虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

お教室での問題児は優秀児?

2007-07-31 09:01:38 | 幼児教育の基本

今 乳幼児からスタートする
さまざまな方式の「お教室」が人気です。
それぞれ良い所があって 
虹色教室でも よく検討した上で
取り入れているものも たくさんあります。

けれど こうした「お教室」
幼いうちから通うには
たくさんリスクがあることを
知っておいたほうがいいでしょう。

乳幼児の時期というのは
触って 舐めて 押してみて 投げてみて
壊してみて 積んでみて
わがまま言ってみて 
力の限り泣いてみて
はじめて 経験値があがって
知能が 発達していきます。

だからこそ 大人の数倍の速度で発達し
言語もらくらく習得してしまうのです。

もし ミスを犯さないように
注意して行動する赤ちゃんがいたら
大人が話す「変な英語」のような
母国語をしゃべる子どもが急増するでしょう。

だから乳幼児向けの教室で
いつもと違う雰囲気に
好奇心をそそられて 動き回ったり
嫌がって泣いたりすることは
赤ちゃんならではの すばらしい学習態度なんですが
他の人への気遣いや つい他の子の様子と比べてしまう親心が
子どもの心に浸透して
子どもがその子らしく 個性的で賢い子に
育ちにくくしてしまうこともあるのです。

特に「●●メソッド」として
特別な方法をかかげている乳幼児用のお教室では
教育法に偏りがあるので
その方法に合う子にはいいのですが
その方法に合わない子…
他の方法ならものすごく伸びる子…
を早くから「できない子」として選別してしまう
場合が多いのです。

虹色教室でも ひとつのやり方を強く拒絶する子の方が
なんでも受け入れる子以上に
ある部分では すばらしい成果を上げることがよくあります。
「幼児が得意なこと」で
すべてゆっくりさんだった子が
「論理的思考を要求されること」なら 
すごく高い能力をしるすことも
よくあることです。

しかし 子どもは親の考え方を
言葉を介さずに 吸い込んでしまいますから
親が幼児教室になじめない子を
「ダメな子」と感じれば
子どもも自分を「ダメな子」と認識し
子どもの良い所が伸びなくなってしまいます。

そうしたことを よく理解して
「お教室」にチャレンジしてみること…
それなら親子にとって
何かいいものを もたらしてくれるかもしれません。


面積計算が 得意になる遊び

2007-07-29 06:43:53 | 算数

テトリスが面白いのって
本能的なものなのでしょうか?
凸凹したピースを
すきまなく埋めていくのって…
幼児もはまります。

「ブロックス]という このゲーム
本来は対戦型の難しいゲームですが
2歳の子から
「テトリス風」に遊んでいます。

子供が夢中になって ピースを置いている時に
「赤の面積と黄色の面積はどっちが広い?」
とたずねると
「赤」ときちんと答えてくれます。

とりあえず 数は数えられるけど
面積なんて言葉を 聞いたことのない子が…です。
子供は言葉の意味を直感的に推測する天才です。

日常の暮らしの中で 算数の用語も
自然に使っていくと
数学的なセンスがアップしますよ。


ポケモン ゲットだぜ

2007-07-27 20:12:04 | 算数

穴あき画用紙をかぶせて
穴から でてきた人形はゲットできます。

難しい問題も
これくらい大きなサイズにしてあげると
幼児も遊べる
おもちゃになりますよ。

先週の虹色教室では…

4歳のTくんは
穴の場所から ゲットできる人形を当てられました。

年長のNくんは
穴あき画用紙を裏向けたとき
ゲットできる人形を当てられました。

6歳のMちゃんは
90度回転させたらゲットできる
人形を当てられました。



言葉遅れとお人形遊び

2007-07-27 08:48:30 | 国語

「言葉が少し遅いなぁ。」と心配な時
お人形遊びは 言葉の発達をうながすのに
ぴったりの遊びです。

お人形の家の中で
幼い子は自分の生活の全てのシーンを
楽しく経験し直すことができます。

日ごろは つい世話に追われて
言葉かけが少なくなってしまう親御さんも
こんな遊びの中なら
いろんな会話を楽しめますよね。


最近接領域って? 勉強が得意になるには?

2007-07-24 21:10:01 | 幼児教育の基本

「最近接領域という言葉を知っていますか?
「自力で できる」と
「手伝ってもらえばできる」ことの間にある
領域のことなんです。

「自力でできる」所ばかりしていると 進歩がないし
「手伝ってもらってもできない」所をしても 効果がない
「最近接領域]こそ 
それぞれ子どもにぴったりの学習レベルなんですね。


虹色教室のレッスン内容は
この「最近接領域」を見極めながら
決めています。
家庭で教える時にも
これを目安にすると 失敗がないですよ。 

上の手作り教材は
黒い小さな円が回転する仕組みになっています。
(100円ショップの回転台を裏返して作りました)

これ小学校受験で定番の
観覧車に乗って移動する問題を
さわって学べます。

4歳のTくんの「最近接領域」は

「自力で写真のように並べること」 と

「周りのキャラクターをいくつか裏返し
黒い円を動かしてから それを当てること」
 
の間です

Tくんにぴったりの遊び 思いつきますか?


手作りカルタで広げる 言葉の世界

2007-07-21 19:44:24 | 国語

慣用句もことわざも 
難しい語彙の意味も
手作りのカルタにしてしまうと
幼児でも親しめてしまうから不思議です。

子どものイラストって
何だか 味があります…

上の写真の裏面 わかりますか?
お題は 「わらう」

答えは 左から

目くそ鼻くそを笑う

今泣いたカラスが もう笑う

鬼が笑う




計算が得意になる木

2007-07-18 10:09:40 | 記事のまとめ(リンク)

毎日100マス計算をすると
学力が上がるという話をよくききます。
それは本当の話なのだと思います。

でも虹色教室では 
こうした計算のワークは
子どもが乗り気な時だけ
本気で取り組ませることにしています。

なぜって 子どもの手の動きはぎこちないので
手の動きに合わせて学んでばかりだと
学ぶこと 考えること自体が
キライになってしまうからです。

上の写真は
虹色教室で計算が得意になるための
手作り道具です。

木片の表に式 裏に答え
が書いてあります。
☆パッパッと答えを当てながら
木片を机から落としていったり
☆2人で向き合って木片を出し合い
答えを先に言った方が勝ち というゲームで遊んだりします。

こうした遊びをしていると
計算をすることが快感になってきます。
「100マス計算」等も自分からやりたいと
言い出したりします。
また 発達障害等があって
学ぶことに困難がある子には
特に効果があるようです。

木片が安く手にはいらない時は
100円ショップの園芸コーナーの
40枚100円ほどで売っている
植物の名前をかくプレートで作ることもできます。


番外 息子の話

2007-07-18 10:08:58 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
うちの息子
動きは まったりのんびりしていますが
頭の中は 多動です。

次々アイディアがひらめくので
小学生の時から ちょっとした企業家でした。

小3の時 近所の女の子を部長に
年下の子らを社員にして 
「そそそ会社」を立ち上げました。
(もちろん自分が社長です)

この会社なかなか本格的で
社則から 新入社員面接テストから
テレビゲーム製作部門 ボードゲーム製作部門
映画製作部門までありました。

おもちゃで作ったジオラマで
シルバニアのお家に立てこもった犯人と
怪鳥の出てくるビデオ映画はなかなかの出来でした。

「何かのコンテストに出してみたら?」とアドバイスしたところ
監督気取りの息子から
「お母さんは、遊びってものをわかっていないなぁ。
コンテストとか関係なく ムダ~な感じが遊びなんだよ
と叱られました。

そんな順調に成長していた「そそそ会社」でしたが…

ある日の朝
小1の社員(息子がつねづね働きが悪いから営業に回すとぼやいていた子)から
「ぼくも社長になりたいので 独立します」
というファックスが…
そうして会社ごっこは次の遊びへと変化していったのでした。


上の写真は当時のなつかしい名残です。
ある日 おやつのぷくぷくたいを食べていた社長が
「アイスをはさんだらおいしいよ!これ!」とひらめき
おまけに
「このお菓子の袋に書いている住所 会社のでしょ。ぼく手紙を書いてみるよ。」
という またまた周囲を唖然とさせる案を思いつき
汚い字で手紙をだしたのです。

と 忘れた頃に
会社のお客様相談係の方から
ダンボールいっぱいのお菓子の詰め合わせとともに
ていねいなお手紙が届いたのです。

本当にびっくりです。世の中には親切な人やユニークな人が結構いるんですね。
そんな人々に支えられて
子どもは大きくなっていくんだなぁ、と感動しました。


番外 娘の話

2007-07-16 16:34:47 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
息子に対する思いは
いくつになっても幼児の時のまま
「かわいい~、面白~」と進歩がないのですが
これが娘に対する気持ちとなると かなり違います。

一言で言うと「娘はイイ!」です。

いろんな意味で女親にとって 女の子は なんだか好い存在♪
高校生ともなると もう一人前の大人。
女同士としてたくさん共通項があるけど 別人種。
遠慮の無く口げんかをしたかと思えば
おしゃべりで盛り上がっちゃうし…
と娘相手だと 親と子って関係超えたいろんな関わりがあります。

長子の娘は 善くも悪くも 両親からの注目を全身に浴びて成長しました。
2歳になるまで 「育児マンガ」もつけていましたし
アルバムの写真も娘ばかりが やたら多い。
息子の時はゆるゆる育児へ一気に転落したもので…
最近 子どもたちが幼い頃のビデオを見ていたら
娘の後姿を追いかけ続けるカメラマン(ダンナ)が
一瞬 息子のあくび姿を捕らえるシーンがありました。
が そのあくびが終わらないうちに 
再び娘の追っかけシーンに変わってました。
愛情に差はないのに
この落差

その分 感情的に叱ったり 
束縛する面も多かったように思います。

上の写真は2年前 15歳の娘をスケッチして
その時の思いを詩にしたものです。   

     娘は15才
    
娘がいるってステキ     
同じ屋根の下にひとり     
女の子がいる輝き
     
彼女の織る布に     
まだ木綿の糸はかからない     
空想と希望が     
縦に横に     
光の色で織り込まれていく      

わたしは     
ひとつの風景を心に抱く     
青い果てしない空が     
ちいさな花に      
思いを寄せている     
そんなことなどつゆ知らず     
小さな花は     
空を見上げるばかり                  

障害のある子とゲーム

2007-07-15 23:17:10 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
上の写真は知的障害のあるLちゃんが大好きな
世界一周ゲームです。
Lちゃんは小学3年生。
でも知的障害があるため 知能は3歳くらいです。

はじめて教室にきた小学2年生の時に
3ピースの動物パズルを合わせること
3以上の数を数えること
犬、猫、きりん、といった基本的な動物の名前
を言うことができませんでした。
ニコニコ人なつっこく笑うものの
どんな簡単そうなゲームにも遊びにも
興味をみせませんでした。

そんなLちゃんがゲーム好きになるきっかけとなったのが
この世界一周ゲームです。
本来のルールは難しいので
変わりばんこにコマを動かしては
「グルメですか? イベントですか? ショッピングですか?」
とたずねて 自分の選んだカードをもらうという
簡単なルールに変更しました。
さいごに集めたカードをいっしょに数えます。

Lちゃんは 外食したり 買い物したり
 お出かけしたり
するのが 大好きなんです。
カードを選ぶ時、ほんとにうれしそうな顔をします。

そうして積極的な態度が少しずつでてきたLちゃんは
かけざんや音読にもチャレンジするように
なりました。

遊びの力はすごいなぁ と改めて実感しました。