虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

工作するときの自分流の知恵 と 学び

2018-01-30 14:46:48 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

小学2年生のAちゃんの自己流の知恵です。感心したので記事上に残しておきたくなりました。

お得意の馬の絵を2枚描いてから、2枚の絵の間に丸めた厚紙を挟んで貼っていました。

すると、馬が立体的になるからです。

すばらしいアイデアだと思いました。

 

年長のBちゃんのアイデアです。ゆるキャラを作りたい、丸いお弁当の空き容器を2枚張り合わせた後で、

色紙を貼っていました。

感心したのは、円錐型の上部を切ったような底に広がった立体に紙を貼る時、折り紙を台形に切ったものをたくさん作って

貼っていたことです。

大人なら即座に全体を覆うように紙を貼ることを思いつくでしょうが、小さいパーツを貼って全体を埋めていこうとする

ところがBちゃんならではでした。それにしても、カーブになっているところは台形の紙を貼っていくとは

びっくりしました。

 

年長のCちゃんの作品です。

もぐらたたきを作りました。

もぐらがピョコッと飛び出すしかけはわたしが教えたものですが、

筒状のものを箱にあてて、丸を書いて切り抜いたり、トンカチを作ったりしたのは

すべてCちゃんです。

トイレットペーパーの芯の真ん中あたりにひもを取り付けます。

ひとまわり大きい筒(もぐら)をかぶせてから、ひもを引っ張ると

モグラが上に上がります。

それをトンカチでたたくゲームです。

 

<ポラロイドカメラ>

年長のDちゃんの力作です。

100円ショップ筒状の虫眼鏡を取り付けているので、後ろの透明の画面をのぞくと、

不思議な光景が見えます。

これは、押すと、写真が出てくる仕掛けです。

年長の子らが算数脳トライアルをしているところです。

難しい問題でしたが、投げ出さず最後まで考え続けていた姿がたのもしかったです。

 


自閉っ子は、エジソン? アインシュタイン?

2018-01-27 19:39:34 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

「その子らしさに導かれて成長する」2 の過去記事のタイトルを変えた文章です。

 

少し前に、発達障がいの子の記事に対して次のような質問をいただいていました。

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奈緒美先生のブログだったかどうかははっきり覚えてないのですが、

“人の気も知らず、エジソンだなんだ言うのはやめてくれ”といった

親御さんの記事を目にしたことがあるのですが(断片的でゴメンナサイ)

こういったことに関してどのようにお考えですか?

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ちまたで「エジソンやアインシュタインが発達障がいだったのでは?」という話題が

よく取り上げられるため、

それに関して過敏に反応する方もいらっしゃるのだと思います。

 

発達障がいの子はどの子もエジソンのような天才的な能力を発揮する

ことができるとまで言ったら、極端で問題のある意見ですよね。

 

でも発達障がいのある子の「こだわり」や「過集中」といった特性が、

最もよい形で使われたなら、

それはその子の潜在能力を大きく開花させることにつながると

思っています。

わたしは発達障がいのある子ほど

「その子らしさ」に気づいて、それを支えることで伸びていく子らはいない

と感じています。

 

それは発達障がいのある子たちの身近にいる方の多くが

実感しておられることだとも思います。

 

エジソンやアインシュタインのようになれる子がいると言えばオーバーでも、

「エジソンやアインシュタイン並みに

 

寝ても冷めても○○のことばかり……それにどれだけ情熱と時間を

注げるかという点では世間で言う天才に引けを取らない……

 

という発達に凸凹のある子らは

一般的なバランスの取れた発達をしている子の

何十倍にものぼるのではないでしょうか。

 

バランスが悪い、凸凹がある、とは

裏を返せば、そういうことでもあるからです。

 

 

それが天才を生み出す確率にどう影響するかまでは

わかりません。

でも、そうした発達に凸凹のある子の凸部分やこだわることや、過度に集中することに

スポットライトを当てて、

「その子らしさ」を大事にしながら成長を見守ることで、

その子の成長する力は加速すると感じています。

 

「その子らしさ」や成長の可能性の芽は、

子どもの好きなことや喜ぶことで見つかるのはもちろん、

親御さんの目からすると心配しか感じ取れないようなシーンでも

たくさん見つかります。

 

たとえば、2、3歳の自閉っ子がお友達から

何かを奪い取りにいくことを繰り返すとします。

そんなシーンも、

客観的にふたつの視点から眺めれば、

子どもの成長のための鍵を見つけることができるかもしれないのです。

 

ふたつの視点というのは、

ひとつは、見たままに、

「他の子から物を奪い取る」という行為を止めに行って

「お友達のものを取っちゃダメ」と教えたり、相手の子を気づかったり

することで、

たいていの方がそうした対応に追われて疲れ果ててしまっている

ことでしょう。

 

もうひとつの視点は、しつけはしつけとして対処しつつも、

奪い取りに行こうとする行為も、「その子らしさ」として

コミュニケーションを避けがちな自閉っ子にしては

成長のきっかけになるかもしれない、と捉えるのです。

 

 

「この子は何に惹きつけられて。繰り返し取りに行こうとしているんだろう?」

「物を取るという行為とはいえ、お友達に接近することは嫌でない様子。

もめない形で遊びを成り立たせる工夫はできないか?」

 

「この子がしつこくこだわる物の色は?素材は?

触った感触は?音は?動きは?お友達のどのような持ち方に

欲しい気持ちが刺激されているの?」

 

「この子の物を取りに行こうとするエネルギーをもっと肯定的な活動に

変化させられないかな?」

 

「物を奪おうとする時に、大人が相手をして、じらしたり、

アイコンタクトを取ったり、やり取り遊びのきっかけを作れないかな?」

そうした問いを自分にかけながら

子どもの姿を眺めて、いろいろと子どもへの働きかけを

ためしてみるとよいのではないでしょうか。

 

「その子らしさ」がなかなか見つからないようなタイプの子も

少し視点を変えて子どもの活動を眺めることで

新たな発見があるものですよ。

 

最初の質問からちょっと話が逸れてしまいましたね。

「人の気も知らず」というのは、親御さんの言葉なのか、

発達障がいの当事者の方の言葉なのかはわかりませんが、

おそらく辛い現実にたくさん遭遇されたのだと思います。

でも、凸凹のある人が生き辛く能力を発揮することができないのは、

ハンディーのせいだけでなく、

凸凹を許さない周囲の不寛容にも原因があるはずです。

シアトルに来て、こちらで暮らしている方に聞いたところ、

アメリカではADHD等の発達障がいを持った方が社長になっている率が

とても高いのだそうです。

アメリカでは人の能力に凸凹があることを

そのままでよしとして認めているお国柄があって

そうしたことが可能になっているという話でした。

アメリカにはアメリカの問題点もあるのでしょうが、

「人間、少しくらい凸凹があったっていいんじゃないか?」という

おおらかな考え方が、ハンディーがあってもがんばって努力していく力のもと

にもなるのではないか、と感じました。


ハイスコープの学習についての本を紹介してください

2018-01-26 23:29:12 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう
忙しくて、手付かずになっている 虹色教室通信 別館の記事、

★計画ー実行ー再考  の学習 ハイスコープ


★計画ー実行ー再考  の学習 ハイスコープ 2



★子どものあこがれを創作活動へ♪

について、質問をいただいていました。
ハイスコープという学習法について調べても
英語の論文くらいしか見当たらないので、
関連書があれば教えてほしい……
というご質問でした。

ハイスコープ の教育法を扱った本が、
これまで日本で発売されているのは見たことがないのです。
でも、その考え方にとても近いと思われる
本でしたら紹介できますよ。

「考える力」はこうしてつける

ジェニ・ウィルソン&レスリー・ウィング・ジャン著
新評論

です。
学校の教員用の書かれた内容ではありますが、家庭でも参考になりますよ。

この本の他には、多元的知能を扱った本は、ハイスコープの考え方に近いと思います。

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すでに必要な思考力と知識をもっている子どもでもよく
学べないことがある。
メタ認知能力が育っていないからである。
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自立した学習者を育てることを
目的とするこの本では、子どもに「考える力」をつけるための
さまざまな方法をしるしてあります。

またセルフ・エスティーム(自分としても誇りに思い、他者からも充分に認められるであろうという自負心・自尊心)を
高めるための活動もいろいろ載っていて、海外の学校はすごいな~。
学校でこういう活動をすることなど思いもつかない
日本の子の自己肯定感が最悪なのもよくわかる~」と感じました。

この活動のねらいは、
●自分の存在価値を見いだす。
●自分自身の能力に自信を持つ
●作業をするときに肯定的な姿勢で臨む
●生徒たちに、自分の長所や短所、または学びをどのように
改善できるかを考えさせる

といった点です。
日本の学校で、こうした能力を伸ばしてもらうのが難しいなら、
各家庭で、きちんと時間を取って、
子どものセルフエスティームを高める努力をしなくてはなりませんね。

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話を
自立した学習者を育てること
に戻しますね。

この著書は、教師用のテキストではあるのですが、
「すごいな~」と感心するのは、
さまざまな活動をする際、
使う思考力をチェックしているところなんです。

理解する
解釈する
仮設を立てる
分析する
まとめる
振り返る
理由付けする
明らかにする
判断する
一般化する
評価する
合意を形成する
計画する
調査する

といった思考力のひとつひとつが具体的に活動の中で
発揮していけるようていねいに授業案が練られているのです。

また、「まとめる」という使う思考力のひとつにしても、
論理的数学的能力を使う場合
デザインする  推論する  分類する
仮設を立てる  立案する  系統立てて説く  提案する

言語能力を使う場合
詩や文を書く 書き直す 提案する 推論する 応用する ディベートする
擬人化する 制作する

空間能力を使う場合
系統立てて説く  計画する 提案する 整える デザインする 
構成する 作り直す

音感能力を使う場合
編曲する 表現する 即席で演奏する 感情を表す 象徴化する
作曲する 物語を話す 移調する 

身体運動能力を使う場合
感情を表す 物語を話す(創案する 組み立てる デザインする 建造する
整える 立案する 分類する)

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まとめるというアウトプット法ひとつとっても、
これだけあって、学校で、具体的に子どもたちがそれを学ぶ工夫をしているのは
すごいことです。

私が虹色教室で目指している子どもへの接し方も、
ハイスコープや多元的知能の研究についての
考え方を元にしています。

ですから、工作活動であっても、絵本を読む活動であっても、
論理数学的な能力、言語能力、空間能力などを
まんべんなく使えるように工夫しています。
そうして子どもと接していると、
子どもというのは、それぞれ得意な知能をもっていて、
それを発揮する場があると、(もちろん、いきなり大人の期待通りに変化するわけではありませんが……)
意欲的で前向きにがんばるように
なるのを感じています。

小さい労力で多くの満足感が得られるようにして 、がんばる心を支えること

2018-01-25 11:19:07 | 工作 ワークショップ

手伝う、教えるという場面で、わたしはユーモアや言葉の力を利用して

子どもの意欲が高まったり、我慢が持続するようにサポートしています。

 

発達の凹凸のある子たちのレッスンで、こんなことがありました。

水遊びの道具を工作していたため、セロテープではなくビニールテープを

使用していました。

すると、セロテープのようにハサミで簡単に切れないものですから、

ひとりの男の子が「切れない!切れないよ、もう!いやだ、こんなの!」と

かんしゃくを起こしかけていました。

 

そこでわたしが、

「だって、そのテープは、セロテープよりパワーがあって強いんだもの。

●くんにね、どうせ切れないだろう、切れるもんなら切ってみろ、おれさまは

強いからなって挑戦しているのよ」と言うと、この子は笑いだし、それからは

弱音を吐かずにがんばってやり遂げていました。

うまく切れなくて、まるではさみがテープと決闘でもしているように

見える度に、含み笑いをしながら、いきいきと取り組んでいました。

 

工作を「提案する」という場面では、次のような点に注意していると、

子どもは意欲的に能動的に振舞うようになってくると感じています。

 

子どもがやる活動がどんなにささいな小さなものでも、

子どもがその結果から得る楽しさや満足感が大きなものになるようにするのです。

写真は、子どもが型で抜いたハートを紙に貼ったシーンです。

お母さんがそれを利用して、太陽が登って沈んでいくプラネタリウムを演じたり、

なぞなぞクイズをしたりして遊んであげています。

 

写真は、アイスのカップにポリテープを貼って、本人いわく

「宇宙船」(わたしはくらげかと思ってましたが……)を作ってきた一シーンです。

 

宇宙船にストローを貼って、ひもを使って空中を動かしています。

 

幼い子や工作体験の少ない子ほど、

小さい労力で多くの満足感が得られるようにしてあげないと、

「もっともっと、こんなこともしてみたい」という気持ちを膨らませたり、

がんばりを持続させたりするのは難しいからです。


自閉っ子たちと創作活動

2018-01-23 21:27:11 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉っ子のAくんとBくんの創作作品を紹介します。

 

小4のAくんは、段ボールを自在に扱って、すばらしい立体作品を作る子です。

絵本やマンガ、ボードゲームなどもたくさん作っています。

いつも作品のレベルの高さに圧倒されています。

乗り物の作り方やブロックの組み方などは、わたしの方が時々教えてもらっています。

 

小5のBくんは、いろいろな面で、5年生になって急に伸びてきました。

絵本作りを始めたのも5年生になってからです。算数の学習にも意欲的に取り組むようになってきました。

下のBくんの絵本は、虹色教室にあるトラのぬいぐるみとシャチのぬいぐるみが主人公です。

厳しいパパに怒られるクジデスくん。

トラピーとクジデスは、クジデスパパに叱られて反省します。

絵本にはてれびおばさんというBくんが作ったキャラクターも登場します。

 

 


幼い子たちと楽しむ理科遊び と 巧緻性を育む遊び

2018-01-22 18:32:58 | 理科 科学クラブ

幼児も簡単に楽しめる理科の実験を紹介します。

<風船の氷>

『科学の実験大図鑑』に載っていた実験です。

風船を水道の蛇口にはめて水を注ぎます。

風船の口を結んで、冷凍庫に一晩おくと、風船の形をした氷ができあがります。

風船を破ると、簡単にはずれます。

 

風船の形の氷に塩を振りかけると、ナトリウムイオンが水を分解して水に変えます。

食紅を振りかけるときれいな色付きの氷ができあがります。

氷の玉に小物を乗せて、時間が経つとどうなるか

観察するのも楽しいです。

<不思議なコップ>

デザイナーの販売しておられるグラスのアイデアを真似させていただきました。

プラスチックのコップに油性マジックで絵を描きます。

手前は赤ずきんちゃん。 コップの反対側にはオオカミの絵を描きます。

 

水をそそぐと、水がレンズの役割をして

オオカミだけが大きくなります。

 

「大きい」と「小さい」が気になる2歳のAちゃんと、

動物たちの傘を作りました。

傘の形のものに曲がるストローをつけたらできあがり。

Aちゃんは、とにかく大喜びです。

幼い子たちは、傘がとっても好きですね。

ストローに短い毛糸をつけて、まきまきしてキャンディーを作ります。

できたらセロテープをペタリ。

空き箱にキャンディーをさす穴をあけてお店屋さんにしました。

 

 


くもんのすうじ盤ですごろく遊び

2018-01-20 21:40:17 | 算数

くもんの数字盤に数のコマを全部おいて大満足のAちゃん。

すぐにくずしてしまうのは残念なので、すごろく遊びをして遊ぶことにしました。

1のコマの上に小さい人形を2つおきます。

順番にサイコロを振って、出た目の数だけ進んで、とまったところの数のコマをもらいます。

すでにコマを取られているマスに止まったら、

何ももらえません。

Aちゃんはうれしそうに笑いながら遊んでいました。

 

くもんの数字盤がない方はいらないカレンダーを切って、

同じようなパズルやゲームを楽しむこともできます。

 

ピザ屋さん。

4分割。

 


考える力が伸びる年中さんの時期 「少しってどういう意味?」

2018-01-18 21:48:10 | 通常レッスン

◆くん、○ちゃん、◇ちゃん、☆ちゃんの年中さんの子たちのレッスンで、ハムスターのお人形で遊びました。

この時期の子たちは、イメージを膨らませてさまざまなことを考えることが得意になってくるので、

ごっこ遊び上のストーリー展開や会話の進展に

「どんだけ楽しいの?」と不思議に思うほど夢中になります。

 

↑の写真は、ハムスターが神社にお参りにいって、

ちょっぴりずうずうしい願い事を言うストーリーで遊んでいるところです。

チリンチリン~と鈴を鳴らして、

「どうぞ、神様。ひまわりの種と、バナナとお菓子とプリキュアのおもちゃと自転車と

かわいいかばんをください。朝、起きたらベッドの横のところに置いといてください。」と言うと、

子どもたちは大喜び。

自分たちも、ハムスターを手に、神社にお願い事にでかけます。

チリンチリン~「いっぱいお菓子をください。それからジュースもください」などなど。

そこで、私が、「ハムスターったら、そんなにいっぱいお願いばかりして、ずうずうしいねぇ」と言い、

ハムスターを手に、○ちゃんに、「ねぇ、人間さん。ずうずうしいってどういう意味?教えてちょうだい」とたずねました。

すると、○ちゃんは、首をかしげてとまどっていました。

 

わたしはこんな風に説明しました。

「神様、チョコレートを1枚くださいってお願いするのは、ずうずうしくないね。でも、

神様、チョコレートとキャンディーとクッキーをテーブルの上からあふれるくらいと、ベッドの上にお山ができるくらい

ちょうだいってお願いしたら、それはずうずうしいねぇ」

それを聞いた○ちゃんは、「本当に、それはずうずうしいわぁ」とうなずきました。

子どもたちは、ハムスターのために、お家と幼稚園と学校と公園を作っていました。

写真は、トイレ。

最初に、◇ちゃんが、「はい、トイレ」と丸い輪の形の積み木を置いたので、

ハムスターに「プンプン。このトイレ。何だか嫌になっちゃうわ。だって、お外が丸見えなんだもの。

わたしの目から見るとお外が丸見えってことは、ほかのハムスターたちから

わたしはどんな風に見えているの?」と言うと、

「トイレをしているところが丸見えだよ。恥ずかしいじゃんか。」と言いながら◆くんが

あわてて周囲をブロックで囲い、「出れないよ。ドアがないからね」と言って笑いました。

 

子どもたちに、ハムスターで遊びながらいろいろな疑問を投げかけると、

それは面白そうに解決してくれました。

「ねぇ、少しってどういう意味?」とたずねると、

☆ちゃんが、おもちゃのグラスを手に取って、「少しって言うのは、このコップだと、

この底の方にちょっとだけあるってことよ」と説明しました。

そこで、「それなら、☆ちゃんのすいとうだとどれくらいのこと?」と

意地悪な質問をしてみました。

☆ちゃんはすいとうのコップを指して、「わたしが飲むときの少しは、すいとうのコップのこのくらい」と少しの量を示し、

「でも、ハムスターちゃんの少しは、わたしのすいとうのコップだと、ポチっとお茶がひっついているくらいよ」

と答えました。

それを聞いていた○ちゃんも、「少しは、最初にどれくらいだったかってことで、ちがうよ。

ちょっとだけとか、たくさんとかは、そのとき、最初にこれかなーあれかなーっていう

物がちがってたらちがうもん。」と付け加えました。

他の子らも、言葉の概念にとても敏感になる時期らしく

「水の中の生き物と言うのと、魚というのはどのようにちがうのか、

わにと人間はどこがどのようにちがうのか、

昨日と明日はどこがちがうのか」などを、ハムスターたちと真剣に意見を交わしていました。

 


歴史カルタと算数の問題で、大いに盛り上がる

2018-01-15 18:36:28 | 通常レッスン

 

最近の虹色教室は、意外なもので盛り上がっています。

ひとつは、地理歴史カルタ。

『小学生のための歴史地図ドリル』の付録で、いかにも地味でおもしろくなさそうな

カードなんですが……。

そして、案の定、一目見たとたん、「そんなのやりたくなーい」「えーカルタ~?」とブーイングが出るのに、

始めるや否や、どの子もあまりに夢中になるので圧倒されるほどです。

 

取り合うカードの裏には、日本全国の都道府県の地図が描かれています。

カルタだけだと、素早く取る子ばかりが勝つ上、面白みに欠けるので、取ったカードの

ご当地キティーちゃんを見つけたら、ゲットできる(ゲーム上で)というルールを加えて

遊んでいます。

 

戦利品の数々。伊達政宗キティーがかわいいです。

東京都や群馬のご当地キティーが混ざっています。どれかわかりますか?

教室で最近、盛り上がっている意外なもののもうひとつは、算数の難問です。

ひとりでは絶対お手上げというレベルの最終問題を、全員で知恵をしぼって、

「ああでもない」「こうでもない」と大騒ぎして解くのが

楽しい様子。

うれしかったのは、3年生のAちゃんのお母さんから、

「前回のレッスンは、自分がどうしてもやりたいと思った工作ができてすごく楽しかった

ようです。でも、Aは最後にした算数の難問を解いたのが一番面白かった

と言っていたのでびっくりしました。」という連絡をいただいたことです。

Aちゃんはこの2年ほど、物つくりをしながら、自分の考えたことやアイデア、気づいたことなどを

言葉にするのがすごく楽しんでいる様子でした。

最近になって、話す内容が抽象的になり、気づくレベルが上がってきたな、と感じたところだったので、

お母さんの報告はとても納得できるものでした。

 

 

もうひとつ、教室で流行っているのは、読書自慢です。

写真は、3年生のBくんお勧めの星新一のショートショートです。

Bくんは本が大好きな男の子です。

「先生、ぼくが将来なりたいものわかる?あててみて!」と言うので、

「えっ?もしかして、わたしと同じ夢?将来のライバルとか?いっとくけど、年を取ってもまだ将来はあるからね。

作家になりたいの?」とたずねると、

すごく自信ありげな不敵な笑みを浮かべて、「まぁ、それも、なりたいもののひとつ。それから?」

と言われました。


子どもの興味を深めるために

2018-01-14 22:12:04 | 通常レッスン

なつかしい記事を紹介します。この時、年長だった★くんは、もう高学年になります。

算数が得意な思慮深い子に育っています。

ひとりひとりの子の成長は魅力的で誇らしいです。

 

年長さんの★くんに、「今日は何がしたい?」とたずねると、

「ゴミ処理場が作りたい」と即答。

ゴミ処理場の見学に行ったそうです。

教室では、ゴミ収集車のおもちゃが2,3歳児さんたちの間で大人気で、

毎回、取り合いになっているのですが、

ゴミ処理場が作りたいと言ったのは、★くんが初めてです。

ネットでゴミ処理場のしくみを調べて、さっそく処理場作り。

処理場に到着したゴミは、ゴミピットという1週間分のゴミを溜める

場所におろされるそうです。

おろすシーンを作るために、高い位置にゴミ収集車が入っている場所を作っています。

小さめのドミノをゴミにしています。

ゴミクレーンは、空き箱で作りました。

引っぱると開くしくみです。

★くんが焼却場の雰囲気を出すために

プラズマボールを取ってきました。

手前のホースがついたものは、有毒ガスの除去装置のつもりです。

算数の時間は、しっかり集中して取り組めていました。