虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

レゴ デュプロ ブロックの記事まとめ

2021-11-15 11:42:32 | 記事のまとめ(リンク)
<ブロックで大きな数を数える方法>
年長さんの子どもたちと、ブロックでたくさんの数をすばやく数える方法を考えました。
高いブロックのタワーを数えるには?
☆くんが、10個のブロックの塊を作る方法を考えました。
その10の塊をタワーに当てては、指で先端を押さえ、そこを底にして、ブロックの塊を当ててと……繰り返して、5回当てたとき、ひとつ分、塊の方が先に出ました。

「49!」☆くん、即答です。
やっぱり自分で思いついたアイデアだと理解が早いですね。
 

<デュプロブロックで、2~4歳用のすごろくを作りました>

幼い子にちょうど合うすごろくは、探してもなかなかありません。

そこで、デュプロブロックを使って、すごろくを作ってみました♪

さいころを振って、出た目の数だけ進みます。

子どものレベルに合ったサイズで作ってくださいね。

すごろくのルールをしっかりマスターした子は、とまったマスのブロックの高さの数だけブロックをもらえるようにし、ゴールに着いたときのブロックの数で勝ち負けを決めると、足し算の学習になります。

 

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他のリンク先ものぞいてみてくださいね。

デュプロ ブロックで学ぶ小学校受験問題

デュプロ ブロックで、機関車トーマスの操車場を作りました♪

デュプロ ブロックで、動くテレビを作りました♪

デュプロブロックで、自動販売機を作りました♪

デュプロ ブロックで、幼児用算数パズルを作りました♪

デュプロ ブロックで、ガチャポンを作りました♪


忍者修業 と大阪城めぐりのまとめ

2017-10-22 19:18:56 | 記事のまとめ(リンク)

大阪城内めぐり中、刻印石広場で忍者修業。

術は、『乱太郎の忍者の世界』尼子騒兵衛 文絵  朝日新聞社 を参考にしました。

乱太郎……とありますが、内容はきちんとしたものです。

『かたたがえ退き』

曲がり角を曲がったとたん、その場で壁にはりついて、

追手をやりすごす。敵が行きすぎたら、元の方向へ逃げる。

 年長のAくんが、『かたたがえのき』を実践中。

敵は曲がって行ってしまわずに、かくれんぼの流れになってしまうことが難点。

『隠れみのの術』

荷物などの中に隠れて敵方へ潜入したり、逃れたり

する方法。

2歳のBくんとと小4のCちゃんでで仲良く『隠れみのの術』で荷物に

化けています。が、近くを通ると、Bくんの声が……。

Bくん、橋にタッチ。

『逢犬の術』

敵の家に忍び込む際、犬がいたら、ほえられないように

逢犬の術で対処。 

★ エサをやって手なずける。

★ 毒エサ。

★ 合う犬の術(メス犬にはオス犬。オス犬にはメス犬をつれていって

気をそらせる。

2歳のBくんとと小4のCちゃんペアで『逢犬の術』の犬役に名乗りをあげてくれたのですが、

ただお菓子をもらって食べるだけで終わってしまいました。いまいち、わかりにくい術……?

 『観音隠れ』

敵に背を向け、壁などにピッタリはりついて

動かず、耳で敵の気配を感じる隠れ方。

闇夜にはあう術ですが、昼日中に観音隠れをしているAくんは、

バレバレでした。

『ウズラ隠れ』

草むらなどにうずくまり、石のように動かず、敵をやりすごします。

繁みに潜るのはとても面白かった様子。

でも、お尻に泥がついた子も……。

 

『キツネ走り』

つま先だけで一直線に走る、キツネのような走り方。

キツネは肩はばふが狭いので、足あとが一直線になるそうです。

この走り方で後から来る人が前の人の脚あとをたどると、

敵はこちらに何人いるかわかりません。

 

『タヌキ退き』

逃げるとき、敵か背後にせまったら

急にその場でうずくまり、勢いのついている敵が

ぶつかって倒れたすきに、逆方向に逃げます。


移動中、2歳のEくんが突然うずくまったため、後ろから来た

年中のお兄ちゃんFくんが転びそうになりました。

「あっ、タヌキ退き!」の声があがりました。

↑歴史博物館の考古学研究所のカメラをのぞくと、発掘中の穴に

お風呂にでも入るように収まっているEくんの姿が!!

 

『合いことば』

合言葉はたくさんあって、一日に何度も変えることが

あったそうです。

月ー日 山ー森 谷ー水 山ー波 花ー実 など。

刻印石広場の石の陰に隠れて、合言葉を言い合って

遊びました。合言葉が違って

敵だとわかった瞬間、大爆笑。ただの覚え忘れかもしれませんが。

 

『忍びのいろは』

2つの漢字を組み合わせた◆を、いろは48文字にあてはめた暗号。

秘密の手紙を書いたといわれているそうです。

 小2のGちゃんから小2のHちゃんへ忍びの手紙。

解読したい方は、忍びのいろはを参照してください。

1569年、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスにより信長に献上された

コンペイトウを忠実に復元したお菓子。

Iくんのお母さんからいただいたので、大阪城内でみんなで食べました。

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「大阪城めぐりの準備」


ゴールデンウィークに予定している『大阪城めぐり』。

小学生の子たちに企画と準備をゆだねています。

 

上の写真は、大判小判を作っているところです。

純金50パーセント、不純物50パーセントの大判とか、

純金量75パーセントの『天正長大判』など、

注文に応じて、金と不純物(ビー玉)を混ぜて、熱して溶かして、平たくして

大判小判を作る真似。

参加しているのは、まだ割合を学んだことがない子らですが、

こうした大判小判を作る遊びを通してだと、ちゃんとパーセントについて理解して

遊んでいました。

小学生主催の『大阪城めぐり』は、それぞれの子の「ここ気になる」「これが好き」「ここが見たい」

「これ面白い」「ここをみんなに教えたい」をクローズアップしながら、

大阪城内を探検しようという企画。

 

新小3のAくん。

大阪城の紙の模型のはじっこにある小さい家のようなものを指して、

「これ何?」とたずねていました。

「何なのか、調査しにいくのを企画に盛り込もうか?」と言うと、

「そうしたい」とのこと。

「ブロックで大阪城を作りたい」と言っていたAくんは、何と大阪城内に入る手前のスペースと

この小さな小屋のようなもの(○○でしょうけど)を作って、「完成」とのこと。

「えっ、大阪城は?」と突っ込みたくなったけれど、

有名な石垣でも、豪華な天守閣でもなく、

こういう部分に注目するところが子どもならではで面白いなと感じました。

戦国時代の人々と水の関係について、「飲み水は井戸以外を利用することがあったのか」や

「城内には他にも井戸があるのか」など調べてみたい気もしました。

 

アクセサリー作りが好きなBちゃん。きれいな着物や兜の制作をしたがるかと思いきや、今回は、「渡ろうとすると、パタンと上がって

渡れなくなる橋が作りたい」とのこと。

普段のアクセサリー作りの業を駆使して、

切ったストローを橋の板代わりに貼りつけていってます。

几帳面なBちゃん。石垣はピンセットで貼っていきました。

 

 

敵が現れるとこの通り。

こうした防御の模型の他に、(他の日ですが)攻める戦法の模型を作っていた子らもいます。

『もぐら攻め』土を掘って、下から攻める戦法です。

天守閣の各階ごとの見どころパンフレット作り。

 

 

教室に置いている『豊臣秀吉』の学習マンガ

夢中になって読みだしたBちゃん。

天守閣の中には、豊臣秀吉の生涯をわかりやすく紹介してくれるコーナーがたくさんあるので、

こうして事前にマンガで豊臣秀吉について知っておくと、『大阪城めぐり』の日も、

興味をそそられるものがたくさんあるのではないかと思いました。

『天下をめざせ!戦国合戦パノラマ大図鑑』という本を購入したところ、

男の子たちに大人気です。

それが、なぜか豊臣秀吉でも徳川家康でもなく

「石田三成が戦った合戦が見たい!」と言う子がいるので、

理由をたずねると、「妖怪ウォッチに石田三成が出てたから」とのこと。

その後も、教室に来る大半の子は、「妖怪ウォッチに石田三成が出ていた!」と言い、

子どもたちの間で石田三成が歴史上の人物でダントツの人気になっています。

『関ヶ原の合戦すごろく』を見ても、すぐに石田家の家紋に気づく子どもたち。

徳川家の家紋は、おまんじゅうの模様扱い。

それにしても、関ヶ原の合戦では、石田家の旗、元気ないですね。

大阪城めぐりの日、子どもたちが見たがっているもののひとつは、城の出入り口付近にある『巨石』です。

『わくわく城めぐり』という本のこんな解説を読んであげると、

ゲラゲラ笑いだす子、「見たい見たい」と身を乗り出す子、「どうやって運んだの?」と

疑問を口にする子など、いろいろです。

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第一位の巨石が、桜門桝形にあるタコ石。

「わぁ、大きい!こんな巨石、いったいどうやって運んだの!?」

と無邪気に感動してしまいますが、巨石に限って驚くほど薄っぺらかったりします。

横に寝かせればそんなに苦労せずに運べそう…。

やることがキュートすぎ。

『わくわく城めぐり』萩原さちこ 山と渓谷社

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子どもたちは、現場でどれだけ薄いのか確かめたい模様。

 

巨石を運ぶ時、石の下に丸太を置いて転がしたり、

海藻を使ってぬるぬるさせて滑らせたり、

舟の下にくくりつけて運んだりしたそう。

楊枝の上をひもをつけた石を引っぱっりながら、

後ろの楊枝を手前に置いていくと、子どもたちが大喜び。

どんなことも実際にやってみると面白いですね。

 

図鑑や教材を作るのが大好きな新小3のBちゃん、Cちゃん。

学習漫画を参考にしながら

豊臣秀吉の生涯を紹介するパンフレット作りをしていました。

 

 

「先生、この本、何年に生まれたかは書いてるけど、生まれた日が書いてないよ。

豊臣秀吉が生まれたのっていつ?」とたずねるので、

 パソコンで、「豊臣秀吉 生まれた日」で検索させることにしました。
 

すると、

天文5年(1536年)1月1日
天文5年(1536年)6月15日
天文6年(1537年)2月6日 の3通りの説があることがわかりました。

この子たち、以前、<月はこうしてできた>という4通りの仮説を

光のショーの形で演じた( 「見えない世界」の栄養 5)ことがあったので、

「漫画の本に誕生日が載ってないと思ったら、実は、3通りの仮説があった」という

状況がすごく心に響いたようで、

「1月1日に生まれたなんて怪しすぎる」等の話題で盛り上がっていました。

 

 

今回も純金と不純物を混ぜて、天正大判作り。

子どもたちの知恵で、ビー玉も金塊もひとつが5gという設定で、純金75%の割合を調整していました。

今回の企画と準備には、お城マニア、歴史マニア、最近は世界史も大好きになったという

新1年のEちゃんが参加してくれました。お城への熱い思いが伝わってきました。

 

女の子たちにとっても人気がある黄金の茶室。

天守閣の3階で見ることができるそうです。

茶室の小物を作っていたDちゃんが、

「どうしても写真みたいな形にならない」と苦戦していた金の台子。

これを完成させるのに何度もやりなおしたため

小一時間かかっていました。

 

Dちゃんの努力と時間を無駄にできない……とばかりに、

みんなで立方体の描き方を学習しました。

工作好きの子らは驚くほど上手にサラサラ描くのにびっくりしました。

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 戦国時代の『天正長大判』は、現存する金貨としては

世界最大です。

縦 約17㎝、横 約10㎝ の

当時のサイズ通りに『天正長大判』を作りました。

 

下の小さいコインは、直径、約17㎜ の 『太閣円歩金』です。

 

右のオレンジ色の長い紙は、

検地のものさしであった『検地尺』です。

1尺は、約30.3㎝(×と×の間)です。

 

図鑑で見るのと、実物と同じ大きさのものを手に取るのは大違いです。

大きさに驚いたり、小ささに感動したり……。

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3年生と4年生の子らのレッスンで、『大阪城めぐり』の話を持ちかけたら、

「え~!!」というブーイング……!「自分たちでやること決めたい」とのこと。

 

「たまには、決まったテーマでやろうよ」という説得にしぶしぶ応じた

にも関わらず……

「ミニチュア好き」というこのグループの好みに合わせて、

歴史絵本を見ながら大阪城ができた戦国時代の城作りの様子をミニチュアを使って再現することにすると、

これまでにないほどの大盛り上がりでした。

 

教室のミニチュア人形(50体100円で買ったもの)に、かさをかぶせたり、衣装を着せたり、

仕事用の小物をこしらえたりしました。

たださらっと絵本を見るのではなくて、

作って再現するとなると、「ふんどしを締めてる!」とか、

「半分裸になって仕事している」とか、大騒ぎする材料がたくさんあった模様。

笑い過ぎて、息も絶え絶えの子どもたち。

 戦国時代の城作りは、エジプトのピラミッド作りの様子と似ているところがたくさんあります。

丸太をたくさん並べて、重い荷物をひもで引っ張って運んでいたり、

石をどんどん積み上げていったり……。

作りながら、たくさんの発見がありました。

 

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 算数レッスンでは、和差算と時計算を学びました。

ふたつの数がある時、「どちらも同じ」か、「どちらかが多いか」の

どっちかですよね。

 

「どちらも同じ」の場合、「和が、100」といえば、

「それぞれ50」とすぐわかります。

「どちらかが多い」時、「差が、20」というと、

「どちらも同じ」より20多いということで、「どちらも同じ」の数がわかります。

 

そうした和と差の関係を、目で見て直観的にわかるようになってから

線分図を学ぶと、理解が進みます。

 

写真は、ピッケのつくる絵本で物語を作るのが大好きなAくんの

『大阪城のパンフレット』の一部。

先日、ドラマで勝新太郎が演じる姿を見て以来、

豊臣秀吉の大ファンになったのだとか。

 

 


忍者が大好き♪

2017-10-19 22:24:13 | 記事のまとめ(リンク)

忍者好きの子たちとした活動の様子(過去記事です)

をいくつかアップすることにしました。

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『ブロックで忍者屋敷』

年中のAくんと年長のBくんといっしょに忍者屋敷を作りました。

(AくんとBくんのお母さんたちにも手伝っていただきました。)

 

武家屋敷のからくりの一つです。

途中までしか階段がないので落ちてしまう危険な廊下。

下にはとがった竹が……!

 

手前の黄色い部分は『刀かくし』です。

 

『刀かくし』の床をめくると、刀が隠してあります。

 

『どんでん返し』です。

 

Bくんはブロック制作や工作がとても得意な子です。

天井から降りてくる梯子を作っています。

 

一休さんやきっちょむさんのとんち話が大好きなAくん。

忍者の逃げ方や隠れ方の知恵にとても興味を持っていました。

↑は、『水とんの術』水中に隠れて、そのまま逃げます。

 

他に『木とんの術』や

『火とんの術』なども再現して遊びました。

 

手裏剣を折っているBくん。

 

何を作ろうかと『忍術・手品のひみつ』を熱心に見ていたBくんは、

忍者の剣に目をとめました。

ブロック人形に剣を持たせるのでは物足りなかった様子です。

割り箸をつないで、自分用の剣を作っていました。

 

バッチリ決まっていますね。

 

『おしいれ』という板を押すと地下道への

入口が開くからくりです。

 

字を書くのがブームのBくん。

 

算数タイムに推理ゲームをしました。

 

 トランプや手を使った計算遊びも面白かったです。

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『忍者屋敷のどんでん返し』

 

 NHKの大河ドラマの『真田丸』。

子どもたちにも人気があるみたいですね。

教室で大阪城に出かけて以来、歴史に興味を持つようになった子がたくさんいます。

新年中~新年長の子らのレッスンで、(新小3のお姉ちゃんも参加)

忍者屋敷のどんでん返しを作ることになりました。

「大きくて自分たちが通れるのがいい」と言うので、ちょうど

サイズの大きいダンボールをいただいたところなので、子どもたちと

どんでん返し作りにチャレンジすることにしました。

自分たちの身体のサイズに合わせて、とびらの四角を切り抜いて、

とびらを半分に分けた位置に伸びるポールを貼ります。

回転とびらの横の長さの半分の位置にしるしをつけているところです。

ものさしを使わず、ポリひもを使って半分の位置を測ったのが印象的だったようです。

「( ポリきもを)半分に折ればいいのか!」と感動の声。

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前回の記事で紹介した『マイコー雑記』というブログの

「STEM分野での活躍に繋がる空間認識力は工作など『組み立て体験』を通して高められる」を示す研究まとめ

という記事で、こんな話題が紹介されていました。

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ある調査では、科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学 の分野で高い成果を収めた人々は、

平均的なアメリカ人よりも、実践的なクラフトや趣味についての広範囲な体験を持っているとのこと。

例えば、木工、メカニックス、電子機器を用いた活動など。

一生を通してこうした活動に従事する人は、

特許を認可されるような発明品を生み出す傾向にある、とのこと。

 

「子どもたちのモノづくりの体験を、これからも応援していきたい」と強く思いました。

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前回の続きは、近いうちに書きますね。

どんどん溜まってくる写真を、とりあえずアップしていきます。

 

年長さんの★くんが作っていた『忍者屋敷』です。

板をスライドすると……床が抜けて……

 

この通りまっさかさま。

何の変哲もない松の木は、くるっと回転させると……。

忍者が潜んでいました。

くるっと回転させる仕組みは、線路の切り替え用の回転部分を利用しています。

 

製作時間が終わる頃に空中を滑り降りる忍者が作りたくなった★くん。

試行錯誤の末、空中移動が成功しました。

忍者屋敷にはさまざまな隙間や穴に忍者が隠れています。

★くんとお父さんのふたりで

断面図を推理する問題にチャレンジしてもらいました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『女の子の忍者屋敷作り』

物作りが好きでたまらない小1のAちゃん。今回、何がしたいのかたずねると、

「忍者屋敷が作りたい」とのことでした。

Aちゃんには、屋敷の家部分にあたる基本の形の作り方を学んでもらいました。

100円ショップのスパンコールで簡単工作

の舞台に似た作り方ですが、今回は同じ高さの形を量産するため、

紙の折り方を工夫しました。

Aちゃんは工作慣れした子なので、基本の作り方をどんどん発展させて

自分なりの世界を広げていました。

 

形を作り出す折り方に強い関心を寄せて、

「同じサイズの長方形2枚を重ねて、3対1くらいの比率で折ってから

一方をひっくり返して貼りあわせると長方形の筒の形になること」や、

同じサイズの左右対称な台形4枚を貼り合わせるとお城の石垣の形になること」などに

心から感動していました。

(↑写真の右上に小さく映っているのが、長方形2枚をひっくり返したときの様子です)

 

感動したときのAちゃんの口癖は、

「すごい!すごい!家に帰ってから、もう一回全部自分でやってみたい。もう一回、最初から全部自分で作りなおしてみたい」です。

 

 

Aちゃんの畳はタイル風でした。

スパンコールのカギと星で忍者の武器ができました。

 

算数が得意なAちゃんは、最レベ1年生の問題は、最後の算術特訓の問題以外は、

最高レベルのものもすべて簡単だったという話でした。

でも、算術特訓にあった集合の問題では混乱しているようでした。

そこで、「16人子どもがいる」という前提を頭に入れたうえで、

えんぴつをもらった14人の子を白丸でかきだし、

えんぴつもけしごむも両方もらった10人の子を黒丸でかきだしでから、

「14+10=24 子どもは全部で24人であっているかな?」とたずねました。

「それはおかしい!だって、子どもは全部で16人。」

「そうよね。ねこが好きな人?ってたずねて、Aちゃんが手をあげて、犬が好きな人?ってたずねてもAちゃんが手をあげたら、

1,2、2人だなってカウントすると変よね」

そんな話をしながら

どんな風にこの問題を整理したら正しい答えが出るのか、

いろいろ試してみながら話しあいました。

Aちゃんは集合の問題に興味がわいたようです。しっかり理解して解いていました。

「三角形の3つの角を切り取ってあわせると180度になる」ことを利用した手品を披露して遊んでいたら、

Aちゃんが四角形で試したがりました。

Aちゃんの予測は、「丸になる(360度のことのようです)」そうです。

正解。

わたしが「、四角形の4つの角をたすと、360度になるのよ。」と話すと、

Aちゃんは傍らにあった電卓に何かを打ち込んでから、「やっぱり、360度になった!」とうれしそうな声をあげました。

「360度というのは、三角形の3つの角の合計の180度を2回たしたものじゃないか」と

思ったそうなのです。

 

確かに折り紙で見ると、半分までの円にあたる形が180度なら

丸いかたちが360度だというなら、それをふたつたすと360度になるんじゃないか」と予測するのもわかります。

Aちゃんは物作りを通して、実際目にしているものを使って

さまざまな視点から物を考える習慣が身についている子です。

 

 


就学前に何を学習したらよいか。心的パターンを創造するよううながすには? 1

2016-11-04 07:47:04 | 記事のまとめ(リンク)

『よみがえれ思考力』の著者、ジェーン・ハーリーは、小中学校の教員、読みと学習のスペシャリスト、大学教員、小学校校長などのキャリアを持つ、国際的にも評価のある研究者です。

ジェーン・ハーリーは、子どもの学習について長年研究したのち、パターンというものが知能にとっては鍵であると確信するようになったそうです。

情報をパターン化するということは、それまで発達している心的な留め金で新しい情報を関連付け、まとめあげることです。

感覚レベルで入力された情報をまとめあげ、関係性を「見て取る」ことができる子どもたちは、思考と考えをまとめあげるのに手間取りません。

 

わたしは虹色教室で自閉症の子たちと接することが多いのですが、どの子も経験したことを意味へと落とし込めないために困っています。

学校での成績は抜群の一部のアスペルガー症候群の子らにしても、経験から意味をつむぎだすのは、非常に苦手なようです。

 

ジェーン・ハーリーも、自閉症児のひきこもりや異常なこだわりは、経験を意味のある形にまとめることができないことの障害から派生しており、

彼らは見たもの、聞いたもの、感じた物が混沌とした状態になっているのだと多くの専門家が考えていることを指摘しています。

 

ジェーン・ハーリーによると、早期教育の弊害とは、レベルの高い課題を、その脳の領域が発達する前にこなそうとすると、低次の神経系を使ったり、

自分で意味のパターンを創造するより、言われたことをただ受け取るような「習慣」がつくことに原因があるようです。

 

就学前の子に何より大切なのは、意味を探究し、自分で意味のパターンを創造するように援助することです。

 

虹色教室の活動でも、子どもが周りの世界を理解する方法を身につけること、自ら心的パターンを創造していくよう助けることを一番大切にしています。

といっても、そうした言葉だけでは、具体的にどんな関わりをしたらいいのかピンとこないですよね。

『よみがえれ思考力』の中にも、ほかのさまざまな幼児の発達を研究する本の中にも、ヒントやアドバイスが載ってはいますが、実際にそれを実行するとなると、戸惑う方も多いのではないかと感じています。

 

そこで、教室で心的パターンを創造するためにどんな働きかけをしていて、子どもがどのように成長していったのか、できるだけていねいに書いていこうと思っています。


歴史好きな子、お城やお寺が好きな子のおもちゃと遊びの広がり

2016-05-29 20:15:44 | 記事のまとめ(リンク)

教室には、「テレビの時代劇から歴史が好きになった」

「大阪城に出かけて以来、大のお城好きになった」

「幼稚園や学校で武士の話題が流行っている」

「忍者好きから歴史も好きになっていった」といったきっかけから、

歴史に関する話題が大好きになったという子らがたくさんいます。

 

上の写真は、3D立体パズル の大阪城と姫路城です。

この3Dパズルのシリーズは比較的安価ですがとてもしっかりした作りです。

作るのも楽しいし、作った後で、縄張り図を見ながら

ブロックや積み木でお城の周辺を再現すると遊びが広がります。

 

縄張り図を見ながら……といっても正確なものではなく、迷路作りの延長ですが……。

 

今は販売されていないと思いますが、『風林火山』ゲームです。

ルールを易しくして、幼い子や発達に凹凸のある子たちも楽しめるようにしています。

 

<ルール>

サイコロをふたつ振って、出た目の組み合わせが書いてある陣地に

自分の色の武士を置いていきます。

同じ陣地を取りあうことになったら、トントン相撲で勝負します。

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過去記事から歴史やお城やお寺に関する遊びの様子を

紹介しますね。

↑ はブロックで作ったお城とお城の周辺。

敵が攻めてきた時に橋が落ちようにしています。

 

寺院好きの小2の女の子たちが作った三重の塔。

 

小1の城好きの男の子が発泡スチロールカッターを使って

作ったお城。お城の守りの方法を研究するのが好き。

 

小学3、4年の子たちの彦根城。

 

『狭間(さま)』 ↑  戦闘の際、ここから鉄砲などで攻撃した

壁や塀に作られた三角形や四角形の隙間。

 

9~11歳の子らが協力して作った清水の舞台。

 

 


考える方法 と 行き詰った時の解決法 

2015-05-27 14:50:15 | 記事のまとめ(リンク)

年長のAくん、Bくん、年中のCくんの算数の時間にこんなことがありました。

サピックスのぴぐまりおん(1・2年生)の『のりものけん』という問題を

解いていた時のことです。

この問題は、園児にはいきなり解くのは難しいので、問題を解く前に、

12枚綴りの切りとることができるチケットを作り、

おもちゃを並べて作った遊園地の乗り物を選んで遊びました。

 

コロコロカー    のりものけん 2まい

コーヒーカップ   のりものけん3まい

メリーゴーランド  のりものけん 4まい

グライダー      のりものけん6まい

ジェットコースター  のりものけん8まい

という決まりです。

 

「グライダーに乗りたい」と言って6枚の乗り物券を切りとって渡し、

残りの6枚で何に乗ろうかと考える……

という遊びをしてから、ワークの問題を読みます。

 

ワークの問題を読む時、一区切りごとに、「どういう意味かわかる?」とたずねて、

理解度を確認しています。

 

「みんなは ゆうえんちに きています。どういう意味かわかる人?」

「はい、みんながゆうえんちにきたってことでしょう?」とAくん。

「そうよ。みんなっていうのは、すすむくん、だいちくん、かおりちゃん、

がんちゃん、めぐちゃん、けいこちゃんね。」

 

「のりものけんを 12まいずつ かいました。どういう意味でしょう?」

「のりものけんの、この点々って切ってある券が12あるから、

それを買ったってことでしょう?」とBくん。

 

「次は難しいよ。ちょうどなくなるように みんなはのりものに のりました。

ちょうどなくなるってどういうことかな?ちょうどじゃない場合ってどんなことかな?」

この質問には、Bくんが必死になって答えてくれました。

「あの、ジェットコースターに乗って8枚出して、それからコロコロカーに乗って、

もういっかいコロコロカーに乗って全部なくなるのは、

『ちょうどなくなる』ってことで、もし、ジェットコースターの後で、

コーヒーカップに乗ったら、ちょうどじゃない」

「そうね。Bくん。よくわかったね。コーヒーカップに乗ったら、

券が1枚だけあまるから、1枚だけで乗れる乗り物はないものね」

「のりものに 1かい のるのに ひつような のりものけんの まいすうは 

右のとおりです。意味がわかる人?右のとおりってどういうこと?」

「この右の絵のところの、コロコロカー2まいとかいうところでしょ」とAくん。

 

こんなふうに一区切りごとにわからない部分がないかていねいにたずねた後で、

『れい』をしっかり見るようにうながします。(『れい』を見て気づいたことを

言葉にしておくのもいいです)

 

「グライダーに 1かい、 コロコロカーに□かい のったよ。」と

すすむくんの言葉から、12枚のチケットの色を塗り分ける問題で、

3人とも考え込んでいました。

 

すると、Aくんが、「先生、ブロックを使ってもいい?」とたずねました。

許可すると、グライダーの6枚を除いた6枚分のブロックを持ってきて、

コロコロカーに何回乗れるのか考えて、きちんと解けました。

BくんもAくんからブロックを譲り受けて、解くことができました。

 

 

Aくんがブロックを使うことを思いついたように、考える方法のレパートリーを

いろいろ持っているといいですよね。

子どもたちが、考えるためにいいアイデアを思いついた時は

みんなでその良さを確認して、アイデアを共有できるようにしています。

 

 小2のDくんがレゴでコマを飛ばすマシーンを作っている時、

こんなことがありました。

初めて、ギアや滑車を使ったレゴに挑戦したDくん。

解説書の絵を見ながら、意気揚々と作っていました。

中盤あたりに差し掛かった時、

「ずいぶんできたね。どう?面白い?」とたずねたところ、ため息をつきながら、

「途中でわかんなくなってきた。やっぱ、難しいな。」とつぶやきました。

どうするのかとしばらく様子を見ていると、「はぁ~」と深くため息をついてから、

何やら決意した様子で、「いいや!戻ろっ!」というと、

それまで作っていたパーツをバラバラにしだしました。

それから、説明書の3の図を指して、「先生、ここからやりなおすことにした」

と言いました。

「それなら、今度は、1手順終わるごとにあっているかチェックしようか?」

ときくと、「そうする」とのこと。

そうやって、1手順ずつチェックする間、わたしはチェックしている内容を

「穴の位置は、左から3番目、うん、あっているね」

「ギアとギアがきちんとかみあっているかがポイントよ。ちゃんとかみあって

いたらクルクル回るからわかるわ」などと、口に出して確認しました。

 

 

そうして前にため息をついていた中盤あたりに差し掛かった時、

Dくんは、「もう自分でできるよ。チェックしなくても大丈夫」と

自信ありげに言うと、最後まで自分の力で仕上げました。

Dくんはうれしくてたまらない様子で、

「もっともっと作りたい」と言っていました。

 

このコマ飛ばしマシーンを他の子らにも見せる時、

わたしはみんなに

Dくんが自分で考えた行き詰まった時の解決法について話しました。

「Dくんはね、最初、自分でどんどん、どんどん作っていったの。

でも、途中でだんだんやり方がわからなくなって、どうしたらいいか

わからなくなったのよ。

そうして、行き詰ってしまった時、Dくんはどうしたと思う?」

他の子らは首をかしげて聞いていました。

「Dくんは、こんな風にしたの。

まず、せっかく作ったブロックをバラバラにしていって、最初の方の3番目の図に

戻ってやりなおすことにしたの。

それから、ひとつの図を完成させる度に、先生のチェックを受けて、

ちゃんとあっているかどうか正確に確かめるようにしていたの。

簡単でわかりきっていることも、そういう意味があったんだなって

理解しながら進んでいったら、先に進めば進ほど簡単になっていって、

途中からは自分ひとりで全部仕上げることができたのよ」

 

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ピッケのつくるえほんのワークショップで小2のAくんが

『くりんの木さがし』というすてきな絵本を作りました。

下の写真は、作品の一部です。

 

りすのくりんの家であった木が倒れてしまったため、

新しい家にする木を見つけにいくストーリーです。

 

 

この作品を作る過程で、Aくんは最後のシーンを作った後で、

先に作ったシーンに戻って手を加えました。

「倒れて枯れた木と周辺の環境」と

「新しく探し出した木と周辺の環境」の変化を際立出せるためです。

 

Aくんは、下の「新しい家にすることにした木」のシーンと

上の「倒れた木」のシーンについて、他の子らに説明しました。

 

「(下の)この絵の木は、いろんな実がなっていて、花も咲いていて、

木のまわりもいろいろな草や花があって、どんぐりも落ちている。

初めは、(上の)前の絵にも、どんぐりとか草とかもっと置いていたんだけど、

最後の絵と比べた時に、どんなふうにちがうかわかるように、

きのこのついている切り株と草だけにしたんだよ。

青い倒れている木は枯れているから青いんだ」

 

最後の作業を終えてから、

それまでしたことを振り返って、おかしな部分はないか、もっとよくなる方法はないか、

と考えてみるのはすばらしい知恵ですね。

 

工作をする時も、算数や他の学習をする時も、とても役立つ頭の使い方だと思います。

 

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年中のBちゃんの頭の使い方は、まるで見ているものに吸い込まれてしまうほど

真剣に物を眺めて、相手の言葉に全身全霊で耳を傾けることから始まります。

 

Bちゃんは、誕生日のプレゼントにシルバニアファミリーのお家を

買ってもらう予定だったそうです。

でも買い物に行った先で、上の写真のような

広げるとお城の中とお庭があらわれるポップアップ絵本を見つけて、

「どうしてもこれがほしい、シルバニアのお家よりもこっちがいい」と

言い張ったのだとか。

Bちゃんは工作が大好きなので、プレゼントにこの絵本をもらうやいなや、

「これと同じものが作りたい」と言いました。 

といってもBちゃんの手に余る大掛かりなポップアップの仕掛けです。

そこで、「虹色教室で作る」という流れになりました

 

Bちゃんといっしょに長い間、うっとりとこのポップアップ絵本を眺めた後で、

「Bちゃん、どの部分が作りたいの?どこがすてきだと思う?」とたずねました。

Bちゃんは庭にある六角形の噴水と植物で作った迷路を指さしました。

 

Bちゃんの指さすそれは、とても魅力的なポップアップの仕掛けでした。

 

「六角形の秘密」とでも名付けたいような

六角形という形を生かした仕掛けなのです。

 

作り方は単純です。

紙を帯状に切って折って、六角形のわっかを作ります。

 

六角形はふたつの向かいあう辺が平行ですよね。

Bちゃんとは、「平行」のことを、手のひらと手のひらの間に少し隙間を開けて

向かいあわせて表現しています。

向かいあわせの平行な辺の上も下も山の形に辺がつながっていますから、

それがぺったんこになったり広がったりするのです。

 

この平行な辺と辺をセロテープでとめて、他はとめません。

すると、とめていない部分の辺が開いたり閉じたりして、

ぺったんこに折りたたまれたり、六角形に広がったりするのです。

 

できた部分はプレゼントとしてもらった絵本に比べると、ほんの一部です。

でも、Bちゃんは、心から満足した様子でした。

真剣に、ポップアップ絵本を覗きこみながら、

「次はこことここを作る」と夢を膨らませていました。

 考える方法 と 行き詰った時の解決法 3

 

考える方法 と 行き詰った時の解決法 4

 考える方法 と 行き詰った時の解決法 5

 

考える方法 と 行き詰った時の解決法  6

 

「見えない世界」の栄養

2015-05-22 13:33:02 | 記事のまとめ(リンク)

記事へのコメントでいただいた二つの言葉。

 

発見したのは、こどもにとって「見えない世界」の栄養がとても大事なんだな、

ということ。

ひとつのキーワードとしては、心、頭、感性を自由に働かせる、

それに夢中になって時間のないところまで行く、ということなのかなと思いました。

 

どちらも、とてもすてきで重要な言葉ですよね。

 

「見えない世界」の栄養って具体的にどんなものでしょう?

すぐにピンとくる方は、

子どもと過ごすあらゆる場面でそれを見いだしていることでしょう。

でも、わからない、という方は気づかないだけではなく、

子どもにより良いものが与えたくて、

「見えない世界」と「時間のないところまでいく」体験を減らすことに

躍起になっているかもしれません。

 

そこで、レッスンの中から、

子どもたちが「見えない世界」から栄養を得ているなと感じた瞬間を

いくつか切りとってみることにしました。

 

今日は2歳9ヶ月のAちゃんのレッスンでした。

まだ冬休み中なので、年長のお兄ちゃん(Bくん)も付いてきていました。

「工作をしよう」という流れになって、わたしがビー玉コースターの簡単な作り方を

披露しました。

2歳児さん向けの見本ですから、

「できるレベルであること」「やってみたいと思うような感覚的な楽しみを伴うこと」

「すでにできることをベースにすること」の3点が大事です。

幼い子には『興味があって自分ができそうなこと』しかきちんと見えていないような

ところがありますから。

 

両面テープを画用紙に貼って、はがします。

 

上の写真のようなレールの作り方なので、大人が作ってあげようとすると、

「先に画用紙を切って、両端に両面テープを貼る」という順序で作ってしまいがちです。

もちろん、その方が仕上がりがいいのですが、

それだといきなり難易度が上がって、2歳児さんの想像力では

作業の流れをつかむのは難しいのです。

また、もし訓練でそれができるようになっても、

他の工作でできるようになったことを応用しにくいのです。

 

そこで、テープを貼って、はがして、はがした後にストローを乗せて貼ります。

それからはみ出している部分をはさみで切り取るのですが、

その部分を大人がしてあげたとしても、見ていて、何をしているのかわかりやすい

ので、先の順序よりずっと学びやすいです。

 

わたしが両面テープを貼って見せて、先っぽを少しはがしてみせると、

Aちゃんはそれをペリペリはがして上機嫌でした。

「ここをはがしてごらん」と教えるよりも、思わずはがしたくなるような状態を

作る方がわかりやすいです。

Aちゃんは、うまくはがせたことで自信を得たのか、今度は自分で両面テープを

貼り始めました。何本も。

こんな時に、大人が仕上げたいものを意識して、「ここにこうして貼って……」とか

「2本までね」とか指示しないで(年齢によって、きちんと手本や指示通り作るよう

教えるのが大事な時もあります)、

よほどの無駄使いでもしない限り、

何度もやりたがることに熱中させてあげるのがいいと思っています。

次のアドバイスやお手本を見せるのは、本人が退屈しだした時でいいし、見本ではなく

大人は大人で自由に制作活動に興じるのもいいと思います。

Aちゃんは、ここまでこちらのお手本に添って作っていましたが、

そこからは、自由にはさみであれこれ切りだしました。

Aちゃんが空き箱を切ろうとした時、お母さんが、「Aちゃん、それ固いよ」と

注意したのですが、Aちゃんはどこ吹く風。ゆっくり着実に切っていきました。

Aちゃんは4歳違いのお兄ちゃんと同年代だと信じているような二人目ちゃん。

観察力の高く慎重に行動する一方で、

「それはAちゃんにはまだ難しいよ」というニュアンスの忠告をされると、

俄然やる気になるタイプなのです。

 

大人だって固くて切りにくい空き箱をチョキチョキした後で、得意気に

それを開いたり閉じたりしながら、「ご本ができちゃった」と言いました。

 

こんなふうに自分でやってみたことが何らかの形になって、おまけに

自分で見立てることができた時、

幼い子たちはどんなすばらしいものが手本通りできた時よりもうれしそうです。

わたしは、Aちゃんの作った本を開いて、読む真似をしました。

「Aちゃんが、おかいものにいきました。おしまい」とか「

むかしむかしあるところに、うさぎさんとかめさんがすんでいました」という具合に。

すると、Aちゃんは笑顔をはじけさせて、切った箱のもう一方も開いてみて、

それも本のように見えるのがうれしくてたまらない様子で作品を

ぎゅっと胸に抱きました。 

一回、真っすぐ切っていっただけで、二つもできた作品と呼べないような作品。

でもAちゃんにとっては、何も代えられないすごいもののようです。

  

「ご本ができた」と見立てたとたん、それまで箱だったものが、本に見えて、

本として関わって遊ぶことができる、ということは、

まさしく「見えない世界」の栄養分。

『星の王子様』の童話にあるような、王子様には見えるのに、『数字が好きで、

一番大切なことは何も聞かない大人たち』には見えなくなってしまった世界からの

贈り物なのです。

 

 

「Aちゃん、よかったね。2冊も本ができたのね」とお母さんが声をかけると、

Aちゃんは目をキラキラさせて、次の箱を切り始めました。

 

切った後で、Aちゃんはセロテープをペタペタ。何枚も何枚も。

「切ったり折ったりした後で、セロテープでそれを覆うのが好きな

2、3歳の子って多いんです。

紙を折って、テープで封印してテレホンカードみたいなものを大量に作ってから、

『お手紙』と命名する子たちがいますよ」と言うと、

Aちゃんのお母さんが笑いながら、「そうなんです!うちでも折り紙を折って、

テープで完全に貼り合わせてお手紙を作っています。

それも、内側が色がついている面になるように折るので、

裏の白い面だけの同じようなものがいっぱいに……」と返しました。

 

Aちゃんの作品(切った後でテープで貼り合わせた紙)を使って手品ができるように

お菓子の箱に細工をしてあげました。

引き出し式になっている内箱を半分で切って、逆さまになるように貼り合わせると、

入れた紙が、箱を逆さまにすると出てくるようになるのです。

引き出す際に小さな覗き穴から顔のマークが見えるようにして、

その顔を押して、箱をひっくり返すと、上から入れたはずの紙が下からでてきます

……という仕掛け。

 

これはお兄ちゃんのBくんが、箱を覗きこんで不思議がって、

「どうして?どうなってるのかなぁ?」と夢中になっていました。

模倣が上手なAちゃんは、手品のタネはいまひとつわかっていない様子でしたが、

たちまち、手品の演じ方を覚えて披露してくれました。

 

 


算数記事のまとめです。

2015-03-29 07:30:20 | 記事のまとめ(リンク)

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就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? (まとめ) 

2014-10-04 16:51:15 | 記事のまとめ(リンク)

 

 

就学前に何を学習したらよいか 心的パターンを創造するように促すには? 1

 

就学前に何を学習したらよいか 心的パターンを創造するように促すには? 2

 

就学前に何を学習したらよいか 心的パターンを創造するように促すには? 3

 

就学前に何を学習したらよいか 心的パターンを創造するように促すには? 4

 

就学前に何を学習したらよいか 心的パターンを創造するように促すには? 5

 

 


早期教育の弊害 と早期教育の大切さ

2014-09-29 21:34:26 | 記事のまとめ(リンク)

記事を探している方がいたのでリンクを貼っておきます。

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 1

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 2

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 3

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 4

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 5

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 6

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 7

 

早期教育の弊害と早期教育の大切さ8

 

校長先生とサーカス団への電話