虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

あけましておめでとうございます

2016-12-31 23:18:49 | 日々思うこと 雑感

↑歩く(動く)光るせんぷうき。

↑とらのしっぽにはかせるものを作ったよ。

 

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イタリアの数学者、ファンタッピエがつくった用語に

シントロピーというものがあります。

 

エントロピーの反対で、秩序、統一、調和を表します。

 

シントロピックな関係には、たくさんのポジティブな効果があります。

 

たとえば、

内面の自由を高める、

本当に必要なものを満たし、

偽りのものを排除する。

責任感を強める、

注意力を高める、

エネルギーを伝える、

個人の価値をもっと高く評価するようにする、

ポジティブな潜在能力を刺激する、

心を開く、

魂に光をあてる、

そして意識のレベルを高める、などです

 

(P.フェルチ著の『人間性の最高表現』より引用)

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あけましておめでとうございます。

今年も、子どもたちやその親御さんたちと、ゆっくり、ていねいに、

シントロピックな関係を築いていきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 


年少さんも作れるポップアップのしかけ

2016-12-31 14:06:11 | 3、4歳児

とても簡単なポップアップのしかけの作り方を紹介します。

年少の子でも上手に作ることができます。

写真は小1のAちゃんの創作風景です。

基本の作り方を自己流に応用させて、あっと驚くような作品に仕上げていました。

 

<ポップアップの作り方>

1.画用紙を半分に折って、開く本の土台を作ります。

2.別の紙を半分に折ったうえで、上の写真のように折り線に重なるように紙を折ります。

3.テープで貼り合わせると、四角い筒状のものができます。

4.これを適当に切って、土台の折り線に沿うように貼るとできあがり。

 

左右のページに貼ると、自動的に立ち上がります。

切り込みを入れたり、筒の形を重ねたりして作品を仕上げていきます。

 

繊細なAちゃんの作品。

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こちらは年中のBちゃんの創作風景。

基本の形を貼った後で、マスキングテープで格子の柄になるようデコレーションしています。

 


4歳児さん的な『悪の限りをつくすこと』

2016-12-29 19:56:13 | 3、4歳児

4歳のAちゃん。

今、小学生のお兄ちゃんとお父さんはネパールへ研修旅行に行っているそうです。

昨晩、お父さんからの電話で、ネパールでの生活が楽しすぎて、お兄ちゃんがワルワルモード全開にはっちゃけていることを耳にしたAちゃん。

目を輝かせて、「悪い」ってどんなことか語っていました。

写真は、Aちゃんが作ったネパールのお寺に登るお兄ちゃんとお風呂に入るお父さんという作品です。

ポップアップになっています。

 

教室にアランジアロンゾの『わるい本』というぬいぐるみの写真とイラストでできた絵本があります。

わるものが、最初から最後まで、悪いことを一生懸命する絵本です。

この本は、ちょっとした悪さをしたいけれど、お母さんにダメと言われたことはやったことがないようなおりこうな女の子たちに人気があります。

この本の中で、子どもたちの評価ではダントツの悪さで、「ワッルー!!悪い!!」

「そんなの悪いし」「わたししないもん」「ぼくは絶対しない、悪すぎだから!!」と言われているのは、「ねぐい」です。

 

「ねぐい」のわるものは、ぽろぽろこぼれそうなお菓子を大量に布団の中に持ち込んで、食べます。

 

海外でワルノリしているというお兄ちゃんの話題にはじまって、Aちゃんと、わるもの話に花を咲かせました。

「ねぐいは悪いよね」

「悪すぎー!だって、歯磨きもうした後だよ。わたしはそんなのしないよ。」

「そうよね。お菓子こぼれたら、布団にアリがくるかもしれない。あのね、先生ね、教室で悪い人見たことあるよ。教室にお母さんが帰ってくるでしょ。

お母さんがドアを開けようとしたら、ドアの横のころに隠れていてね、ワッて言ったのよ」

「えーワルー、それは悪いと思うよ。びっくりするよー!」

 

工作が終わったところで、何か悪いことがしたいAちゃん。

「うその毒薬作りがしたい」と言いました。

 

うその毒薬の作り方は、すっぱい味のもとのクエン酸とホットケーキに入っている重曹を入れた水に赤と緑と黄色の食紅を混ぜて作ります。

少し前に、「全部の色を入れたい」と言った女の子が食紅をいろいろ混ぜ合わせると、何とも毒毒しい色の液体ができあがったので、毒薬作りのレシピとなりました。

Aちゃんは、それに溶けるカプセルに入った動物スポンジも入れることにしました。

 

いかにも毒薬らしいものができあがって、Aちゃんは大満足です。

でも、まだまだ悪いことをしたい気持ちがおさまりません。

そこで、

天井からぶらさげているコップに「どんぐりを入れすぎる」ことに。

「それは、入れすぎだよ。悪いよ。ちょうどいいくらいに入れなくちゃ。入れすぎたら、こぼれるからね」というと、

Aちゃんは満面の笑みを浮かべて、2つのコップに入れすぎました。

 

それから、「シャカシャカふりすぎ」の悪さをがんばり、

 

べたべたしすぎを(指にはつけないように)楽しみ、

 

4歳児さんの悪の限りをつくして、おりこうなAちゃんに戻って、ゲームや算数の学習を楽しんで帰りました。


スターウォーズのR2-D2ロボット

2016-12-28 20:28:36 | 工作 ワークショップ

教室に着くなり持参したスターウォーズの本を開いて、「R2-D2を作りたい!これだよ!これ!」と力説する小1のAくん。

「丸い筒の形のものってあったかな?」と材料入れを物色すると、ご近所さんにいただいた「ケンタッキーのクリスマスバーレルの空き容器」がありました。

バケツ型なので筒状になるよう1か所だけ切り込みを入れ、画用紙を貼りました。

 

ラーメンの空き容器もかぶせると、何かいい感じ。

このサイズに対し、Aくん……「ちょっと小さいな」とこぼしていました。

どんなに大きなロボットを作ろうと思ってるんでしょうね……。

 

自転車用の点滅ライト(100円ショップ)を内部に取り付けると、赤い光が右から左へ流れるように点滅していきます。

すごくロボットっぽいです。

 

手はサランラップの空き箱を画用紙でくるんで、ねじでとめました。

手がちゃんと動きます。

 

ロボットの下部分にはいらない車輪を取り付けました。

車輪の取り付けはAくんには難しかったので、ほぼわたしが手伝うことになりました。

キャスターとねじをそろえておいたら子どもが自分でつけることができるかも……と感じました。

 

こんな大きなものを作って、どうなったのか気になった方がいらっしゃいますよね。

Aくんが抱えて帰りました。

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教室に来はじめたころ、Aくんは大の算数嫌いでした。

数を数えるだけのことでも、パニックを起こして大騒ぎしていました。

「算数が嫌、計算が嫌!算数なんかなくなっちゃえばいいんだ」とお母さんに乱暴していたのに、今では算数が得意な勉強好きな子に成長しました。

Aくんがいきいきと学習に取り組む姿に感心しました。


年末が近づいたのでカレンダーと月の覚え方について再アップ

2016-12-28 09:28:47 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)

いつも訪問しているペットの癒しブログの『風船うさぎモコちゃん』の手作りのカレンダーを購入しました。

来年用ですが、教室でのカレンダーの問題の学習時に活躍しています。

 

■31日の月、30日の月、それ以外の月の覚え方

グーの手をにぎって、ひとさし指の根本にある山の頂上から1月がスタート。

でも、暗記するだけだと、時間が経つと忘れてしまいます。

ひとさし指を立てて、1の指で1月からスタートと言います。

 

2月は28日でうるう年の時は29日ということを知っている子には、「2月は少ない日だから、谷のところ。だから1月はその前の山の頂上からスタート」と教えます。

2月の日数が少ないことにピンとこない子には、クリスマスは12月、お正月は1月。どっちも楽しくて、たくさんあるといい日だよね。だから31日。

1月は山の頂上。31日からスタート」と説明します。

 

順番に、1月は31日、山の上。

 2月は28日でうるう年は29日、谷底。

 3月は31日、山の上。

 4月は30日、谷底。

 5月は31日、山の上。

 6月は30日、谷底。

 7月と8月は夏休みだから特別。どっちも山の上。31日。(そう言って、小指の根本の骨を2度たたきます。

 

9月は30日、谷底。

10月は31日、山の上。

11月は30日、谷底。

12月は、31日、山の上。クリスマスはとっても楽しみ。たくさんある日がいいね。

 

小学2年の女の子たちが選んだベストファイブ。

カレンダーを見ながら、算数のクイズ。

「10月3日から7日までは、7ひく3で求まるかな?」

「できる。」「求まる」と子どもたち。でも数えてみると、7-3=4の4日じゃありません。

「どうしてかな?」と問うと悩んでいます。

そこで、Aちゃんが作ったくまのしおりでこんな問題。

「1番から5番までのくまの数は、5-1で求まるかな?」

「ちがう!ちがう!」と子どもたち。「1多くなる」とのこと。

でも、どうしてちがうのか、言葉にすることはできない様子。言葉にはできないけれど、どうしてそうなるのか、興味がわいたようです。

 

 

複雑な算数の文章題にもいろいろチャレンジして楽しい時間を過ごしました。

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算数レッスンのカレンダーの勉強。

風船うさぎのモコちゃんカレンダーを出してくると、毎回、予想以上の盛り上がり。

「もらっていい?持ってかえっていいの?」とたずねられるけど、残念ながら、教室での学習用に買ったものなのでプレゼントできません。

 

「先生、どうして買ったの?」と聞かれたので、「うさぎのモコちゃんのファンだから」と答えると、「あっ、ここにモコちゃんたちのこと書いてある」と言いながら、

モコちゃん、ムギちゃん、ミミちゃん、クロちゃん、けだま、ももちゃんのキャラクター情報が載っているシートをチェックしていました。

子どもたちの心のみならず、そこにいたお母さん方の心もぎゅーっとわしづかみにしたキャラクターの持ち主は、『けだま』ちゃんの

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朝から晩まで寝てばかり。お目覚めの30秒は寝ぼけて動かない。

走り出すと早い。

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というエピソード。

算数のレッスン中なので、みんな数字が出てくる部分には敏感です。

「1日は24時間なのに、30秒だけ起きてるって!!」

「えーえーっ、30秒?!!」

と、その話題だけで3分は持ちました。

 

ついでにちょっと頭の体操。

24時間を秒になおすとどうなるでしょう。

24×60×60=86400秒

 

『けだま』ちゃんが起きている時間の割合は、

30÷86400×100=0.03472222222……

なので、一日のうち、およそ0.03パーセントの時間、寝ぼけて起きているという計算になります。

運動会の練習であわただしく過ごしている子どもたちは、『けだま』ちゃんのマイペースな暮らしっぷりにかなり癒されたようです。

 

 風船うさぎのモコちゃんたちをもっと知りたい方はこちらへ

 

モコちゃんの飼い主さんにコメントをいただきました。

うさぎの手と足の爪の数についての貴重な情報を書いてくださっています。

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31日までの月を、私も覚えました。
皆さんは、小さな時に覚えられて良かったですね。
私はもうすぐ50歳です。
今ごろ覚えられました。

うさぎのモコちゃんは、手の爪は、5個ずつあります。
足の爪は、4個ずつなんですよ。
昔、センター問題に出たそうなので、ココ重要かもしれません。

ハムスターけだまは、いつも寝ています。
見事に、いつ見ても寝ている。
手を入れてもかみません。
えらい子でしょ。
また、見に来て下さい。

いつも、ありがとうございます。

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猛烈に工作しまくる1年生3人組

2016-12-27 18:49:14 | 工作 ワークショップ

小学1年生のAくん、Bくん、Cくんのレッスンの様子です。

毎度のことながら、猛烈に工作しまくる3人さん。

「工作したい」と言いつつ、何が作りたいのか決まらず、30分の間、

「チェスか作りたいけど、でも他のも作りたい」

「飛行機とか、潜水艦とか、いろんなものが作りたい。ああ、どれにしよう」

「もう時間がだいぶすぎちゃったよ。このままじゃ、作る時間がほとんどなくなるよ。何作るか早くきめなきゃ」

などとおしゃべりしたり、図鑑を見たりして過ごしていた3人。

算数の時間まで残り1時間という段になって、AくんとBくんは空母、Cくんは海賊船を作ることに決めました。

スタートこそ遅かったのですが、教室に来るたび、「工作したい!」と言い続けている3人のことですから、作りだしたら、呆気にとられるほどの素早さで、大きな作品を作り上げていました。

 

船の作り方は、細長い箱を半分にしてつなぎ端の部分に少し切り込みを入れて折るだけの簡単仕様。

何度か船作りをしているので、3人とも慣れたものです。

 

算数のレッスン時間までのころ10分を切ったときに、空母を作り終えたAくんが、「潜水艦も作りたい」と言いました。

「もう時間がないから、作った空母にもう少し工夫を加えたら?」とたずねると、「もうできあがってるもん。飛行機もちゃんとあるし」という答え。

「それなら、材料を探して来たら?」と言うと、5分もしない間に、潜水艦が空母につながれていました。(↑の写真です)

はやい!!

わたしはというと、空母という名前すら知らなかった人間なので、作るのは3人にお任せして、ゴミひろいでもして待つことにしました。

 

大砲の部分が回転するようにねじで接続しています。

 

Cくんは必ず大好きなワシを作品につけています。海賊船ワシ号なのだとか。

 

海に見立てた布を敷いて、作りたての作品で遊びました。


〇〇の後の算数 1(カードゲーム)

2016-12-26 22:09:13 | 算数

虹色教室は、算数の教室なので、工作したり、実験したり、ブロック遊びをしたり、ゲームをしたり……と、さまざまな活動をした後で、必ず最後に算数の学習をします。

また、そんなふうにまとまった算数の学習時間とは別に、工作やゲームなどの活動をした際、活動で使った素材を使って、算数クイズを出すことがあります。

そんな『〇〇の後の算数』の内容を少しだけ紹介しようと思います。

今回は、『カードゲームの後の算数』です。

 

写真はレシピというカードゲーム。

子どもたちに大人気のゲームで毎回とても盛り上がります。

 

幼児~小1の子らを対象にこうのゲームで遊んだ時はこんな算数遊びをします。

「100円スーパーです。いらっしゃいいらっしゃい」

子どもたちは買いたい食材を選んでお金を計算して支払います。

お金は、100円玉なら、自分の手の平でわたしの手の平をパチンとたたき、500円玉ならげんこつでわたしの手の平をたたき、100円札なら、1000円の形を手で作ってから、わたしの手の平を両手でたたきます。

おつりも手の平やげんこつで出し合うと楽しいです。

 

<小1~小2の子の場合>

「下の段は100円、上の段は下の段の2倍の値段」

「下の段は100円、上の段は下の段の3倍の値段」

「下の段は120円、上の段は下の段の3倍の値段」

といった設定で、かかる費用を計算して払ってもらいます。

1年生の子も、カードをかかった金額分たたく動作をして支払うと、この少し複雑な計算もできるようになります。

 

写真は、100階建ての家かるたです。

小学生とはかるたではなく、エレベーターゲームなどのルール(付属のルールブックに載っています)で遊んだあとで、100まで並べる遊びをしています。

並べ終わったら、たし算すると100になるように読み札カードを横においていったり、写真のように3の倍数や4の倍数にチップをおいていったり、公倍数について学んだりしています。

ゲームで遊んだあとの学習は、カードに対する親しみがあるためか、「解きたい!」「やらせて!」と活発に手があがります。


虹色文庫の新刊

2016-12-25 21:34:59 | 虹色文庫出版局

数日前に

小学生編集長からのお知らせ

記事をアップしたところ、さっそく小2のAちゃんが本を作ってきてくれました。

編集長もきっと喜んでくれるはずです。

『山登りはじめました』という本です。Aちゃんのイラストはほんとうに味がありますね。

 

絵本がきっかけでハイキングにはまったAちゃん。

『どんどんどん』という本なのだとか。

山登りにもはまったそうです。

 

有馬富士のてっぺんめざして、山登りした体験を魅力的に描いた本です。

教室に来た子はぜひ読ませてもらってくださいね。

 

 

Aちゃんの年中の弟くんが昆虫の絵を描いてきてくれました。

こちらもとってもすてきです。

 

 

 


勉強が好きになるまでのプロセス 9

2016-12-23 10:06:59 | 教育論 読者の方からのQ&A

少し前の記事に

「虹色教室でわたしがしている仕事の大半は、この『相手と自分の気持ちが強烈に迫る状態』を解除していくことと相手と自分の気持ちを強烈に味わいながらも、それを楽しみ、それによって自分のエネルギーを最大限に発揮していける状態にしていくことです。」

と書きました。

それに対して、こんな質問をいただきました。

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こちらで書かれている「強烈な感情にがんじがらめになって動けなくなる状態」のことについて、ぜひ詳しく教えていただきたいです。

「ああなんだかわかる」感覚はあるのですが、具体的にどんなことが起こっているのか、教室ではどのように解除しているのか知りたいです。

うちの下の子は、第二子なだけあり要領がいい部分もあり、普段は上の子ほど問題が見受けられないのですが、たまにこのように強烈な感情がコントロールできなくなって固まっているふしがあります。

先日は発表会で、観客の存在に圧倒されてしまい、自分でもどうしていいかわからなくなったのか、終始怒った表情で、後は横を向いたり髪をいじったりしていました。

本人はすごく本番楽しみにしていて、リハーサルはばっちりできていたので、本当は本人も笑顔で素敵な演技をしたかったはずと思うのですが。

泣きそうな気持ち、葛藤している様子が見ていて伝わってきてつらかったです。

また機会がありましたら記事にしていただけるのを楽しみにしています。

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実は質問をいただいた方はよく知っている方で、お子さんといっしょに物作りをしたり、遊んだりしたことがあります。

質問主さんの子育てのあり方を思うと、わたしがわざわざアドバイスしなくても、今のままの関わりで十分なのでは、と感じます。

生まれつき過敏な子には、思いもよらない場面で驚かされることもあるでしょうけど、経験を積むうちに和らいでいくはずです。

そうした個人的にお伝えする話とは別に、こうした場面にわたしならどう対応するかお話しますね。

 

不思議なアリスのお茶会で、いかれ帽子屋が、「何でもない日バンザイ!きみとぼくとが生まれなかった日。何でもない日、おめでとう!」と、誕生日じゃない日のお祝いをしている話を知ってる方は多いと思います。

この「特別な日」と「特別じゃない日」をひっくり返したり、「価値あるもの」と「価値のないもの」をひっくり返して話題にするのは、子ども向けの物語でよくあるパターンです。

リンドグレーンの長靴下のピッピは、学校に行かずに気ままに暮らしている小学生ですが、ある時、学校に行っている子らには夏休みや冬休みがあるのに、自分にはないことに怒って学校に抗議しに行きます。

くまのプーさんの世界でも、おバカさんばかりが暮らしているヘルムの村でも、言葉遊びのなかで、物と物が交換され、価値観がひっくり返されます。

子どもたちは、こうした言葉遊びやイメージの世界のおふざけが大好きで、それによってがんじがらめになった葛藤を解いたり、不安感をユーモアで解消したりする姿があります。

質問主さんのふたり目ちゃんの

 「本番楽しみにしていて、リハーサルはばっちりできていたので、本当は本人も笑顔で素敵な演技をしたかったはずなのに、 泣きそうな気持ちになって葛藤しているようだった」

という出来事は、過敏な子なら、どんなに適切に育てられていても、たびたび遭遇するアクシデントだと思います。

おそらく、普段の関わりがいいので、過敏さが目立たないものの、他人の視線や特殊な状況や自分自身の緊張に人一倍影響されやすい子なのだと思います。
 
ですから、こうしたアクシデント自体を避けることはできないけれど、そうしたアクシデントの後で、身近な大人がその子とどう関わるかは、次に同じような体験を迎える際の子どもの行動を左右するのではないか、と感じています。
 
 
「本番が一番大事で、本番でうまくできなかったら失敗」
 
という考えは、子どもにするとあまりにも辛い現実です。
まるで、月曜日の朝に、「日曜日はもう終わってしまって、楽しいことは全部終わり」と告げるようなものです。
 
もし、アリスのいかれ帽子屋なら、
「本番なんて、なんだ!あんな大勢の人にすてきな演技を見せるものか!もったいない。ぼくもうさぎもチェシャ猫も、本番じゃない日だけ、すばらしい演技をするよ」
と言うでしょう。
 
もしくまのプーなら、
「本番って、何だい?それは食べられるの?」とたずねるでしょう。
 
おバカの村ヘルムの長老は、
「本番で失敗したから悲しんでおるのか?
それなら、本番という言葉とリハーサルという言葉を入れ替えてしまえばいいんじゃ。
そうすれば、お前は本番で大成功して、リハーサルで失敗したことになる。
ヘルムの知恵者に解決できぬことはない。」と告げるでしょう。
 
児童文学の主人公たちは、
「まばたきする間にいいこと思いついた。
他の本番を作ろうよ。お母さんとかお姉ちゃんの前で演技する本番や、おじいちゃんやおばあちゃんたちを
集めて、椅子を並べて、舞台を作ればいい」と提案するでしょう。
 
そうした言葉遊びやイメージの世界の遊びは、
子どもの失敗の傷をいやすだけでなく、
再度、失敗したことにチャレンジしようとする勇気をもたらします。