虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

5歳の考古学者くん 3

2010-04-30 18:18:23 | 教育論 読者の方からのQ&A
虹色教室に自信作のオリジナルの図鑑を持ってきてくれて、
「大きな恐竜の世界地図が作りたい」と言うので、
大きな布に描いてもらうことにしました。
(この布100円で売ってたんですよ~♪)

恐竜を乗せる船も作りました。

発掘に強いあこがれを抱いているカーくん。
今の夢は「絵が描ける考古学者」なのだそうです。
カナダの恐竜博物館に行ってみたいそうです。

子どもたちの成長を親御さんと見守っていていつも思うのだけど、
年長さん、小学生になったときに、
知的な好奇心や、やりたいことが、つきることなく
湧いてくる子というのは、
幼児期にあまり商業的なもの(習い事でも、お出かけ先でも)
に触れておらず、
自分の気持ちを大切にされていて、
何度か成長が停滞したり、後ろにもどったりする時期も
のんびり待ってもらっていた子たちです。
できないから……とあせったり、
しないから……と叱ったり、けなしたり、
できるから……あれこれ期待したり、習い事を増やすと、
子どもからどんどんエネルギーが失われていきます。


そうした外に成長が見えにくい時期は、必ず爆発的な成長が隠れてもいるので、
そうしたときに、子どもを急かしたり、不安にさせたり、
習い事を増やしたりせず、子どもへの信頼感をしるしてあげると、
ある時期がくると、
あらゆる長所で輝くような子に変化しています。

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子どもの性格タイプについての記事をまとめました

2010-04-30 10:56:42 | 子どもの個性と学習タイプ

☆直感型の子 感覚型の子

☆親子でちょっと噛み合わない感じ……真逆のタイプの子

☆親子でちょっと噛み合わない感じ……真逆のタイプの子 2

☆「宇宙はどうやってできたの?」と☆くん♪

☆前回の補足♪ 内向的思考にどうつきあえばいいのでしょう?

質問への答え と 感覚が優勢な子

質問への答え と 感覚が優勢な子 2

☆感覚型の子とブロック


子どもにダメ出しする前に、すること

2010-04-30 09:15:22 | 教育論 読者の方からのQ&A
4歳までの子は、大人のようにさまざまな体験を積んでいませんし、
身体や感情が自分の思うようにコントロールできるわけではありません。

あたり前のことを言っているようですが、
この当たり前の事実を大人が把握していないために、

子どもが何かするたびに、

きちんと「使い方」や「方法」を教えるのではなくて、

子どもの心に「罪悪感」を植えつけて、先々の困った心の癖の原因を作ってしまう場合がよくあります。

例えば、子どもがはさみを使いだしたとたん、
「そんな持ち方はダメダメ。ゆがんでるって。」
「そこじゃないでしょ」「それは切らないの」「こっちはしないの?」

と、常に、ダメ出しのオンパレードになっているものの、

「正しいきちんとした切り方
どんなものは切っていいのかのルール」などを、

正確に子どもに見えるようにしるすことはほとんどしない
という方が多いのです。

「ダメ!」とダメ出ししようにも、
ダメのもとになる「正しさ」がしるされていないし、子どもがそれをしっかり理解していないので、
子どもの心に残るのは、「ダメなことをする自分」という罪悪感
でしかないのです。

4歳くらいの子の行動は、自由にさせる部分は自由にし、
「ダメ」という場面では、まず、「ちゃんと見てちょうだいね」と言って、
「正しい形」を見せることが大事です。

また失敗すれば、「ダメ」ではなくて、もう一度、「ちゃんと見てね」と
「正しい」ものを見せるのです。

子どもは何かを集中しているときに、ダメ出しすると、「ダメ」という言葉のあらわすものの方向に気が取られて、正しい方法が受け入れにくくなります。

すねてそんな風になるのでなくて、
同時にふたつのことに集中するのが難しいのです。


相手がしぶりそうな内容に「うん」と言わせるのが上手なセールスマンは、最初にその内容とは全然別件で、お互いの意見が一致する話から、話をはじめるのだそうです。

大人だって、そう簡単に気持ちが切り替わるわけじゃありませんから、
いい気分で、「うん」と返事していた相手には、
少しどうかな~?という内容に話がおよんでも、「OK]を出してしまいがちなのです。

子どもの場合、もっと単純です。最初良ければすべて良し~
出だしが悪ければ、何を言っても無駄 となりがちです。

子どもが言うことを聞かない癖がついている場合、お母さんが無意識にいつも
「ダメ出しから入って、優しい説得へ」という逆の流れを作っているケースを
よく見かけます。

危なっかしい方法で、えんぴつ削りを使っているとすれば、
「そんなまわし方はダメ、危ないでしょ。反対にまわしてる~」と言った注意の仕方をするのでなくて、
「静かに見ていてちょうだいね。えんぴつを刺しているときに、えんぴつけずりのお耳を引っ張って、前へいくようにこうして~えんぴつは少し力を入れて中に入るようにね。
ここで、手をはさむから危ないの。ここに手を置くと痛いのよ。気をつけて。
それから、前から向こうへ、ピョーンと跳ぶようにハンドルをくるくるまわしてね。そう~」
ときちんと説明し、正しい方法を集中して聞く姿勢を育てます。

ダメ出しではなく、
「正しい方法」に集中させると、子どもの気持ちは正しいことを身につけよう
とする意欲的な態度で、
物に集中します。

繰り返しになりますが、
最初の話に戻って、

4歳までの子は、大人のようにさまざまな体験を積んでいませんし、
身体や感情が自分の思うようにコントロールできるわけではありません。

それで、きちんと教えていないのに「そんな持ち方は~」といった
ダメ出しから入ると、

「学ぶ、教わる」といった気持ちに切り替わらせるのが難しく、
走り出した「ダメダメ言わないで~」という負の感情に絡み取られているので、

覚えがとても悪くなるのです。

ですから、ダメなことを教えるにしても、
正しい方法から気持ちよく教えて、
本人が「私はこんなお姉さん(お兄さん)のお仕事もできる。怖いことがおきないようにお母さんの話をちゃんと聞いておこう。」と、
自分の有能感を刺激されて、いつもよりお姉さんモード(お兄さんモード)になっているときに、

最後に注意点やどこがどうダメなのか、きちっと納得させておくと、
真剣な態度でうなずくのです。

といっても、この時期は手足がコントロールできないのですから、
頭でわかってもできなくて
当たり前。
大人にしても、足の指で字を書けと言われたら、
コツを教わったって、きちんとはできませんよね。

子どもがやりたがることは、
何度も気長に教えてくことが大事です。
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子どもの成長についての満足度が低い 日本の母親 2

2010-04-29 17:43:53 | 教育論 読者の方からのQ&A
「子どもが自分の期待通り成長してくれない」と不満に感じる親御さんが多い一方、
「親や先生や環境や友だちが、自分の期待した通りに自分を満足させてくれない」という
不満を持つ子どもも、けっこういます。
ほんの少しの時間でも退屈すると、「つまらない」「こんなのいやだ」と文句を言うのです。
「何がしたいの?どんなことをして遊びたいの?」とたずねると、
「どうしてぼくが(私が)そんなこと考えなくちゃならないの?」というびっくりした表情が浮かびます。

大人に「これをしたら?」「あれをしたら?」と勧められて、
「じゃあ、する」と答えるか、
「つまんない、そんなのいや」と答えるという
パターンでしか行動したことがないようなのです。

友だちから遊びに誘われても、その遊びが気にいらなかったときに、
参加しないだけでなく、
それなら……と遊びたい子同士で遊んでいる友だちに、
「そんなのつまらない」と
クレームを言い続けます。

グループレッスンなどで、「つまらない」を連発する子がいる場合、
私は、「ここでは、つまらないと言った子はバツがあるのよ。
一回つまらないというたびに、みんなのために楽しい遊びを1つ考えてもらうわよ」と告げます。

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「子どものあるがままを認める」のが大事、
「子どもの成長について満足していることが大事」と聞くと、

「私は子どもが可愛くてたまらないし、子どもととても仲が良いから、
これでいいんだ~」と感じますよね。
もちろん、誰の子育ても、一生懸命で基本的には、それぞれ良いとも言えるのですが……

たとえ、子どもとの関係が良好で、「子どもが可愛い!」と感じていたとしても、
親が「子どもというお客さん、消費者」を満足させるために、
手を変え品を変え、喜ばそう、楽しまそう、賢くしよう~、教えてわからせようと何かを提供し、
機嫌をうかがい、その反応で一喜一憂しているとすれば、
それは子どもが不幸になるから、やはり問題があると思うのです。

不幸になるというのは、せっかく自分で望み、自分で考え、自分で決めることができる「脳」を持って生まれ、
自分で動かせる「身体」を持っているにもかかわらず、
それらを使って、
自分で自分を喜ばせる方法を、少しも学べなくなるからです。

自分で自分を満足させられないと、
どこにいても、誰といても、つまらないことだらけです。
いつでも不幸です。

「そんな態度を取る子だから、ダメな子」と子どもを評価したり、子どもの姿に不満足をしるしているわけではないのです。

子どもがそうした小さなクレーマーになっているのに気づいたときは、
「それは親が悪い」「そんな子は悪い」と、誰かを非難するのではなく、

大人が子どもの気持ちに過敏に関わりすぎている状態から
一歩退けば良いだけだと思っています。

そうした子のお母さんは、もともと気持ちが優しすぎるほど優しくて、
上手に子育てしている方なんです。
ただ「良すぎるお母さん」から「普通に良いお母さん」に調節すればいい
だけなんです。

子どもは成長し変化していく存在ですから、
親子の関係は、固定された理想の関係などありえなくて、
常に、子どもの姿を見ながら微調整していくのが
自然なあり方ですよね。
ダンスでも踊るように
気楽に微調節できればいいですよね。


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子どもの成長についての満足度が低い 日本の母親 1

2010-04-29 07:22:39 | 教育論 読者の方からのQ&A
白梅学園大の汐見稔幸学長の著書で、
「子どもの成長についての満足度」についてスウェーデン、アメリカ、イギリス、日本、韓国、タイのお母さんへの調査したデーターが載っていました。

0~3歳の子を育てているお母さんで「満足している」と答えたのは、
スウェーデン、アメリカ、イギリスは、約94.5%

でも日本のお母さんはすでにこの時点で70%を割っているそうです。
4~6歳では、と50%を割り、高学年になると、
子どもへの満足度が37%になっているそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
子どもを見ると、できていない点、足りない点に目が行って、
わが子にがっかり~してしまっているお母さんが日本に多いのなら、

日本の子の多くが無気力、無関心で、
自分自身に「がっかり~」していたり、自分の力に見切りをつけたような行動をしていたとしても当然だろうな~と思えました。

子どもって、まだ経験が少なく、
広い交友関係があるわけでもありませんから、
身近な親の意見がを、世界中のどんな偉い人の意見よりも正しいものと信じてしまいますよね。

身近な親が自分のことを「つまらない子だ」と見れば、「つまらない子」という鋳型にはめて、自分を理解するでしょうし、
「あれもこれもたいしたことない、満足できないな~」と見れば、
「自分は一生、たいしたことができない取るに足らない人間だ」と信じてしまうでしょう。

誰にでも長所と短所、得意と苦手を持っています。
つまり自分の中に、スポットライトをあてて、時間や手間をかければ、
少しの投資で、何十倍、何百倍もの利益が戻ってくる「長所」や「得意」といったものと、
いくら投資しても、損害ばかりが膨らむ場合が多い「欠点」や「短所」といったものを持っています。

子どもによったら、とてもすばらしい長所や得意を持っていても、
今、その子の年齢や環境からすると、
生かしようがない、評価してもらえる場がない~ということがよくあるのです。

今日、科学クラブの日なので、その子たちのことを思い浮かべてみると……

ある名古屋から来ている1年生の子は、
独創的な発想がすばらしく、
誰も思いつかないような方法を編み出して問題を解決します。
完璧主義で、色の組み合わせやでデザインの細部にまでこだわります。でも、日本の学校のような場では、そうした性質は欠点としてしか、あらわれないことは多いでしょう。
完璧にしたい思いは、友だちとのぶつかり合いや頑固さにつながることも多く、
独創的なところは、集団でしていることへの興味の薄さにも見えます。
色やデザインに対する細部までのこだわりは、
そうしたものを求めない場では、しつこさや「平凡なことに熱心でない」という欠点としてしか映らないこともあるのです。

また今2年生の男の子は、いつも旺盛な制作意欲と強い科学への関心を見せます。でも学校のような場では、そうした溢れるエネルギーは落ち着きのなさやしつこさとしてしか、あらわれないこともあります。
その場所で、そうした特別な能力を生かす場面がないからです。

もう一人の1年生の男の子は、非常に高い思考力を持っています。
日常のあらゆる科学的なことに
疑問を持ち、理由を考え、それを表現する力がとても高いのです。
ただこの子も学校のような場では、そうした能力は
生かせないだけでなく、「いろいろ思いつきすぎて、ゆっくり進む先生の話を待っていられない」という欠点としてしか、あらわれないでしょう。

でも、それは小学生という今この一時期のことで、
学校がこの子たちの長所を見出したり評価してくれないから、
この子たちの長所に価値がない

というわけではないのです。

いつどんなときだって、長所や得意に投資すれば、
何十倍も何百倍も、いずれ利益が返ってくるはずです。

要は周囲が評価しようがしまいが、その子の長所や得意にフォーカスして、

生かせる場がない時期こそ、
子どもがすぐに目に見える結果が出ないのために
自分の能力に疑いを持ったり、自分を低く見たり、自分に満足できなかったりすることがないように、
大人が大きな視野から子どもを眺めて、子どもを支えてあげる必要があるのです。

子どもは自分の人生に役立てるために学校に行っているのであって、
子どもの人生は学校で一番になるためにあるわけでは
ないですよね。

次回に続きます。

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3歳の子の発見から、発明、研究、工作の輪 5

2010-04-28 19:11:16 | 理科 科学クラブ

先ほどのからくりをティシュ箱に入れて、前後にハンドルを動かすと、
ティシュに乗せた磁石が、ピョンと半回転をします。
この動きに子どもたち大喜びです。

これは面白いおもちゃができたので、
この組み木で作っている部分を、ラップのしんや針金などで
作りなおして、
じしゃくの人形や箱のデザインを工夫しなおして
『子どもの科学』のみんなの工夫・発明コーナーに
送ろう!ということになりました。

3歳のかいくんの発見から、1年生の3人とも、磁石の働きに夢中になりました。
そこで、今日はこの磁石と鉄球を使って算数を学びました。

「磁石が3センチ、鉄球の直径が1センチとします。
磁石と磁石の間には必ず鉄球をはさみます。
磁石が3つのとき、はしからはしまでは、何センチになりますか?」
「磁石が5つのとき、はしからはしまで何センチになりますか?」

遊んでいた磁石の問題なので、よく理解しています。
球の直径にしても、指でしるすだけで、子どもたちは直感的に
意味を察するのですごいなと思います。

ついでに今日おやつに食べていたガムの問題も出題。
「ガムを3つ買うと、1つおまけしてくれる店があります。
ガムは1つ10円です。
お母さんに60円もらって、全部お金を使ってガムを買いました。ガムは
いくつもらえたでしょう?」

この問題、子どもたちにとても受けていました。


3歳の子の発見から、発明、研究、工作の輪 3

2010-04-28 19:02:46 | 理科 科学クラブ

はじいた時の写真です。

うまくいくとき、いかないとき、
うまくいってたことが繰り返すうちにうまくいかなくなるときがあって、
その理由を推理したり、
「図書館に行ってくわしい磁石の本を借りてこよう」と相談したりしました。


3歳の子の発見から、発明、研究、工作の輪 2

2010-04-28 18:55:17 | 理科 科学クラブ

かいくんの発見した磁石のなぞを見た小学1年生の3人。
「中にさ、ジャーって流れる水みたいに力が動いててさ、それが、もうひとつの磁石に吸い取られるんじゃない?」
などと言いながら、自分たちもさっそく実験開始。

新しい発見をしました。

N極、S極の向きに気をつけなくちゃならないのだけど、
写真のような磁石と鉄球のつなぎ方をして、
最後に鉄球をひとつ一番後ろにつけるだけで、

なんと、前につけていた鉄球と磁石のペアが
はじかれるように離れるのです。


3歳の子の発見から、発明、研究、工作の輪 1

2010-04-28 18:46:41 | 理科 科学クラブ

最初は、3歳のかいくんの発見でした。
棒の磁石にいくつか鉄球をつけて吊り下げるとき、
一番上の鉄球にもう1本か2本磁石をつけると、
磁力が弱まって、ついていた鉄球が1つ、2つポトンと落ちるのです。

「ふしぎ~!」「どうして?」
「こうしたら、丸いのがポトンッてなるの」
かいくんがうれしそうに報告してくれました。

次回に続きます。