虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

今年の最終レッスン

2015-12-30 19:42:53 | 通常レッスン

海外に引っ越した小4のAくんと年中のBくんの兄弟が

久しぶりに教室に来てくれました。

教室に着くなり、「お金!お金!札!札!」と、子ども銀行の札束が入った引き出しに

直行したAくん。あっという間に、デュプロでATMの機械を作っていました。

 

レバーを引くと下にある穴からお札が出てきてびっくり。

 

仕掛けを見ると、レバーの先につけたブロックが

紙のレールの上に置かれたお札を押しだす仕組みになっていました。

Aくん、さすが!!

算数タイムには、4年生のトップクラス問題集のまとめテストをしました。

それがAくん……教室に通っていた去年までは

ミスが起こらないように整理しながら解いたり、

きちんと式を立てて解いたりしていたのに、

今回のテストでは、面倒だから……と適当に数字だけいじって解いていました。

その結果、ミスを連発してしまったのですが、

やり直しをすると、どれも自力で解けていました。

「Aくん、新しい生活に適応するだけで精いっぱいかもしれないけど、

面倒くささに負けずに、計算途中でも、間違えないように単位を書くことと

長い文章はメモを取って整理しながら解いてね。式もきちんと書くこと」

と注意すると、かなり反省していたようでした。

とはいえ、算数の勉強が終わったとたん、先ほどまでの反省してしゅんとした表情は

どこへやら。年中の弟くんと自作のATMで遊んではしゃぎまわっていました。

 

工作上手のBくん。

ラップの芯にアルミ箔を巻いてロケットを作りました。

ロケットの操縦席にガチャポンの空容器を使っています。

 

宇宙飛行士をエレベーターで操縦席に乗り込ませてから、

ロケットの上部(接続部分にガチャポン容器の片方がついています。

 

ガチャポンの容器はねじのように回してつなげるタイプで、かなりしっかり接続できます。

 

「5,4,3,2,1……発射!!」

 


シングルフォーカスに陥ったり、注意散漫になったりする子に教えるコツ

2015-12-30 10:13:26 | 算数

シングルフォーカスについて、

しょっちゅう思考停止に陥る自閉圏の子への対応法

で取り上げさせていただきました。

 

自閉圏の子ではないけれど、シングルフォーカスの特徴を持っていて

学習のつまずきの原因になっている子たちがいます。

 

小学2年生の★くん。

知力は高いけれど、シングルフォーカスに陥ったり、注意散漫になったりする

「できる時」と「できない時」の開きが大きい子です。

 

理解力や創造力が高い反面、細部の一点に集中しはじめると、全体が見えなくなったり、

頭が切り替えられなくなるという欠点を持っています。

勉強以外の遊びや生活の場面でも、何かをしている途中で、

ひとつでも気にかかるものが現れると、最初の目的を忘れがちです。

また、気が乗らない作業をしているときは、注意散漫になって上の空になりがちです。

学校のテスト中も、適当に読み飛ばしてミスを連発することが多々あるようです。

 

教室では、まず次のような問題を解いてもらいました。

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①よこの 長さが たての 長さの 6ばいよりも 2㎝長い

長方形が あります。

たての長さが 4㎝と すると、

この長方形の まわりの 長さは、

何㎝になりますか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★くんが困っているようだったので、ヒントの代わりに、

★くんの中から答えを引き出すような質問をしてみることにしました。

 

「★くん、何の話だった?」とたずねると、

「長方形」と答えます。

 

その絵を描いてもらいます。(★くんの答案はえんぴつの線が見ずらかったので、

写真は私が同様の図を描きなおしたものです)

 

次に、「長さが出ているけれど、比べるものはあるの?」とたずねると、

「たてとよこ」と答えると、次のような線分図を描きました。

 

「★くん、6ばいってどういうこと?」とたずねると、指でたての幅を作って、

6回それをつなぐ真似をします。

 

ここまできて、★くんは、この問題を解いていくだけの力がありそうなことは

わかりました。

 

ただ、困ったことに一度問題に目を通すものの解きはじめた後につまずいても、

自分の頭から何かを絞りだそうとするように目を宙に向けて首をかしげるばかりで、

決して問題を見直そうとしません。

 

「比べるならどのようにちがうのか、問題をきちんと見て」と言うと、

このように描くことができました。

(本当は最後につけた2㎝を、途方もなく長くかいていたのですが、

それでもだいたいのところは写真のように正しく描けていました)

 

★くんに、「よこの長さはどれくらいになると思う?」とたずねると、

「えっ5センチ?ちがうかな10センチかな?」などと、

またも宙を見ながら、首をかしげて答えます。

 

「★くん、何を見て考えればいいんだった?」とたずねると、

「ああ、そうだった」と自分が描いた線分図を見て、

4~8~12……24と2で26㎝!」とちゃんと答えます。

そして、さっさと答え欄に26㎝と書きこんでしまったので、

「何が質問されていたのか間違えないためには、どうすればいいの?」とたずねると、

「問題の最後のとこを読む」と言います。

 

「そう、読んで」

「あっ、まわりの長さだったから、26+26+4+4=60 答え60㎝だ」と

正しい解答を出すことができました。

 

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★くんタイプの子が問題が解けなくて困っているとき、

問題の意味がわかっていないのだと思って、解き方を説明しても、

いっこうにできるようにならない場合があります。

 

知力はあるのに、シングルフォーカスに陥りがちだったり、

注意散漫だったりして解けなくなる子には、

 

何を考えていたのかわからなくなって混乱した時に、

自分に投げかけるといいシンプルな質問を教えておいてあげると、

ボーっとなりそうになるところに心の中で自分で自分に質問を投げかけて、

夢から覚めたように続きを解いていくことができるようになる場合があります。

 

また、どのようなところに注目したらいいか、目の使い方も教えます。

 

こうした子は「問題の意味がわからない」のではなくて、

よそ見をして解いているときに、

どのタイミングで問題を読み返したらいいのかコツがつかめないのです。

 また、うろ覚えの内容について読み返すことの大切さがわかっていないのです。

 

どちらも身体の使い方の問題です。

 

「うろ覚えでも見直さなくてもいいや。間違えてもいいや」と

適当に構えている子に懇切丁寧に解き方を説明していると

「どうせ言ってもらえるからいいや」とますます依存的になって、

他人事のように勉強をするようになりがちです。

 

こうしたタイプの子は、とても頭が良い子でも、算数の問題を解いている最中に、

自分が何をしているのだったか忘れていることがあります。

 

何か、心を奪われた一点で頭が占められて、ぼんやりしたまま

元の状態に戻れないのです。

 

たとえば、問題にザーッと目を通した瞬間、難しそうな言葉があったりすると、

そこに気を取られて、次に何をしたらよいのかわからなくなってしまうのです。

 

おそらく、前回までの記事で紹介した「筋肉豆腐」の問題も、

「タンパク質なんて難しそうな言葉にぶつかって、そのまま白昼夢の世界へ

飛んでいってしまった子もけっこういたのでは?」と想像しています。

 

そこで、子どもには、問題を読むとき、「何の話だったのか?」という急所を

シンプルな一言で表すように教えています。

 

「おりがみの話」「長方形の話」「列で並んでいる話」などいろいろあるはずです。

 それを絵にしてみます。

 

子どもがひとりで問題を読むときも、何を読んでいるのかを忘れてしまわないために

「何が出てくる?」という最初の問いを心に持って、

問題を読んでいくようにして、絵を描いてみると、解きはじめでつまずきは

減ってきます。

シングルフォーカスに陥ったり、注意散漫になったりする子の親御さんは、

ついつい、子どもが次にすることを指示しがちです。

 

ひとつのことをやり終える前に

好き勝手なことをしはじめたり、一点を見つめたままボーツとしていたりしますから、

「~しなさい」と言いたくなる気持ちはわかります。

 でも、そうすればするほど、

「自分の頭で記憶しておかなくても誰かが声をかけてくれるからいいや」と、

気楽に過ごすようになるし、実際には子どもの困り感は増していっているはずです。

 そこで、「○○しなさい」と指示しそうになるところを、

「こういう場合は、何をするんだった?」という質問に変えてみます。

 

今回は、算数の文章題ですから、

「もう一度、問題を読みなおしなさい」と言いそうになるシーンで、

「途中で、どんな問題だったかわからなくなってきたとき、

どうすればいいんだった?」とか、

「数があやふやなとき、何をすればいいんだった?」といった質問をするといいですね。

 

そうした質問にスムーズに答えられるようなら、

「算数の文章題を解くときに、どんなことと、どんなことと、どんなことに注意すると

いいんだった?最後に答えを間違わないために気をつけることは何だった?」

といった全体の流れを問う質問もしてみます。

 

質問の内容は、その子の解いているレベルとつまずきに合わせた上で、

「どんな文章題にも通じるようなシンプルな質問」にします。

 そうして、何をしていたのかわからなくなった時に、

最初にしていたことに戻るための方法を教えてあげます。

 

こうした練習は、簡単に身につくものではありません。

 でも1~2年かけるつもりで根気よく教えていくと、知力がきちんと成績に

結びつきにくかった子たちも見違えるようにしっかりしてくるはずですよ。

 

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 <「筋肉豆腐」の問題についての話題> 

e-子育て.comスタッフブログ~子育て、教育のヒントをお届け~

の羊さんが、算数「筋肉豆腐」問題の不思議 という記事のなかで、

とても恐ろしい現象を指摘しておられました。

ごくシンプルな逆算の問題を、小学4年生の子らに解かせたところ、

11人中2人しか正解しなかったそうです。

羊さんは「とても根深い問題を含んでいる現象ではないか?」

「学校での算数教育に何らかの欠陥があるとしか思えないのです。

つまり構造的な問題として捉えなおす必要があるのではないか?」と

問題提起しておられます。

わたしも見過ごすわけにはいかない大きな問題だと感じています。

 

では、どのような能力を磨くと、こうした問題が解けるようになるのでしょう?

そこで虹色教室で算数を教えるときに子どもに身につけていってもらっている

算数の文章題を考えるためのワザをいくつか紹介しますね。

 

<ワザ1>算数の文章題は国語の文章のように読まないこと

算数の文章題がちんぷんかんぷんになる原因は、文字を読んでいる最中に、

国語の文章を読むように読んでしまっているということがあります。

「同じ日本語なのに算数と国語で違う読み方するって、どういうこと?」

と思うかもしれませんね。

算数の文章題を読むときというのは「物語を読むように字を追っていく」のではなくて、

「お料理の手順を頭に入れるように」読む、

「工作の制作手順を考えるように」読む、

「おてだまやおはじきなどの遊びのルールを頭に入れるように」読むと

いいかもしれません。

たとえば、運動会の障害物競争で、

①最初にハードルを越えて

②次に網をくぐって

③最後に大玉を転がす

という3つの項目がセットになった競技があるとします。

その説明を聞くときに、物語を聞くような調子でたらたらと耳に入れていると、

「えっ?ハードルの下をくぐって、玉を網にもぐらせるんだっけ?

えっ?いったい何すればいいの?」とすべてがごちゃごちゃになって

わけがわからなくなるかもしれません。

 

算数の文章題と、この運動会の障害物競争の説明が似ているところは、

まず、映像のイメージで、

①ハードル②網③大玉

の3つんのパーツが、この順序で行われるんだなということをつかむことです。

最初から、「大きな流れはいくつで、その内容は何と何と何?」ということを

知ろうとする心で向き合うことです。

とにかく読めばいい、とにかく聞けばいいという態度では誰しも、

そんなにワーキングメモリーが大きくありませんから、

ごちゃごちゃになってしまうのは仕方がないのです。

幼いときに、「あーぶくたった」や「花いちもんめ」や「おてだま」や「工作」などに

たっぷり親しむと、身体全体で、物事の進行や物の交換やパーツに分けて取り組むと

いったことがわかってくるはずです。

(もう少し具体的な体験について知りたい方は、このブログの左上の

『虹色オンライン教材 学ぶことが好きになる工作遊び』のもくじやサンプルなどを

参考にしていただくといいかもしれません。

遊びや工作のなかで、思考する力が身に着くような工夫の仕方を紹介しています)

 

先日、小学2年生のレッスンで解いた算数の文章題を例に挙げて、

算数の文章題の読み方をマスターしていただきますね。

 

 

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下のようなゲームの板があります。

(スタート-①ー②ー③ー④ー⑤ー⑥ー⑦ー⑧ー⑨ー⑩ー⑪ー⑫ー⑬ー⑭ー⑮ー⑯

ー⑰ー⑱ー⑲ー(ゴール)

サイコロをふって、出た目の数だけ進んで行きますが、

止まったところの数と、その前と後ろの数の合計が点数になります。

(れい)さいころの目  3    2+3+4=9 9点

 

① はじめに5が出たら、何点もらえますか。

② さいころを4回ふると、5→3→1→6と出ました。

もらった点数は、全部で何点になりますか。

③ ②のとき、あといくつ出すと、ちょうどゴールにたどりつきますか。

④あるところに止まったら、42点もらえました。どこに止まったのですか。

                    (小学3年『最レベ問題集』より)

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この問題では、大きな流れとして、サイコロを振って出た目の数だけ

進んで行くという作業があります。

②の問題でしたら、4回ふって、5→3→1→6と出たのであれば、

5のところ、8のところ、9のところ、15のところでとまったことになります。

 

もし、小学生の子が、そこまででつまずきがあるなら、日常の生活や遊びで

あまりに自分の頭で考えて主体的に生活していなかったり、

自由遊びや親子の会話が少ないのかもしれません。

取りあえず、そうして大きな枠で流れをつかむところまでできたら、

ひとつひとつの問題を解決します。

 

5のところでは、4+5+6=15  8のところでは、7+8+9=24

というように、それぞれの計算をします。

最後に、それぞれ計算して出した数を足したらおしまいです。

 

こうした流れは、にんじんをスライス、じゃがいもは皮をむいてゆでる、

たまねぎはみじん切りにして、それらを鍋に入れて……といった調理の手順と

同じようなものです。

まず作業を、①にんじん②じゃがいも③たまねぎに分けて、

それぞれに調理をほどこして、さいごにそれらをまとめて料理をしていく

という手順です。

 

子どもが自由遊びや生活に自分で取り組んでおらず、いつも大人の指示を受けては

部分部分に関わっていると、こうした大きな流れをつかむことがとても難しくなります。

字は読めるのに、算数の文章題がさっぱり頭に入らないという

事態になるかもしれません。

 

算数の文章題を考えるためのワザの続きです。

<ワザ2> 2本の線を比べるのが上手になる

 

   

「線分図の勉強」などと小難しく考えずに、まず、

棒と棒を比べる、ひもとひもを比べるという作業に強くなることで、

自然に算数が得意になっていくし、

中学入試の算数問題を楽しむことができるようになります。

 

(初級レベル1)

何か比べたいふたつの値を線にして並べることができる。

スタート地点がそろっていればOK。

たとえば、おにいちゃんのおこづかい20円とおとうとのおこづかい10円など。

子どもと比べたら面白そうなものをいろいろ言い合って、線で比べることを楽しむ。

 

(初級レベル2)

線を比べたとき、一方の線より長い部分にしるしを入れたり、

線に数値を書きこんだりできるようになる。

 

(中級レベル1)

2倍、3倍といった線が書けるようになる。

(中級レベル2)2倍、3倍などの線より、少し少ない、少し多い場合の線が書ける。

 

線で表すことに慣れると、長方形の周囲の長さや、

割合、速さ、中学入試に必要なさまざまな文章題などが、

鉛筆で線をスーッと書くだけの作業でスッキリ解けるようになります。

 

線の書き方を教えて丸暗記させるのではなくて、

「どんな概念も、もし線で表してみたらどうなるかな?」という遊び心で

線分図を自由自在に使える便利な道具にしてしまうことが大事だと思います。

頭が柔軟な幼児や小学生から、シンプルな線からさまざまなイメージを紡ぎだしながら

おしゃべりする(これはだんご虫さんがあるいた距離、これは私の背の高さで

これは妹の背の高さ、これは地球から月までまっすぐ線を引いたときの長さなど)

といいかと思います。

 

1本の線にめもりを入れると、複雑な文章題が面白い算数クイズになります。

また、1本の線を分ける線をいろいろいれてみることで、

中学入試用の図形問題がわかるようになります。

 

線分図を、「こういう文章題を解くときの方法」として学ぶのではなく、

頭の使い方のひとつとして、どんなときも便利に使えるようにしておくと、

どう取りかかったらいいか見当もつかないというような問題も、

「それなら、まずこの数を線にしてみて……」とらくがきする要領で取りかかれますよ。

そのためには、教えるときに、

それが自由自在に扱えるようになるまで、問題を正解させることを急がないことが

大事だと思っています。

竹馬とかけん玉に親しむときのように、

楽しみながら、ゆっくり身につけていくことが大事です。

また、算数の問題のイメージを自由にイラストにすることも大切なので、

何でも線にさせることを無理強いせずに、とにかく読んだものを手を使って

目で見て考えられる何かにすることができるように導きます。

 

<ワザ3> 四角に強くなる(たいていのことを四角で表現できるようになる)

  

何かの量を表す時、

「四角い形を描いてみて、そのどのくらいにあたるのか?」描いてみる習慣があると、

分数でも小数でも割合でも、「コップにこれくらいジュースを入れて」とお願いしたり、

「えー○子(妹)がひとりでおみやげのおまんじゅう、こんなに食べたの?」と

おみやげの箱を開けてぶつぶつ言うような感覚で、

かなり複雑な算数も解けるようになります。

 

四角い形は、縦と横があるので、かけ算がらみの問題は

どんなややこしいものでも、とてもシンプルな四角でイメージして考えていくことができます。

下の写真は、つるかめ算ですが、

ユースホステルでのレッスンでは小学2年生の子たちに算数パズルの要領で

遊んでもらったものです。

かけ算さえできるようになっていたら、小学校低学年の子でも和差算や分配算や

つるかめ算をこうして四角であらわして解いていくことは易しいです。

(でも、それまでに工作体験の少ない場合は、ちょっと難しいかもしれません。

スポーツの世界でも、外で身体を動かしたことがなくて、

ふだんテレビの前で座ったままという子にいきなりワザを教えようとしても

難しいですよね。それと同じで、紙箱にストローを貼りつけたレベルの工作にでも

親しんだ経験があるかないかで、こうしたイメージを身につける力に大きな差が

でるように感じています。)

 

 <ワザ4> わからない数をわからないままで、とりあえず線や四角で描いてみる

慣れれば幼児でもできるけれど、頭が固いと小学校高学年の子も中学生の子も

どうしてもできないことです。

 

  

これまで紹介した1~4の算数の文章題を考えるためのワザ以外にも

紹介したいワザはあるのですが、今回はこれくらいにしておいて、

問題提起のきっかけになった「筋肉豆腐」の問題を、

こうしたワザを使って解いてみることにしますね。

<ワザ1>はすべての算数問題に通じる基本なので、どの解き方でも大事です。

 

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食べると筋肉がつくという筋肉豆腐があります。

食べるとその重さの半分がタンパク質に変わり、

そのタンパク質の半分が筋肉として身につくことがわかりました。

では100gの筋肉をつけようとしたら、この豆腐を何グラム食べたら良いでしょうか。

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それでは<ワザ4>と<ワザ2>を使った解き方で♪

 ここに登場するのは、

「とうふ」で、扱っているのは「重さ」だとわかっておく必要があります。

筋肉豆腐の重さを線であらわすと、わからないある数を線にすると、

こんな感じ?でしょうか。

 

へんてこりんな筋肉なんとか「とうふ」の半分が、

タンパク質に変わるというのですから、半分に切ってみますね。↓こんな感じ。

 

そのタンパク質の半分が、筋肉として身につくというわけですから、

腕を曲げて筋肉ってここにモリッとつくもんだな~とイメージしてみます。

 

この話、要はスーパーで豆腐のパックを買ってきて、

そのうち、これくらいが腕のここにペタッと貼りつくんだな~とイメージするような話。

 

子どもたちに、「じゃあ、筋肉にならなかった分はどうなるわけ?」とたずねれば、

「あーおしっこと、う○○になるんだ、これだけ分が~」と、

そういう話の流れになったとたん、子どもというのは、

突然、頭が冴え?てくる方々ですね……

それはともかく、目にしているのは、写真のような1本の線でも、

イメージの世界では、いろんなものに見えてくることが、とっても大事なのです。

 

虹色教室では、子どもたちと工作やブロックで遊ぶ時間をいつも作っているのは、

ティッシュの空き箱がロボットの足にもロケットにも家にも船にも動物園にも

見えてくるようなイメージ力、

ブロックのピースが道路にもバナナにも世界遺産の一部にも、象のお尻にも

見えてくるようなイメージ力を育むためのものなのです。

見栄えのいい作品を作る力をつけなくても、

「ママ、レジのピッとなるところ作って~」という力が着くだけでもいいのです。

 

 

そんな風にイメージする力があれば、線のここからここまでが「とうふ」

その半分が「タンパク質」

その半分が「筋肉」……それが欲しくて食べていたんですね。

それが100グラムだというのですから、

「筋肉豆腐」がどの部分かわかれば400グラムなのはすぐにわかりますね。

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<ワザ4>と<ワザ3>で解く場合

筋肉豆腐をまず四角で描いてみて、それを半分に切って、さらに半分に切って、

数字を入れたら、答えがわかるという流れになります。

 

 

   

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ひとつひとつの問題については、

解き方を教えるのも、教わるのも簡単……なのに、

やっぱり次の問題では解けない……という子もいるのです。

 

そうした子たちへの教え方については、またの機会に書かせていただきますね。

  


ブログで見たおもちゃや教具を購入する際に

2015-12-29 22:59:02 | 日々思うこと 雑感

教室で使っているおもちゃの紹介をするたびに心に引っかかっていることがあります。

写真だと、ひとつひとつのおもちゃにどれくらいの頻度で、どのように関わっているのか

伝わりにくいです。

どうしても完成度の高い魅力的なおもちゃが目を引くと思うのですが、

実際には大人の購買意欲をそそるようなおもちゃは遊び方が限られているので、

教室では、数への気づきをうながしたり、気分転換をする目的で、

短い時間しか遊んでいないことが多いのです。

 

虹色教室ではいつも、最初に好きなおもちゃを選んで自由に遊んでいい時間を

設けています。

「こういうことがしたい」「これはいや」と自分の要求や気持ちを言葉にしたり、

いくつかある中から選んだり、何からするか判断したり、

「自分はこういうものが好きなんだな」と理解したりすることを大切に感じているからです。

また、子どもが何を選んで、どのように関わっているかを見ることで、

その子の今の関心や発達の段階をこちらが把握しておいて、

その日の遊びや学習に活かすようにしています。

 

教室にはいただきものなどで、最初からできあがっている電池で動くおもちゃや

キャラクターもののおもちゃなども置いています。

子どもがそれに興味を抱いた時には、「それと同じものを作ってみようか」

「どうしてそんな風に動くのかな、調べてみる?」と誘って、

物作りや実験のきっかけに利用しています。

創造性を刺激するための触れる見本として使っているのです。

 

それほど厳密なものではないのですが、

自由な時間の後は、ブロックや紙や空き箱を使って創造的に遊ぶ時間としています。

子どもと過ごす時間の比率でいうと、これが一番長いです。

ブロックのようにシンプルなおもちゃは、想像したり、考えたり、問題を解決したりする

場面が無限にありますから。

紙や箱相手だと、子どもが遊びの中で自分の頭や手を使う範囲はさらにくなります。

それだけ遊びから得るものも満足も大きくなります。

そうした創造的な遊びが一段落したら、ボードゲームやカードゲームをしたり、

実験をしたりして遊んでいます。

 

おもちゃそのものが魅力的で完結していると、たいてい、子どもの想像力や

思考力を使う部分はほとんどないものです。

 

算数の教具として使用するとしたら、それはそれで使い勝手がいいこともあるのですが、

もともと遊び込む体験が少ない子、つまりごっこ遊びや創造的な遊びを自分で

膨らましていく力が弱い子に、できあがったおもちゃや知育玩具(パズル等)を

おもちゃとして与えるのは、子どもの伸びていく可能性を狭めるようで心配しています。

 

写真は3歳8ヶ月の★くんのブロック遊びの様子です。

★くんはブロックの線路をつないで、とてもうれしそうにしていました。

というのも、以前は線路と線路をつなぐのがやっとだったのですが、

線路の裏にブロックをつけて、高架にすることができるようになったからのようです。

 

線路がつながって大満足の★くんは、「駅がいるよ」と言って、

基礎版を線路の脇に置いてから、

「エスカレーターが作りたい」と言って、階段状にブロックをつなぎました。

 

ブロック用のテーブルまでエレベーターをつなぎたかったようなのですが、

あまり長くなると崩れてしまいますから、途中で中二階を作ってあげました。

それを見て、大満足の★くん。いっしょに図鑑を見ながら駅を作っている時、

★くんが電光掲示板に強い興味を示しました。

 

そこで、文字がくるくる回って変化する電光掲示板の見本を作ってあげると、

自分でも作り始めました。

 

ところが★くんの作った輪っかが大きすぎて、

うまく取りつけることふができませんでした。

 

そこで、ブロックを太く大きくして、落ちないようにでっぱりを作って

あげると、感激していました。

「○○ようちえんはおやすみです」と掲示板で訴えているそうです。

 

子どもにすると、どんなにすばらしいおもちゃよりも、

「自分の心にヒットしたこと」

「自分ができるようになったこと」

「自分が考えたこと」の方が魅力があるのです。

 

★くんは、その後もひたすら電光掲示板を作り続け、

自分が書ける「し」と「も」を駆使して、

「○○~って書いてある!」と自分流に読んで遊んでいました。

 

 

★くんは、今、数にとても敏感な時期にあります。

でもそうした数への理解は、数を学ぶために作られた教具で遊ぶ時よりも、

自由度の高い遊びの場面で、自分の「こんな風にしたい」が思う存分満たされた時に

深まることが多いです。

 

★くんにしても、お気に入りの列車の車庫を作っていた時に、

「列車を全部、車庫に入れたい!」と思い

必死になって車庫を作っていって、基礎板が足りなくても、

「もっといる!下の板のところ、もう1枚、いるよ!もう一枚!」

と必死に懇願している時に、強く数を意識していたのです。

 

 

あちらとこちらでバラバラに作っていた作品をどうしてもつなげたくて、

板を坂にして接続していました。

その後、写真下のビルのような作品を設置して、「富士山だよ」と言っていました。

 

 


「地球の周りを公転する月」のコマを作りました

2015-12-29 18:11:18 | 連絡事項

録画用のDVD-Rに傷の防止のためについている透明の丸いプレート。

年長の子たちと、これを使って

「地球とその周りを公転している月」のコマを作りました。

 

アルミ箔を丸めて地球と月を作ります。丸めたアルミ箔は

厚紙やいらない下敷きなどでこすると金属のような塊になります。

地球は中心の穴にはめ、月ははさみで切って

両面テープで貼ると、できあがり。

 

時間のある時に太陽の周りを回る惑星のコマも作ってみたいです。


「やらなきゃいけないことを、さっさとやる」ができない子 必要最低限のことをやってほしい

2015-12-29 09:26:27 | 日々思うこと 雑感

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障害ではなく個性なのだとわかっていても、

宿題をさせたり、遅刻させないだけで、毎日が修羅場。

わが子の良さはわかっているけれど、必要最低限のルールだけは守っほしいし、

「やらなきゃいけないことならばさっさとやる」ということを、

いつになったら分かってくれるのか……心が折れそうです。
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という悩みをうかがうことがあります。

修羅場となっている現状から抜け出し、子どもが自分の問題に、

自分で向き合っていくようになるには、どうすればよいのでしょう?

いったん、これまでの経緯と今の様子と、今後の可能性を整理して考えてみると

良いかもしれません。

上の悩みを打ち明けてくださった方によると、

お子さんは園で何度か先生から指摘を受けて、発達検査を二度受け、

発達障害はないと診断されたそうです。

ここで大事なのは、子どもさんの気がかりを、

たくさんの子どもの世話をしている園の先生も指摘しているという点です。

つまり、この子に必要最低限のことをさせることは、

保育や幼児教育のプロにとっても困惑するものだったはずなのです。

ですから、この子に必要最低限のことをさせるだけでヘトヘトになっている

親御さんというのは、一般的な親御さんより神経質なわけでも、

子どもに過剰に期待しているわけでも、しつけが下手なわけでもないことがわかります。

そのことを、親御さん自身が納得して、それでも子育ての責任を果たしている自分を

ねぎらってあげる必要があると思うのです。

発達検査を二度受けて、発達障害ではないと診断されたとすれば、

ゆっくり成長している部分はあったとしても、それは時間の問題であって、

いずれできるようになっていく希望は大きいです。

検査をして明らかなハンディーキャップがなかったということですから、

気持ちを切り替えることの難しさや、不器用さからくる作業の遅さや、

嫌なことを後回しにしようとする態度や、

時間にルーズで動作が鈍かったりするところは、一朝一夕には直らないけれど、

本人が自分で自覚して直していかなくてはならないところです。

同じ親御さんが、次のようなエピソードをつけくわえておられました。

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それでも、入学と同時に一番問題が少なくて簡単そうな通信教育を始めて、

そちらは週3回ほどやっていますがそれなりに楽しそうに取り組んでいます。

知らない間に理解力もついていました。

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このエピソードからわかるのは、ゆっくりではあるものの、

できることはがんばっていこうという前向きな努力はする子だということです。

でも、できないことがある……ということです。

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必要最低限のルールだけは守っほしいし、

「やらなきゃいけないことならばさっさとやる」ということを、

いつになったら分かってくれるのか……
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と親御さんが、子どもの愚図ぶりにやきもきするとき、

親御さんの外の人間から、「親が、最低限のことを子どもにきちんとやらせてほしい。

ちゃんとした親をしてほしい」と期待されると苦しくなることと思います。

もし、学校から帰宅するなり、ランドセルから連絡帳と宿題を取り出して、

テキパキとすることを済ませ、ついでに明日の時間割まで合わせてしまって、

「宿題は少ないから、お家のワークもしたいな」と言うような子を育てているとすれば、

誰だって楽して立派な親になれるわけです。

そうでないから、毎日、苦労をしても、苦労をしても、

報われなくて、親としての自信がぐらつくのですから。

でも、この状況は、子どもの側にも言えることなのです。

「やらなきゃいけないことならばさっさとやる」ことを心地よく感じて、

集中することが苦にならないような脳に生まれて、手先も器用で、テキパキ動ける体に

生まれたならば、自分から進んで、するべきことをこなしているはずですから。

「あぁ、割にあわない……」と感じても、

自分の身体も脳も取り替えることは不可能ですから、思い通りにならない身体や脳を

持って生まれても、それを受け入れて、がんばっていくしかありません。

 

宿題の塗り絵をグズグズするようなとき、

「これくらいのことができない」と冷たく突き放すのではなく、

塗り絵くらいは少し手伝ってあげて、そうした温かい雰囲気の中で、ほんの少しだけでも

成長した部分を見つけていっしょに喜び合っていると、

子どもの側も、小さな進歩に気がつくようになって、

自分を励ましてがんばれるようになっていけるかもしれません。

苦しい努力をしている子を攻撃しても、0か100かの捉え方になって、

全てを投げ出してしまうのがオチですから。

イヤイヤやっている子には、嫌な作業の中にも、小さな楽しみや進歩の喜びや

面白いところがあることを、身近な大人が関わることで、

気づかせてあげることが大切だ思っています。


3歳児さんのひらめき と 自分で問題を解決した後の意欲

2015-12-29 08:54:01 | 通常レッスン

3歳児さんたちのグループレッスンで。

 

3歳6ヶ月の★くんが、ブロックの車を傾斜にした線路を滑らせて遊んでいました。

1台だけ滑らせると止まってしまうけれど、

数台つなげると気持ちよく滑っていくことに気づきました。

 

スタート地点を輪ゴムで止めておく仕組みを作り、

輪ゴムをはずすと同時に滑っていくようにすると、とても喜んでいました。

 

★くんはそうしたシンプルな仕組みが面白くてたまらない様子です。

その後、工作でストローを使ってパクパク口が開閉する仕組みの作り方を教えると、

2つ作って、お家でも作りたいから、こういう形の箱のお菓子を買ってほしいと

言っていました。

 

3歳の子たちは、自分のアイデアで問題を解決した時、本当にうれしそうな表情をします。

その後には、行動が自信に満ちてきて、積極的にさまざまなことに取り組もうとします。

 

今回、★くんが思いついたのはこんなアイデアです。

ブロックの隙間に、「宝物」と言って、キラキラした小物を隠したところ、

「そうだ!」とひらめいた★くん。

そこに1個のブロックで蓋をしました。

 

それだけといったら、それだけなんですが、3歳児さんたちにすると、これは大発見。

ブロックで蓋をして、宝物が本当に見えなくなったのを確認すると

小躍りするほど喜んでいました。

それからは、何をするにも意欲に満ちていました。

 

恐竜が潜んでいて、「ガオー」と飛び出してくる滝です。

隠れる、隠す……で、、いろいろ楽しみました。


火山の噴火 と 水の移しかえの問題。

2015-12-28 18:37:34 | 連絡事項

年長グループの女の子たちと火山を作って遊びました。

丸いお皿(おままごと用)で丸を描いて切り取ります。

中心点に向かって切り込みを入れて円錐形の山を作ります。

円錐の上の部分を切り抜いてからペットボトルのキャップを穴にテープで貼ります。

クエン酸と重曹と食紅と小麦粉を混ぜたものをペットボトルのキャップの中に入れたら

できあがり。

 

火山の頂上に水をたらすと、赤いマグマが噴出します。

子どもたちは大はしゃぎでした。

こんな真冬にも、子どもたちはビシャビシャベチャベチャドロドロした実験が

大好きです。火山の噴火遊びの後で、カタクリ粉の泥沼を作って、

指が吸い込まれていく感触を楽しみました。

 

「もう、そろそろやめようよ」とうながすも……

「もう少し……」「あと、ちょっとだけ」「もう一回だけ」と終わらせる気配なし。

 

教室で大人気の「偽ビール」を作る実験に誘って

ようやく火山遊びを終わらせることができました。

偽ビールは期限切れのコーヒーの粉を濾したものに、重曹とクエン酸で作った泡を

乗せて作っています。

これを作っている間中「お父さんが飲んだら大変だ。間違えて飲んじゃったら……!」

とキャーキャー大騒ぎ。

そうやって騒いだ挙句、見せる時点で、「飲んじゃダメだよ!これは、○○!!」と

教えています。

 

算数の時間に水を移しかえる問題を解きました。

「水を移しかえると、どの容器が一番みずが浅くなるか」という

問われ方をするとわかるのに、

「移しかえた時、棒が少しだけ濡れている(イラスト)のは、どの容器か」

という問われ方になると、わからない様子。

そこで、3種の容器と濡らすための紙の棒を用意して実際にやってみました。

「ああ、そうか」と納得すると、

次からはそうした少しひねった問題との関わり方が変化してきます。

頭の中でイメージを動かすことができるようになっていくようです。


100円グッズで、ミニロボット作り 

2015-12-28 15:56:36 | 工作 ワークショップ
100円グッズを使って、小さな動く工作を楽しむ方法を考えてみました。

ぜんまい仕掛けのおもちゃ(できればいらなくなったものがいいですね)
のネジをドライバーではずします。
高価なおもちゃは、ネジがドライバーではずせなくなっていますが、
100円グッズは簡単に改造できます。

取り出した『ぜんまい』のねじを巻いて動かすと、
立てて動かしても、横にして動かしても面白い動きをします。
動きを見ながら、何が作りたいか考えてみます。

写真のようなロボットの顔を作るだけでも動くおもちゃが作れます。

ネジをドライバーではずした後、ちょっと理科実験。
磁石でドライバーの先をこすると、ドライバーが磁石になるので、
ネジが引っ付きます。
こうしたささやかな実験を子どもはとても喜びます。
 
ロボットではなく、車を作るのも楽しいです。

ロボットの場合も、車の場合も、セロテープで輪を作って
簡単に接着するだけでOKです。

ぜんまいを立てて使う場合、
重心をとるために、おもりになる紙を
ロボットの顔の後ろに少し貼り付けたりして工夫してくださいね。

小さなえんぴつを貼り付けると、線を描きながら走る車のできあがり。

最初は、筆圧が弱すぎて、線が見えなかったり、
ふつうのえんぴつだと重くて、倒れてしまったりすると思います。
コンパス用の芯やえんぴつではどうか?
4Bなどのえんぴつの短いものではどうか?
紙を変えたらどうか?
など、思った通りの線が描けるようになるまでの
試行錯誤を楽しんでくださいね。
 
 

「遊んで育つ」というのは、基本的に普段の遊びのレベルが高い場合にいえる言葉

2015-12-28 09:02:14 | 連絡事項

KID´Sいわき・ぱふ代表、にほんこどもの発達研究所の岩城敏之氏が

『子どもの遊びをたかめる大人のかかわり』という著書のなかで、

「遊んで育つというのは、基本的には普段の遊びのレベルの高さです」

とおっしゃっています。

岩城氏はこんな例を挙げて説明しておられます。

 

大人が子どもたちに鶴の折り方を教えたとします。

上手な子はパパッと折って、下手な子は手伝ってもらいながら作ります。

もっと折りたいという子もいれば、もうこりごりという子もいるはずです。

 

そこで、もっと折りたいと思うときに折れる状況が大事で、折り紙コーナーが

きちんとあるという環境を設定します。

教わった折り紙が面白かった子は、そこに集まって自分たちでどんどん勝手に

遊びますし、もしひとりも集まらなかったとしたら、そこが幼稚園や保育園の場合、

教えていた先生だけが面白くて、子どもは先生が真剣だからお付き合いしていただけ

ということです。

 

それも悪くはないけど、遊んで育つという考え方からすると、

それは遊ばなかったということと同じ。

つまり技術も身についていないし、習熟しないということです。

 

岩城氏の文章を引用させていただくと、次のような遊びと育ちの関係があるのです。

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何回も何回も「もう一つ作ろう、もう一つ作ろう、こんなんも作ろう、

あんなんも作ってみよう」と思って遊んで、はじめて子どもは育つわけです。

遊んで育つということは、こういうくりかえしが大切です。

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たとえば、父の日に園でお父さんの絵を描くのはいいけれど、

普段から家族の絵を描いたり、ままごとコーナーにお父さんごっこがどれだけ

盛り上がるような仕掛けが置いてあるか、新聞とかたばことかお酒など……。

そういうことが本当の意味で子どもの成長を育む

「普段の遊びのレベルを上げる」ということだ、とおっしゃっているのです。