虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

工作をするだけで、算数が得意な子になっていく方法

2021-11-03 20:06:48 | 算数

子どもたちと工作をするとき、私はごく自然に「算数の世界で学ぶ言葉」を使うようにしています。

工作では、箱や折り紙などをよく使いますよね。

そのある形や部分を指して、「○○を貸してちょうだい?」「○○と△△どっちがいい?」などたずねるときに、自然に、算数に関わる言葉を使うのです。


基本の基本は「形」を表す言葉。

「四角、三角、丸、だ円、五角形、正方形、長方形、二等辺三角形」などです。



たとえば、「四角い紙と、だ円の紙はどっちがいい?」などと使います。

立体を表わす「三角すい、四角すい、円すい、正20面体、立方体」などの呼び名も自然に使います。

また、子どもとのやりとりの中で、「長さ、高さ、深さ、浅さ、広さ、垂直、平行、直角、角度、拡大、縮小、重なり、○パーセント」などもどんどん使っています。

たとえば、「そこの面は、80パーセントくらいに色を塗ってね」など。



また、物差しや三角定規、分度器、コンパス、量り、メジャーといった道具も、2、3歳の子とする工作でも自然に使うようにしています。
(危険なものは、扱いや保管に注意しています)

子どもに教え込むことは一つもありません。
子どもたちは、自然に家の中のテレビや冷蔵庫といった名前を覚えますし、テレビのリモコンや電話の使い方を覚えますよね。
それと同じように、算数に使う道具の使い方や目盛りの読み方も、いつの間にか覚えてしまいます。

工作でそうした言葉に親しませるとき、無理矢理教え込むことは一切しない方がいいです。

何度も何度も工作で遊ぶうちに、子どもたちは、その言葉が何を表すのか、身体にしみこむように理解していきます。

物差しの目盛りの読み方にしても、ただ読めるだけでなく、単位の変換や小数点や分数の概念や、概数の意味まで理解していきます。

工作の世界では、「だいたい3センチくらいの紐がいる」ということがよくあります。
それは、概数について理解するチャンスです。

また、箱を切り開いて使用する工作をしていれば、頭の中で図を自動的に組み立てることができるようになります。
展開図を見るだけで、それが立体になるとどのような形になるのか、わかるようになってきます。



たとえば、3、4歳の子が、紙皿をちょっと切って工作するようなときにも、「円の中心が知りたいわ。丸い形のおへそよ。」と言って、2回半分の折って、交差する部分が円の中心にあたることや、半径がどれにあたるかを見せてあげることができます。

もちろん、教え込む必要はないのです。
ただ、工作で得る知識は、無駄な先取りにはならず、とても実用的ですから、「円の中心に穴を開けて、くるくる回る回転ずしを作りましょう」「半径の長さに、コンパスをグーンと広げてね、足が痛いよって言うかな?そして、くるんってバレエみたいに回ったら円が描けちゃうよ」といった会話にすぐに使っていけます。

もちろん、一度にたくさん使う必要はなく、もう1ヶ月、「毎日、毎日、紙皿で船作ってるわ」なんて時に、ついでに、水に浮かべるときに、「指の上に、円の中心のところを乗せて、そーっとそーっと動かしてみよう」といった楽しい誘いをしてみるといいですね。



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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ecchan)
2021-11-03 23:09:46
教材について伺いたいことがあるのですが、コメント欄に記入してもよろしいのでしょうか。
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ecchan様 (奈緒美)
2021-11-05 22:02:13
教材に関心を持っていただきありがとうございます。どうぞこちらに記入してください。
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Unknown (ecchan)
2021-11-07 12:08:23
返信ありがとうございます。
虹色オンライン算数教室と、虹色オンライン教室 学ぶことが好きになる工作遊び
の内容は同じなのでしょうか?別なのでしょうか?
先日、先生の本も購入し、参考にさせていただいています。
宜しくお願いします。
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ecchan様 (奈緒美)
2021-11-08 08:55:59
本を購入していただきありがとうございます。
「虹色オンライン算数教室」は、算数がテーマになっています。「虹色オンライン教室 学ぶことが好きになる工作遊び」は工作の教材で、一部、工作を通して算数に親しむ内容も入っていますが、「虹色オンライン算数教室」とは別のものです。
どちらもサンプルページを付けていますので、よかったらのぞいて見てください。
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Unknown (ecchan)
2021-11-12 19:08:06
教えて下さってありがとうございました。
サンプルページ拝見させていただきます。
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