千葉から教育制度を研究しておられる古山先生(私塾とフリースクールを主宰しておられる方です)が
教室の見学にいらっしゃいました。
3歳9ヶ月の★くん、3歳10ヶ月の●くん、4歳5ヶ月の☆くん、3人のグループレッスンの様子を見ていただきました。
「この年齢の子たちが引き算をするのにびっくりしました。
レッスンを通して一度もネガティブメッセージが発せられない
ところがよかった」といった感想をいただきました。
☆くんが「飛行機を作る!」と色画用紙を選んで折り始めると、
「ぼくも」「ぼくも」と色画用紙を選んだ★くん、●くん。
作ったのは、鉄砲とネクタイなのだそうです。
まだまだ何を作ったのか教えてもらわないとわからないような
デタラメ工作ではありますが、本人たちなりにいろんな工夫を凝らしている大の自信作です。
よく見ると、飛行機にはちゃんと翼が2つあるし、
飛ばすために、下から手で持って動かすためのストローも取り付けてあります。
お友だちに作り方を教えてあげる時には、ちゃんと必要な本数ずつストローを用意してあげることもできました。
「ぼくは旗を作る」と作りだした●くんも、ストローの曲がる部分をカットして、
色画用紙の端っこに貼りつけていました。
そうですね、旗の棒は曲がったらダメだし、端っこについていますね。
(↑の写真は、地下鉄用のエレベーターを取り付けたくて、ブロックと格闘する★くん。)
2歳くらいから「なんちゃって物作り」を続けるうちに、
どの子も「このようにしたい」とイメージを抱いて、一生懸命試行錯誤して取り組めるように
なってきたな……と感じます。
また、わたしがお手本を見せる間、真剣に手元を見つめて
学びとろうとするようになってきました。
板をスライドさせると製品が落ちてくる工場の仕組み。テーブルにはベルトコンベアーの
仕組みを付けてあります。
●くんと★くんがテーブルの上のベルトコンベアーのシートを動かして遊んでいたので、
「先生が今から魔法を使うよ。机の上のところ全然触らないのに、ほらっ、動いて、製品が落ちていった!」と
テーブルの下からシートをいじって操作して見せると、
「魔法じゃない、ない。下のところ、手で動かしてるでしょ!」とたちまち見破られてしまいました。
どうやったら物が動くのか、どういう仕掛けが施されているのか、
言葉で説明するのも上手になってきています。
それぞれの子が自由に活動を選ぶ最初の一時間に、☆くんが紙コップにストローと鈴をつけて、
ベルを作っていました。
そこで、「今日は、音の箱を開けることにする?今日のお勉強は音にする?」とたずねると、
全員意見が一致しました。
そこで、音に関する実験道具類が入っている箱を開けました。
オルゴールや音叉や聴診器などで遊んだ後で、楽器作りをすることに。
「ギター」のようにはじいておとを出す楽器。
マラカス、太鼓、風船で作る耳に響く楽器などを作って、演奏して歌をうたいました。
最後に算数タイム。
アヒルさんたちをプールに入れたり、整列させたり、隠したりして、
数の世界と親しみます。
5羽のアヒルがいました。
「みんな目をつむっていてね」と言っている間に、
アヒルは何羽かおトイレに行っちゃいました。
残っているのは3羽。
「何羽おトイレに行ってるのかな?」という問題。
「2羽!」という★くん、☆くん。
「3羽!」という●くん。
「だったら、そっと確かめにきてね」とアヒルの隠し場所に●くんを誘うと、
覗き込んでみてから、目をまんまるにして、「2羽だった!」と大きな声で報告してくれました。
「前から何番目」「後ろから何番目」を問う問題は、3人とも易しいかった様子。
算数を学ぶ時間そのものは短いのですが、レッスンの随所に、自然に子どもの心に数や算数の世界が浸透するように
配慮しています。
レッスンが始まる時は終わる時には時計を眺めて、自分の身体を使って
時計の針を表現します。
工作や遊びの最中のやり取りでは、数の増減や形に対しての
感性が高まるように働きかけています。