11-14 08:47:52 | 初めてお越しの方

 

★学ぶことが楽しくてたまらなくなる「気持ち」の作り方

★3歳前後の子の「思考の太陽」

★子どもの中の「自然」が 見えない 愛せない

★0~2歳の働きかけの大切さ

★3歳児 きちんと考える力が育っているかチェックするには?


愛情をかけて可愛がって育てているのに困った言動が増えてくる時 (ユースホステルのレッスンから)

2015-10-27 21:31:35 | 初めてお越しの方

親御さんはいつも優しく根気よく愛情をたっぷり注いで育てているのに

子どもの困ったちゃんぶりが日増しに強くなっていく場合があります。

前回のユースホステルのレッスンでも

今回のユースホステルのレッスンでも

そんなわが子の態度に戸惑う親御さんの姿がありました。

 

親御さんからの承諾を得て

5歳の★くんのケースを紹介します。

★くんはユースホステルの異年齢のレッスンにはじめて参加してくれました。

目がクリッとした茶目っ気のある男の子です。

運動神経がよくて活発な明るい子です。

 

発達面で気がかりなことはなさそうなのですが、

わかっていても大人の声かけを無視することがたびたびあって、

危険なことをしている時に注意しても知らんふりしていて

制止がきかない様子は気になりました。

 

また本人に十分できるレベルの課題も

いやがってやろうとしなかったり、質問を聞こうとしなかったりしました。

ちょっと考えなくてはならないような知的な課題全般に

耳を傾けることさえ拒否するような

意欲のなさが目立ちました。

 

「聞く」こと自体を拒絶して、

憎まれ口をたたいて逃げてしまうので、

語彙の量や語彙の理解力などに問題がないか

お泊りレッスンの間、★くんの言葉に注意を傾けていました。

また「見る」作業中、たちまち落ち着きなく視線が泳ぎだすようだったので、

見る力についても、何か問題が感じられないか注意していました。

 

★くんは人が好きな快活な子で、誰とでもすぐに仲良くなれる一方で、

年上の力のありそうな子を足で蹴ってちょっかいをだしたり、

友だちが集中して何かしていると邪魔したり、

理由もなくお母さんを叩いたりする

人との関わり方の幼さがありました。

 

★くんのお母さんもお父さんも

温和で常識的で落ち着いた方々で、

★くんにたっぷり愛情を注いで育てています。

 

次回に続きます。

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記事の内容とは関係がないのですが、ついでに

今回のユースホステルでのレッスンの様子を紹介します。

 

↑1枚の紙に切り込みを入れるだけで

立体があらわれる様子に4~6歳の子らはため息を漏らして感動していました。

さっそく見よう見真似で創り出す5歳の◎ちゃん。

↑◎ちゃんのお絵かき作品も素敵ですね。

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 ( ↑ 押し入れのなかで上映会。熱中症にならないように注意がいりますね)

 

教室外の子どもたちと接する機会があると、

発達障害などのハンディーキャップがないにもかかわらず

★くんのような気になる態度を示す5、6歳の子とたくさん出会います。

 

「どうしてそうした困った態度を身につけてしまうのか」のもとをたどると、

2、3歳という自我が生じはじめて

自己統制力が育っていく過程で

周囲の接し方がまずかったり、環境に少し問題があったんじゃないかな、

と思われることが多々あります。

 

過去の原因探しばかりしていても仕方がないのですが、これからどのようにして

気になる行動を克服していくといいのかを話題にする前に、

2、3歳児を育てている親御さんたちに学んでいただくためにも

そうした困った態度が生じてくる仕組みについて説明させてくださいね。

 

山梨大学の加藤繁美先生は、次のようにおっしゃっています。

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「自己チュー児」などと呼ばれる「超わがままタイプ」の子どもは、

「しつけ」ができていないというよりも、

自分の言葉を聴き取られ、自分の思いを受け止めてもらう心地よさを

知らない子どもが、「荒れ」た行動をとっているのである。

その理由は、子どもの自己統制力が育っていく道筋が、

実はそうした構造をもっているからにほかならない。

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子どもは最初に、大人と親密なコミュケーションの過程で、

愛されることの心地よさを獲得していきます。

 

加藤繁美先生によると、一口に「愛されることの心地よさ」と言うけれど、

実は乳児期に体験する大人・子どもコミュニケーションの質は、

その後の子どもの育ちを規定するくらい大きな意味を持つものなのだそうです。

 

大人たちは子どもが自分でも自覚していない要求を読みとり、

ていねいに「意味づけ」し続けます。

子どもはそうやって繰り返されるコミュニケーションを通して、

自分の要求と音声が対応していくことを知っていきます。

 

そうして乳児期に獲得した「愛されることの心地よさ」をベースに、

音声で表現できることを知った要求世界を

自分の興味・関心にひきずられるようにして

どんどん表現するようになります。

 

それが「自我」の誕生と呼ばれるものです。

 

要求を主体として成長していくこの時期に、

大人が子どもの発するものを受け止め、同時に方向づける

という対応を辛抱強くていねいに続けていくことで、

子どもは言葉で表現するようになった世界を大人と共有することに

幸福を感じるようになるそうです。

 

そして2歳半を過ぎる頃から、大人と共有した価値の世界がはっきりしてきて、

知性として形成される「第二の自我」の芽となるのだとか。

第二の自我とは、

「社会的存在としての自分がどう行動すべきか」という形で

知性として認識される「規範的自我」「理想的自我」である点を特徴としているそうです。

 

 3、4歳とは、身体が求める要求世界としての「自我」の世界と、

知性として育てた「第二の自我」の世界の間に生じる

矛盾と葛藤を生きている時期で、

やがて4歳半を過ぎる頃から、「自己内対話」をしながら

生きていくようになります。

 

現在は、「自己内対話能力」がうまく育っていかない子が急速に増えていると言われています。

 

5,6歳という幼児後期になっても「自我」の世界だけは出し続けるけど、

「第二の自我」が育っていかないという

困ったちゃんが増えているのです。

 

5歳の★くんにしても、自分の要求はいくらでも出すのですが、

「社会的存在として自分がどう行動すべきか」に気づいて、

自分の内面でそれと折り合いをつけて行動に移すことができません。

「欲しい」とか「したい」とか、自分から要求を出すこと以外に無関心で、

外からの要求には無視するか、憎まれ口をきいて相手もやりこめるかの

どちらかで対応しているのです。

 

 

 

↑ ユースホステルのレッスンで。

回転すると模様がどのように変化するのか

確かめています。

 

★くんのお母さんもお父さんも★くんを心から可愛がっている方々です。

愛情をたっぷり注いで、しょっちゅうギューッと抱きしめています。

それにも関わらず、

 

「★くんがこれまで自分の言葉を十分に聴き取ってもらえず、自分の思いを受け止めてもらう心地よさを

知らないから、荒れた行動をとっている」

 

という捉えるのは

親御さんたちに対して失礼にあたるかもしれません。

 

とはいえお母さんが近くにいる時の★くんは

まるで聞き分けのない2歳児のように

わがまま放題に振舞っているのも事実でした。

 

そこでいったんお母さんに離れておいていただいて

わたしと★くんがペアになって行動することにしました。

 

すると★くんは、「こういうことがやってみたい」というチャレンジ精神が薄いわけでも、

大人の指示に素直に従えないわけでも、

見たり聞いたりすることが苦手なわけでもないことが

徐々にわかってきました。

もちろんふたりで過ごしだしたとたん、★くんの「困ったちゃんモード」が

「いきいきしたしっかりさんモード」に

コロッと切り替わったわけではありません。

 

でも、最初はこちらの声かけを無視したり、憎まれ口を返したりして対応していた★くんが

★くんの本当の気持ちに光を当てるうちに

自ら進んでお手伝いをしたり、

一度は放りだした課題に再度取り組んだりするようになってきました。

 

そうするうちに★くんの内面には、

個性的なさまざまな良い資質が潜在しているのに

それを発揮する機会がないために

わがまま放題な態度に終始しがちになっているのが見えてきました。

 

愛情をかけて可愛がって育てているのに困った言動が増えてくる時 (ユースホステルのレッスンから) 4

 

愛情をかけて可愛がって育てているのに困った言動が増えてくる時 (ユースホステルのレッスンから) 5

 

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年の離れたきょうだいで、いっしょにカードゲームを楽しむためのルール作り

2015-10-27 15:17:16 | 初めてお越しの方

「6歳と3歳など年の離れた兄弟姉妹でいっしょにゲームを楽しむことはできますか?

上の子が必死になって勝ちたがるので、

せっかくやりたがっていた下の子が負けてばかりで

途中からむくれてどこかへ行ってしまいます。楽しく遊ぶいい方法はないでしょうか」

といった質問をいただくことがよくあります。

 

先日も、「小学校低学年の兄と未就園児の弟で、トランプゲームをするものの

神経衰弱なども弟がルールを理解しきれずに何枚もめくってみたり、

七並べにしても数字がわからないまま出していったりするので、

揉め事が耐えません。」とお聞きして、こんなゲームの仕方を提案しました。

神経衰弱をする際には、カードの半分を表に、半分を裏にして、

弟くんは表になっているカードから同じものを2枚見つけ、お兄ちゃんは

裏になっているものから通常通りめくるのです。

力加減が対等であることが大事なので、これでは弟くんばかり勝つようなら、

お兄ちゃんがめくってもいいトランプの数を4~6枚に増やすのもいいかもしれません。

 

七並べにしても、スペードなどあらかしめひとつのマークのカードを全て

弟くんのものとして分けておいて、

お兄ちゃんには残りのカードで通常通りゲームをしてもらいます。

弟くんの番には、自分のカードを並べるコーナーに、「連結、連結」と言いながら、

トランプをきちんと隣につなげていければOKくらいのルールにすると

いいのかもしれません。

 

教室では算数の学習の際も、兄弟姉妹で同じ場で遊びながら、

少しルールを変えることがあります。

写真は、年長さんの●くんと年少さんの☆ちゃん兄妹のレッスンのひとコマです。

 

☆ちゃんは、「4の次の数は?」とか「さんじゅうごのカードはどれでしょう?」

という問題を解いています。

●くんは、「たかしくんは10個お菓子を持っています。

はなこさんはたかしくんより7個多くお菓子を持っています。

ふたりのお菓子を合わせるといくつですか」という問題や

「40+2+2はいくつですか?」といった問題を出しています。

☆ちゃんも●くんもとてもよくできていました。


ゆっくり成長していく心 (発達に凹凸がある子)  

2015-10-10 07:19:35 | 初めてお越しの方

この記事を探している方がいらっしゃったので、再度アップします

発達に凹凸がある年長のAくん。

教室に着くなり午前のレッスンの子たちが作って帰った駅(↓の写真)を見て、

「壊してもいい?」とたずねてきました。

 

 

「それはね、前に来た子が一生懸命作ったものだから、置いておいてって

たのまれているの。だから壊さないで。もしAくんもブロックで何か作りたいなら、

新しいブロックをもっと出してあげる」と答えても、

Aくんは「でも、ぼく壊したいよ」と言いながら、作品に足を引っかけていました。

 

Aくんは発達の凹凸のある子の特性で

相手の気持ちがわかりにくいところはありますが、

意地悪な子でも攻撃的な子でもやんちゃな子でもありません。

気が優しくて純粋な心根の持ち主です。

 

少し前に、気持ちの行き違いから、お友だちの作っていた工作物をAくんが壊して

しまう事件があって以来、自分が悪かったことを認めるのを拒み続けていて、

「お友だちのものを壊す」という行為に妙なこだわりを持っているのです。

それでしばらくの間、ひとりでレッスンを受けることになっています。

罰でそうしているのではなく、少しの間、お友だちから離れて、

じっくり自分の内面を表現する活動をしたり、

信頼関係を築きながら、わたしと1対1で会話をしたりする時間がAくんには必要だと

感じているのです。

Aくんは学習に対する不安があって、遊びの最中も、「今日は算数をするの?」

「算数したくない」「算数しないよ。絶対しない」と数分おきに言い続ける癖があるので、

そうした学習に対しての不安感を和らげることも、ひとりでレッスンする期間の課題にしています。

 

少し前にAくんがお友だちの作品を壊してしまった事件のあらましは、こうです。

その日、いっしょにレッスンを受けていたBくんは、凝ったビー玉コースターを

作っていました。

ゴールをくぐると、輪ゴムでこしらえた罠のようなしかけがビー玉を捉えるように

なっています。

それが思うように作動しないので、Bくんは何度も熱心に試行錯誤を繰り返していました。

 

そんなBくんの作品に興味しんしんのAくんは、

「こうしたらいいよ」「ああしたらいいよ」と自分の作品のように

しかけを動かして調整しようとしました。

「やめてよ。ぼくが作ったんだから」と言うBくんの言葉も耳に入らないようで、

「こうしたらいいんだよ」と自分のやり方を押し通そうとしたあげく、

わざとではないのですが、よろけてコースターのレールをひっくり返してしまいました。

Bくんはちょっとしたことで動じない子なので、

「やめて、触らないで」と言うと、Aくんのことは頓着せずに壊れた個所を修復しだしました。

 

どう見てもAくん側の部が悪いのですが、自分がBくんのものを壊してしまったという

状況にパニックを起こしてしまったAくんは、

「こうしたらいいんだよ。それなのに嫌っていうんだもん!Bくんが悪い。

Bくんが悪いよ!」とBくんを非難しはじめました。

「Aくん。Bくんが作っているものは、Bくんがこうしたいなぁって思うように

作っていいのよ。Aくんは、Aくんが作っているものを、こうしようかな、

ああしようかなって工夫すればいいでしょ。

わざとじゃなくても、Bくんのものを壊してしまったら、ごめんなさいって謝らなく

ちゃだめよ」と注意するわたしの言葉に耳をふさいで大騒ぎしていました。

 

Aくんにとって、自分が「こういうふうにしたらいい」と思うのに

他の子は自分とは異なる考えを持っているいうことを推し量るのが難しい様子。

Bくんが作っている作品は、Bくんがどうするか決める権利を持っているということも

わかりにくいようです。

 

ちょうど今、Aくんの心はそれを少しずつ受け入れ理解していく過渡期にあるようで、

本来、快活で温和であまり他の子と揉めないAくんが、

たびたびそうした問題を起こしては、もんもんと葛藤していました。

 

そんな出来事の後、Aくんは何度かひとりでレッスンを受けることになりました。

 

Aくんは、ひとつでも不安なことがあると、ひたすらそれを言い続けるところがあります。

Aくんは口達者で利発な子ですが、数の理解については極端な苦手があるようで、

物を「1,2,3……」と数えていくこともままなりません。Aくんのお母さんは

「算数のLDではないか」と気を揉んでいるのですが、

実際には、嫌がってきちんと答えないからできないようにみえるのか、

できないから嫌がっているのか、はっきりしません。

教室では、まず算数の世界に親しみを抱くようになることを課題としています。

 

ひとりでレッスンしている間、Aくんは、

「今日は、算数の勉強はあるの?」「算数は嫌だよ」「ぼくは算数は嫌いなんだよ」

「算数の勉強はなしにして」と口癖のように繰り返していました。

でも実際、算数の学習がはじまると、ニコニコしながら楽しそうに学んでいて、

勉強が終わるのを惜しむ姿がありました。

Aくんは全てのこびとの生態を空で言えるほど『こびとづかん』が好きなので、

算数の学習にこびとのフィギアを登場させると、大喜びしていました。

その次のレッスンからは、

「今日は、算数の勉強はあるの?」「算数は嫌だよ」「ぼくは算数は嫌いなんだよ」

という訴えの後に、「今日はこびとづかんで算数する?こびとづかんせ算数しようよ」

と付け加えるようになりました。

そうするうちに、「算数はあるの?算数は嫌だ」という訴えはなくなって、

「こびとづかんで算数するの?」とだけたずね、

「算数で何をするかは、先生が決めることよ。今日はこびとづかんじゃないもので

算数の勉強をするよ。ワークもするよ」と言った答えにも納得し、

きちんと学ぶことができるようになってきました。

 

話をAくんがお友だちのブロック作品を、

「でも、ぼく壊したいよ」と言いながら、足を引っかけていたことに戻しますね。

足を引っかけていた……とはいえ、Aくんは乱暴な子ではないので、

足を引っかける真似だけして、自分の内面のもやもやと戦っている様子でした。

「Aくん、壊してはだめ。Aくんも駅を作りたいんなら、こっちでいっしょに作ろう。

ちゃんと大きな板もあるよ。ブロックもたくさんある」と言うと、

「大きい板が2つある?ちゃんとふたつだよ」とだけ言って、

「あるよ。ふたつある」と答えると、すなおにこちらに従いました。

「なおみ先生、ぼくは高いところを走る線路がいいんだよ。地面じゃ嫌なんだ。

高いところを走る長い線路を出してよ」と言うので、

Aくんのお気に入りの長いエッジで作った線路を出すと、落ち着いて作品作りに

取り組んでいました。

途中で、山の作り方を習って、山の中に山に住むこびとを隠しました。

 

牛乳パックを使ってふんすいも作りました。

 

 

 

川の上に鉄橋をかけて、こびとを配置して大満足のAくん。

 

悪いこびとのアラシクロバネがどんなに悪いのかひとしきり話した後で、

これまでBくんの作品を壊してしまった事件から、

「Bくんが悪い」の一点張りだったAくんが、ずっと言いたかったことを告白する

ように「Bくんは悪くないかもしれない」とつぶやきました。

実は当のBくんはすっかりそのことを忘れてしまって、

先日わたしが、「この間、Aくんが作品を壊しちゃったのごめんね」と謝ると、

何だっけ?という表情でキョトンとしていたのですが、

Aくんの方がずっとそのことで苦しみ続けていたようです。

「Bくんは悪くない」と言ってから、肩の荷が下りたように

すっきりした様子で、笑顔で帰っていきました。

 

 


どんぐりを使った遊びと学び 1

2015-10-08 19:29:54 | 初めてお越しの方

教室に通っている子たちへ秋のお願い という記事を書いたら、

次々と教室へ来る子たちがどんぐりを抱えてきてくれました。

今、教室には茹でて乾かしたどんぐりがいっぱい。

 

さっそく、どんぐりだんごを作ったり、どんぐりのお家を作ったり、

どんぐり遊園地を作ったり、どんぐりの名前を調べたり……。

秋を満喫して遊んでいます。

 

3歳0ヶ月のAちゃん。どんぐりのお家とすべり台を作っています。

 

発達に凹凸のある子のグループでは、どんぐりで遊園地を作りました。

手先が不器用だったり、イメージしながら作業していくのが

苦手だったりする子たちと工作をする時には、

「作業がしやすく作っていて楽しいこと」と「見通しが立てやすく子どもたちの

興味と合致していること」のふたつを大切にしています。

 

今回の工作の要は、「穴をあけること」です。

あとは、「セロテープでつなぐこと」とストローに切り込みを入れること」です

 

 

穴をあけて、ストローを穴と穴に渡して、

ペットボトルのふたで作ったどんぐりの乗り物をぶらさげていくことで

遊園地を作っています。

 

 

途中で、すべりだいや松ぼっくり用ののりものも作りました。

 

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別の発達に凹凸のある子たちのグループでは

どんぐりだんごを作りました。

どんぐりをラジオペンチでつぶして、渋皮をむきます。

 

渋を取るために何度も水を変えて、15分ほど茹でました(家族に協力を

お願いしています)。茹であがったどんぐりをすりこぎで潰して、

だんご粉に混ぜて、丸めて茹でました。

この行程が楽しくてたまらない子どもたちは、できあがったら

「もう一度やりたい!」とはしゃいでいました。

わたしは、毎度、ヘロヘロ……。

ずんだ餅の粉をまぶして食べるととてもおいしかったようです。

 

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おまけ 

うちの子たちから、『バナナの正しい彫り方』という本をもらったので、

さっそく楊枝で「ガイコツ」を彫ってみました。

簡単ですが上手に彫るのは難しい……。

 


2歳になったばかりの子の工作遊び

2015-10-01 21:33:11 | 初めてお越しの方

 

2歳になったばかりのAちゃん。

ちょきちょきひたすら紙を切り刻みます。とにかく切りたい、切りたい。

テーブルも床も紙くずだらけですが、そんなのお構いなしに

切るのに忙しいAちゃん。

 

一段落したところで、Aちゃんの切り刻んだ紙くずでちょっと遊ぶことに。

画用紙にAちゃんの紙を入れたプリンカップを貼って、

紙の裏からストローを通します。

洗濯機。ストローを吹いたら回るかな?

折り紙や発泡スチロールの玉ならこれでくるくる回転する洗濯機ができたのだけど、

画用紙の紙くずが重くてうまく回りません。

そこでストローの先にハネをつけました。

後ろからストローを回すと洗濯機が動きます。

Aちゃんは穴をストローにさすことを楽しんでいました。

 

その後、ストローの先にペッタンテープ(裏向きにしてわっかの形にした

セロテープをつけて、床に落ちた紙くずをひっつけてお掃除。

これが思いの外、Aちゃんに大受けでした。

 

それまでハサミにばかり興味があったのに、

テープを切って、巻くことに関心を示していました。

 

ペッタンテープつきのストローで紙ゴミをひっつけると、

途中からつかなくなります。

また、大きい紙ゴミをつけると、1枚だけでもうひっつかなくなります。

Aちゃんにはこれが不思議でならないようでした。

つかなくなったストローの先を真剣に調べています。

 

毎回、テープにゴミをひっつけて、それをはずして、

また新しいぺったんテープをつける作業が楽しくてたまらない様子のAちゃん。

紙ゴミがそれ以上ひっつかなくなることが不思議でならないようで、

あっちからこっちから眺めているので、

今度は紙ゴミの下にぺったんテープを貼ってあげました。

すると、紙ゴミの下にまた紙ゴミがひっつく。

それにさらにぺったんテープを加えると、またまたひっつく。

 

Aちゃんにすると、これは大大発見だった模様。

息をするのも忘れるほど真剣にゴミ集めに取り組んでいました。

 

 


現在の子育て、幼児教育の盲点 (間違った幼児教育が意欲と考える力が弱い子を量産している)5

2015-09-23 15:07:15 | 初めてお越しの方

現在の子育て、幼児教育の盲点 (間違った幼児教育が意欲と考える力が弱い子を量産している)4

 

前回の記事で、年少グループの子たち(ひとりだけ年長)がかばん作りのあとで、

ドールハウスを作り始めたことを書きました。

 

子どもたちは、「模倣することや教わること」と

「自分のアイデアを活かすことや自分で考えること」を

バランスよく取り入れていました。

 

みんなと同じ手順でお家を作っていたCちゃん。

ふいに作っていたお家の壁を倒したかと思うと、

「先生、これお布団みたいね」と言いました。

「本当ね。お布団そっくり。お布団を作る? 作るのはお家じゃなくっても

構わないのよ」と答えると、Cちゃんは大きくこっくりして、

布団だと言っていた部分にカーブをつけてから、大発見でもしたようなはしゃぎ様で、

「なおみ先生、こんなおうちあるね。これおうちだね」と言いました。

見ると、お布団だと言っていたものは、テントのような洞穴のようなものに

変形されていました。「面白いお家。素敵なお家ね。屋根が虹の形ね」と言うと、

「わたしやっぱりお家を作る。これを貼るとおしゃれでしょう?」とCちゃんは

屋根にリボンをデコレーションし始めました。

 

 一方、Bちゃんは他の子らにベージュの色紙を配り終えてから、

茶色い床の中央に貼っていました。

それから見つけてきた小さいタイルを床のあちこちに貼っていました。

 

「先生、きらきらの折り紙使ってもいい?」とたずねてきたAちゃんに、

「いいわよ」と答えると、

Aちゃんは壁一面にダイナミックに金色の折り紙を貼りだしました。

その際、Aちゃんは驚くような模倣する力を発揮していました。

わたしはBちゃんのお家を使って、「折り紙の床のはみ出している部分の両端を折って

立てた画用紙と主直になるようにテープでつけることで平面の壁が立つように

なることを実演して見せました。

 

といっても年少さんたちには難しいので、順にわたしがしてあげる予定でした。

ところが、Aちゃんの色紙の貼り方は左に寄っていたので

両端を折ることができなくなっていました。

 

わたしがほかの子らの様子を見て回ってからAちゃんのところに戻ると、

Aちゃんは自分で気づいて床の紙を正しい位置に貼り直して、両端を折って

テープで壁が垂直に立つようにしていました。

Aちゃんの模倣する技術は、ただ真似るのではなくて、

「どうしてそのようにしているのか」という意味を察して真似るレベルにまで

達しているのだな、と感じました。

 

このように模倣ひとつとっても、さまざまな形やレベルがあって、

「見なさい。聞きなさい」と言われても、心ここにあらずで応じる子と

「見なさい。聞きなさい」と言われて初めて、

ようやく他の人のしていることに注意を向ける子と

「見なさい。聞きなさい」と言われなくても、

先生からも友だちからもそこに置いてある見本からも学び取り、

模倣でありながらそれがどんな理由でそうしているのか気づく力がついている子とでは、

物事を習得する量も質もずいぶんちがってきます。

 

そのように学ぶ力そのものを高めるには、

子どもが学びたいと思っていること、つまり子どもが関心を抱いているその子にとって

意味のあることに身近な大人が共感を寄せ、

不確実で未知の可能性に満ちた時間と自由を十分保障した環境で……

つまり「何をどのようにする」とか「こういう目標に向かう」といった決められた

レールに乗って活動するのではなく、子ども自身が気づいて考えて行動できる

余白のある活動の場で……

より高い技術を持った大人がそれに関わり、子どものチャレンジを支えてあげる

必要があると実感しています。

そうした場では、子どもたちが自ら、自分の新しい行動のレパートリーを増やし、

できることを洗練させていきます。

 

Aちゃんの年長のお姉ちゃんのDちゃんは、

折り紙を4枚正方形に貼り合わせ、ぐるりを壁で覆って、

大きな家を作っていました。壁にはドアや窓がついて、

カーテン等の飾り付けもされていました。

 

その後、画用紙をコの字型に折ったものをいくつか用意して

立体パズルでも組み合わせるように何かを作っていました。

「お部屋かな?」「トイレかな?」と周囲の関心が集まる中、

黙々と作り続けて、できあがったのは……?

 

ストローの水道がついたシンクでした。

 

シンクの下の扉を開けると、排水管が。

水量を調整する蛇口の位置が少し上下にずれているのは、

最近、家で水道を止めなくてはならない時があって、

どこに調節ネジがついているのか目にしたからなのだそうです。

年長のDちゃんともなると、模倣も高い観察力と結びついたものになっているんだな、

と感心しました。

 

帰り際にDちゃんが、「先生、この家はちゃんと折りたたみ式になっているのよ」と

言って、実演してくれました。

折り紙の作品を作る時のように斜めの線を利用して下りたためるようにしていました。

 

Cちゃんは、Dちゃんのすることが気になって仕方がないようで、

Dちゃんがドアを作ると、すぐさま、「わたしも玄関を作りたい」と言いつつ、

曲面の屋根だけでできているお家にどうやってドアをつけたらよいのか悩んでいました。

「折り紙でドアを作って、ここに貼ることもできるわよ」と教えると、

「そうする」と言っていたのですが、少しして見にいくと、

屋根でもあり壁でもある曲面にDちゃんと同じような切り込みを入れて

ドアを作っていました。

真似ること、考えること、問題を解決すること、選ぶこと、決断すること……

Cちゃんの頭の中でさまざまなことが同時に起こっていたのでしょうね。

 


恐竜好きの子が喜びそうです。『爬虫類カフェ』に行ってきました。

2015-09-22 13:58:17 | 初めてお越しの方

娘と息子に誘われて、大阪の日本橋の『爬虫類カフェ』に行ってきました。

ドリンクを飲んでいると、イグアナアやら蛇やらカメレオンやらを

次々とテーブルに連れてきてくれました。

 

 

イグアナって見れば見る程、恐竜とそっくり……!

恐竜好きの子たちに見せてあげたい……。

 

驚いたのは、爬虫類の手脚。

上はイグアナ。カメレオンのハートの形のかわいい手も何とも言えません。

 

 

とても注文する気になれませんが、

メニューに本物のゲテモノ料理の名前が並んでいました。

 

娘の肩に乗るカメレオン。

 

息子の手からゆっくり移動していくヘビ。

 

   2Fです。