虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ユースホステルのレッスンに行ってきました♪ 頭の使い方を学ぶ 1

2012-03-31 16:23:18 | 算数

小学生の女の子の算数クラブの子らと親御さんといっしょに

ユースホステルのレッスンに行ってきました。(男の子たちは、来週です。)

ユースホステルのレッスンはとても評判がよくて、

参加したことのある子どもたちだけでなく、

親御さんたちもずいぶん前からそれは楽しみにしてくださっているのです。

 

でも、わたしも主婦の端くれなもんですから、そうそう家を留守にして

好き勝手ばかりするわけにいきませんので……。

 

この春休みは、自立心や思考力を鍛える必要がある

小学生グループとだけ泊まりがけのレッスンをすることにしました。

今回は、ドイツゲームと積み木などを中心にしたおもちゃコレクター

の知人もゲーム類持参で、参加してくださったので、

ココプラザの貸室に着くなり

ゲーム三昧。

工作タイムには、ユニーバーサルジョイントに仕組みを利用したり、

的当てゲームコーナー作ったりしました。

参加メンバーの似顔絵を描いてくれている小2の女の子。(もうすぐ3年生)

園児の妹ちゃんの作品。(指人形)

 

レッスンに参加したのは、もうすぐ3年生になる子ともうすぐ4年生になる子らです。

(そのきょうだいの子らもいっしょに参加しています)

 

ユースホステルのレッスンでは、子どもの学習テーマと

親の学習テーマをそれぞれ設定していて、昼、夜、翌朝……と

時間の許す限り、それについてみんなで学んでいます。

 

子どもの学習テーマは、

◆「表を利用して解くこと」

(「なぜ、表を使うと便利なのか?」「どんな時、表にするとうまく解けるのか?」

「注目するポイントと注意する点は何か?」などをよく考えます)

 

◆「分数の意味」(「通分はなぜするのだろう?」「分数についての疑問をしっかり解決する」)

 

◆「工夫して計算するということ」(頭の上手な使い方について考えてみよう)

 

 

親の学びのテーマは、

 

◆「セルフエスティームについて」

 

◆「今後の(高学年まで視野に入れた)大切な学習課題について」

 

でした。

 

子どもたちに大受けだったユースホステルならではの学習は、

「ノーヒント」で解く算数クイズ。

「どうしてうまく解けないのかな?」「こうかな?」「ああかな?」とさんざん

みんなで意見を出し合っても解けないまま終了した問題を、

食事時間になっても、夕食後の算数ゲームタイムになっても、

考え続けている子らがいました。

夕食中にまで、「先生、あの答え1300グラム?えっ、ちがう?

でも近いの?」「ん……」と質問が飛んできたり、

考え込む声が聞こえてきたり……。

時間がたっぷりあるって、いいもんですね。

 

 

 

 


お仕事裏話

2012-03-30 08:37:35 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)

もうすぐ出かける時間なのですが、前回の記事のお仕事裏話へのリンクが

きちんと貼られていなかったようなので、

こちらで紹介することにしました。

まだ虹色教室を始める前……私が あちこちの主婦向けのパートを
はしごしていたころの話です。

お友達に誘われて,郵便局の短期バイトをすることにしました。
短期といっても、年末の年賀状の区分け……ではなく、
新しい保険証を全国に配る際、直接、手渡しなもんで、
戻ってくる郵便物がはんぱじゃない……

そこで 再配達のお知らせを電話でするというお仕事でした。

このバイト……5人がグループになって働きます。
私のお仲間は……若くてきれいな仕事の出来る20代。
几帳面なおば様、のんびり屋の主婦と私。性別不明(のち女の子と判明)ひと時もじっとしていない20代前半…の子でした。

性別不明の子は、初日から「友達と遊びに行くのでバイト休みます。」と宣言し
「出れる日に○してもらって雇ったはずでは…?」の質問に、
「その時は約束していなかったんです。」
と平然と言い訳し 郵便局内を凍りつかせました…が、

2日目からは元気に出勤しておりました。 
 

実はその仕事、
郵便局が外部スタッフに任せたくなるような裏事情がありました。

こういう特殊な郵便物の再配達は、

翌日になるんです。

翌日……フーン それで?
 
とお思いでしょうが
これをお客様に説明したとたん
「なんで、今日持ってこれんのや!!」
「なめとんか、今すぐ持ってこんかい!」
と怒鳴られるなじられる……(お留守だったのはお客様では?そんなに保険証お急ぎですか?

「だから民営化せえ、いうとんじゃ」と説教されるで
日本人……大阪人の心の狭さ貧しさをひしひしと実感する結果となるのです。

数日後、仕事を覚えるまでは優等生だった美人の20代が、
受話器の向こうから怒鳴られ続けて精神的にダウン……
几帳面なおば様もため息しかつかなくなり……
のんびり屋の主婦も涙目に……

私としては電話の向こうの見ず知らずの人が
わめこうと、ののしろうと、痛くもかゆくもないので
そのおかげで郵便局内ではかなり待遇されているこの仕事…


「結構、おいしいんじゃないかなぁ?」などと感じていました。

そうして元気なのは、私……と、一向に仕事を覚える気配のない
性別不明だった女の子となりました。

その子ときたら椅子をガタガタ……シャーペンをカチカチ……
電話の合間にしゃべるしゃべる……と落ち着かないことこの上ないのですが、
何せこの仕事の裏事情のせいか、上の人に叱られることはありませんでした。

その子以外の4名はだんだんにその子のことが
気になってきました。
…これまで よそで働けたんだろうか?……とか
…親御さんはどうおっしゃっているんだろう?……などなど。

休憩時間にその子に、直接、疑問をぶつける人も出てきました。

 

質問をぶつけられたその女の子は、これまで 幼稚園でアルバイトしていたことを話しました。
子どもたちが、とてもなついて、その子が行くところ行くところ
子どもの人だかり? が、できていたのだそうです。

が、幼稚園の先生方からの評判はものすごく悪くて
「覚えられないんだったら仕事の手順を書いた札を首からさげて仕事せい!!」
といびられていたのだとか…

それを見かねた園児のお母さんから、「あんたー先生にいじめられてたねー。」
と小声で同情されるほど ひどいイジメだったそう。

その子の親御さんは、「とりあえず仕事しておれば、いいよー。」
と応援してくれているそうです。

きっと、家でもこの通り落ち着かないんでしょうね。
親御さんとしてはお金に換算される事さえしてくれるなら
それ以上の贅沢は言わない気らしい…。

そんな話をするうちに、私はこうも落ち着かず 仕事も覚えられないこの子が
叱られても、いじめられても、がんばって仕事に来ている姿に 
ちょっと感動してしまいました
この子が、これからも叱られてもめげずに
がんばって働いていてくれるように…と祈るような気持ちでした。
そして、他のメンバーの人たちも同じような気持ちだったらしく……
はじめは、この子のことがすごく苦手そうだった几帳面なおば様まで
そっと、その子のフォローをしていました。

短期バイトが終わる頃、5人のグループは、
かなり親しくなっていたのですよ。

この話には 後日談がふたつあります。

ひとつめは、この時のお気楽な仕事ぶりをかわれた私は、
その後も郵便局の仕事を任され10円単位のちっちゃい出世をし、
内部のごたごたに巻き込まれて苦しみました!!

ふたつ目は、数年後、阪急電車内で、あの女の子と再会。
なつかしくなって声をかけると「だれ?」とつれない答え。

「ほら 郵便局の短期バイトで…。」と説明しかけると、
隣にいたその子の友達が、
「覚えとけよー、そんくらいー。」と笑いながらツッコミを入れていました。

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郵便局の短期バイトが終わる頃、
私は電話の向こうの怒鳴り声に「めげない」……というか、

怒鳴りだしたら受話器を少し耳から離して、
(いろいろストレスあるのね~大阪、景気が悪いしな~保険書の配達が翌日になるってだけで、
こんだけ負のエネルギー放出できるんだから、ある意味すごいわ……やれやれ……)

と怒鳴り終えるまで、鼻歌まじりに待っていて、
「どうも申し訳ありません。~~です。」と用件を伝えて、ていねいに電話を切る

ってことを繰り返していたのですが、

そのお気楽ムードの仕事ぶりが、短期バイト教育係(?)のお眼鏡にかなったらしく、

バイトが終わる頃、「他のパートもやってみない?」というお声がかかりました。
ちょうど、お金が必要な時期だったので、承諾し、
さっそく小荷物係をすることになりました。

私……はっきり言って、そんなに仕事ができる人間じゃありません。
雑だし、ポカミスが多いし、定期的に体調崩しますし……

でも、ある他の人に負けない特技があるのです。

それは新しい仕事を覚えるのがはやい……ということです。
といって、頭の中身は平均的日本人。
覚えが良いわけでも、頭の回転が速いわけでもありません。
身体能力もダメダメです。

ならどうして仕事を覚えるのがはやいのかというと、
今の仕事にもつながっているのですが、
「教育する」「教える」「教わる」という時点で、
学ぶ内容を瞬時に、ごくごくシンプルで簡単な形に翻訳することが
得意なのです。
ですから、難しそうな解説書も、複雑な仕事の手順のプリントも、
見ると同時に
幼児にもわかるようなイラストつきで色分けされた1,2の手順で
できる内容に頭の中で変化させてしまっているのです。

そのため、頭はあまり良くなくても、
驚異的な記憶力と頭の回転の速さを持ってるのじゃないか??
と誤解されるほど、素早く仕事を覚えてしまえるのです。

そのため、これまでどこのバイトに行っても、仕事を覚えるまでの時点では、
他の人の先を行ってました。
絶対覚えれないような難しい仕事を「1回しか教えへんよ」

なんて脅してくるいじわるな先輩の鼻を明かすのがひそかな楽しみでした。

(本格的に仕事が始まれば、ポカミスが多くてぼろが出てくるのですがね。

そうして他の人が何週間かかかるという話だった新人教育期間を2~3日で終えて、楽しく小荷物係をやっていると、
「もう、覚えたの?」と郵便局内の上司が、小荷物係の視察に来て、
まだこの仕事について日が浅いのに、「きみ、別の部署に行ってくれ」というお声がかかりました。


大きな荷物の扱いの部署に移されました。
その上司は新しい部署に何度か見に来て、

「女性なのに、ここの係りは大変だね。

もう仕事覚えたの?きみ、別の部署に行ってくれないか?」
とまたしてもお声がかかりました。


そして、留守中の荷物の保管と電話応対の部署でも同様のことがあり、
「きみ、別の部署に行ってくれないか?」とお声がかかりました。
(みんな私が出席の印鑑を押すのを忘れたり、

雑に押していることなんかにも、まだ気づいておりません)

私にすれば、ぼろが出る前に教育期間ばかりでラッキーなんですが、
次の部署に行けば、時給数十円アップする可能性も高まるけれど……。

郵便局内でも最大の難所。

絶対ミスが許されない、誰も仕事が長続きしない……と噂される

速達便の区分け。

たったひと文字の見落としで、間違って遠方に郵便物が行っちゃた場合、
上司が飛行機で郵便物を届けるはめになる

人間のうっかりが、上司の一日の仕事と飛行機の運賃の金額とてんびんに
かかっている常に心臓に悪い~部署なのです。

おまけに私はかなり雑で、ミスが多い人間。
うまくいくのかいかないのか、最初から逃げ出すのもな~と
取り合えず受けることにしました。

 

続きを読んでくださる方は↓のリンク先に飛んでくださいね。

お仕事裏話 4

お仕事裏話 5

お仕事裏話 6

お仕事裏話 7

お仕事裏話 8

お仕事裏話 9

 




虹色オンライン教材についての質問をいただいています

2012-03-28 23:14:53 | 虹色オンライン教材

虹色オンライン教材(ブログ左上のイラストをクリックしてくださいね)についての質問をいただいています。

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はじめまして、最近先生のブログに出会い参考にしている毎日です。
私には新4年生の息子と新2年生の娘がおります。
二人とも広汎性発達障害と診断されており、支援学級に在籍しています。
娘はADHDの要素があります。
いままで、これといった取り組みをしておらず
先生のブログを拝見しては、
恥ずかしく後悔するばかりです。
オンライン教材をやってみようとも思うのですが今からでも大丈夫でしょうか?

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虹色オンライン教材のもくじは下に紹介する内容です。

よくばり過ぎるほどの内容を詰め込んであるのは、工作に親しむことが、

自己表現する楽しみを味わって「手先の巧緻性を高めるだけでなく、

「算数にしても国語にしても理科にしても社会にしても、全ての学科が大好きで得意だ!」

という気持ちにつながり、

主体的に意欲的に学ぶ心を育んでほしいという願いを込めているからでもあります。

 

算数の項目にしても、理科や社会の項目を見ていただくとわかるように

内容は幼児向けではなく、

小学校高学年くらいまでの学習のベースとなるものを扱っています。

 

横に(2歳から~)といった表記があるので

「小学生になったら始めるのは遅いかも……」と戸惑うかもしれませんが、

勉強が苦手な子や好きになれない子、

発達障がいのある子たちが学校の教科学習で感じている理解の穴を埋めるために

難しい内容であっても、それほど幼い子であっても直感的にわかるように体験させる方法を

工夫しているという意味でもあります。

 

特に視覚優位の子が論理的に物事を考えていくことができるように

配慮して作っています。



『虹色オンライン教材 学ぶことが好きになる工作遊び』もくじ


序章  (教材の使い方など)

第1章 巧緻性を高める活動を楽しんでみよう
 • 1.1 貼る1 (水・のり・テープ) ◆A 1歳~

 • 1.2 貼る2 (セロハンテープ)  ◆A 1歳~

 • 1.3 貼る3 (木工用ボンド)   ◆A 3歳~

 • 1.4 切る1 (はじめてのはさみ)  ◆A 1歳~

 • 1.5 切る2 (いろいろな線を切る) ◆A 3歳~

 • 1.6 塗る1 (「書く」から「塗る」へ)◆A 1歳~

 • 1.7 塗る2 (クレヨン・水性マジック・絵の具)◆A 2歳~

 • 1.8 折る 丸める   ◆A ☆C2歳~  

 • 1.9 穴を開ける  ◆A 1歳~

 • 1.10 縫う 織る  ◆A 4歳~

 • 1.11 ひもを裂く(さく) やぶる  ◆A 2歳~

 • 1.12 かたどる なぞる はんこを押す けずる ◆A 3歳~ (見せてあげるなら2歳~) 


 • 1.13 巧緻性を高める教具 ◆A 3歳~


 • 1.14 創造性を体現することで子どもは変わる

第2章 体感を通して学ぶものづくり

 • 2.1 足を意識する工作 ◆A 3歳~ (作ってあげるなら2歳~) 


 • 2.2 手や指を意識する工作 ◆A 3歳~ (見せてあげるなら2歳~) 



 • 2.3 頭を意識する工作  ◆A 3歳~ (作ってあげるなら2歳~) 


 • 2.4 身体を意識する工作  ◆A 5歳~  (見せてあげるなら3歳~) 

 • 2.5 身長について学ぶ工作 ◆A 5歳~  (見せてあげるなら3歳~) 


 • 2.6 大きな紙の上で 大きな布の上で ◆A 2歳~

 • 2.7 自動ラーメン製造機 (動画)☆C 3歳~  (見せてあげるなら2歳~) 


 • 2.8 引く 引っぱる 揺れる すべる ☆C 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 



 • 2.9 押す 下げる ひねる ねじる ☆C2歳~(見せてあげるなら1歳~) 



 • 2.10 動くしかけを取り入れた みんなの作品 (見せてあげるなら1歳~) 


 • 2.11 砂や粘土の感触を楽しむ工作 ◆A 1歳~

 • 2.12 色や音を意識する工作 ◆A 1歳~

 • 2.13 なぜベビーと一緒に工作を楽しむ必要があるのですか? (動画) ◆A 1歳~

 • 2.14 なぜベビーと一緒に工作を楽しむ必要があるのですか? ◆A 1歳~


第3章 幼児の生活を再現してみよう

 • 3.1 1日の暮らし  ★B 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 


 • 3.2 手洗い・うがい (動画) ★B 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 
• 3.3 家にあるもの (テレビなど)★B 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 
• 3.4 ゴミ箱 (動画) ☆C 5歳~(見せてあげるなら2歳~) 


 
 • 3.5 お料理      ★B 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 


 • 3.6 わたしと家族とペット★B 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 


 • 3.7 お散歩の後で   ★B 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 
 • 3.8 身近なお仕事 (郵便屋さん)★B 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 



 • 3.9 お店やさん ★B 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 


 • 3.10 幼稚園 学校 ★B 4歳~ 6歳~

 • 3.11 ちょっと遠出したら ★B 2歳~

 • 3.12 いちご摘み (動画) ★B 3歳~

 • 3.13 体験の整理の手助けとなる劇遊び ★B 4歳~(見せてあげるなら2歳~) 



 • 3.14 個性に応じたものづくりにするためのコツ (動画)
 • 3.15 個性に応じたものづくりにするためのコツ

第4章 ものづくりに算数の世界を取り入れよう

 • 4.1 1対1対応  ○D 2歳(見せてあげるなら1歳~) 

 • 4.2 1~10までの数 ○D 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 • 4.3 10の合成 足し算 ○D 3歳~

 • 4.4 順序 位置関係 ○D 4歳~

 • 4.5 基本の形  ☆C 4歳~ 

 • 4.6 時計 カレンダー ○D 5歳~ (見せてあげるなら3歳~) 

  • 4.7 ごっこ遊びで数に親しもう ★B 4歳~(見せてあげるなら1歳~)


 • 4.8 定規を使う ◆A 3歳~


 • 4.9 コンパス・分度器を使う ◆A 6歳~(見せてあげるなら4歳~) 

 • 4.10 ゲームでさんすう 1 □E○D 4歳~(作ってあげるなら3歳~) 

 • 4.11 ゲームでさんすう 2 □E○D 4歳~(作ってあげるなら3歳~) 


 • 4.12 大きな数の計算 ○D 6歳~

 • 4.13 図形のまわりの長さを体感する  (動画) ◆A 6歳~(見せてあげるなら3歳~) 
 


 • 4.14 面積 ◆A 5歳~ (見せてあげるなら3歳~) 


 • 4.15 水のかさ・体積 ◆A 5歳~(見せてあげるなら3歳~) 


 • 4.16 展開図 ◆A 5歳~(見せてあげるなら3歳~) 


 • 4.17 多角形と多面体 ☆C 5歳~(見せてあげるなら3歳~) 


 • 4.18 分数につながる算数 ○D 5歳~(見せてあげるなら3歳~) 
 
 
 • 4.19 ものづくり体験の不足が小学生の「見る」力を低下させている 

第5章 平面から立体へ 形を作る楽しさを味わってみよう

 • 5.1 丸める 輪を作る 「平面から立体へ」☆C 2歳~

 • 5.2 画用紙のコンパスで円を書こう (動画) ■G 3歳~

 • 5.3 コンパスの使い方 円の形   ☆C 4歳~

 • 5.4 三角すいの作り方 (動画)  ☆C 4歳~

 • 5.5 円すいと三角すいを使った みんなの作品 ☆C 5歳~

☆C • 5.6 不思議な紙の世界 ピラミッド  ☆C 5歳~
 

 • 5.7 線路の切り替えとトンネル ☆C 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 

 • 5.8 きかんしゃにのって (動画)☆C 3歳~(見せてあげるなら1歳~) 
 • 5.9 のりもの大集合!みんなの作品☆ ☆C (見せてあげるなら1歳~) 

 • 5.10 画用紙で作るドールハウス (動画) ☆C 4歳~ 

 • 5.11 「折る 丸める」で作る建物  ☆C 3歳~ (見せてあげるなら2歳~) 


 • 5.12 望遠鏡作り 探検ごっこ (動画)★B 3歳~

 • 5.13 立方体作りゲーム (動画)  □E 5歳~

 • 5.14 絵は描くけれど 立体作品を作ろうとしない時に 3歳~

第6章 回転や力の働きを理解する からくり工作

 • 6.1 1つの穴からいろんな発見をしよう  ■G 2歳~(見せてあげるなら1歳~)

 • 6.2 段ボールの穴を使った からくり装置 (動画) ■G☆C 2歳~(見せてあげるなら1歳~)


 • 6.3 からくり装置1 ■G ☆C3歳~(見せてあげるなら2歳~)


 • 6.4 からくり装置2 ■G ☆C3歳~(見せてあげるなら2歳~)


 • 6.5 紙コップのビー玉落とし 3種類 (動画) ■G ☆C3歳~(見せてあげるなら2歳~)


 • 6.6 紙コップのビー玉落とし 3種類     ■G ☆C 3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 6.7 ティッシュ箱で作る自動販売機 (動画) ■G ☆C 2歳~

 • 6.8 ティッシュ箱で作る ビー玉転がし (動画)■G ☆C  2歳~

 • 6.9 ストローと紙皿で 回転する台を作ろう ■G ☆C 4歳~ (見せてあげるなら2歳~)


 • 6.10 くるくる回るよ 回転寿司 (動画)■G ☆C 4歳~

 • 6.11 回転寿司 軍艦巻きの作り方 ◆A ☆C 2歳~


 • 6.12 回転寿司 握り寿司の作り方 ◆A ☆C 2歳~

 • 6.13 遊園地の空中ブランコ (動画)■G ☆C (見せてあげるなら2歳~)

 • 6.14 2種類の空中ブランコ メリーゴランド■G ☆C 4歳~ (見せてあげるなら2歳~)

  • 6.15 2種類の不思議な映写機 ■G ☆C 4歳~ (見せてあげるなら2歳~)

 • 6.16 紙コップで作る プチ映写機 ■G ☆C4歳~ (見せてあげるなら2歳~)
 • 6.17 気分はピタゴラ装置 (動画) ■G☆C 4歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 6.18 くるくる回るよ ビー玉が転がるよ みんなの作品☆ 2歳~

 • 6.19 工作で子どもが自発的に工夫・発展するようになるために  ◎H 

第7章 幼児のIQアップのための教材と遊び

 • 7.1 幼児向けトランプ            □Eルール 2歳~

 • 7.2 間違い探し 大きさくらべ 隠れているもの ●F 3歳~ (見せてあげるなら2歳~)

 • 7.3 何が消えたのかな? 道具の名前 ●F 3歳~ (見せてあげるなら2歳~)

 • 7.4 重なる順序 同じ形に分けよう ●F 3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 7.5 順番 違う組み合わせ 左と右 ●F 4歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 7.6 観覧車 (動画) ●F 5歳~ (見せてあげるなら4歳~)

 • 7.7 四方から見た図 長さくらべ ●F 5歳~ (見せてあげるなら4歳~)



 • 7.8 穴から見えるもの 穴を重ねる ●F 5歳~ (見せてあげるなら4歳~)

 • 7.9 線対称 鏡に映った図形 ●F 5歳~ (見せてあげるなら4歳~)

 • 7.10 重ね点図形 点描写 ローラーの模様  ●F 5歳~

 • 7.11 教室で作った教材いろいろ

 • 7.12 レストランごっこでIQアップ ●F 5歳~ (見せてあげるなら2歳~)

 • 7.13 作りながら考える ロボット製作 ◎H 5歳~(見せてあげるなら3歳~)
 • 7.14 ものづくりを通して 幼児期からの子どもは伸びる

第8章 科学とつながるものづくり


 • 8.1 風や空気の働き1 ◆A 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 
 
 • 8.2 風や空気の働き2◆A 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 • 8.3 風船 (動画)◆A 1歳~

 • 8.4 光の働き ◆A 4歳~(見せてあげるなら2歳~) 

 • 8.5 鏡の働き ◆A 5歳~(見せてあげるなら4歳~) 

 • 8.6 レンズの働き 目の錯覚  ◆A 4歳~(見せてあげるなら3歳~) 

 • 8.7 水の働き1 ◆A ■G 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 

 • 8.8 水の働き2 ◆A ■G 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 
 
 • 8.9 磁石の働き ■G 3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 8.10 不思議な動き■G3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 8.11 電池・モーター■G 5歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 8.12 失敗から考える事例 ◎H 5歳~(見せてあげるなら3歳~)


第9章 図鑑と親しむものづくり

 • 9.1 昆虫  ■G  2歳~(見せてあげるなら1歳~)

 • 9.2 魚 水辺の生き物 ■G 3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 9.3 動物 鳥 人の身体 ■G  2歳~(見せてあげるなら1歳~)

 • 9.4 植物 鉱物 ■G  4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.5 宇宙 1 ■G  4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.6 宇宙 2■G 4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.7 恐竜■G  3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 9.8 世界の国々■G    4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.9 日本の歴史1 (忍者)■G 4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.10 日本の歴史2 (忍者)■G 4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.11 博物館の資料を参考に ■G  4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.12 水洗トイレのタンクのしくみ (動画)◎H 6歳~(見せてあげるなら5歳~)

 • 9.13 サイホン作用 (動画)◎H 6歳~(見せてあげるなら5歳~)

 • 9.14 親の「正解」を押し付けない◎H

第10章 虹色教室通信 リンク集
 • 10.1 工作ワークショップ in 東京  2010.11
 • 10.2 工作ワークショップ in 大阪  2010.11
 • 10.3 工作ワークショップ in 名古屋  2010.10
 • 10.4 工作ワークショップ in 大阪  2010.10
 • 10.5 絵本大好きクラブ in 大阪  2010.9
 • 10.6 工作イベントin 滋賀  2010.7
 • 10.7 幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 他

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<もくじについての解説です> 

「9歳の壁」という言葉を耳にしたことがありますか?

9歳くらいまでの具体的な学習では、きちんと授業についていけていた子が、
それ以降の学習の内容に抽象的になるため、
乗り越えることができない壁に突き当たることが多いことを指摘した言葉です。

9歳くらいまでの学習は、目で見たまんま覚えて、反射的に答えが出せるように訓練すれば
良い成績が保てるような内容ですが、
そこからは、次第に頭の中でイメージを操作して、
思考力を使って解いていかなければならない内容に変化していきます。


抽象的な思考ができるようになるには、

五感を通して、身体を通じて体感した感覚の蓄積や

おもちゃや物と関わりながら具体的に考える体験の蓄積が

たっぷり必要です。



抽象的思考の基盤となる体験をいくつか挙げますね。

◆A 目と手の協応

 1歳くらいから、目と手を協応させる遊び、手指の感覚を育てる遊び、身体を使ってする遊び
がはじまります。

★B 象徴遊び

 2歳くらいから、つもりやみたてがはじまり、
  3歳くらいから、ごっこ遊びがはじまります。
  模倣や社会的役割の理解と獲得が進みます。

☆C 構造遊び

 2歳半くらいから。
 空間認知、創造性、仲間との協調性が育む遊び。

○D 数の世界

数の敏感期を育む体験
 

□E ルールのある遊び


●F 知恵遊び

■G 目で見て、触れて具体的に操作しながら学ぶ体験 

◎H 抽象的思考を育む




工作以外でもさまざまな遊びを通じて、上のような体験ができますが、
工作の良いところは、わざわざおもちゃを買わなくても、いらなくなった空き箱や紙があれば、
あらゆる種類の体験を簡単につくりだすことができることです。

『虹色オンライン教材 学ぶことが好きになる工作遊び』を購入してくださった方が、
子どもにバランスのよい体験を与えるための指針となるように、
◆A~■Gまでの遊びについてのアイデアを載せている記事を紹介します。



しっかり泣けるように わがままが言えるように(2歳7ヶ月の子のレッスンから) 3

2012-03-28 17:37:35 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

しっかり泣けるように わがままが言えるように(2歳7ヶ月の子のレッスンから)2

の続きです。

帰り際になって、★くんは、この日、ゴミ収集車に見立てて遊んでいた警察の護送車で遊んだのが

楽しくてたまらなかったようで、

「この車持って帰るー!」と言いいながら車を抱え込んでいました。

 

「それは教室のだから置いていこうね」と言っても、

「★くんのー」と言い張ります。

こうした自己主張にしても、反抗にしても、

★くんにすると本当にめずらしいことです。

お母さんが優しい口調で説得に入ると、

★くんはたちまち、エッ、エッ、と嗚咽を漏らして

泣き始めました。

 

といっても★くん、反抗にしても、泣くのにしても、

これまでほとんど自分の我を通した経験がないためか、

まるで心にもない演技でもしているように弱々しいのです。

 

そこで、優しく説得していたお母さんが、

「それなら置いていくわよ」と優しい口調で付け加えて、

立ち去る真似をしようとしました。

 

すると泣きかけていた★くんの顔面が蒼白になって、

そのまま放心したような無表情になって

涙を引っ込めかけました。

 

わたしは慌てて、★くんのように見捨てられるのではないかという恐怖心を持っている子には、

「置いていくわよ」は絶対、禁句で、

真似ごとでも立ち去るふりをしてはいけない

と伝えました。

すると、★くんのお母さんはとても驚いて、

「いつもごねかけたら、置いていくわよ、と言って脅していました」と

おっしゃいました。

★くんのお母さんはいつも穏やかに優しく子どもに接している方です。

「置いていくわよ」のひとことで、★くんがあんまり簡単に言うことを聞くものですから、

強く叱らずに済んでいい、と思っていたのかもしれません。

 

わたしは★くんが弱々しく嗚咽を漏らしながら、

蚊の鳴くような声で自己主張するのを見て、

まず自分の気持ちをしっかり表現させてあげたいと感じていました。

それが、★くんのお母さんは、大人の言い分で言いくるめるようにして

泣くのをやめさせようとしてしまいます。

おそらく★くんが悲しそうな姿を見るのが

いたたまれないのでしょう。

 

でも、★くんは普段から、「こうしたい」「ああしたい」という自分の要求を外に出す子ではなく、

おそらくそうした自分の内面から湧き上がる強い思いを感じた体験自体が少ない子でしょうから、

めずらしく自分の我を通しているこのチャンスを逃す手はないのです。

わたしはお母さんの言葉を制止して、もう少し、★くんの自己主張に

つきあうことにしました。

 

今は、「こうしたいの!」と主張させ、、「そうだね、その車が好きなのね。

ゴミ集めして面白かったもんね」と、しっかり気持ちを受け止めてあげて、

「でも教室のおもちゃだから、残念。バイバイしてまた今度遊ぼうね」と言って

泣くなら、泣きたいだけたっぷり泣いて、お母さんにだっこされてなぐさめてもらう

必要があるのです。

 

そこで「もし、★くんが持って帰ったら、お友だちが遊べないでしょう?うんぬんうんぬん~」と

長々と大人の世界のルールをくどくどと言って聞かせて、

主張も涙も引っ込ませてしまうようなことを

してはいけないはずです。

2歳児には2歳児への

諭し方があるはずですから。

 

欲しくてたまらない思い、楽しくてたまらなかった記憶、家に持って帰ってずっと遊びたいという気持ちが、

心に渦巻いているのです。

泣いて、泣いて、なぐさめられて、

そうした気持ちを乗り越えるだけで精いっぱいなのです。

 

そこで、ここにいないお友だちの気持ちまで

想像してみなさい、などと説得するのでは、

大人と子どもの力関係のなかで

無理矢理、まだ生まれて2年ちょっとしか経っていないような子の

弱い側の意見をひねりつぶしてしまうようなものです。

 

子どもの成長にゆっくりゆっくり付き合って

あげたいですね。

 


セルフエスティーム(自己肯定感)について思うこと 5

2012-03-28 14:00:24 | 自己肯定感を育む

 

↑(「どんどんやまのどんこさん」という山を主人公にした絵本を作りました。春のパパ山、ママ山。下はどんこさん)

 

 

日本人の子は他の国の子らに比べて

セルフエスティーム(自己肯定感)が低いとよく言われています。

日本人の親は猫っ可愛がりなほどわが子に集中している人が多いのに、

そのように大切に育てられている子らの自尊感情がどうして低くなるのか、

わたしなりに思うところがあります。

 

ひとつ疑われるのは、懸命にわが子の自尊感情を育くもうとがんばったあげく、

「偽りの自己肯定感」を育ててしまうのではないか、

ということです。

 

スタンレー・グリーンスパン と ヤコブグリーンスパン著の『ADHDの子どもを育む』という本は、

多動のないごく一般的な子たちの子育てにとっても

大切なメッセージであふれています。

 

そのなかに、「自己肯定感を回復するための一般原則」として

4つの原則が紹介されています。

3つ目の原則「その子の持つ生来の資質に目を配る」で書かれている内容を

引用しますね。

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つまり、自己肯定感を真に回復できるような

強みや得意技を見つけることです。たとえば、芸術活動が強みになる子もいるでしょう。冗談や

お話が得意な子もいるでしょう。子どもの資質はさまざまです。

チェスをすること、動物と関わること、山登り、音楽、バードウォッチング、ダンス。

既存のスポーツや学校生活の枠内で花開かないとしても、

子どもは皆それぞれに、その子にしかできない何かを持っています。

大切なのは、子どもがこころから楽しんでいることに、おとながこころを開き、発見していくことです。

 

上手にやるように子どもを持ち上げたり、周りから賞賛を得るための活動に

誘ったりして、偽りの自己肯定感を植えつけないようにすることも

こころに留めておきたい点です。

 

そんな風に誘ったとしても、決してうまくいかないでしょう。

子ども自身が選び、それをしていると楽しくてしょうがないという何かが

大切なのです。

真なる自己肯定感はこういう活動からのみ

得られるのです。

 

(『ADHDの子どもを育む』スタンレー・グリーンスパン と ヤコブグリーンスパン著 

広瀬宏之監訳  越後顕一訳  創元社)

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日本の子がどうして自己肯定感が低いのか、

その秘密が先の文章のなかにはいくつも隠れているように感じています。

問題は子どもに接する大人たちのセルフエスティームの高低とも

関わりがあるのかもしれません。

親自身のセルフエスティームが低いと、

無意識のうちに、

子どもを可愛がるという行為と、

子どもを持ち上げて、あれこれやらせて、周囲から賞賛を浴びるような場面を

たくさん作りだすことがイコールで結ばれがちになるのでは

ないでしょうか。

 

親だけでなく、子どもに接する習い事の教師も

学校の先生もクラブ活動の顧問も、もしそうした大人のセルフエスティームが低ければ、

子どもに賞賛が集まるように仕向けて、

間接的に自分の価値が上がることに

夢中になることもよくあります。

 

そうしてちやほやされて、偽のセルフエスティームを植えつけられた子も、

賞賛を集めることができなかったからという理由で、

大人に疎まれたり、心配されたりする子も、

自尊感情を高めていくことは難しいはずです。

 

次回に続きます。

 

 


セルフエスティーム(自己肯定感)について思うこと 4

2012-03-27 17:39:20 | 自己肯定感を育む

末っ子の母を、
「ぜひ養女に欲しい」と子どものない親戚がせっついていた話を、
母はよくしていました。
それもまた、母を良い子のカラに閉じ込めた思い出だったのでしょう。


母は自分の欲望を極端に我慢して、家族に奉仕する一方、
いったん家族のためと言う大義名分ができると、
怪しい商法の健康器具やら、鍋セットやらに
簡単に大金をはたいてしまったり、
そうしたものに対しては、妙に我慢がきかないところもありました。

そんなことなら、お母さんの好きなものに、
自由にお金を使ってくれたら、
どんなに家族は気持ちが良くてうれしいか…と思うのに、
「私はボロで良いの…。」とやたら自分にはケチケチするのです。

その点、妹は世界は自分を中心に回っている!
と大らかに宣言しているような生き方考え方をする性格で、
母にすると妹のすることなすこと気に入りません。
妹の悪い素行をしつけなおそうというより、
性格を根こそぎ改造しようとでも思っているような
態度でしつけをしていました。

そのため妹は、母にべったり甘えていたかと思うと、
口汚くののしったり、
暴力をふるったり、
だめと言われていることをわざとやったりしていました。

すると母の方も本気になってしつこく妹を叱ります。
妹も妹で、一日中でもごねて、
母を思い通りに操ろうと必死でした。
そんな毎日が、一年中、いえ、何年も…
妹が結婚して家を出たあとも、
冷たい親子の憎しみあいの形で続きました。

母は妹との関係を良いものにしたいと思っていなかったのか…?
というとそんなことはありません。
母はいつも子育てに悩む母で、
懸命に良い母になる方法を学んで自分を変えようと反省する母でした。
しかし母がいつも手付かずのまま
けっして変えようとしないものがありました。

自分が良しとする価値観…「控えめで、温和で優しく、
物を欲しがらず、自慢せず、自分のことよりまず人を思いやるような性格」
だけを良しとする考え方です。
妹の「積極的で強気で自信家で快活な性質」をあるがままに認めて
尊重することは決してなかったのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「コンプレックス」は、
ある種の抑圧が原因となるそうです。
「本当は、こうしたかった」という素直な気持ちを、
対人関係の中で抑圧され続けると、
不満が増大し、「理性から外れたこだわり」となるようです。

子どもの願いに反した価値観を押し付けたり、
よかれと思っていた教育方針が、
子どものコンプレックスの原因となります。

人間関係って、本当にトラブルが多くて、
傷つけ、傷つけられることが日常茶飯事ですが、
相手の立場を考えず、
想像力や優しさの欠けた発言をしてしまうとき、
そこにはコンプレックスが関係しているように思います。

虹色教室に来ている軽度発達障害が疑われる男の子が小学生の頃、
お母さんと楽しそうに笑いながら自転車で移動している時、
学校の担任と会ったそうです。
担任は、うれしそうに微笑んで、
こんな風に家族で仲良く過されている時もあるのですね、安心しました……
というようなことをおっしゃったそうです。
男の子の表情が乏しく、たびたび学校で問題をおこすので、
担任は、親の愛情不足と決め付けていたようなのです。
現実には、男の子のお母さんはたいへん子どもを大切にする方なのです。

先生が自分の育ちの中で作ってきたコンプレックスに無自覚だと、
たびたびこうした事実と異なる発言をして
親や子を傷つけたり、
生徒の問題を大きくしてしまうように思います。


また、親は自分のコンプレックスを見つめていく勇気を持たなければ、
どんなに愛情を持って努力していても、
自分のコンプレックスをわが子の中に投影して、
わざわざ子どもの悪い部分を引き出して育ててしまうようです。

「投影」とは、意識が「自分のものじゃない!」と否定したがっている自分の心を、
他人の心のように解釈して、
相手を否定し、攻撃することです。

嫌がらせやいじめをする人の心には、
この投影が働いているのでしょうね。

そうして、自分の心を守っているのです。

辛いのは、しらずしらずに大切なわが子に、
この投影をしてしまうこと。

自分の先延ばし癖を見たくない親が、
わが子を「ぐず!」とののしったり…
自分の中の怠けたい願望を無視している親が、
子どもを無理な勉強に駆り立てたり…
自分への自信の無さを、
子どもの短所と重ねて、くりかえしぐちったり…
なんかがそうです。

また人の心の中には、コンプレックスとは別に「シャドー」と
いうものが存在するそうです。

人の無意識の中には、
その人の性質として振舞っているのと
反対の性質や考え方があるそうで、それをシャドーと言います。
シャドーとは当人が嫌って否定する悪で、その人の心の一部です。
そのシャドーも無自覚だと、子どもに投影されます。

そして、それが原因となって、
子どもの問題行動が誘発され、
だんだんエスカレートしていくことは、
よく起こることのようです。

それでは、どうしたらそんな悪循環を絶つことができるのでしょうか?

以外に簡単なのだとか…。
こうした他人の中に自分の嫌な部分を見てしまう「投影」を
利用して、自分の心の闇を
しっかり見ることです。
「私にはそんな嫌な心はないんだ…」という思いを乗り越えて、
他人に見ているものが投影だと気づけば、
悪い循環を終わらせることができるそうです。

 

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身近な大人が自分の嫌な部分や認めたくない自分の欠点を素直に受容して、

余計な投影をしないまっさらな瞳で子どもを眺めることができたなら、

それだけで子どものセルフエスティームは向上していくのかもしれません。

子どもは欠点もあるし、たくさん失敗もするけれど、

常に成長し続ける、向上し続ける存在で、

大人から見ると困った問題も、子どもにすればこれから超えていく山であったり、

将来のための栄養であったりするものですから。

子どもの日々を輪切りにして評価せずに、

自分の人生の物語の続きを書き連ねていく子どもの暮らしを

おおらかに見守ってあげたいですね。

自尊感情さえたっぷりあれば、どんなに困難の多い物語も最後はハッピーエンドに

ちがいありません。


セルフエスティーム(自己肯定感)について思うこと 3

2012-03-27 17:35:21 | 自己肯定感を育む

私の母は大家族の末っ子として生まれました。
もうこの子で終わりにしたい、もう子どもはいらない…そうした
願いのもとで、はじめは、「すえこ」とか「しゅうこ」なんて名前が
考えられていたようです。
でも、それはいくらなんでもかわいそう…ということで、
静かでいておくれ、世話をかけないでおくれ…という母(祖母)の願望に
ちなんだ名前がつけられたそうです。

母は家族の中で一番幼い子として、兄弟姉妹にも母親からも
特別に愛され大切にされて育ったようです。

母の両親、祖父と祖母は、きちんとお互いの顔も見ないまま、会話をかわすこともなく、お見合い結婚をしました。
祖父は芸能に秀でてハンサムで女性にもてた人らしく、
結婚してからも、女性との付き合いも多い自由で気ままな暮らしをしていたようです。
祖母はとても劣等感が強い性質で、地味でまじめで働き者で、
結婚してからは次々生まれる子どもと家事と畑仕事に明け暮れていました。
そんな対照的な両親のもとで、
母はいつも苦労の多い母(祖母)のことを気遣い、
決してワガママを言わず、心労をかけたり手を煩わせたりすることがないように、
常に優しく気がつき我慢強い良い子としての
子ども時代、少女時代を送ったようです。

母が子ども時代の話をする時、きまって繰り返されるのは
次のような話でした。

私のすぐ上の姉は、病気をして熱を出すたびに、
映画に行きたい、おいしいものが食べたいとねだって、
聞き入れてもらっていた。
私は、病気になったときも、母(祖母)がかわいそうで、
そんなことはとても言えなかった…。

母(祖母)はよく子ども達に「これを手伝ってくれたら、○○をあげるよ。」
と言った。それで、一生懸命手伝ったけれど、
一度も何もくれたことはなかった。
でも、母(祖母)は父(祖父)に苦労ばかりかけられて、自分のことを気遣うこともできずに、
子育てに追われてばかりで、本当にかわいそうな人だった。
だから、一度も恨んだことはなかったし「○○はいつくれるの?」とたずねる
こともなかったのよ。

父(祖父)は子役のようにかわいらしい姪っ子を連れ歩くことが好きで、
本当の子である私を散歩に連れて行くことは、
ほとんどなかった。父(祖父)が一度だけ優しさを見せたのは、
私が大病して死にかけた時くらいだった。

母が学校の参観日に来ると「おばあちゃん?」と友だちにたずねられて
たまらなくはずかしかった。しかし母が気の毒で気にしない振りをしていた。

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母は器用で、きれいなものが好きな人です。
子どもの頃、新聞の日曜版(?)だったかに、画家や切り絵作家の作品が、
印刷されているのを毎週溜めていて、
ある時、それを部屋のふすま一面に丁寧に貼ってましたちょっと天然なのか…?
とても美しかったです。
ベニヤ板でお人形用の立派な家を作ってくれもしました。

また、私と妹の服を、手作りするのが趣味でした。
何人か母のお気に入りのデザイナーがいて、
そのなかなか洗練されたデザインの型紙で手作りするので、
今のファッションにも通じるようなかわいらしさがありました。
私の場合ずんぐりむっくりな体型で、
あまり似合うとは言い難かったのですが、
父似で目が大きくて、きゃしゃな体型の妹は、
「お人形さんみたい!」
とよく褒められていました。
母は近所の人や、道で出会う人から、そうして褒められ認められることが、
無上の喜びだったようです。
しかし、妹が堂々と自分をかわいい!と言ったり、
服や持ち物を自慢するそぶりをすると、
相手が幼稚園児でも容赦なく上から押さえつける時がよくありました。
私にすると、母も妹もふたりとも、
だれかれなしに服を自慢したいのだなぁ…と感じていました。

私はしょっちゅう仮縫いで針がついた服を着せられるし、木にのぼったり穴をくぐったりするとき不便なので、おしゃれをするのがきらいでした。
それに、近所の人が何となく怖かったので、
突然褒められると居心地が悪くてたまらなかったのです。
それで、母や妹の気持ちはさっぱりわからないし、
何だか似ているな…と思っていたのです。

父は乱暴でギャンブル中毒の人(もとは子煩悩なので怒っていないときは
面白くて優しいところがありました。)でしたが、
仕事でほとんど家にいないので、
家の中は母の夢で彩られていました。
手作りのお菓子やパンや飲み物、手芸や絵本やクラシック音楽や楽しいゲーム…
イベントいっぱいのお誕生日会…などなどです。
しかし妹は目ざといタイプで、
母の作るものより、友だちのように買った服がいい!買ったお菓子がいい!
外食に行きたい!
と何時間もごねて泣き続けることが多かったのです。

すると、母の方も意固地になって、
ちょっと機嫌を取ったり、気をそらすために何か提案したりもしないで、
どこまでも戦闘態勢で対応していました。
そして妹の性格や好みをことごとく
批判していました。

私は、母が言うほど妹がひどい子だとは思えませんでした。
というのも、妹は活発で明るくてさっぱりしているので、
近所中の子に好かれていたのです。
子どもが多い地域だったので、
私も友だちに不自由することはなかったけれど、
みなに好かれているとはいい難かったのです。
それで、妹は子どもの私の目からすると、
とても魅力的な子に映っていました。

しかし母は、アンデルセン童話のアニメで、
「ふたりのエルダ(エルガ?エルザ?)」という
悪い魔法で日中、悪魔のような性格に変えられていて、
夜になるともとの姿にもどる盗賊の娘の物語を見ながら、
「○○(妹の名前)のようだ…。寝顔だけはこんなにかわいいのに…。」
とつぶやいていました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

母の話には、子役のようにかわいらしくて、
いつも父(祖父)に散歩に連れて行ってもらっている姪の話が
よくでてきました。
この姪は母よりいくつか年下で、
母と同じように都会に出てきて結婚していました。
先に都会暮らしを始めていた母は、その姪を大事にして
親しく付き合っていました。
その様子からは、母がこの姪に強い嫉妬心やコンプレックスを抱いているようには見えませんでした。

しかし母の妹に対する子育てには、
この美しい姪に対するさまざまなもやもやする思いが含まれている
のは確かでした。
母は妹が周囲から容姿のことで褒められたり、
ちやほやされたりするのを
すなおに喜ぶことはあまりありませんでした。
「でも、わがままで…」と付け加えたり、
横にいる私を引き合いに出して、「この子は心がきれいで、頭が良いんです」
と言ってみたりで…
その複雑な思いがうかがえました。

おそらく母は、姪に嫉妬している思いを認めたくなかったのではないでしょうか?
というのも、姪と祖父の散歩の話は、
何かの折には必ずといって良いほど、母の口にのぼったのです。
しかし、母はだからと祖父や姪を悪く言うことは一度もありませんでした。
母の言葉にならない思いは、無意識の奥にしまいこまれて、
自分でも気づかないうちに現実を少しずつゆがめていたのではないか…?
と私には思われました。

第一、きちんと言葉にして考えることができれば、
姪を連れていつも散歩していた父(祖父)は、
愛情からではなく、単なる見栄えのする持ち物やペットのように
その子を扱っていた事実に気づくでしょう。
そして、そうした子ども時代の悲しい気持ちに
決別できれば、
妹に対する自分でも理解できないようなイライラした思いに悩んだり
かと思えば特別扱いして甘えを助長させたり
しなかったのではないか…?
と思えるのです。


セルフエスティーム(自己肯定感)について思うこと 2

2012-03-27 17:21:09 | 自己肯定感を育む

子どものセルフエスティームと、親のコンプレックスや家族の機能不全との関わりは大きいと思います。

子どもをたくさん褒めて育てたから、愛していると伝えながら育てたから、どんな能力でも成績でも受容して育てたから、必ずしも子どもの自尊感情が高まるというというものではなく、むしろ親が自分の心の暗部を見つめ、自分のインナーチャイルドを育み、自分自身の存在を愛情を持って受け入れていくことの方が、子どもの自尊感情を高めることにつながっていくのかもしれません。

 

私の育った家庭も機能不全の状態でした。

長い期間、親と子、家族、集団の問題を見つめて、向き合ってきて、しみじみ、これは日本人全体が抱えがちな問題なんだな~と思います。「これが、ふつう」と思えてしまうくらいに。
これから育っていく幼い子たちが、自分らしく幸福に生きていくために、そこから目をそらしてはいけないと感じています。

過去記事なので読んだことのある方もいらっしゃるかもしれませんが、わたしの子どもの頃の体験を紹介します。

 

『親のコンプレックスと子どもの困った行動』

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母は、私が物心ついた頃から、子育てに悩む人でした。
その悩みの8割が妹の素行、2割が私のぜんそくです。
それで、家には図書館で借りてきた、「母原病」やら「親業」やら育児に悩む親のための本が、何冊も積んでありました。

それで、私も小学校の高学年頃には、片っ端からそういう本に目を通すようになっていました。
ただ不思議なことに、母はそうした本を読むには読んでも、肝心な部分をすぽっと抜かして読んでいるような、自分の言いように歪曲して読んでいるようなところがありました。
それで、小学生や中学生時代は、私が母に本の内容を解説し、母が納得する…ということが、たびたびありました。
どうして母が、本を読んでもすぽっと抜けたり歪曲して解釈したりするのか、私には長い間謎でした。

母は子ども好きで優しい性格でしたが、私を評価する時と、妹を評価する時では、明らかに基準が違いました。
母は私の事となると、きちんと現実を見ていないところがあって、1から10まで良い様に解釈していました。
私の内気なところは、おとなしくて良い子だ、と言い、友だちが少ないと、この子はひとりの友人を大切にする、と言うような調子です。
一方妹の場合、活発で友だちが多いところに、気づいて褒めているのを見たことがありません。
時に妹は、強い愛情深い性質が溢れるようなところがありましたが、母は「この子には困った」というばかりです。

どうしてなのか、なぜなのか、私にはよくわかりませんでした。
何度、母にその疑問をぶつけてみても、他の事なら何でも親身になって聞いてくれる母が、その部分だけまるで見えない聞こえない人のように、感じられたものです。

母が妹をかわいがっていなかったか…?と言うと、そうでもなくて、母は妹が駄々をこねるのに根負けして、
たびたび妹にだけ高価なおもちゃを買い与える時がありました。
駅前の店のショーケースに飾られていたピンクのうさぎのぬいぐるみもそのひとつでした。
私は、そのぬいぐるみを目にするたびに、うらやましくて頭がぼーっとするほどだったのですが、母はそんな私を指して「この子は欲のない子で、何か欲しいとわがままを言ったことがないんですよ。この子は、本当にいい子なんです。」と知人に説明するのです。
私には確かに、物への執着が薄くて、流行に疎いところがありましたが、それでも目の前で妹におもちゃを見せびらかされるともう欲しくて欲しくてたまらなくなって、夢にも出てくるほどでした。

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母の行動には、私からすると、腑に落ちない部分がいくらかありました。
けれど、母が裏表のある複雑な性格だとも思えませんでした。
というのも、母は純粋な少女のまま大人になったようなところがあって、他人の陰口をたたいたり、
嫌味を言ったりすることは、まずなかったからです。

それでも、普段、非常に寛大な判断を他人にくだす母が、なぜか妹にだけは、ちょっとした反抗に腹を立てたり、することなすこと悪く解釈してみたり、かと思うと、「お母さんは○(妹)のことが一番気にかかる。あの子を誰より愛しているのかもしれない…。」と、まだ子どもの私が傷つくかもしれない…と配慮することも忘れた様子でつぶやいたりすることは、何だかざわざわする不安を私の心に生じさせました。

私は、そんな子育てに悩み続ける母のもとで、子育て本やら、教育書やらを覗き見していたため、高校に上がる頃には、そうした興味がもっと深い意味を求める思いに変って、ユング心理学に関する本を熱心に読むようになっていました。

そうして、ユングの著書を中心に、そのお弟子さんたちの考え方や、他の心理学者たちの考え方に触れるうち、母と妹の不思議な関係の謎が、次第に自分に理解できるものに変ってきました。

母と妹の問題だけでなく、私が疑問を持ち続けてきたおびただしい問いが、心の中でストンストンと納得できるようになりました。

幼いときから、私の頭の中は次々湧き上がる疑問で満杯状態でした。

いつもいつも不思議に感じたことを考え続けているので、実際、とんでもなく物覚えが悪くて、小学校の先生が、「明日○○を準備してくるように…。」と命じた言葉なんかを、覚えていたためしがありませんでした。
目の前にあるものにしょっちゅうつまずいたり、身体をぶつけたりするどんくさいところも目立ちました。
そんなわけで、身の回りの世界はとても生きづらくて、困難な場所のように感じていました。

それで、自分自身がその生きづらさから脱け出すためにも、その後もずっとユング心理学は私の道しるべとなりました。


ーーーーーーーーーーー

ユング心理学で扱われている「コンプレックス」というのは、単なる劣等感という意味ではありません。
客観的に判断できる事実とは異なり、事実と関係なく当人が気にしている…のがコンプレックスなのだそうです。

コンプレックスとは、世間一般の考えから外れて、こだわっちゃうこと…当人の意識の外…すなわち無意識の中のこだわりと言えます。

「無意識の産物」であるコンプレックスは、その人の理性的な言葉や行動を邪魔します。
親切に言ってくれる人に怒鳴って返しちゃったり、自分の理想を他人に押し付けてしまったりします。

コンプレックスの原因はその人の体験と人生の中にあります。
しかし、コンプレックスになったのには、「思い出したくない、知りたくない、意識で自覚したくない」と思える辛い経験がもとになっています。
ですから、自分で自覚するのは、難しいようです。

しかしこのコンプレックスを放っておくと、人生に暗い影を落とし、心の病にまで発展することがあるようです。

コンプレックスを克服するには、
「私はこんなこだわりを持ってしまう人間だ」と理解することと、
「だからしかたない」と妥協したり、
「でもこの場ではコンプレックスを抑えなくては」と努力したりすることが大切なのだそうです。

親の影響がコンプレックスを植えつける原因となる場合が、多いそうです。
親の過剰な期待や理想の押し付けが子どものコンプレックスを作ります。

有能な父と、父を慕って勉強を頑張る娘…といったほほえましい間柄も、父が娘の成績を褒め続けた場合
「成績が優秀でない子は、褒められる価値も愛される価値もない」という娘の感じ方につながり、娘の人生を困難にする父親コンプレックスを植えつける原因となったりするそうです。


そして、娘のコンプレックスは、「自分の能力以上の努力をしない人間」に反発して、激しい攻撃をさせ、人間関係を困難にさせるのだそうです。

親の子に与える影響大きいですね。

もし、この女性が、自分の人間関係を混乱させ、人生を破綻させかけているコンプレックスを克服して、
豊かな人生を作ろうと思うなら、コンプレックスと向き合って、自分の人間観の偏りを修正し、「父親が自分のコンプレックスを生み出した」事実を受け入れなくてはならないようです。

このコンプレックスというキーワードは、それまでずっと謎だった母の不可思議な言動や物の見方を、私が理解できるものに変えてくれました。

 

次回に続きます。


セルフエスティーム(自己肯定感)について思うこと 1

2012-03-27 16:43:07 | 自己肯定感を育む

読者の方からコメントをいただきました。

ーーーーーーーーーー

セルフエスティームについて質問です。子どもの自尊感情ですが、どのようにして育てられるものでしょう?
「ありのままの姿を受け入れ、愛す」ことはしているつもりですが、それと同時に、子どもに「こうなって欲しい」という希望、期待をかけてしまいます。それは「ありのままの姿を受け入れる」ことと矛盾するのでしょうか?
2人の子どもがおります。8歳の長男は幼い頃から発達障害とのボーダーぎりぎりで、手がかかり、私もひどい言葉でなじったこともありますが、明るく、自己肯定感が高いように思います。5歳の娘は、あまり手がかからない子でやりやすいのですが、他の子を褒めたらすねたりして、自己肯定感が低いように感じます。
お恥ずかしい話ですが、子どもに「ありのままのあなたを愛している」と伝えられているのか、自信がありません。

ーーーーーーーーーー

「ありのままの姿を受け入れ、愛す」ことと同時に、「こうなって欲しい」という希望や期待をかけることは、矛盾することにはならないと思います。

でも、「こうなって欲しい」という思いが子どもの今の姿に対する不満足な気持ちから生じていたり、親のコンプレックスを肩代わりさせるような形の願望だった時には危険な気もします。

自己肯定感を高めることについて、親御さんたちと話していると、子どもに言葉で褒めているか、愛していると伝えているかという部分だけが意識されていて、親の態度や行動が、子どもの自己肯定感を上げたり、下げたりしていることについてはあまり気にかけていないように見えることがよくあります。

 

コメントをくださった方のように一人目のお子さんに発達障がいがあって、手がかかる場合、親御さんの注目や世話のほとんどがその子に集中して、他の子は見捨てられたような気持ちを味わっている場合があります。

言葉できょうだい児を褒めているだけでしたら、褒め言葉のはずが「お母さんはこんなにたいへんだから、あなたが良い子でいてくれなくちゃ困ります」というメッセージとして伝わっていることも多く、本人の心が本当に満たされているかわからないのです。

手がかからない良い子には、親の方がその子だけと過ごす時間を作って、手をかけてあげなくてはならないと思います。

また、たまには悪い子になったり、わがままを出したり、怠惰になって、その子が自分の全てを受け入れてもらっていることを感じることができるように配慮して、「お母さんは幸せ。お母さんは大丈夫。○ちゃんは、子どもだから、お母さんやお兄ちゃんのことを心配して、いっぱいいっぱい我慢しなくてもいいよ」と言ったメッセージが伝わるように抱きしめてあげるといいのではないでしょうか。

 

セルフエスティームは必ずしも親だけが高めるものでもないと思います。

さまざまな人との出会いが、子どもの成長を支えているのでしょうし、他所の子であっても、教師と生徒という間柄であっても、子どものセルフエスティームを高める手助けができるような世の中になればいいな、と思っています。

 

パソコンの生みの親「アラン・ケイ」も、自己肯定感の低さから、学校で問題行動をたくさん起こしていたのでしょうが、ひとりの先生との出会いで、自分という存在のかけがえのなさや素晴らしさに気づいたひとりです。

戸塚 滝登先生の『子どもの脳が学ぶとき』という著書にあった逸話を要約して紹介しますね。 

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アラン・ケイというのは、世界初のパソコンと、それを操作するための高度なプログラミング言語を創り出した人物です。

そのアラン・ケイの少年時代は、学校との戦いで、何度か落第や退学の憂き目にさえあったそうです。
そんなアラン・ケイの小学校時代の話を紹介します。



アラン・ケイは家いっぱいの本を読んで育ち、知的に豊かな環境に育った早熟な子どもでした。
しかし、小学校に入学したとたん世界は砂漠に変わってしまいました。

授業は退屈でたまらず、アラン少年は、学校とは苦痛を与えるところだと思い込みます。

アラン少年が小学4年生になったとき、メアリ・クラーク先生と出会いました。
その先生の教室の隅っこには、ガラクタでいっぱいの工作机があって、乾電池、ねじ回し、電球や電線、電気工作や自作メカの本などが置いてありました。

そのガラクタ机で、電磁石の図解が載っているのを見つけたアラン少年は、英語の時間に実験して試してみようとしました。
するとうまくいったのです。
思わずうれしくて叫んでしまったそうです。

クラーク先生はアラン少年を罰するどころか、かえって発見を誉めてくれました。
それがきっかけになり、クラスには電気の実験に興味を持つ子がほかにも現われ始めたそうです。

すぐに先生は、興味を抱く子を集めて小さなグループを作り、電気について探求するプロジェクトを組織しました。
あっという間に、グループは小学理科をはるかに超えるレベルの学習を達成してしまったそうです。

「あの素晴らしい女教師は知っていたんだよ。未知の世界を前にしたとき、子どもは科学者と同じ心を抱く。子どもは探究したがっている。自分の目と耳で未知の世界を偵察したがってるんだとね。クラーク先生はそれがちゃんとわかっていたんだと思う」
とアラン・ケイは語っています。

その後、ハイスクールを退学し、大学に進学したものの、そこも退学。
空軍に入って、軍に才能を見出され、除隊して、大学に留学、大学院にも進みます。
アラン・ケイの才能はようやく花開き、扱いにくくてがらくたのようだったグラフィックス・コンピューターを、小さいサイズの洗練された使いやすいマシンし変える研究を始めました。
そして、現代のパーソナルコンピューターの原型にあたるマシンの開発に成功できたのです。

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こうした話を聞くと、「すぐに今の小学校でそんなことが可能なはずがない!」とおっしゃる方がいるのですが、今の学校では不可能でも、家庭や身近な大人までが、学校と同じ硬い考えで子どもの教育に当たる必要はないと思うのですよ。
勉強イコール学校で習うことと決め付けると、子どもの才能を枯らしてしまう場合もありますね。

「子どもの未知なるものへの探究心」を大切にしてあげなくてはと考えています。
特に軽度発達障害の子は、ASDの子の場合、ひとつの分野や興味にとことんこだわるところがありますし、ADHDの子の場合、拡散思考とひらめきを駆使して、これまでにないものを生み出す力があったりします。
学校への適応ばかりを気にして、そうした才能を伸ばすことをおろそかにするのはよくありませんね。
子どもは、どの子もすばらしいものを持っていますから…。


引用は「子どもの脳が学ぶとき」戸塚 滝登  高陵社書店 より


個性と才能を伸ばすタイミング 4

2012-03-27 12:39:19 | 子どもの個性と学習タイプ

★くんは階段の絵を見つけて、最初、自分の作っている駅は階段はつけられない

と言っていました。

確かに、写真の状態の時には1階だけの平面しか

イメージできないですね。

でも、そこで、テーブルを利用することを提案すると、たちまち、★くんの想像の世界は

上にも下にも広がりだしたようです。

作っている駅を地下鉄ということにして、テーブルの上に切符売り場や改札口があって

地下に向けて階段が続いている様子がどんどん浮かんできたようなのです。

地下からさらに見えない地面の下に向けての階段も

作っていました。

 

わたしは、さらに新しく取り入れるアイデアはないか

図鑑の絵を眺めてみるようにうながしました。

吊ってある丸い時計があります。

「時計があるね。作れないかな?」とたずねると、

★くんは、「無理!無理!作れないよ」と興味なさそうに駅の屋根の続きを作りはじめていたのですが、

「でも、ほら、テーブルのところから吊り下げたらどう?」とさらに言うと、

「そうだ、セロテープで吊ったらいい!」とすっかり乗り気になって、いっしょに時計作りをすることに

なりました。

紙コップの底をはさみで切り取って、針や数字を書いて、

駅の時計に。

★くん、すっかりこの作業に夢中になって、帰宅する時間が来ても、

「もう1個!もう1個!」とコップの底を切り抜いて、好きな絵柄を描いて

遊んでいました。

この作業は、最初に力を入れて紙コップに切り込みを入れなくてはならないのですが、

その力加減が大人でもむずかしいのです。

 

ちょっとはちゃめちゃな遊び方をする動きがダイナミックな子たちは、

こうした作業をすることに躊躇しないのですが、★くんのように

几帳面で完璧主義の子にはハードルが高いものです。

 

でも、子どもって、そんな風に自分にとって限界すれすれにあるような作業を

「えいっ」とばあkりにやってみて、うまくできた時、

「もっと!もっと!」としつこいほど夢中になることがあるのです。

 

★くんにとって大事なタイミングですから、

「紙コップがもったいない」などと思わず、

本人がやりたがるだけ切らせてあげることにしました。

 

★くん、自分の頭で考えて、自分の力で作りながら、

適度に他人のアドバイスを受け入れたり、

図鑑などから新しいアイデアを取り入れていくことが

できはじめているようです。