虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

月面探査機 

2021-04-30 21:57:50 | こんなこと、やってみたい!

小3のAくん。

壁面に沿って動くネズミの形のプラモデルを作った後で、

ネズミの形を月面探査機に作り替えました。

かっこいい仕上がりです。


「生き辛さ」を抱えて生きるということ

2021-04-29 18:24:42 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子
大人になって、自分は発達障害ではないかと疑いを持ちました……とおっしゃる方々からコメントをいただくことがあります。
そうした方のコメントは、いつもとても深い洞察を含んでいます。

発達障害児を育てる親御さんのコメントとは少し異なる
「生き辛さ」を抱えて生きるということを自分で経験してきた方の
生の言葉です。

発達障がいを持った子を育てていると、
どうやって普通に近づこうか、困った癖をやめさせようか、
ひとつでも何かできることを増やそうか、自立への道を歩ませようか
とそればかりで頭がいっぱいになってしまうかもしれません。

少しでも生きやすくなるためにそうした支援は必要ではあるけれど、

実際、「生き辛さ」を抱えて生きている当の本人にすれば、
何が何だかわからない
安心できない世界から、毎時間毎分、
ダメな自分、できない自分、
足りない自分、変わらなくてはならない自分を
つきつけられて、

自分を信じる
自分を受容する

という人として生きていく基盤となるような部分が
いつもぐらついた状態で、
生きていることが周囲に対し申し訳ないような思いまで抱きながら暮らしているのが現状です。

運動オンチの人がオリンピック選手を養成する体操クラブに入れられれば、
たとえ、バカにされたり、期待されたりしなかったとしても、
周囲のようにできない自分に自信を失い、
苦しみを感じて生きるようになりますよね。
発達障がいを持って生きるということは、支援を受けていても、優しくされていても、
挫折感とコンプレックスと疎外感と誤解される悲しみと絶えず向き合いながら
それを受容し、のみ込んでは、
一歩、一歩、前に進んでいく作業です。
障害特性ゆえに苦しい、感情がコントロールできないという事実とは別に、
現実がむごすぎて、苦しくて、感情がコントロールできなくなるのです。

それでも一生懸命、生きている子がいて、
そうした苦しい受容を途方もないほど繰り返しながら、
大人になって、一生懸命生きている方がいます。

私たちは、自分が持っている「ふつう」という固定観念と比べて、
経済的に自立しているかとか、
社会的に認められているかとか、
人間関係が上手にこなせているか、
とかで人を比べたり、評価したり、人を社会のお荷物とみなしたりします。

でも、もし、人類というひとつのまとまりのなかで、
何割かの人が、
必ず、自分たちが過去に汚した環境の影響をかぶって
障害を持って生まれる役を引き受けなくてはならなかったり、
誰かは必ず、進化しようとする遺伝子の影響で、
ある部分だけ特化した
生きづらい生を引き受けなければならないとしたら、

人類が自分も含んで確率的に持っているもののひとつを
引き受けてくれた人に対し、
あれこれ比べたり評価するというのはどうなのでしょう?

そうした生をバカにする人や、変わるように急かす人が、
なら次は自分がそうした苦しい生を引き受けて、
最後まで生き抜きます~と簡単に言えるのでしょうか?

こうした生き辛い生には、苦しみとひきかえに、
ひとつのすてきなプレゼントが用意されています。

ジョージア州に、成功者と億万長者を20年間調べ続けて、
自分もその仲間入りをした方がこんなことを
おっしゃっています。

『人とちがうことは利益をもたらす』
トマス・J・スタンリー

人が褒めてくれるような長所は、意外に、利益をあまりもたらさないのだそうです。
なぜなら誰もがあこがれる見栄えの良いところには、人が群がって競争が激しくなるからです。

『戦って勝つのは下策。戦わずに勝つのが最上』と孫子も言っています。

本田宗一郎は、

『私は世間でいう“悪い子”に期待している。なぜかといえば、そういう子どもこそ“個性の芽生え”を持つ頼もしい可能性に満ちた本当の意味での
“いい子”なのである』

『失敗もせずに問題を解決した人と、十回失敗した人の時間が同じなら、十回失敗した人をとる。
同じ時間なら、失敗した方が苦しんでいる。それが知らずして根性となり人生の飛躍の土台となる』

と語っています。
生き辛さは、このように、きちんと生き抜けば、それだけで価値があるものなのです。

子どもの自尊感情を伸ばす5つの原則 4

2021-04-25 19:41:20 | 自己肯定感を育む

『自尊感情を伸ばす5つの原則  親から子へ 幸せの贈り物』
玉川大学出版部

の中には、乳幼児時代の子の自尊感情を育てるための
具体的な例がいろいろ載っています。
それらを読んでいると、日本の子育ての場で「そうすべきだ」と信じられている方法の多くは間違っているか、
もっと成長した大きな子のための方法なのです。
そのため親は愛情から
子どもの自尊感情が低くなるように努力することもよくあるのです。

たとえば、赤ちゃんが泣くたびにだっこしている母親に、「泣けば抱いてもらえると思い込んで、ささいなことでも泣いて甘える子になるわよ」と忠告する人がいるとします。その母親は赤ちゃんがしっかり育つように、愛情から泣いても放っておくようになるかもしれません。

こんなとき、自尊感情を育てるという点からすると、乳幼児のうちは、どうすればよいか迷ったら、子どもの要求に応えるのがよいとされています。
子どもは自分の欲求や要求が聞き入れられるので、自分は尊重に値すると感じるようになるのです。

また、早すぎる新しい経験を無理に押し付けると、
自尊感情が低くなると言われています。
この著書には、もうすぐ2歳になる子をプールに連れて行った父親を
例にあげて、どのような場面で子どもの自尊感情が犠牲になるかしるしています。
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はじめてのプールでぐずりだした男の子に水しぶきがかかり、子どもはさらに泣き出しました。
「泣くな。水は怖くないよ。いつもお風呂に入るよね。これはいっしょだよ」
お父さんはそう言って、子どもに水をパシャッとかけました。
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こんな場合、父親は子どもの言葉で表現できないメッセージを無視すべきではなかったのです。子どものしるす興味や準備状態を観察して
体験を用意するか、子どもが新しい体験に慣れるまでもっとゆっくり関わるべきだったのです。

こんな例もありました。
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3歳の子が親の言うことを聞かず、椅子から椅子へ渡っていて、
滑って床に落ちました。「痛いよー」と泣く子に
「だから言ったでしょ」と母親は冷たく言いました。
この母親は「痛かったね」と子どもの話を聞いてあげることもせず、最初に子どもが言うことを聞いていなかったことを叱りました。
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こうした冷たい対応が長期間繰り返されると、
子どもは自分が大切にされておらず、自分は必要とされない存在だと思い込むそうです。
子どもたちがやってはいけないことをして怪我をしても、
心から心配していることをしるすなら、子どもたちは愛されていると自分たちの存在に価値を感じるのです。

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うちの子たちがまだ小学生だった頃、
私は地域の子育て支援の仲間たちと児童館での会議に参加していました。
当時の小学生たちの流行は、バトル用のカードを集めることで、その日、親といっしょに会議についてきていた★くんも、お母さんにとめられるのも聞かず、自慢のカードを大量に持ってきていました。
こうしたカードの一部は、レアものとして、1枚何千円もの値がつくものもありました。
★くんは、お小遣いの全てをこのカード集めにつぎ込んでいて、
他の子が手に入れられないようなレアカードをたくさん持っていることが自慢でした。

この日、親たちの会議が半分くらい過ぎたとき、「あっ、忘れてた!」と言って、★くんが児童館の庭に飛び出していきました。その後、血相を変えた★くんが、今にも悲鳴をあげて泣き出しそうな様子で、「自転車のカゴに忘れていたカードがないんだ」と告げました。

私たちも会議そっちのけで、★くんのカード探しをはじめました。
私が児童館の読書室を覗くと、ちょっとつっぱっている小学高学年のグループがふんぞり返ってマンガを読んでいました。
「自転車の前カゴにカードが入った袋を置いていたら、なくなってしまったという子がいるの。あなたたち何か知らないかしら?」とたずねました。
すると、そのグループのリーダらしい子がニヤニヤしながら、
「おばはん。おれら疑ってんか?」ドスをきかせた声で問い返しました。
「ただ、知らないかたずねているだけよ。このくらいの巾着袋に入っているんだけど、もし見かけたら教えてちょうだい」
ちょと厳しくそう言うと、
あの子たちが関わっているとしたら見つからないかもしれないな……と思いながらその場を離れました。

会議をしていた部屋に戻ってみると、
「だからあれほど持ってきたらダメって言ったでしょう!もう買わないからね」とガミガミと叱られ続け、他所のお母さん方からも、「大事なものは持ってちゃダメよ」と注意を受け続けて、涙を流している★くんの姿がありました。
何だかいたたまれなくなって、私がもう一度、自転車が置いている場に行くと、背後からしょんぼりした★くんが近づいてきました。
小さな声で「カードがなくなって残念だったね」と言うと、目に涙を浮かべながらも気丈に自分に起こったことを受け入れようとする表情が浮かんでいました。

私が、「大事なものを持って来ちゃダメよ」とか、「忘れ物がないか、その場を離れる前にチェックしなさい」と言わなかったのは、
私もよく忘れ物をしては、★くんと同じような苦渋を嘗めることがよくあるからなのです。
自分自身がショックのあまり口もきけないような時に、はたから、「ああしなかったから」とか「こうしておけばよかったのに」とかいろいろ言われるのはよい気がしませんから‥‥‥。

ですから、我が子に同じようなことが起こった場合、取りあえず失った物をいっしょに悲しんでから、「今度からどうすればいいかな?」と子どもにたずねる甘めの対応になりがちです。

でもそれでもいいんだな、それだからこそいいこともあるんだな‥‥‥と思うのは、失敗したときに、「だからこう言ったのに‥‥‥」とぐずぐず言われることなく、ただ共感してもらって、次の改善策を話しあえる状態にしておくと、子どもは勇気を持って自分のした失敗を反省して、「次はこうしよう」と決意するようになるのを見てきたからです。

この★くんも、
自分がこれまで他の欲しいものも我慢して懸命に集めてきたものを
一瞬の判断ミスで全て失ってしまったという事実、
これから友だちとカードを見せ合うときには、一番下の立場になるかもしれないという不安、
世の中には盗みをするような悪い人もいることへのショックなどを、
たったひとりでグッと飲み込んで、乗り越えようとしていたのです。

「もう一度だけ探してみようか?」と問うと、誰を責めるでも、愚痴るでもなく、ただ私の手を取って静かに周囲に目を配りつつ歩いていました。
最後に、「大丈夫? がんばれそう?」と聞くと、こっくりしました。

誰だって失敗やミスはつきものです。
しょっちゅう失敗している人も、ごくたまにしか失敗しない人もいるでしょうが、どちみち失敗をしないで、生きていくことなどできないのです。

ですから誰もがぶつかる失敗に対して、失敗したとたんに「ああしておけば、こうしておけば、ああしないから、こうしないから……」と、
寄ってたかって責めたてても、欠点がなおるどころか、
自尊感情が低くなって、
自虐的になるか、他罰的になるかどちらかにしかならないでしょう。

子どもたちの育ちを支援する大人たちは、

ひとつひとつの出来事から
子どもが自分で生き方の指針を見出していけるように

自尊感情を育てるガイドラインを常に心の片隅に置いておくことが大切だと感じています。




子どもの自尊感情を伸ばす5つの原則 3

2021-04-24 13:27:59 | 自己肯定感を育む

前回は、自尊感情が低い場合の尺度となる特徴を紹介しましたが、
今回は、自尊感情が高い場合どんな心の傾向や行動をするのか紹介しますね。

★自尊感情が高いと、友だちが悪いことをしているのを見ると、とめようとします。
★自尊感情が高いと、ほかの人からどんなふうにうわさされているのか気になりません。
★自尊感情が高いと、なにごとも、ほかの人にしてもらうより、自分でやりたいと思います。
★自尊感情が高いと、自分はほかの人に比べていろんな点ですぐれていると思っています。
★自尊感情が高いと、何かしようとするとき、ほかの人が反対するのではないかと心配になりません。
★自尊感情が高いと、自分はどんな不幸にあってもくじけないだろうと思っています。
★自尊感情が高いと、友だちは自分の考えをよく取り上げてくれると思っています。
★自尊感情が高いと、決められたことは、きちんとします。
★自尊感情が高いと、友だちは、自分のためになることをしてくれることが多いと思っています。
★自尊感情が高いと、自分には自慢できることがあると思っています。

他にもいくつかあったのですが、省略しますね。
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私の父も母もとても自尊感情が低い人でした。
子どものために自分を犠牲にすることは何とも思わないほど子どもへの強い愛情を持ってはいました。

ただ、自分たちの自尊感情が低いものですから、
自分の目を通して見る世界が、自分に都合がいいように歪んでいるのです。
そうした親の自尊感情の低さは子どもに伝染します。
それと良かれと思って注ぐ子どもへの愛情が、
子どもの中に芽生える自尊感情や自立心をを押さえつけたり、依存性や弱さを引き出すものとなっていても気づいていませんでした。

↓私の子どもの頃の経験を書いたエッセイです。
☆親のコンプレックスと子どもの困った行動 1
☆親のコンプレックスと子どもの困った行動 2
☆親のコンプレックスと子どもの困った行動 3
☆親のコンプレックスと子どもの困った行動 4
☆親のコンプレックスと子どもの困った行動 5
☆親のコンプレックスと子どもの困った行動 6
☆親のコンプレックスと子どもの困った行動 7
☆親のコンプレックスと子どもの困った行動 8

それで、私や妹が社会に出て行く年頃になったときには、
機能不全家族でアダルトチルドレンとして育った人の特徴をたくさん持っていて、人と共依存の関係に陥りやすく、社会に適応していくことが困難でした。

結婚して子育てをするなかで、私は自分の弱さを見つめながら、自分を成長させていくのに長い年月を要しました。

私が懸命に自分と向き合ってきたのは、
わが子たちに、人に寄りかかることなく、自分で幸せをつかみ取れる人に育ってほしい、
嘘のない目で自分を見つめることができる人に育ってほしい、
誰に反対されても何が起こっても自分の生き方に自信を持てる人になってほしいと願ったからです。

AC(アダルトチルドレン)といえば、過去記事でこんな記事を書いたことがあります。↓
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テレビで幼児教育の特集をしていると、

運動や外遊びには弊害はない。
子どもが元気いっぱいではきはきして、お友だちに思いやりをしるしていたら、
これはすばらしい幼児教育がなされているにちがいない

そうした思い込みや錯覚のもと、
ちょっと引っかかるシーンや気にかかるところがあっても、まるで何もなかったように打ち消して、「すばらしい!」と思ってしまうときがあります。

私はどんなに感動的な演出を目にしても、

<愛される存在でいるためには、他人の基準に合わせなければならない>

というメッセージが子どもに強烈に伝わるような幼児教育をしている場は
信用していません。
もちろん、幼児は他人の基準にあわせる必要がないと考えているわけではありません。


幼児の集団生活を通して、
自分のニーズを主張することと他人の要求をのむことの折り合いをつけたり、友だちと協調することを学んだりしていく必要があると思っています。

けれども、それは、
「愛される存在でいるためには、他人の基準に合わせなければならない」と思い込ませることではないし、

自分の感情やニーズを切り捨てて他の人の意向を優先すること

ではないし、

自分の感情とのつながりを切断すること

でもありません。
数年前に話題になっていたAC(アダルトチルドレン)を生み出す家庭では、
「話すな」「感じるな」「信頼するな」「質問するな」「考えるな」という暗黙のルールがまかり通っています。

幼稚園のような場でも、
何かひとつの方法を盲信して、親も子どもも、個性や感じ方の違いも疑問も口にできない状態で、園の方針を信じこんで子どもを叱咤激励したり、評価したり、無視したり、時には虐待に近いことまでしているときには、
このACの家庭と同じようなことが起こることでしょう。

本来、私たちは、意見が違って良いし、
それぞれの子はその個性に応じて尊重されて良いし、
お互いその違いから学びあいながら、創造的な解決を探っていくのが社会ですから。
他の人が「物事はこうなっているんだ」と言うと、
疑うことを放棄して、自分の感覚を信じずに言いなりになっている場では、

子どもは、子どもではなくなり、しっかりとした大人(悪ぶった大人)のように振る舞い、
次のどれかの役を引き受けます。

●リスポジブル・チャイルド(責任を追う子)ヒーロー 優等生
●アジャスター(順応者)
●プラケイター(なだめ役)世話焼き
●アクティング・アウト(問題児)スケープ・ゴート、いけにえ

生き抜くための力が、自分の成長のために使われず、
家族や集団の得になるもののために消費されます。

そうした場で育つ子どもたちは、自立しているように見え、輝いて見え、
賢く見え、優しく見えます。
それなら、それでいいのでは?とも思いますよね。

そのように子どものときから大人のように生きた子たちが
大人になると、
立派に大人として社会に適応しているように見えて、
大人になりきれていない部分をかかえているそうです。

それは「子どもっぽい」のとは、ちがいます。
人並み以上に社会的責任を背負っていたりします。

けれども、大人としてじぶんの面倒を見て、自分を幸せにすることができない

のです。
自分の感情をありのままに受け止め、自分の必要を周囲に要求する練習ができていないのです。自分の望みや気持ちをしまいこんで、苦しい生を生きるようになるのです。

子ども時代に、「子どもを生きる」こと。

それは将来の幸福の土台を作ることでもあるのです。

アリス・ミラーは、

「おまえのためだ」と言って子どもを屈服させる教育を受けた子は、大人になってからも誰かに隷属しやすく、宗教的なカルト集団、全体主義的な政党に対しても簡単に服従してしまいやすい

と、指摘しています。

「おまえのためだ」と言って子どもを屈服させる教育は、
子どもの意志を破壊し、子どもの感情や創造性、感受性、反抗心を抑えつけてしまう教育です。
ミラーによれば、そうした教育は、モラル・ハラスメントの被害者を作るそうです。


私の育った家庭も機能不全の状態でした。長い期間、親と子、家族、集団の問題を見つめて、向き合ってきて、しみじみ、これは日本人全体が抱えがちな問題なんだな~と思います。「これが、ふつう」と思えてしまうくらいに。
これから育っていく幼い子たちが、
自分らしく幸福に生きていくために、そこから目をそらしてはいけないと感じています。



子どもの自尊感情を伸ばす5つの原則 2

2021-04-23 08:36:05 | 自己肯定感を育む

前回紹介した男の子のお母さんは、どの場面でも子どもの自尊感情を高めるような対応をしていました。
それで男の子は他の子たちよりできないことが多くても、
何度も練習してでも、
できるようになるまでがんばろうとする前向きな気もちを持っていました。

『自尊感情を伸ばす5つの原則  親から子へ 幸せの贈り物』
玉川大学出版部

という本のなかに、自尊感情の高低を調べる小学生向けと中学生向けのチェックシートがついていました。

それを目にしてショックを受けたのは、
最近の子どもたち、小中学生といわず、幼児にも非常に多くの子に見られる特徴というのが、
そのまま自尊感情の低さを表すものとしてしるされていたことです。

低学力、青年の犯罪、薬物中毒、抑うつ、そして自殺といった問題と、自尊感情の低さは、研究者や専門家によって相関があると指摘されています。
自尊感情が低いと、人生の問題やフラストレーションにしっかり対応できません。
自尊感情が低いと、強くて優しく、責任感と哀れみを持った心が育ちにくくなります。
自尊感情が低いと、子どもは充実した意味のある人生を歩めなくなると言われています。

そんなにも大切な「自分は有能で価値がある人間だ」と自分を肯定的にとらえる自尊感情。
それなのに、何のハンディーキャップも持っておらず、知的な面でも優秀な子であっても日本で暮らすほとんどの子が、自尊感情の低さを表すとされる特徴を持っていることに、心が痛みました。

自尊感情を調べるチェックシートから……どのような特徴が自尊感情の低さをあらわすのか取り上げてみます。

★自尊感情が低い子は、何かしようとしたとき、むずかしそうだと、ほかの人に手伝ってもらいたくなります。

★自尊感情が低い子は、自分でしなければならないことでも、親や先生から言われないとしようとしません。

★自尊感情が低い子は、ほかの人をとてもうらやましく思います。

★自尊感情が低い子は、正しいと思うことも、反対されるとやりとおしません。

★自尊感情が低い子は、自分がほかから尊敬されるような人間になるだろうと思っていません。


次回に続きます。


子どもの自尊感情を伸ばす5つの原則 1

2021-04-22 07:55:52 | 自己肯定感を育む

「こんな子に育ってほしい」「あんなことができるようになってほしい」「こんな風に育てたい」と親が子に望むことはたくさんあります。
でも、本当は、親は子どもが「自分は有能で価値がある」と感じるよう自己肯定感さえしっかり育てたら、
子どもは自ら課題を見つけ、自分でチャレンジし、さまざまなことを達成していくようになるものです。


ずいぶん前になりますが、虹色教室に小学4年生の特別支援学級に通っている男の子と親御さんが見えたことがあります。
私が簡単なカードゲームの遊び方を教えると、男の子はとても喜んで取り組み、ルールを覚えました。
それから笑顔で、「お母さん、ぼく、●●(支援級)の友だちにこの遊び方を教えるよ」と言いました。
その子のお母さんは、男の子が新しいことを意欲的に覚えたり、覚えたことをお友だちに教えてあげようと思いつくことが心底うれしくてたまらないようでした。
それで、良い親であることを私に見せようとか、良い親でなくちゃと自分に課すとかではなく、本当に本心から言っている様子で、「この子を誇りに思います」とおっしゃいました。

私はいくつかゲームで遊んだ後で、易しいレベルからいくつか算数の問題を出していきました。そして終いには、その学年相当の『概数』の問題を出しました。
虹色教室で『概数』を学ぶ場合、ラミィキューブというゲームの数のプレートを色画用紙で作った枠組みに置きながら考えていきます。
しっかり解こうという意志があれば誰でも解けるように工夫していますが、
知的には少しもハンディーがない子でも、「難しい!そんなの習っていない」と集中力のない態度で臨めばいつまでも覚えることができません。

その男の子は、知的なボーダーライン上にいる子で、概数の理解はかなり難しいように思えました。
それが、「やってみる!」と言って、必死になってやっていたので、
2、3度間違えた後は、しっかり解けるようになっていました。

1回だけ見させていただく約束のレッスンだったので、その子と親御さんに会ったのはその1回きりです。
でも、私は自己肯定感について考えるたびに、その子のことを思い出します。

次回に続きます。


点対称な図形がかけない!

2021-04-18 22:12:09 | 算数

発達の凹凸がある子の中に、

「線対称な図形ならかけるけれど、

点対称な図形が何度やってもかけない!」という子らが

けっこういます。

虹色オンライン算数教室のおまけブログ(鍵付きです)で、

発達の凹凸がある子が6年の算数で苦手なところ 1

という記事を書きました。

(おまけブログとは、虹色オンライン算数教室を購入いただいた方に見ていただける鍵付きブログです。見ていただく方法については、こちらの記事で書いています。)

 

↑の記事の中で紹介している

マス目の上に物を置いてみる

点対称を探す遊びは、点対称を習う学年でない子もおすすめです。

パズルのように楽しむうちに、

点対称の図形をかく土台ができます。


土を集めて歩いたAちゃん

2021-04-16 10:59:51 | こんなこと、やってみたい!

図書館で借りてきた『土の色ってどんな色?」という本に興味を持った小学4年生のAちゃん。

外出するたびに土を小袋に入れて、どこで収集した土か記録していったそうです。

赤い土、灰色の土、黒っぽい土。土ってこんなにいろんな色をしていたんだと

とても驚きました。

Aちゃんとその日の工作で何をするか話しあった結果、Aちゃんは

さまざまな色の土を使って、地層の様子を表現することにしました。

地層の絵にボンドを塗り、土をふりかけて、貼り付けて作りました。

こんな感じにできあがり。

 

Aちゃんは算数の文章問題が苦手だったのですが、

「大好きな本と同じように算数の問題も読めばいいんだよ」と

お母さんにアドバイスをしてもらってから

急に算数の文章問題が解けるようになってきました。

教室でもかなり難解なものをすらすら解いている姿に

驚きました。

 


ブロックでマリオのゲーム

2021-04-13 20:37:06 | レゴ デュプロ ブロック

年中のAくんのレッスンで。

レゴのお店でもらってきたレゴマリオのパンフレットを見て

作りたくなったAくん。

デュプロブロックでマリオのステージを作りました。

長い階段を上った後で、はしご車のはしごの先に飛び移るそうです。

 

 

デュプロブロックはシンプルな形の部品が主なのですが、

動きを作り出すブロックの組み方をAくんに教えました。

ブロックの4つの突起の一つだけにブロックをはめ、

斜め横の突起に支えにするブロックをはめて、

別のブロックをかぶせて留めます。

かなりの可動領域が生まれました。

 

(おまけ)↓は小学生の子らが作ったマリオの世界です。